2021年11月5日 3030号

 

 

生保労連

公平・公正な競争条件の実現訴える

 

株式会社かんぽ生命は、これまで新規業務を行うに際しては、内閣総理大臣(金融庁長官に権限を委任)及び総務大臣の認可を受けなければならないとされてきたが、2021年6月9日に、日本郵便株式会社は「郵政民営化法(平成17年法律第97号)第62条第2項」の規定により、かんぽ生命の株式の二分の一以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、6月9日以降、かんぽ生命の新規業務については「郵政民営化法」上、これまでの「認可制」から、内閣総理大臣及び総務大臣への届出が義務付けられる「届出制」となった。この「方針案」に対して、生命保険協会は9月14日付で「意見書」を提出しているが(本紙先週号にて既報)「全国生命保険労働組合連合会(生保労連:松岡衛委員長)」も同日付で意見書を提出した。

 

組合員から不安・疑問の多くの声

 

かんぽ生命の自己株式取得等により、日本郵政のかんぽ生命株式保有割合の低下が進められたことは、これまで生保労連が主張してきた完全民営化に向けた取り組みとして、一定の前進がはかられたものとは認識している。しかし、その水準は郵政民営化法上で規定された50%をかろうじて下回る49.9%であり、あわせて、今後の株式完全売却への明確な道筋は未だ示されていない。

 

これに加えて政府による「間接出資」も引き続き残る中、長期間にわたり、国の信用力を背景に事業展開を行ってきたかんぽ生命に対する国民の信頼感、いわゆる「暗黙政府保証」は未だに払拭されていない。さらに先般示された、(かんぽ生命の)新たな「中期経営計画」では、グループ一体運営の方針があらためて強く打ち出されている。

 

こうした中、加盟組合や組合員からは「民間生命保険会社の立場から、意見すら言えなくなってしまうのか」「未だ払拭されていない『暗黙の政府保証』と闘っている、営業現場の実態・声を聴いてもらう機会すら奪われてしまうのか」等といった大きな不安や疑問を訴える声が数多く寄せられている。

 

こうした状況に鑑みれば「他の生命保険会社との適正な競争関係を阻害するおそれの低下」など、到底ありえないと認識している。

 

「『郵政民営化に関する意見募集』について」(令和2年9月1日)でも申し述べた通り、生命保険産業が国民の生活保障を支えるべく発展を遂げていくためには、社会的使命・責任を果たし、顧客からの信頼を得ていくことは不可欠であり、かんぽ生命においても「顧客本位の業務運営」のさらなる徹底や、新規業務にあたっての募集・管理態勢等の適切な整備は欠かせないものと考える。

 

かんぽ生命への政府関与の解消が先決

 

今回の「方針案」について、生保労連では、まず意見書の冒頭で「生保労連は、郵政民営化にあたっては民間会社との公平・公正な競争条件を確保することが大前提であり、これが実現しない中で、かんぽ生命の業務範囲の拡大や加入限度額の引き上げを認めることはできず、まずは、かんぽ生命への政府関与(出資)の解消をはかることが先決である」との主張をこれまで一貫して行ってきた」。その上で「日本郵政による金融二社株式の二分の一以上を処分した後の金融二社の新規業務等に係る届出制の運営については、郵政民営化法および付帯決議で示された論点が十二分に配慮され、実効性のあるものとされることが大前提であると考える」として、この認識の下、この「方針案」に対する意見を概要、以下のように述べている。

 

なお、ここにある「論点」とは、次の3項目。

 

◦「郵政民営化法」第138条の2

郵便保険会社は、前項後段の規定により業務を行うにあたっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役無の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならない。

 

◦「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律案に対する付帯決議」(衆議院「郵政改革に関する特別委員会」)

日本郵便株式会社が金融二社の株式の二分の一以上を処分した後の金融二社の新規業務等に係る届出制が、単なる届出でなく、他の金融機関等との間の競争関係への配慮義務並びに郵政民営化委員会への通知義務を課すとともに、内閣総理大臣及び総務大臣による監督上の命令の対象としていることに鑑み、これらの規定に基づく政府及び郵政民営化委員会による二重のチェックが有効に機能することとなるよう制度の適切な運用に努める。

