2021年7月16日 3016号

 

日本生命

2020年度実績 ⑴

 

グループ保険料等収入は前年比9.3%減

保険料等減少は窓販が主因

 

日本生命は5月26日、2020年度の業績についてその概要を発表した。そのうち、今回はグループ全体の概況と国内生保事業の状況を中心に紹介する。今回はグループ全体の概況について紹介しよう。

 

グループ:主要項目概要

 

⑴ 保険料等収入

①2020年度の概況

主要項目のうち、2020年度の「保険料等収入」は5兆1901億円(うち一時払保険料:4924億円)で、2019年度実績に対してマイナス9.3%。2019年度の「保険料等収入」は5兆7193億円(うち一時払保険料:7763億円)だった。

※一時払保険料は日本生命、大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命、はなさく生命における個人保険・個人年金保険の一時払商品を対象に算出。

※「保険料等収入」の合計値は連結保険料等収入(日本生命、大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命、はなさく生命、MLC Limited(以下、MLC)、米国日生を対象に算出

 

②「保険料等収入」のグループ会社の内訳

 (金額単位:億円、( )内は前年度比)

  • 保険料等収入=51,901(▲9.3%)

  内訳

  • 日本生命=42,646(▲5.8%)
  • 大樹生命=4,412(▲33.9%)
  • ニッセイ・ウェルス生命=2,827(▲8.5%)
  • はなさく生命=68(336.5%)
  • MLC=1,601(▲8.6%)

 

③グループ各社の状況

【日本生命】

対前年度比で2614億円のマイナス。その内訳は銀行窓販チャネル向け商品の販売減によるものが1798億円。また、営業職員チャネルの販売減等によるものが394億円。これが主な要因。

 

【大樹生命】

対前年度比で2265億円の減。主な要因は一時払外貨建養老保険の販売減等によるもので、対前年度比で1073億円の減となっている。

 

【ニッセイ・ウエルス生命】

対前年度比で262億円のマイナス。その主因は外貨建保険の販売減(前年度比986億円減)によるものだが、一方で一時払円建年金保険の販売は、対前年度比で784億円の増。

 

【はなさく生命】

保有契約の増加により、対前年度比で52億円の増。

 

【海外保険】

対前年比で202億円の減となっているが、そのうちMLCの収入保険料等が対前年度比で150億円のマイナスとなっているのが主な原因のようだ。

 

基礎利益 対前年比マイナス0.8%

 

⑵ 基礎利益

①2020年度の概況

2020年度の「基礎利益」は6899億円で、2019年度実績(6958億円)に対してマイナス0.8%だった。

※「基礎利益」の合計値は日本生命、大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命、はなさく生命の基礎利益、海外生命保険子会社・関連会社および国内外のアセットマネジメント事業子会社・関連会社の税引前純利益に、持分比率、金利変動要因の除外、一部の内部取引調整等を行い算出。

※利差益、保険関係損益は国内生保の合計

 

②2020年度「基礎利益」のグループ各社ごとの内訳。

(金額単位:億円、( )は前年度比)

  • 基礎利益=6,899(▲0.8)
  • 利差益=1,985(▲10.1%)
  • 保険関係損益=4,932(4.8%)

 内訳

  • 日本生命=6,565(1.4%)
  • 大樹生命=264(▲7.6%)
  • ニッセイ・ウェルス生命=247(▲4.2%)
  • はなさく生命=▲159(▲55.6%)
  • MLC=▲243(▲179.9%)
  •  

③グループ各社の状況(全体で基礎利益が減少した要因)

【日本生命】(対前年度比プラス91億円)

企業業績の悪化に伴う国内株式配当金の減少等を主因に、利差益が対前年度比で244億円のマイナスとなったものの、一方で販売量の減少等に伴う費差関係費用の一時的な減少等を主因とした保険関係損益が、対前年度比で335億円増加したことにより、全体では91億円の増加となった。

 

【大樹生命】(対前年度比マイナス21億円)

