2022年5月6日 3054号

 

 

生命保険協会

「生命保険乗合代理店業務品質評価運営」

説明会

 

2年間にわたる議論経て基準を策定

 

一般社団法人 生命保険協会は4月8日、この4月4日からスタートした「生命保険乗合代理店業務品質評価」についての説明会を、東京千代田区丸の内の同協会で開催した。

 

「基本項目」「応用項目」で210項目

 

当日は、生命保険協会の濱田義博業務教育部担当部長、前田智浩業務教育部 代理店業務品質調査グループ調査役が「生命保険乗合代理店業務品質評価運営」の具体的な内容について説明を行った。

 

■スタートまでの経緯

「代理店業務品質SG」 生命保険会社以外もメンバーに

 

「生命保険乗合代理店業務品質評価運営」については、今年4月4日からスタートしているが、この「運営」そのものについての検討は、2020年6月に第1回目となる「代理業務品質のあり方等に関するスタディーグループ」(以下「代理店業務品質SG」)を開催、その後20回以上にわたる議論を経て、この4月4日のスタートに至った。

 

なお「代理店業務品質SG」のメンバーについては、座長を生命保険協会は務め、保険代理店13社、保険代理店関係の社団法人2団体、消費者を代表して全国消費生活相談員協会、それに生命保険協会の会員である生命保険会社42社がメンバーとなっている。

 

これは生命保険協会にとっては極めて珍しい事例ではあるが、生命保険会社以外の関係者にもメンバーに入ってもらい議論を進めてきた。

 

消費者にとって「理想的な乗合代理店」の評価基準を210項目設定

こうしたメンバーとの2年間にわたる議論を経て、生命保険乗合代理店の業務品質について、210項目(内訳:基本項目150項目、応用項目60項目)の業務品質評価基準を策定し示すことができた。

 

業務品質評価項目

「基本項目」(マスト)と「応用項目」(アドバンス)に分ける。具体的には、消費者にとっての「理想的な乗合代理店」として(乗合代理店に)求められる取り組み、それは具体的にどのような項目であるのかについて、代理店業務品質SGのメンバーと時間を掛けて議論してきた。結果、前述の通り、業務品質評価基準として210項目の“基準”を取りまとめることができた。

 

なお、業務品質評価基準については、生命保険協会のホームページでも公開している。内容は「基本項目」が150項目、応用項目が60項目という構成になっている。ちなみに、このうちの「基本項目」については、いわば代理店が「MUST(マスト)」で取り組むべき項目ではないかというものである。生命保険乗合代理店として消費者にサービスを提供するにあたって、“できているべき”項目がこの「基本項目」である。

 

一方で「応用項目」とは、その(基本項目)先にある、より“アドバンス”な取り組みのことで、応用項目に掲げられているようなサービスや取り組みを実行すれば、消費者により喜んでもらえるのではないかというものについて、生命保険会社の立場からだけではなく、代理店業務品質SGのメンバーである代理店からの意見も汲み上げて、策定した。

 

「代理店品質評価基準」に示されている210の各項目について、その達成を目指すことにより、その代理店の業務品質の向上が期待できる。まずは代理店が「業務品質評価基準」の各項目について確認し、自社の取り組み状況を把握するようにしてもらう。

 

基準策定 消費者が求め期待していること

 

■代理店業務品質評価基準策定の経緯

対応が生保会社ごとにマチマチな乗合代理店の現状

 

代理店の「業務品質評価基準」を策定していくにあたっては、ご存知の通り、これまでは生命保険に加入する際の消費者が選ぶ販売(募集)チャネルとしては、営業職員チャネルを選択する消費者の割合がかなり高かったのだが、ここ最近では生命保険乗合代理店から加入する消費者も増えてきている。

 

こうした傾向について生命保険協会の会員である生命保険会社各社も、それぞれの立場でその顧客に対しての“業務品質”(たとえばコンプライアンス等も含む)の向上に向けての管理、監督、指導を行ってきている。ただし、生命保険会社個社と代理店の関係においては、当然のことながら「できること」と「できないこと」があるが、消費者が生命保険乗合代理店に求めて(期待して)いることが「できないこと」を“できないまま”にしておいて果たしてよいのだろうかという課題認識があった。

 

分かりやすい例で説明すると、生命保険乗合代理店で生命保険に加入した場合を想定してみよう。例えばある人が医療保険はA社で、死亡保険はB社で、さらに年金保険はC社に加入したとする。その人としては、自分にとってベストな保険商品を代理店にコンサルティングをしてもらい“良かった”という思いで加入したことと思う。

