2021年6月4日 3010号

 

日本生命

運用20年度実績・21年度方針

 

特に注力! ポートフォリオの変革

20年度含み益 数十年ぶりの12兆円規模

 

収益性と持続可能社会の実現に向けて、ポートフォリオの変革とESG投融資の強化に特に取り組む─日本生命は4月23日、2021年度の一般勘定資産運用方針などを明らかにした。岡本慎一執行役員財務企画部長が説明した。

 

2020年度の一般勘定資産(速報値)の増加資産は1兆6300億円(簿価ベース)の見込みで、全体では71兆9000億円。主な資産ごとの増減額と運用ポイントは次のとおり。

 

〈貸付〉 コロナウイルス感染の拡大を受けて、企業の資金需要に対応する貸付を実施して300億円の増加。

〈国内債券等〉 年度始にコロナ禍を契機として社債のスプレッドが大きく拡大した機会を捉え、通貨スワップを使って円金利化した外国債券、円建て社債への投資を行い、3兆5200億円と大幅に増加。

〈ヘッジ外債〉 金利が低位に推移した外国のソブリン債を売却した結果、1兆5000億円の減少。

〈国内株式等〉 個別企業ごとの成長性、株主還元の動向などに着目した売買を実施。300億円の減少。

〈オープン外債〉 米ドル建て、ユーロ建てを中心に売却した結果、9200億円の減少。なお、外貨建保険見合いで投資している為替オープンの外債投資も含まれる。

〈外国株式等〉 プライベートエクイティファンド、不動産、インフラファンドなど、オルタナティブ資産に投資して、3300億円の増加。

〈国内不動産〉 物件のリニューアル、物流施設などへの投資を行い600億円の増加。

 

また、有価証券含み益は内外株価の上昇を主因に、2兆7100億円増加して12兆3000億円と、過去数十年の中で最大級の規模となった。国内株式が2兆6870億円、外国証券が8100億円それぞれ増加した。国内債券の含み益は7600億円減少。

 

日本生命は、2021年度から中期経営計画「GoingBeyond~超えて、その先へ」をスタートした。

 

資産運用の基本スタンスについて、岡本執行役員は「低成長・低金利の継続に加え、コロナ禍の影響も一程度継続する。これを踏まえ、収益性と持続可能社会の実現に向けて、ポートフォリオの変革とESG投融資の強化、この2点に特に注力したい」と述べた。

 

ポートフォリオの変革では、①円金利資産の長期化②クレジット・オルタナティブ資産の積み増し③国際分散投資の推進という3点に取り組む。

 

また、ESG投融資の強化では、全資産でのESGインテグレーションやESGにフォーカスした企業との対話を高度化する。ESGテーマ投融資にも取り組む。さらに、これらの取り組みを支える体制、人材、システムの基盤についても、日本生命グループ全体で一層強化する。

 

増加資金の1兆円を国内債券へ

株式は重要資産として保有継続

 

 2021年度の増加資金はどれぐらいか。

岡本 前年度1兆6000億円に対して、1兆4000億円ぐらいを想定。国内債券には1兆円以上の投資を考えている。オープン外債とヘッジ外債は合わせると減少になる。

 

 ニューマネーの多くは国内債券に投資する方針だが、具体的にどのような運用になるか。

岡本 ニューマネーの多くは国内債券に配分される可能性が高い。ただ、純額だけを投資するのではなく、既保有のものについてもヘッジの付け外し、売却、積み増しなどもするので、もう少しダイナミックな動きになる。

国内債券の中身は大きくは国債と、通貨スワップを付け、外国債を円建てリスクにしたものも国内債券等に含まれている。20年度は概ね半々、21年度もそのぐらいになる。ただ、通貨スワップの水準、国内金利の水準によっては大きく変わる可能性はある。

 

 国内債券では超長期債の投資はまだ必要か。米国債は利回りが上昇しており、ヘッジコストを考えても妙味が出ているのではないか。

岡本 国内の超長期債は、一時期の0.2%、0.3%の水準からひと息つける水準にはなっているが、負債コスト、資産ごとの相対的な魅力からはそれほど積極的に買える水準に到達していない。ただ、30年ゾーンが中心になるが、金利は上がってきているので一定程度の投資は必要だ。

米国の金利はだいぶ水準訂正が行われ、現状では1.5%から1.6%。ヘッジコストは目先は低い水準なので投資妙味があり、少し増加の計画にしている。

しかし、われわれは長期目線なので、ヘッジコストが長期に続くのかどうか、まだ予想しきれていない。短期金利やヘッジコストの動きを見ながら、ヘッジ付き、あるいはオープン化を機動的に行う。

米国の金利が1.5%とすると、ほかの資産と比べるとまだまだ投資妙味があるとは言えない。どちらかと言えばスプレッドタイプのプロダクト、いわゆる社債を中心にベースレートが上がってきて、プラススプレッドを乗せることのできる資産、ヘッジの社債を中心にした投資になる。

 

 国内株式は年度末2万6000円と慎重な見方をしているが、具体的にどのような運用をするのか。

岡本 2つの観点で重要な資産と位置付けている。一つ目は運用収益の獲得。変動性の高い資産だが、長期に保有することで企業の成長果実を配当あるいは含み益の形で享受できる。二つ目は機関投資家として、産業や経済の発展を支えるという社会的な役割。

国内株式は含み益にも現れているように、現在十分な規模を保有していることから、株価水準によって積極的に増やしていく、あるいは大きく減らしていくという資産ではない。引き続き重要な資産として保有を継続する。

