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Ｔ＆Ｄ保険グループ  第一四半期決算

 

中核生保３社の契約業績堅調

 

８月10日、Ｔ＆Ｄ保険グループは「2022年３月期第１四半期決算」を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大が本格的に始まって以降、対面募集をメインチャネルにしている生命保険会社は、顧客との接触（対面）機会が制限・制約される中で様々な施策、対応策を講じてきており、その成果が現れ始めている。

 

コロナ禍、以前を上回る業績

 

こうした状況下で、特にコロナ禍の影響が顕在化し始めていた前年同期と比較して、同保険グループの第１四半期の決算状況はどうだったのか。

同保険グループの「中核生保３社」（太陽生命、大同生命、Ｔ＆Ｄフィナンシャル生命）の今期の業績を中心に取り上げる。

 

■Ｔ＆Ｄ保険グループ決算の概況

経営実態を表す「グループ修正利益」（注）は、国内生命保険事業が堅調に推移したことにより、計画を上回って進捗しており、前年同期から増加。

 

親会社株主に帰属する四半期純利益（純損失）は、Ｔ＆Ｄユナイテッドキャピタルを通じて関連会社化したフォーティテュード社の第１四半期会計期間（１月～３月）に係る、資産と負債の会計上の処理の相違による一時的な評価性損失の発生に伴い、前年同期から減少したものの、国内生命保険事業では前年同期から増加。

 

ＧｒｏｕｐＭＣＥＶは、新契約の積み上げがあったものの、フォーティテュード社の会計上の一時的な評価性損失の発生により、前期末からほぼ横ばい。

 

なお、第２四半期においては、フォーティテュード社の第２四半期会計期間（４～６月）に係る持分法による投資利益として、380億円程度を計上する見込み。

 

注：「グループ修正利益」は、当期利益に対し、市場の変動により生じる一時的な評価性損益等を調整した経営実態を表す指標。

 

■国内生命保険事業

保障ニーズの高まりに対応した対面・非対面を融合した営業の定着等により、契約業績は堅調。同グループの主要経営指標である「新契約価値」および新契約年換算保険料とも、前年同期から増加。

３社合算の基礎利益は、利息及び配当金等収入の増加等により、前年同期から増加した。

注：「新契約価値」は、当期中に販売した新契約（転換契約を含む）の価値を表したもの。

 

■事業ポートフォリオの多様化

フォーティテュード社において、米国金利上昇に伴い会計上の一時的な評価性損失が発生したものの、修正利益は計画を上回って進捗

 

■通期業績予想・株主還元

通期業績予想および１株当たり年間配当金予想の修正はない。

 

各社の主要ポイントと状況

 

●太陽生命

保障性新契約年換算保険料は前年同期から大幅に増加。コロナ禍以前の前々年同期と比べても増加した。

 

また、保障性新契約年換算保険料は、ウイズコロナ時代に対応した営業活動の推進、および「感染症プラス入院一時金保険」や「ガン・重大疾病予防保険」の販売が好調であったことにより、前年同期から60.7％の増加。また、前年４月、５月の緊急事態宣言による訪問活動の自粛を行ったことから大幅な増加となったが、コロナ禍以前の前々年同期と比べても17.5％増加。

 

一方、入院一時金保険等の第三分野商品の販売が堅調に推移したことから、保障性保有契約年換算保険料は０.3％とほぼ横ばい。

 

2020年９月に新型コロナウイルス感染症等の感染症による入院を保障する「感染症プラス入院一時金保険」を発売。2020年11月には選択緩和型商品でも取り扱いを開始し、2021年６月末時点では累計販売件数が13.5万件と好調だ。

 

2021年６月に、がん、急性心筋梗塞、脳卒中、糖尿病をはじめとする19もの疾病による所定の状態を保障する「ガン･重大疾病予防保険」を発売。販売件数は発売からわずか１カ月足らずで１万件を突破した。

 

●大同生命

新契約は堅調に推移し前年同期および前々年同期より増加。保有契約は前年度末から純増した。

 

対面・非対面を組合せた営業活動の推進を通じて、コロナ禍で高まっている顧客の保障ニーズに的確に応えたことにより、オーダーメイド型商品（αシリーズ）の販売が堅調。また「がんステージ限定型Ｊタイプ」（2020年12月発売）の推進等により、就業不能・介護保障商品も前年同期から増加。その結果、新契約高は、１回目の緊急事態宣言で営業活動を自粛した前年同期から増加した。