 

一方でこの人は、この代理店で加入をしたら、加入した生保会社は違ってはいても、例えば結婚して“苗字”が変わったり住所変更があったりした場合、この代理店に申し出れば、A、B、C3社全てについて、一括で変更手続きをしてもらえるものだと考えるだろう。

 

なお、名称や住所の変更といった生命保険会社における保全の手続きは、会社によっては代理店で手続きを完結できたり、または電子媒体でもって手続きを完結できるケースもあるが、他方こうした保全に必要な書類を改めて生命保険会社から取り寄せなければ手続きができないというケースもある。生命保険会社ごとにその対応はマチマチというのが現状のようだ。

 

とにかく乗合代理店での契約で、契約内容を変更する必要が生じた場合に、その代理店に対して変更申し出をすれば、その手続きはA社、B社、C社の3社について、変更手続きが一度にできてしまうというのが、消費者の乗合代理店に期待する気持ちの第一の点だ。

 

一方で、生命保険会社は個社として、その代理店に対して例えば契約内容の変更手続きの申し出や保険金給付金の請求に対して、万が一にもその手続きを放置したり遅延したりとか、請求もれとかが生じることがないように強く求めている。

 

しかし、同じ代理店に“乗り合って”いる他社の契約についてまで、同様の対応を求めることはできない。乗合代理店におけるこうした実情に対して、一定の基準を設けて消費者が乗合代理店に求めている、または期待していることに対してキチンと対応できるようにするためにはどうしたらよいか、あるいはどういった基準があるべきなのかについて、前述のように2020年の6月以降「代理店業務品質SG」において20回以上にわたって議論してきた結果が、この代理店の「業務品質評価基準」となっている。

 

以上述べてきたことが「業務品質評価基準」を策定するにあたってのベースとなっている当方の「想い」だ。

 

調査結果公表、あくまでパーツの一つ

 

■代理店の自主的・自発的な取組みに期待

当協会のホームページを通しても案内しているが、この案内では、生命保険協会が「代理業務品質評価」を申し込んだ(乗合)代理店に対して、その代理店を訪問(オンサイト)して調査をして、その結果を公表するという点をかなり強調しているが、これはあくまでも業務品質評価全体のパーツの一つにすぎない。

 

「生命保険乗合代理店業務品質評価運営」の主旨は、まずは代理店自身が、提示している業務品質評価基準に照らして、210の各項目について「できている」項目「できていない」項目について確認してもらい「できていない」項目が確認できたら、取り組んでいく項目の優先順位等も勘案しながら、改善に向けて取り組んでいってもらう。代理店の自主的、自発的な行動を期待するというものである。そして、その先に調査結果の「公表」がある。

 

なお、会員である生命保険会社42社の協力も得て、この「運営」について、その主旨も含めて、できるだけ広く代理店に伝わるように「運営」の案内のチラシを代理店に配布するとともに、生命保険会社各社の代理店担当部門を通しても案内をしてもらっている。

 

何よりも、この「運営」が4月4日から始まったことを広く代理店に知ってもらい、認知してもらうことが1丁目の1番地だ。

生命保険協会では「業務品質評価に関するWEB説明会」を開催している。

 

なお、4月5日から4月8日までの4日間「業務品質評価に関するWEB説明会」を実施したが、この間、約130の代理店が参加している。

 

何よりも「生命保険乗合代理店業務品質評価運営」が始まったことについて「知らなかった」とか「知っていれば、ぜひ申し込んだのに…」といったような代理店を可能な限り少なくするように努力していきたい。

 

質疑応答

メンバーは30名は生保各社からの“出向者”が中心

なお当日の質疑応答から、その一部を紹介する。

 

:この「運営」を実施するための生保協会内の体制はどうなっているのか。

:約30名のメンバーで臨む予定だ。また、これは現在検討中なのだが、3名で1チームを編成する。このことによって、代理店の訪問時に“複数の眼”で調査、そしてその取り組みを評価することができる。また、“奇数”なので評価・見解が分かれた場合、多数決で判断することができる。

なお、当面のメンバーについては、生命保険会社各社からの“出向”という形で協力してもらった。ちなみに「運営」の主旨に賛同していただき、かつメンバーを出すことについて協力をしてくれた会社は15社以上にのぼった。出向者については代理店業務に精通している人、具体的には代理店マーケットにおける監督、営業、コンプライアンス等に精通している人をお願いした。

