2022年10月7日 3074号

 

 

生保協会2021年度「相談所リポート」

 

相談・苦情件数、対前年度比33.9%増

 

一般社団法人 生命保険協会(稲垣精二会長)は8月26日、同協会の「生命保険相談所」に寄せられた相談・苦情をまとめた、令和3年度「相談所レポート」(№98)を公表した、このレポートでは、2021年度に生命保険相談所が受け付けた相談・苦情について分析すると共に、簡易・迅速で中立性・公正性が高い「金融ADR法」に基づく裁判外紛争解決制度である「裁定審査会」の運営状況についても掲載されている。紙幅の関係で、ここでは2021年度に生命保険協会の「生命保険相談所」に寄せられた相談・苦情について、その概要を紹介する。

2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の渦中にあるとともに、感染拡大がピークを迎えていた時期である。この間、相談所には「相談」事や「苦情」が8700件寄せられた。販売チャネルごとに寄せられた「苦情」や「相談」の実態と併せて見ていく。

 

一般相談内容別受付件数「契約有無照会」が半数

 

◆令和3年度の「生命保険相談所」受付状況

「保険相談所」が2021年度に受け付けた一般相談と苦情の合計件数は8700件で、前年度より2205件、33.9%増加した。内訳としては、一般相談が4758件(占率54.7%)、苦情が3942件(占率45.3%)となっている。

 

〈四半期別受付件数の推移〉

2021年度第2四半期から一般相談が増加している。苦情件数はやや減少したが、ほぼ前年度並であった。

 

〈男女別受付件数〉

男女別受付件数を見ると、男性は4432人(占率50.9%)、女性は4268人(占率49.1%)で、2020年度(男性:3125、占率:48.1%、女性:3370人、占率51.9%)と比較すると、2021年度は男性の占率が上昇している。

 

 〈受付場所別受付件数〉

生命保険相談所では、本部相談室だけでなく、全国各地に50カ所の連絡所を設置しているが、本部相談室と連絡所の受付件数の占率を見ると、本部相談室は75.9%(前年度64.2%)、連絡所は24.1%(前年度35.8%)となっており、前年度に比べて本部相談室の占率が上昇している。

 

〈経路別受付件数〉

第1回目の受付の際の経路別受付件数を見ると「電話」によるものが8396件で、全体の96.5%とその大半を占めている。

2021年度より開始した「WEBフォーム」は219件(占率2.5%)「訪問」は46件(占率0.5%)「文書」によるものは39件(占率0.5%)となっている。なお「WEBフォーム」による受付を開始したことにより「電話」と「訪問」の占率が減少することとなった。

 

◆一般相談受付状況

〈一般相談内容別受付件数〉

2021年度の一般相談件数は4758件で、前年度より2286件、92.5%増加した。内容別に見ると「契約有無照会」が2430件(占率51.1%)で最も多く、2021年7月より開始した「生命保険契約照会制度」に関する照会が多くを占めている。

 

第2位は「保険金・給付金」で475件(占率10.0%)だった。具体的には保険金や給付金の支払い手続きや支払いの可否に関する照会が多く、死亡した親族契約に関する請求可否等についての照会も寄せられている。

 

第3位は「隣接業界」の468件(占率9.8%)で、県民共済ほか、各種共済等、損害保険、旧簡易保険、少額短期保険に関する照会が多く寄せられている。

 

第4位は「加入・保険種類」の271件(占率5.7%)で、加入に関する全般的な相談や、検討している保険の商品の紹介希望等が寄せられている。

 

第5位は「会社の内容等」の157件(占率3・3%)で、生命保険会社の連絡先や会社名変更後の新会社名に関する照会等が寄せられている。

 

第6位は「解約」の134件(占率2.8%)で、解約手続きや解約返戻金に関する照会、認知症等による権利者に意思能力が無い場合の解約手続き方法に関する照会が多い。

 

第7位は「保障の見直し」の132件(占率2.8%)で、加入している保険の内容についての照会が多く寄せられている。

 

以降、第8位「その他」、第9位「契約内容の変更」、第10位「保険相談所」の順となっている。

 

