2021年2月12日 2995号

 

住友生命

高田執行役常務が新社長に(下)

 

「人とデジタルの総合的価値」を想像

 

「バイタリティ」の先進事例を見ると3年から4年の認知期間を経て、加速的に業績が伸び、日本でも着実な手応えを感じている。住友生命の高田幸徳執行役常務はこう指摘する。4月、新社長に就任する。生命保険業界が抱える人口減少などの長期的な課題、コロナ禍でのデジタル化への対応、顧客志向に合わせた「接点」作り、収益を支える海外保険事業などを熱く語った。同社は昨年12月15日、新社長交代の記者会見を行った。

 

バイタリティ 3年目から加速的に伸展

 

 「バイタリティ」の業績をどう評価しているか。特約として付加できる対象商品を拡大しているが、業績は勢いがついていない。当初の目標である10年間で500万件は厳しいのではないか。

高田 「バイタリティ」は2018年7月に販売して2年以上が経過し、累計販売件数は50万件を超えた。当初の計画には達していないが、加入者の評価、健康への取り組み、健康状態の変化など、数値は明らかにいい結果が出ている。

日本は「バイタリティ」を19番目に導入した国で、先進事例を見ると3年から4年の認知期間を経て、加速的に業績が伸びている。通常、生命保険の商品寿命は2年ぐらいで失速状況になるが「バイタリティ」は3年目にさらに加速化している。これまでのトレンドとは大きく違う。

一つはサービスを日々進化させることが「バイタリティ」の大きな特徴だし、リワードパートナー企業は15社まで増え、今後も増えていく。加入の途中段階でも魅力が増していく大きなポイントがある。10年間で500万件の目標を立てているが、着実な手応えを感じている。

 

 これから保障中核世代となるミレニアム世代、Z世代をどのように取り込んでいくのか。

高田 一概に世代というよりも購買志向が年代とともに変わり、若い人も意外に「安ければいい」というのではない。「きちんと自分で判断したい」あるいは「コンサルティングを受けたい」という人が一定の占率を占める。

その意味では世代よりも顧客志向に合わせたチャネル、商品、サービスを提供することが大きな課題になる。

住友生命グループではメディケア生命を作り、シンプルな医療保険を提供したり、少額短期保険会社もグループ化しており、いろいろな顧客接点を持つことができる。

さらに「バイタリティ」の特徴である健康増進という保険プログラムを「保険」と「プログラム」に分けて提案することを始めている。

健康増進のプログラムを先に体験してもらい、それ通じて保険加入を考えてもらうスキームで、首都圏を中心に展開している。予想外の有効であることが分かってきた。

今後も様々なお客さまの志向に合わせてチャレンジをしたい。

 

「自助」向けの価値提供はチャンス

 

 生命保険会社が抱えている課題をどのように認識しているか。それに対してどのように取り組むか。

高田 大きな二つの課題がある。一つは少子高齢化ではなく人口が減少していくという問題であり、長期的にはマーケットは厳しくなっていく。

しかし、生きていくための「自助」が非常に重要になる中で、生命保険としての価値を提供できるか。これはチャンスであり、お客さまから選択されることではないか。

もう一つ、資産運用面では長期的に国内外とも低金利が続いている。これは大きな課題だ。予定利率でお預かりしている保険料について、いかに知恵と方法を駆使しながら資産運用するかが重要になる。

 

 デジタル化による保険販売の現状や今後の展望は。

高田 デジタル化の動きはかなり前から研究している。コロナ禍で「非接触」が求められ、昨年4月に開発を始め、9月からデジタル化で完結できる仕組みを提案している。

では、お客さまはそれをどのぐらい望んでいるか。意外に「最後の段階は対面で説明を受けたい」という声がある。デジタル化でどこまで安心・安全、そして形のないものを提供できるのかというと、最後は「人」ではないか。その意味で「人とデジタルの総合的価値」が重要だ。

一方、募集プロセスがデジタルで完結する事例は世界中にたくさんある。社内にイノベーションのセクションを作り、スタートアップ企業との協働を進めており、新しい取り組みをどんどん始めたい。

 

海外保険事業 中期的に収益の20%目指す

 

 日本の生保マーケットが長期的に縮小する中で、海外保険事業の利益貢献度をどのように高めていくのか。

高田 生命保険の海外事業の大きな特徴はローカルビジネスであることだ。現地の保険会社をいかに発展させるか、ということが重要になる。

ただ、共通の一つの枠組みとしてはデジタル化、デジタル化による価値提供があり、これは世界共通。いろいろな取り組みがあり、保険事業を展開している国ごとの横の連携ができればいい。

海外保険事業では、中期的に収益のボリュームとして20%程度を目指す。それを実現するために各国ごとに事業の安定と成長性をどのように確保するかが次の課題になる。

 

 大手生保との統合という選択肢は将来的にあり得るか。

高田 選択肢としてはある。統合なのか協働的な事業かなど、いろいろな組み方はあるだろう。生命保険は非常に長期的な商品なので、一義的な統合がすぐにシナジーとして出にくい。得意分野で連携したり緩やかなネットワークなどがあるのではないか。

一方で、どのようなデジタルディスラプター(注)が出てくるか、あるいは新しい事業との統合も可能性としてある。その中で組む相手は生命保険会社だけでなく、他の業界、企業との提携も検討の視野に入れていく方向になる。