 

:担当部門はどこになるのか。

:今年度、業務教育部に「代理店業務品質調査グループ」を新設し、ここが担当することになる。

 

:各生命保険会社に対して、そこに所属(登録)している代理店から「運営」に対して照会や問い合わせなどがあったという話は聞いているか。

:反響はかなりあるようだ。ちなみに当協会にも「運営」に申し込みたい(調査を受けたい)のだが、どのような手続きが必要なのかといった内容の問い合わせがあった。

 

:代理店が一次調査に対して不満がある場合、再調査を申し出ることができるとあるが、その場合費用は発生するのか(「運営」に申し込んだ場合、利用料30万円を支払う)

:再調査では費用は発生しない。

 

:調査の利用料だが、例えば来店型ショップのようなケースだと、店舗単位で支払うのか。

:法人単位で支払うことになる。

 

:評価の結果について、例えば“星3つ”とか“星2つ”といったランク付け、格付けをするようなことはあるのか。

:調査の結果によってランク付けをするようなことはしない。もっとも、調査結果によってランキングを付けるといった議論はあったが、消費者ごとに代理店に対する評価基準は異なる。

たとえば42社の生保会社の中からベストな医療保険を選びたいという人がいる一方で、高齢者の中には簡便な手続きで加入することができる医療保険がベストだと考えて選択したという人がいるように、代理店に対する評価についても、その人の主観的な要素が多分に影響する。したがって「誰にとってのベストな代理店なのか」ということを考えると、ランキングを付けるというのは難しいのではないかと考えた。

 

3面 サービス

 

富国生命

「フコクからだサポート」運用開始

 

富国生命は、病気の早期治療や重症化などをサポートする顧客向けサービスである「フコクからだサポート」(通称「fサポ」)の運営を開始する。医療やヘルスケアの領域において顧客をサポートする、同社の加入者専用のサービスである。

 

4面 保険の買取

 

生命保険の買取の現状と展望 4

濱崎研治

 

これまで3回にわたって紹介してきた「生命保険の買取」(ライフセツルメント)は、欧米では生命保険契約の活用法の一つとして広く普及している。今回は生命保険の買取契約が成立するまでのプロセスについて、濱崎研治氏に解説してもらう。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

経営に影落とす身近な成人病リスク

 

〇歳から〇歳までに発生する傷病リスクを測るには、調べた限りでは、このようなデータは「悪性新生物=がん」しか見つからなかったのですが、明らかに就業に影響する代表的な傷病なので、この「がん」のリスクをベースに考えていきます。

 

7面 育成

 

私が新人を育てあげます!

情報収集から具体的なアクションを起こす

育成トレーナー 堀尾未佐子

 

新一年生の保護者の方に「学生総合保障制度」という任意加入の保険の紹介があったそうです。PTA経由だと掛け金が割引になるようです。それでその内容について、何件がご相談を受けました。春はリスクへの注意喚起がそこここで行われます。

 

8面 見込客発掘

 

お客様をこう見つけ、こう育てる

マイホーム購入者をクライアントにする

寿FPコンサルティング 代表取締役 高橋成壽

 

保険募集人がマイホーム購入層を開拓すべき理由の一つに「住宅ローン審査に通っている」ことが挙げられます。保険セールスの面談時には把握できない財務状況を、金融機関がチェックしてくれます。保険料を継続して払える可能性も高くなります。

 

9面 営業情報

 

保険募集のアップデート術

お客様が保険金請求できる環境整備を

株式会社IB 代表取締役 井藤健太

 

保険は「請求主義」なので「事故が起きた」「入院した」「亡くなった」といった連絡がないと、募集人としてアクションを起こせません。今回は、お客さまにお伝えしたい保険契約を探し出すための手段を洗い出していきます。

 

10面 商品改定

 

なないろ生命

「なないろがん治療保険極(きわみ)」

 

特長として、自由診療抗がん剤・ホルモン剤の治療、がん先進医療・患者申出療養制度による療養保障の新設等が挙げられる。また同時に、汎用告知書における2年以内の健康診断告知を撤廃した。これは業界初。

 

11面 商品改定

 

なないろ生命

「なないろメディカル礎(いしずえ)」

 

「なないろがん治療保険極」と同時に改定した医療保険。ニーズに合わせて選べるオプションが充実している。1入院の支払限度に120日型を新設。また手術給付金の倍率を最大で60倍まで拡大等の改定を行った。

 

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