2022年6月24日 3061号

 

 

T&D保険グループ

「2022年3月期決算」

 

3社合算「新契約価値」235億円増

 

 新契約ANPは1219億円・前年比10.5%増、基礎利益1840億円・同14.3%と安定した業績を確保︱T&D保険グループは5月13日「2022年3月期決算」について発表した。対面での募集チャネルをメインにしている生命保険会社では、顧客との面接機会の減少や職域への出入規制など、コロナ禍の影響により、その募集活動は大きく制約・制限を受けてきた。こうした困難な状況下・環境下にあって、生命保険各社は様々な施策や対応策を講じることによってこの難局に対峙してきたT&D保険グループについては、“対コロナ禍”下にあって、2022年3月期の決算状況はどうだったのか。具体的には「コロナ禍」の以前、そしてその「渦中」の中にあった昨年度と比較してどのような決算結果だったのか。

 T&D保険グループにおける「中核生保3社」における今期の決算状況を、契約業績を中心に取りまとめた。

 

グループ修正利益は前期比大幅増

 

●2022年3月決算のポイント

⑴ T&D保険グループ決算の概況

  1. グループ修正利益(注1)は、太陽生命の新たな「再保険取引」(注2)の影響により前期から減少したものの、この影響を除けば国内生命保険事業および米国再保険関連会社である「フォーティテュード」社の業績が好調だったことにより、前期から大幅に増加した。
  2. 親会社株主に帰属する当期純利益は、米国金利の上昇に伴う前出のフォーティテュード社の会計上の一時的な評価性損失等により、前期に比べて減少した。
  3. 「Group MCEV」は、新契約価値の積み上げ等により前期末から増加した。

 

注1:当期純利益に対し、市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損益等を調整した経営実態を表す指標。

注2:資産運用リスクを削減し、将来収益および資本効率の向上を図ることを目的に実施したもの。

 

⑵ 国内生命保険事業

①保障ニーズが高まる中、対面・非対面を融合した営業の定着等により、契約業績は堅調。

T&D保険グループの主要経営指標である「新契約価値」(注)および新契約年換算保険料ともに前期に比べて増加した。

②T&D保険グループにおける「中核生保3社」の基礎利益は、利息および配当金等収入の増加により、前期に比べて増加した。

注:「新契約価値」とは、当期中に販売した新契約(「転換契約」を含む)の価値を表したもの。

 

⑶ 事業ポートフォリオの多様化

「T&Dユナイテッドキャピタル」では、親会社株主に帰属する当期純利益は減少したものの、前出の通りフォーティテュード社の業績が好調だったことにより、修正利益は前期に比べて増加した。

 

⑷ 通期業績予想・株主還元

  1. 2023年3月期(予想)のグループ修正利益は1060億円と、太陽生命の再保険取引の影響がある2022年3月期(392億円)から大幅な増加を見込んでいる。
  2. 2022年3月期の1株当たりの年間配当金は56.0円(うち期末配当金28.0円)で、前期から10.0円の増配予定(通期予想とおり)。

2023年3月の1株当たりの年間配当金(予想)は62.0円で、前期から6.0円の増配予定。

 

●国内生命保険事業(新契約・保有契約の状況)

⑴ 新契約の状況

新契約価値は3社合計で1669億円、前年差で235億円増加した。

また、新契約年換算保険料は3社とも前期比でプラスを確保し、合計で1219億円となった。

⑵ 保有契約の状況

 

保有契約年換算保険料 (単位:億円)

年換算保険料(前年差)/うち第三分野(前年差)

  • 太陽生命5,800(△96)/1,277(+68)
  • 大同生命7,989(+10)/1,463(+28)
  • T&Dフィナンシャル1,641(+163)/34(+4)
  • 3社合計15,431(+77)/2,775(+101)

 

●国内生命保険事業(健全性指標)

ソルベンシー・マージン比率はT&DH連結で、1026.3%だった。実質純資産は前期末比で4332億円減少し、2兆6675億円だった。

 

T&D保険グループの「中核生保3社」の状況

 

●太陽生命

①保障性保有契約年換算保険料(注)は、上場以来の最高値を記録した。

 

②保障性新契約年換算保険料(注)は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」等の「ウイズコロナ時代」に対応した営業活動の推進「感染症プラス入院一時金保険」や「ガン・重大疾病予防保険」の好調な販売状況が継続したことにより、前年度から11.5%増加した。

 

③保障性保有契約年換算保険料は、入院一時金保険等、第三分野商品の販売が好調であったことにより、前年度末から1.6%増加し、上場以来の最高値を記録した。

 

注:「保障性年換算保険料」(太陽生命独自の指標)とは、年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障部分の合計。 この指標は、EV(エンベディット・バリュー)の伸展に大きく寄与するため、太陽生命が契約業績の中で重視している指標である。

 

●大同生命

①新契約高は堅調に推移し、前年度から増加した。また、保有契約高については前年度末から純増となった。

 

②対面・非対面を組み合わせた丁寧なコンサルティング営業の実践等により、コロナ禍で高まっている「お客さま」の保障ニーズに対し的確に応えたことによって、主力である定期保険、特にオーダーメイド型商品(αシリーズ)の販売が好調に推移した。

 

③「がんステージ限定型Jタイプ」(2020年12月発売)の販売が好調に推移したこと等により「就業不能・介護保障商品」の新契約高も前年度から増加した。

④新契約高が堅調に推移したことにより、保有契約高は前年度末から純増となった。

 