 

◦衆議院総務委員会

日本郵政株式会社が金融二社の株式の二分の一以上を処分した後の金融二社の新規業務等に係る届出制は、単なる届出ではない。他の金融機関等との間の競争関係への配慮義務及び郵政民営化委員会への通知義務を課すとともに、内閣総理大臣及び総務大臣による監督上の命令の対象としていることに鑑み、これらの規定に基づく郵政民営化委員会による対等な競争条件の確保等のための事前検証・評価、関係大臣による是正命令権限が有効に機能することとなるよう、制度の適切な運営に努めること。

 

このため、郵政民営化委員会の委員には、真に公平・中立な第三者を選任することとし、郵政民営化委員会は、必要に応じ利用者代表及び関係する業界団体が意見を述べる機会を確保するなど、公平・中立な機関として運営すること。

(次ページに続く)

 

2面 商品ニュース

 

太陽生命

「感染症プラス入院一時金保険」

 

太陽生命は9月1日、新型コロナ感染症にいち早く対応した「感染症プラス入院一時金保険」の販売件数が、昨年9月の発売から約1年で、早くも15万件を突破したと発表した。若年層から責任世代を中心に、幅広い年齢層のニーズ応えることができているという。

 

3面 論説

 

「分厚い中間層の復活」は可能か?

慶応義塾大学大学院特任教授 山内恒人

 

新政権は、その政策目標の一つとして「分厚い中間層の復活」を掲げている。これこそが経済に安定をもたらすとともに、何より生命保険市場の活性化をもたらすことになる。しかし、これは可能なのか。経済学者リチャード・クー氏の著書からその可能性を探る。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

身体障害者手帳の増加は高齢化が主因か

 

累積ではなく最高ポイントで、身体障害者手帳所持の年齢帯を集計しました。オーナー社長を考慮し70〜79歳で見てみると、6級以上9.1%、4級以上7.9%、3級以上5.9%です。ちなみに50〜59歳は6級以上でも2.1%でした。

 

8〜9面 FP販売

 

教えてFP相談室

資産運用の相談に強くなろう!   ⑦

 

今回は業績不振に喘ぐA社長と、老後資金に関する面談です。厳しい経営環境が続くなか、税効果を期待しながら老後資金の準備として加入した保険は必要なのでしょうか。A社長と法人契約の見直しを検討していきます。

 

10面 新商品

 

朝日生命

「おくすりサポート」

 

「高血圧性疾患」などで所定の投薬治療を受けた場合「治療開始給付金」を支払う(Ⅰ型の場合)。また「血栓症に対する抗血栓薬」などにより所定の投薬治療を受けた場合は「重症化予防給付金」を支払う。なお、同時に健康増進アプリの提供を開始した。

 

11面 新商品

 

朝日生命

「かなえる介護年金」

 

持病があるなど健康上の理由で介護保険への加入を諦めていた人たちも、5項目の告知事項に該当しなければ加入できる引受基準緩和型の商品。死亡保険金はないが、介護年金が支払われず死亡した場合は、死亡給付金を支払う。

 

12面 拠点長

 

〈拠点経営〉のための活動指針

1月  気分を一新し拠点経営を見つめ直す

 

2021年度も既に9カ月経過した。新年は気分を一新し、拠点経営を見つめ直し、年責100%達成主義のもとに拠点の質を高め、営業力をアップしていこう。それには拠点長の情熱、人間性もカギとなる。

 

13面 販売技術

 

新セールステクノロジー 187

自分のトークをテキスト化して推敲

 

話法上達のために作文演習をします。自分の話法を文章に書いて振り返るのです。テキスト化にはスマートフォンの音声入力の機能を利用するのも一法です。自分の話したものが文章化されて、はじめて推敲が可能になります。

 

 

 

 

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