苦情新契約関係・保険金給付金関係が上位

苦情発生原因 不適切な話法・募集行為・説明不足等

 

〈主な相談事例〉

●加入・保険種類

  • 持病があっても保険に加入することはできるのか。
  • 銀行を訪れたところ、節税になるからと外貨建保険を勧められた。加入したほうがよいか。

●契約内容の変更

  • 契約者が認知症の場合に死亡保険金受取人を変更する方法が知りたい。
  • 年金保険について、支払開始期の繰下げ方法を教えてほしい。

●保障の見直し

  • 保険が更新を迎える。保険会社に複数のプランを用意してもらったが、相談所からも助言をもらいたい。
  • 破綻した保険会社の保険証券を見つけた。現在の契約状態が知りたい。

●解約

  • 保険料年払いの保険を解約するが、未経過分保険料は返金されるのか。
  • 保険を解約したいが、契約者である母は施設に入所しており手続きができない。契約者本人以外が代理で解約する方法を教えてほしい。

●保険金・給付金

  • 被保険者である父が亡くなったが、死亡保険金受取人である母は父より前に亡くなっている。死亡保険金の請求方法を教えてほしい。

 

◆苦情受付状況

2021年度に生命保険相談所が受け付けた苦情件数は3942件で、2020年度に比べて減少した。月別に苦情件数の受付状況を見てみると、3月が最も多く410件、以下4月の382件、6月の340件がこれに続く。

 

〈苦情項目別受付件数〉

苦情件数を項目別に見ると「新契約関係」の占率が34.4%と、前年に比べて3.8ポイント低下しているものの、最も多くなっている。次いで「保険金・給付金関係」(占率29.3%)が多くなっているが、占率は前年度と同水準であった。以下「保全関係」(占率23.7%)と「その他」(占率7.8%)の占率が上昇しているが「収納関係」(占率4.7%)の占率は前年度と同水準であった。

 

〈苦情内容の上位項目〉

苦情件数を苦情内容別に見ると、第1位は「入院等給付金不支払決定」の538件(占率13.6%)で、前年度より件数で67件減少、占率で1.4ポイント低下している。

 

第2位は「説明不足」の533件(占率13.5%)で、前年度から件数で19件減少、占率は0.2ポイント低下している。

なお、この2項目が上位を占める傾向が続いている。

 

第3位は「不適切な募集行為」の372件(占率9.4%)で、前年度より件数で19件減少、占率で0.3ポイント低下している。

 

第4位は「解約手続」の303件(占率7・7%)で、前年度より件数・順位・占率ともに上昇した。

 

第5位の「入院等給付金支払手続」(件数282件、占率7.2%)は、前年度から順位は横ばいだが、件数・占率ともに上昇している。一方、第6位の「不適切な話法」(240件、占率6.1%)は、前年度より順位・件数・占率ともに低下している。また、第7位の「契約内容変更」(157件、占率4.0%)と第8位の「解約返戻金」(141件、占率3.6%)は、前年度から順位については横ばいだが、件数・占率ともに上昇している。

 

 〈苦情の発生原因別受付件数〉

苦情件数を苦情項目・内容別、発生原因別に見ると表5のようになる。

発生原因別に見ると「営業担当者(営業職員・代理店)」を原因とする苦情が最も多く、2073件(占率52.6%)で、苦情の全体の半分強を占めているが、占率については前年度より2.7ポイント低下している。次いで「制度・事務」(取り扱いには疎漏は無いが、現行の事務・約款・会社の制度そのもの)を原因とする苦情が1659件(占率42.1%)で、占率については前年度より2.7ポイント上昇している。

 

〈主な苦情発生原因の内容(上位項目)

①営業担当者(営業職員・代理店)

項目別では「新契約関係」(占率59.4%)が半分以上を占め「保全関係」(占率19.0%)「保険金・給付金関係」(占率11.7%)と続いている。

「新契約関係」では「説明不十分」が515件(占率24.8)が最も多く、次いで「不適切な募集行為」が366件(占率17.7%)で、無理契約や無断契約に関する申し出が多く、3番目に多いのは「不適切な話法」の240件(占率11.6%)で、乗換募集に関する申し出が多い。