同社ではこの間、Web会議システムを活用して医師の診査を行う「リモート診査」(2021年4月)、非対面で「告知+尿検査」を行う「かんたんセルフ」(2021年6月)を実施した。 また「法人契約では業界初」となる、すべての保険加入手続きでのリモート化を2021年10月に実現した。

 

さらに2022年1月には「予防」と「そなえ」を一体化した健康増進型保険である「会社みんなでKENCO+」を発売、また、2022年3月には中小企業とともに社会的課題の解決に取り組んでいくためのWebサービスである「どうだい?」の提供を開始した。

 

●T&Dフィナンシャル生命

①新契約年換算保険料は堅調に推移し、保有契約年換算保険料は前年度末から増加した。

 

②新契約年換算保険料は271億円で、前年度から3.4%の増加だった。対面・非対面を融合したサポート体制の充実により、募集代理店における同社商品の認知度がさらに向上したことや、海外金利の上昇による商品の魅力向上等により、一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」や変額保険「ハイブリッドシリーズ」を中心に販売が堅調に推移した。

 

③保有契約年換算保険料は1641億円で、前年度から11.0%増加した。

 

同社の「人生100年時代」の自助努力による資産形成をサポートする「ハイブリッドシリーズ」は「投資信託」と「生命保険」を融合した変額保険。2021年6月に販売を開始した「ハイブリッド アセット ライフ」、2021年12月に販売を開始した「ハイブリッド あんしん ライフ」に加え、2022年4月より「ハイブリッド つみたて ライフ」を発売した。

 

マーケット環境が不透明な中でも、このシリーズ3商品で「資産形成層」から「高齢層」まで幅広くカバーし、顧客の保障ニーズやリスクの許容度に応じた設計も可能な商品を提供してきた。

 

また、2021年2月に発売された就業不能保険「働くあなたにやさしい保険2」は、三大疾病やケガによる継続的な収入減少に備える「年金コース」と、三大疾病による治療費等の一時的な支出増加に備える「一時金コース」の2つのコースから選択することができる商品であり、発売以来、販売は順調に推移している。

 

●ペット&ファミリー損害保険の状況

T&D保険グループの損害保険会社であるペット&ファミリー損害保険(ペット保険)については、当期純利益は保険金の支払いが増加した影響により、純損失となったものの、保有契約件数の堅調な増加に伴う収入保険料の増加により、前期から改善している。

 

3面 コロナ対応

 

新型コロナウイルス感染症に対する

海外主要国の生命保険業の対応(前編)

 

生命保険協会がこの4月15日に公表した「新型コロナウイルス感染症を巡る生命保険業界の取組み報告書」は、コロナ禍に対する生命保険業界の様々な対応について取り纏めたもの。今回はこの中から、海外主要国の生命保険業界のコロナ禍対応について紹介する。

 

4面 リスク

 

相続と贈与問題を考える

子供の将来の暮らし向きについて顧客の考えを確認

㈱資産とリスク研究所 代表取締役小山浩一

 

遺産動機の観点で顧客にアプローチする際、税の観点から話をする前に、まず子供の将来の暮らし向きについて顧客の考えを尋ねます。この点で心配するものはほぼ半数近くおり、資産を子供世代に残すために貯蓄する可能性が高いからです。

 

5面 営業情報

 

デュアル営業時代に磨く

セールスリテラシー

KIネットワークパートナーズ 代表 石川浩司

 

インボイスは業務のDX化を絡める

税理士・保険募集人・コンサルタントの協業で始めたインボイスのセミナーには43人が参加。「インボイスの対応は、企業の業務をDX化し、楽にした結果対応ができている、という状態にするべき」との話が、次の動きへと繋がっていきます。

 

6面 地域共生

 

明治安田生命×日本赤十字社

包括パートナーシップ協定を締結

 

明治安田生命と日本赤十字社は5月27日「『地域づくり・未来世代』応援プロジェクト」の展開に関する包括パートナーシップ協定の調印を行った。両社が協働し、人々の健康・福祉を支え、持続可能で希望に満ちた豊かな地域社会づくりに貢献することを目的とする。

 

8〜9面 活動確認

 

ランクアップチェックシート

女性一人ひとりと向きあう提案

 

未だに女性の生命保険加入率、金額などは男性の後塵を拝しています。配偶者に死別した女性が独りで生活する期間が長いのに、夫のみが個人年金に加入するというちぐはぐな現象も続いています。女性目線からの提案を整理していきます。

 

10面 商品改定

 

FWD生命

「FWD医療」改定

 

「FWD医療」に、2回目以降の支払事由に通院も対象となる「がん診断給付金特約」を新設した。また「特定疾病給付金特約」の保険料率を下げる。新設の特約は、1年に1回を限度に支払うが、通算支払限度はない。

 

11面 損保等新商品

 

スマートプラス少額短期保険

「OMAKASEキャンセル保険」

 

この商品は、予約管理サービス「OMAKASE by GMO」と提携したもので、レストラン予約のキャンセル料を最大で100%補償する。個人が任意でレストラン予約をキャンセルした場合に備える保険は日本初。

 

14面 募集活動

 

生命保険販売の原点を学ぶ

福利厚生の充実をズバリ説く

 

最初は「そんなお金があれば資金繰りにする」とおっしゃる。「それが間違いなのですよ。社員さんの福利厚生を蔑ろにして資金繰りをやっている間は本当の会社ではないですよね。社員さんにも分けて上げましょうよ」とズバリと進言していきました。

 

 

 

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