セールスパーソン

 

長短はっきりさせ、真のニーズに光りをあてる

 

マニュライフ生命保険  新潟営業所

石田 豊 ユニット・マネージャー

 

マニュライフ生命の石田豊さんは、土地活用会社から転職。すでに保険市場は狭隘化していたが、飛び込み営業を基本に挙績を重ねてきた。後進の指導も任され、法人営業へと販路を拡げてきたが、顧客視点で正直に保障を提案する姿勢は一貫して変わらない。

 

 

 

 

 

飛び込みこそ保険販売の原点

 

「自分の販売ばかりでなく、組織を大きくしていくために採用や育成にも注力しています」

 

縁あって、プランライト・アドバイザー(PA、営業職員)としてマニュライフ生命に入社した石田さんだが、5年後、ユニット・マネージャーとして後進の指導に当たっているなどとは思いも寄らなかった。

 

きっかけは既契約者への保全活動。契約内容の確認を一通り終えると「今後の進路について悩んでいる」と相談を持ちかけられた。「それなら保険の仕事はどうか」と同社の採用から育成までのシステムを説明すると「もっと話を聞きたい」と関心を示す。COP(キャリア・オポチュニティ・プログラム)を受け、入社直前には保険募集に意欲をみせた。

 

「たまたまだったとはいえ、私を経由して入社したので『きちんと育ってもらいたい』と責任を感じました」

 

役職としてではなく、後輩として応援しているうちに、ひょんなことから2人目の採用が決まった。入社の面接のときは、落ち込んでいたが、話しているうちに「やってみます」と気持ちが動く。

 

「親分的に『よし、オレに任せておけ』というノリはたしかにありました」と言うが、「安心して頼れる」包容力に惹きつけられるのは、採用候補者だけではない。保険の見込客も同じだ。

 

●ドアでなく心を開ける

石田さんは今でこそ法人保険をメーンに扱うようになったが、縁故のないエリアで住宅地の飛び込み募集から始めた。

 

「不在宅や断りの多さから、飛び込みを否定する人もいますが、生命保険こそ飛び込みから始まると思っています。1日最低30軒は回りました。新しい分譲住宅が建ち並ぶようなところが、いちばん保障を必要としている人たちがいます」

 

しかし在宅していても反応はあるのか。夫が出かけ、家事を済ませ、子どもを寝かしつけ、一息ついたところを見計らって回るのがポイントだと言う。

 

「みなさん『保険は結構です』とおっしゃるので『保険にはご加入だと思いますが、ご安心ください。今日は保険の話ではありませんから』と、とにかく玄関まで出てきてもらうことに注力しました」

 

1回目に飛び込んで「このお宅は、もう1回いける」と感触を得られるのは、30軒訪問して3軒のペースだそうだ。そこへ3日と空けずに再訪していくと2、3回で面談のアポイントが取れる。最盛期は1年で50家族、ほぼ週に1軒の割合で成約していった。

 

家族そろってのアポイントを取っていると「主人には内緒なんですが、貯金通帳に400万円あるんです。でも、今度ライフプランのお話をするときはないことにしておいてね」とポロリと話してくれる。

 

石田さんが尋ねたわけでもなく、奥さんも話さなくてもいいことで会話が成り立つ。家族で面談したときも、同じような光景が繰り広げられる。

 

「家の奥まで上げてもらったお宅は押し並べてオープンになります。『銀行にこれだけ預金があるけれど、住宅ローンを繰り上げ返済したらどうなる』といった質問がどんどん出てきます。1、2カ月前までは、お会いしたことも、しゃべったこともないご家族なのに、契約して外に出ると、みなさん総出でお見送りいただき『ありがとうございました。石田さん、今後ともよろしくお願いします』と言われるのですから、嬉しいですね。営業冥利につきます」

 

返戻率以前に保障の必要性強調

 

通りすがりに企業があれば、そこも飛び込んでいった。社長が直接対応してくれれば話も早い。ただ、財務や税務を勉強していかないと、経営者の話を分かってあげられない。これで本当にベストな提案ができるのだろうか。素朴な疑問からインターネットなどを覗いてみても、法人営業の先達たちは高度なテクニックを喧伝するばかりで、そこからは顧客のニーズや真のメリットが見えてこなかった。