一時払外貨建養老保険の販売が減少したことに伴う付加保険料の減少等を主因として、保険関係損益が対前年比で11億円減少した。

 

【ニッセイ・ウエルス生命】(対前年度比マイナス10億円)

円建年金保険の販売増加に伴う「標準責任準備金」の積み増し等により、対前年度比で35億円のマイナスが生じた。

 

【はなさく生命】(対前年度比マイナス57億円)

事業費等の支出が増加したことにより、57億円のマイナスとなった。

 

【海外保険】(対前年度比マイナス180億円)

対前年比で180億円減となっているが、そのうち156億円をMLCが占める。

 

【アセットマネジメント】(対前年比プラス97億円)

内訳はニッポンライフ・インディア・アセットマネジメントがプラス48億円、ニッセイアセットマネジメントがプラス39億円。

【その他】(対前年度比プラス22億円)

配当相殺の増減

 

⑶ 健全性

①ソルベンシー・マージン比率

ソルベンシー・マージン比率は、劣後債務調達に加え、危険準備金・価格変動準備金の積み増しを通じた自己資本の強化に伴い、前年度比で増加した。

 

2面 決算

 

T&D保険グループ

中核生保3社以外の業績は如何

 

T&D保険グループは5月14日、2020年3月期決算について発表した。コロナ禍の影響下にあって、対面と非対面を組み合わせた営業活動等により、同グループの中核生保3社の業績は堅調だった。今回は他のグループ会社の業績について紹介する。

 

3面 生保協会

 

「生命保険契約照会制度」

顧客本位の業務運営推進の観点から構築

 

生命保険協会は7月1日「生命保険契約照会制度」を創設した。これは超高齢社会が現実のものとなる中で、認知症患者の増加、そして独居の高齢者が増加している最近の社会状況を踏まえ、顧客本位の業務運営推進の観点から創設されたものである。

 

4面 新商品

 

メットライフ生命

「利率変動型一時払終身保険(米ドル建21)

 

健康告知なしで契約可能で、1年経過後から米ドル建てで支払った保険料より多くの死亡保険金を終身で確保できる。職業告知のみで申し込みができ、また、契約後2年間は一時払保険料の円換算額と同額を死亡保険金として円で最低保証する。

 

5面 損保商品

 

日本郵便・東京海上日動など

「置き配保険」

 

日本郵便が「置き配」により配達した後の盗難に対して、保険金の支払いを行う。主幹事の東京海上日動が保険の引き受けなどを行い、三井住友海上と損保ジャパンが保険料の収受などを行う。1事故あたりの支払限度額は1万円。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

社会保障関連法改正点について

特定社会保険労務士 園部喜美春

 

今回は、今国会で改正になった社会保障関連法について、分かりやすく解説する今後ますます負担が大きくなることが予想される高齢者医療や、少子化対策を念頭に置いた改正内容となっている点が注目される。

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

「家計調査報告(貯蓄・負債)」からLP

 

今回は、総務省が公表している「家計調査報告(貯蓄と負債)」を取り上げる。コロナ禍からほぼ1年半を経過した現在、これが家計、特に貯蓄と負債にどんな影響を与えてきたかを概覧するデータの中から、生命保険ニーズを喚起するポイントを提供する。

 

11面 育成

 

組織長への道

信頼の絆と底力

 

「この仕事は自己管理ができることが基本」だと断言する小野寺さん(組織長)は、その信念に基づいてチームの運営に取り組んできた。一方で、プロセスを重視する販売(募集)指導で、多くの新人を育て上げてきた。

 

12面 コロナ対応

 

生命保険協会

「新型コロナウイルス感染症」への対応

 

生命保険協会が昨年3月から、今年4月までの間の生命保険会社の新型コロナウイルス感染症への対応結果をまとめ、公表した。この間に支払われた保険金・給付金は約15万件、金額は約560億円にのぼったことが明らかになった。

 

 

 

 

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