「保全関係」では「解約手続」が166件(占率8.0%)で、具体的な内容としては、手続遅延・放置・ミスに関する申し出が多く、次いで「契約内容変更」の64件(占率3.1%)が続く。こちらについても同様に手続遅延・放置・ミスに関する申し出が多かった。

 

②制度・事務

項目別では「保険金・給付金関係」(占率50.9%)が半分以上を占めており、次いで「保全関系」(占率28.3%)となっている。

「保険金・給付金関係」では「入院等給付金不支払決定」が398件で半分以上を占めており、具体的には告知義務違反による契約解除、約款に規定された手術・入院非該当、がん・成人病等非該当等が多かった。

次いで「入院等給付金支払手続」が207件で、支払前に行われる確認や、手続書類・方法に関する申し出が多かった。

「保全関係」では「解約手続」が109件で最も多く、手続書類・方法に関する申し出が多く、次いで「解約返戻金」が84件で、これについては解約返戻金の額に対する申し出が最も多かった。続いて「契約内容変更」の82件。保険金額・保険期間・種類の変更に関する申し出が多数を占めた。

 

3面 アンケート調査

 

金融庁

保険会社における障がい者等に

配慮した取組みに関するアンケート調査

 

金融庁が「保険会社における障がい者等に配慮した取組みに関するアンケート調査」の結果を公表した。契約の始期から終了までの間、さまざまな手続きが必要となる保険契約。障がいがある人たちの負担を軽減するために保険会社はどのような取組みを行っているのか。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

圧倒的に多い糖尿病高血圧の就業リスクも語ろう

 

がんと比較して糖尿病や高血圧症がいかに多いか。総患者数の人口比リスクも単年度ながらがん罹患累積リスクといい勝負になっています。予防と就業不能にならないための進行を止める工夫も考えていく必要がありそうです。

 

7面 育成

 

私が新人を育て上げます!

11月戦を意識したお客さまとの接点づくり

 

今年は台風が連続して発生したり、被害を受けたり、コロナ禍に加えて大変な年になっていますが、お客さまに寄り添った活動はできていますか? さまざまな被害に対するサポートを最大限にしていきましょう。

 

8面 見込客発掘

 

お客さまをこう見つけ、こう育てる

つみたてNISAのアドバイスに強くなろう!

 

NISAの恒久化が見込まれています。また、金融教育を国家戦略に据えるといった報道がされており、今まで以上にNISAや金融教育のニーズが高まりそうです。保険セールスにおいても、専門外だから「知らない」では済まされません。

 

10面 新商品

 

SOMPOひまわり生命

「家族がつながる介護保険」

 

通信販売でも加入が可能であり、認知症になった場合は一時金で保障する。また、要介護1以上の場合は一時金で、要介護3以上の場合は終身で介護を保障する。万が一を予防するための「お散歩アプリ」も活用する。

 

11面 新商品

 

朝日生命

「療養サポート」

 

病気やケガでで30日以上継続入院した場合や、所定の3大疾病で14日以上継続入院した場合には「収入保障給付金月額×6」を一括で支払う。これにより病気やケガの療養に伴う経済的なリスクに備えることができる。

 

12面 拠点長

 

拠点経営のための活動指針

12月年責に照準を合わせ拠点を運営

 

12月は何かと慌ただしく、かつ11月戦を終えてひと息つきたくなる月である。しかし、一方で年責の完遂を目指していよいよラストスパートをかける月でもある。年末に向けて、新契約生産の活動時間も制約されがちな12月の活動方針を示す。

 

14面 採用・育成

 

統率力と拠点経営

保険の役割を叩き込むことから始める

 

着任以来4年連続で優秀表彰を続けた今村所長。優績の秘密は、職員の意識改革と地元密着の経営にありました。営業叩きあげの実力と指導力で、個人能率の高い組織を作り上げました。一匹狼の多かった営業職員を一つにまとめればこその偉業でした。

 

 

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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電話 03-3317-0391

 

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