 

「名義変更プランなど、どう調べても納得がいきませんでした。その流れから井上得四郎先生や奥田雅也さんとの出会いに繋がっていきます。優績倶楽部で得たものは大きいですね。勉強しないと法人保険は売れませんし、売ってはいけないとの思いを強くしました」

 

石田さんには個人・法人問わず「本当に保障のことを考えて売りたい」という一貫した信念がある。「なぜ、生命保険が存在するのか、保険の本質を踏まえ、この神聖な商品をきちんと販売していきたい」と言い切る。

 

自らのコミッションはあくまで結果でしかない。メリット・デメリットを必ず伝え、顧客が正しい判断ができるように導く。創業間もなかったり、赤字続きだったりすれば、逓増定期保険が本当に要るのか。短満期の定期保険などミニマムのコストで目先のリスクを保障すべきだろう。

 

企業の社長にも直言していく。保険募集人も、利益が出てくれば節税のニーズを見越した提案になりがちだ。「一般に、税効果を考慮した実質返戻率でメリットを強調しますが、いい時ばかりではないですよね」と問いかける。

 

「逓増定期保険もいつのまにか金融商品のような説明になってしまっています。年齢とともに死亡や病気のリスクが高くなっていくのに、他に手当てもせず、必要性が高まる前に解約してしまっていいのでしょうか」

 

もちろん、石田さんも法人向けのラインアップとして逓増定期保険や全損タイプの定期保険を取り扱うが、契約に至るプロセスで、商品の特性をきっちりと説明する。最近、こんな例があった。

 

●本音で顧客と向き合う

前任者の退職にともない「石田さんだったら任せられるから」と引き継いだものの、不在で挨拶のできなかった法人の社長から、突然「マニュライフさんの方がいい商品があるんでしょ?」と電話が掛かってきた。金融機関系列の代理店から保険を勧められているが、無借金経営で、借り入れがあるわけでもない。決算を控え、たしかに保険のニーズはあるが、見劣りのする商品に付き合う義理はないと言い放つ。

 

早速、複数のプランを持参、どれも社長の納得するものだったが、石田さんのセールスはここから始まる。

 

「全損といっても、保険料がまるまる戻ってくるわけではありません」

社長の年齢だと、逓増定期保険なら単純に100%を超える。そろそろ定年を念頭に、勇退退職金の準備も必要だ。

 

「ですから逓増定期を提案しました。社長と従業員のみなさんが頑張って生み出した利益が少しでも減ってしまうと申し訳ない気持ちになるからです」

 

社長が強い関心を示した全損タイプの定期保険は、7年後、75%のお金が益金として上がってくるが、そのときの使途がない。結局、益金として法人税を34・3%払ったら、トータルで半分になってしまう。石田さんは「それなら保険に入らないで、銀行に預けた方がいいのでは」とまで進言した。社長も納得はするが、どうしても手元の資金を潤沢にしておきたい理由があるのだと言う。

 

「7年後どうするんですか」「そのときは何とかするよ」「それじゃ困ります。売った責任がありますから」「いいよ。大丈夫だよ」。初対面なのに、まるで古くからの顧客のようなやり取りが続く。石田さんの面目躍如といったところだ。これで本当の付き合いが始まり、これから先は自分の責任だと言い聞かせている。

 

「利益の出ている2割の企業以外にも保障を必要としている法人はたくさんあります。私たちはもっと、プランライトの必要性を広くお伝えしていかなければなりません。育成も同じです。正々堂々と販売できる仲間をつくっていきたい。小手先で保険が売れる時代だとは思っていません」

 

石田さんの原点を見つめた活動を時代が求めている。

 

 

 プロフィール いしだ ゆたか 1955年生まれ。富山県出身。99年に土地活用会社から保険業界に転職。07年マニュライフ生命入社。12年ユニット・マネージャー。現在4人のPAを抱える。25歳で家業を継いだが、父親と連帯債務の借金が1億円近くにまでなって廃業に至り、万一のときの保障の大切さを身を以て体験した。

 

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