株式ポートフォリオについては、産業構造の変化、各社ごとのESG取り組み、株価の割安・割高という水準、規制動向などを踏まえ、さまざまな要素を勘案して長期的な目線に立ち、よりよいポートフォリオに組み替えることが重要だ。そのための売買をこれまでも行い、今後も継続的に行う方針だ。

21年度からスタートした中期経営計画では、国内株式は3年間で保有簿価の2%程度を売却し、微減を想定。個別ごとに売買を行い、21年度は残高としては微減の方針。新中期経営計画に沿って平準的に減らすわけではないが、その計画から大きく逸脱することはない。

 

2面 生保協会

 

生命保険協会

営業職員に関する情報をフィードバック

 

生命保険協会が「顧客本位の業務運営」の観点から実施した、営業職員チャネルにおけるコンプライアンス・リスク管理態勢とその取組み状況等に関するアンケートの内容とその結果の概要について紹介する(その2)。

 

3面 解約返戻金

 

適正解約価値算定を考えてみよう!

慶応大学大学院特任教授 山内恒人

 

体況がそこそこ悪くなった場合で、なおリビングニーズの対象とならない人たちへの適正解約価値算定の考察もあってよいだろう。それに答えるのが「Fair Value Offered Option」という概念だ。これの日本語はないが「公正価格提示」という解約返戻金である。

 

7面 育成

 

私が新人を育て上げます! ㉜

新1年生メインに、寄り添う活動を展開

育成トレーナー 堀尾未佐子

 

少子化の流れに歯止めはかかりませんが、それでも100万人規模の新1年生が誕生しています。この大きな市場で保護者や祖父母と心配事や希望を共有するだけでなく、新1年生からもアンケートを取り、囲い込んでいきます。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

新しい時代の生命保険法人契約 ⑭

 

経営者へ保障の根拠となる数値を示すため「患者調査」を詳細に検討しています。今回は入院・外来のデータから、入院受療率が50代からどんど上がっていくことにスポットを当て、生涯医療費のデータと併せて問題提起をしていきます。

 

8〜9面 FP販売

 

教えてFP相談室 26

資産運用の相談に強くなろう! ②

フコクしんらい生命 丸山浩

 

今回の相談者はスマホのマネー雑誌で「iDeCoで節税」という記事を見て興味津々のママさんです。しかし、そもそも課税対象がなければ節税のメリットが生かされません。ママさんのニーズに応える商品をご提案していきます。

 

10面 新商品

 

日本生命

「収NEW1(シュウニューワン)」

 

「ニッセイみらいのカタチ」のニューフェースで、入院継続時収入サポート保険。所定の入院が14日以上継続した場合、給付月額の6カ月分を一時金で受け取ることができる。なお、一時金の支払いの限度回数は10回。

 

11面 新商品

 

メディケア生命

「メディフィットがん保険」

 

「お役に立てる保障」「シンプルで分かりやすく」「よりお求めになりやすい保険料」をコンセプトに開発された。がんの3大治療を重点的にカバーし、診断給付金の支払限度は「2年に1回」と「1年に1回」から選択できるなどの特徴がある。

 

12面 拠点長

 

拠点経営のための活動指針

8月 ドロドロした中に潜む共通性を「数字の法則」に

 

7月戦が終わり、まずは4〜7月までの総点検を行う。拠点運営はドロドロした部分がその底流にあり、その中から活路を見出して行かねばならない。7月戦総括を終えた2年目の若手拠点長と経験豊富な拠点長が語り合う。

 

[トピック]

 

新社長に永島英器常務執行役

◇明治安田生命

5月18日、取締役代表執行役社長に永島英器常務執行役が就任することを発表した。7月2日に開催予定の第74回定時総代会で選任する。根岸秋男取締役代表執行役社長は取締役会長代表執行役に就任する。

永島氏は1963年生まれ、58歳。東京都出身。1986年東京大学法学部卒。同年明治生命に入社。2010年明治安田生命静岡支社長、13年企画部長、15年執行役企画部長、16年執行役人事部長、17年常務執行役。

 

「ザ・ミューチュアル・アート・フォー・チルドレン」第2弾

富国生命は100周年プロジェクトの一環として「ザ・ミューチュアル・アート・フォー・チルドレン」を実施しているが、昨年11月のエコバッグに続き、第2弾としておやさいクレヨンを製作した 。

おやさいクレヨンは「食材ロスの削減」への貢献であり、持続可能な開発目標(SDGs))の達成に向けた取り組みの一つ。また、梱包資材には地球環境に配慮した素材(FSC森林認証)を使用 。

同社は2012年度から、全国の特別支援学校生徒の美術作品を展示する企画「すまいる・ぎゃらりー」を本社ビル地下 2 階(東京・内幸町)で開催。

「同チルドレン」では「すまいる・ぎゃらりー」の作品をおやさいクレヨンなどのデザインとして活用し、その想いを発信している。

 

国内初の音楽付き認知症予防体操を制作

第一生命は、国内初の音楽付き認知症予防体操「コグニ体操」を制作し、提供を開始した。コグニサイズは、コグニション(認知)とエクササイズを組み合わせた造語で、監修は国立長寿医療研究センター。

同社は2015年11月「コグニサイズ&コグニライフ」(DVD)を制作、累計約17 万枚を提供。コロナ禍で在宅高齢者のデイサービス利用の減少や外出自粛により、認知症およびフレイル(虚弱)予防がさらなる社会問題・地域課題となっていることを踏まえ、新たな取り組みとして「コグニ体操」を制作した。

対象は40歳以降の人から在宅高齢者およびその家族、認知症予防を地域課題としている自治体、地域住民など。DVD の提供に加え、YouTubeでの動画も提供している。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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