住友生命は相互会社なので単純な経営統合はできない。どのような形で組むかは課題でありチャンスでもある。

(注:デジタルテクノロジーを活用することで、既存の業界の秩序やビジネスモデルを破壊するプレイヤー)。

 

2面 少短協会

 

第5回 孤独死レポート①

「孤独死=高齢者」だけの問題ではない

 

日本少額短期保険協会は昨年11月27日、5回目となる「孤独死現状レポート」を公表した。大きな社会問題となっている孤独死だが、このレポートから浮かび上がるのは、孤独死が決して独居の高齢者に固有の問題ではないということだ。

 

3面 マーケティング

 

新・消費者心理を探る

ニッセイ基礎研究所 井上智紀

 

コロナ禍で利用が拡大するキャッシュレス決済の利用者は、生命保険に関するリテラシーは十分ではないが、加入や見直しについては自ら主体的に検討する意向が強く、理解しやすいシンプルな商品を志向する傾向にある。

 

4〜5面 販売手法(社会保障)

 

「障害認定日」って1年6箇月なの?

「障害認定」は、いつ・どのようにされるのか

社会保障アカデミー協会 代表理事 青木隆憲

 

障害認定は1年6箇月経過した時点で行われますが、実は、障害認定日は①初診日から1年6箇月経過した日、②その期間内に傷病が治ったときは、治った日としています。つまりそれ以前の認定もあり得ます。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC

令和2年確定申告の改正点と節税法⑥

税理士 池谷和久

 

ごく普通の個人事業主が65万円の控除を受ける現実的な条件は「e−Tax」での「電子申告」だと考えられます。ただ自身で対応ができない人は、税理士事務所か青色申告会などで「代理送信」をお願いする手もあります。

 

8〜9面 FP販売

 

まるっとわかる!FPサプリ

中小企業経営者の心情を理解するための情報

フコクしんらい生命 丸山浩

 

女性役員は年収情報収集の上、提案しないと、年収150万円なのに保険金1億円の提示をしかねません。低い理由としては、比較的小規模企業の女性役員占有率が高ったり、妻が家事と兼業で経理担当役員だったりするからです。

 

10面 リモート申込

 

太陽生命

非対面募集「リモート申込」導入

 

営業職員チャネルで、ネット上で商品設計から申込手続きまでを完結できるスマ保険と営業職員によるコンサルティングや申込手続きのサポートを組み合わせた「リモート申込」を導入した。

 

11面 サービス

 

第一フロンティア生命

オンライン住所変更サービス

 

トッパン・フォームズが提供する共通プラットフォーム「AIRPOST」を活用したオンライン住所変更サービスを始めた。なお「AIRPOST」の一括更新手続きサービスを生命保険業界で初めて同社が採用した。

 

15面 採用・育成

 

組織長への道

”逞しいプロ”への道

 

育成の成否を分けるカギは、指導によるものなのか、それとも本人の能力と努力に起因するものなのか議論の分かれるところであるが、今回は新人本人の能力をいち早く見抜き、活動に過度に干渉せずに成功に導いた事例を紹介する。

 

[トピック]

 

英領バミューダに再保険会社設立

第一生命ホールディングスは英領バミューダに再保険会社を設立し、業務を開始した。1号案件として第一フロンティア生命からの再保険の引き受けを行う。

同社は昨年11月20日の2020年度上半期決算・経営説明会で、再保険会社設立の目的を次のように説明している。

「再保険を通じてグループ内でリスクを移転しても、経済価値の観点から資本とリスクの関係は変わらない。ただし、第一生命グループ会社はそれぞれの国の異なる資本規制に従う必要がある。

そのため、保険負債を経済価値ベースで評価できる国に再保険会社を設立し、そこでリスクを引き受けることで、実態に沿った資本と負債を積むことができる点が、グループ内再保険のメリットである。その結果、より有効に資本を他の分野に投下することができ、資本の使途が広がる」

同再保険会社の資本金は6500万米ドル。所在地は英領バミューダのハミルトン。

 

豪MLCの第三者割当増資引き受ける

日本生命は、連結子会社「MLC」による第三者割当増資をナショナルオーストラリア銀行とともに引き受ける。総額は約415億円で、増資後の出費比率は日本政府が80%、ナショナルオーストラリア銀行が20%になる。また、同社はMLC発行の劣後債約94億円も引き受ける。

オーストラリアでは、所得補償保険の支払増加などが保険業界の課題となっている。同社は2019年12月と2020年6月、MLCに対して増資を行った。 しかし、オーストラリアでは新型コロナウイルス感染症の影響による経済悪化を受けた失業率の高止まりを背景に、それに伴う今後の支払い・解約増加などによるMLCの業績低迷が来年以降も継続するリスクが懸念されている。

MLCは保険料改定や事業の効率化進めているが、日本生命は「MLCと連携を密に図りながら状況を注視するとともに、MLCに対するサポートを行う」という。

 

商工中金と確定拠出年金で業務提携

あいおいニッセイ同和は、商工中金と確定拠出年金(DC)事業に関わる業務提携を行なった。商工中金と確定拠出年金事業での業務提携は金融機関では初めて。

商工中金は全国の中堅・中小企業に企業型確定拠出年金制度を案内する。あいおいニッセイ同和は導入希望企業に対し、商工中金から紹介を受け、具体的なプランの提案から導入までをワンストップでサポートする。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

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