 

顧客への保障内容の丁寧な説明などにより、解約失効高が前年同期から減少。新契約高が解約失効高を上回ったことにより、保有契約高は前年度末から純増した。

 

Ｚｏｏｍを活用して医師の診察を行う「リモート診査」（2021年４月導入）、非対面で「告知＋尿検査」を行う「かんたんセルフ」（2021年６月導入）など、新契約時の非対面手続きを拡大･推進。

 

●Ｔ＆Ｄフィナンシャル生命

一時払終身保険「生涯プレミアムワールド５」の販売が好調だった。保有契約年換算保険料は前期末から増加した。

 

新契約年換算保険料は72億円で前年同期の１.9倍。コロナ禍においても、Ｗｅｂを活用したオンライン研修の実施や研修ツールの提供により、募集代理店での同社商品の認知度が向上したことや、海外金利の上昇により、外国為替連動型商品の魅力が向上したこと等により、一時払終身保険「プレミアムワールド５」を中心に販売が好調に推移した。

 

保有契約年換算保険料は1525億円で、前期末から３.2％の増加。

2021年２月に販売開始した「働くあなたにやさしい保険２」は、三大疾病やケガによる継続的な収入減少に備える「年金コース」と、三大疾病による治療費などの一時的な支出に備える「一時金コース」の２つのコースから選択できる商品に進化。販売は順調に推移した。

 

２面　DX戦略

 

大同生命

デジタルトランスフォーメーション戦略

 

大同生命は、同社のDX戦略について公表した。同社がこれまで培ってきた「リアルの接点」をデジタル技術で高度化するとともに「デジタルの接点」を拡充することで「お客さま視点」で新たな価値を創出し続ける企業への変革を目指すという。

 

３面　共済

 

こくみん共済coop

「マイカー共済」制度改正

 

こくみん共済coop〈全労済〉が「マイカー共済」の制度改正を行う。「運転者の高齢化」等、マイカー共済を取り巻く状況の変化や、近年の共済金の支払い状況を踏まえ、補償範囲の拡充や掛金水準・掛金設定方法の見直しを行う。

 

４～５面　募集手法

 

社会保障の知識が、なぜ、生命保険の募集に必要なのか

高額介護サービス費の改正

社会保障アカデミー協会　代表理事　青木隆憲

 

「高額介護サービス費」は自己負担額が一定以上の金額を超えると、超えた分が払い戻される制度ですが、今回の改正で、例えば課税所得が690万円以上の人は、その上限額が9.5万円もアップになります。

 

６面　法人開拓

 

法人営業のＡＢＣ

医療費控除と医療費援助制度⑩

税理士　池谷和久

 

「先進的な医療」は、国が定めた「先進医療」と、それ以外の臓器移植や遺伝子治療などを行なう「先進的な医療」の２つに分類されます。後者は健康保険の完全対象外となる自由診療で、全額自己負担となります。

 

 

８〜９面　ＦＰ販売

 

まるっとわかる！ＦＰサプリ

事業承継にチャレンジ

ＣＦＰ・宅建取引士　丸山　浩

 

長年経営を続けてきて、それなりに資産を積み上げてきた業績好調な会社の経営者が、そろそろ後継者問題を考え始めたケースで「生命保険がいかにお役に立てるか？」をテーマに考えていきます。

 

10面　新商品

 

太陽生命

「出産保険」

 

妊婦専用の商品で、所定の妊娠うつ・産後うつを保障するだけでなく、妊娠中および出産時の異常、妊娠中から産後にかけて特に心配される疾病なども保障する。インターネットチャネル「スマ保険」のみで取り扱う。

 

12面　拠点長

 

成長拠点のメソッド

異分子を取り込む度量が必要

 

社内で語り継がれる優績拠点長たちは、その輝かしい業績とは裏腹に人間関係で悩むケースが少なくありませんでした。むしろ好き嫌いも激しかったのですが、その対処法となると「ほとんど意に介さない」点で共通していました。

 

14面　採用・育成

 

実践！　営業所経営

輩出したリーダーから刺激を受ける

 

Ｉリーダーが、自分のパイプ役として重要な部下であることを再認識した高瀬営業所長。自分の役割をもう一度見つめ直し「職員の業績を上げていかなければ」と痛感しました。部下の指導方法に刺激を受けたのです。