2020年12月18日 2988号

 

ライフネット生命

上半期新契約は過去最高

 

顧客体験の磨き上げが競争戦略

「コロナ」が新契約を押し上げる

 

2020年度上半期の新契約件数は5万1505件、大きな飛躍を遂げた6カ月間─。ライフネット生命の新契約業績は2020年度に入ってからも好調さを持続している。

 

4月の件数は、月間件数では1万件を初めて突破して、1万1078件で過去最高を記録。前年同月の5605件から倍増した。5月も9017件と前年同月比34.2%増と好調さを持続。6月に入っても同18.3%増の8041件と二桁の伸び。この好業績によって、第1四半期の新契約件数も47.2%増の2万8136件と大きな伸びを示した。

7月も34.3%増の8195件となったが、8月になると8000件を切り、25.3%増の7653件、9月も14.1%増の7521件と7000件台に落ち着いてきている。

 

それでも上半期では、前年同期比35.9%増の5万1505件と半期では過去最高を記録した。

 

なお、ここ数年の新契約件数業績を振り返ると、通期では2013年度、14年度、15年度と3年連続で減少し、16年度にプラスに転じてからの復調ぶりが分かる。16年度からの上半期業績は次のとおり。

 

  • 2016年度=1万3619件(通期で2万9741件)
  • 2017年度=1万6442件(同3万9175件)
  • 2018年度=2万8048件(同6万4435件)
  • 2019年度=3万7912件(同8万911件)

 

2020年度は5万1505件で、19年度通期の約6割を占めており、通期で10万件に届くかどうかが注目される。

 

この好調要因について「ブランド力向上の取り組みをベースに、新型コロナウイルスの影響が新契約業績を一時的に押し上げ、ネット経由の申し込みが増加した。大きな飛躍を遂げた6カ月間だった」という。

 

また「販売力の強化」を目指し、20年度上半期では、ホワイトレーベル事業を拡大。パートナー企業のブランド力と顧客基盤を活用して、生命保険を提供するもので、第一弾がKDDIとの「auの生命ほけん」(2016年12月開始)。

 

その第二弾として、2020年4月から「セブン・フィナンシャルサービスの生命ほけん」を、セブン&アイグループの顧客に販売を開始した。

 

なお、直近のチャネルごとの販売動向は、インターネット直販は勢いが続いているが、ホワイトレーベル事業は横ばいから少し減少気味。

 

保有契約40万件突破、半数は定期

 

新契約年換算保険料は33.5%増の21億5800万円。通期では40億円の過去最高規模を目指し、新契約を積み上げていく。保有件数は40万件を突破し、40万5403件(9月末)。保有契約者数では25万7426人になる。保有契約年換算保険料は172億3400万円。新契約業績の高伸展を背景に保有契約の増加ペースも加速している。

 

商品別の保有件数は次のとおり。

 

  • 定期死亡=19万5656件(構成比48%)。
  • 終身医療=11万1386件(同27%)
  • 定期療養=9006件(同2%)。
  • 就業不能=5万7526件(同14%)
  • がん保険=3万1829件(同8%)

 

解約失効率は年換算で5.5%。19年度から解約失効率改善に本格的に取り組んでいるが、新型コロナウイルスの影響で解約が抑制されたことも一因という。上半期の保険金支払い状況は、4681件で14億1600万円。支払い日数は2.56日。

 

なお、10月末の業績は新契約が件数で前年同月比3.8%増の7342件、年換算保険料が6.8%増の3億1400万円。

 

ウェブ消費行動の高まり追い風に

 

ライフネット生命は、開業10周年を迎えた2018年11月「新経営方針」を策定。重点領域として「販売力の強化」と「顧客体験の革新」を挙げている。

 

同社は2020年7月に海外公募増資(新株発行と売出し合わせ約138億円)を行い、その使途の一つとして、デジタル領域における顧客体験への投資を積極化させる。具体的には、データ基盤の統合やコミュニケーション統合を図り、契約者の行動をデータで可視化して、一人ひとりに、より最適なコミュニケーションへ進化させる。

 

「お客さまをストレスフリーにするとともに、長期的なエンゲージメントを高めることがライフネット生命の競争優位を向上させることにつながる」

 

ユーザーインターフェースの改善への取り組みでは、①申込フローの改善②解約の防止③保険料払込方法の多様化が挙げられる。「地道な改善であり、徐々に効果が出ている」という。

 

2020年度のポイントとして次の3点を挙げる。

 

  1. 新型コロナウイルスの影響で、上半期の新契約業績は大きく増加。
  2. 一時的な揺り戻しはあるが「新たな生活様式」も追い風に新契約業績の上積みを目指す。
  3. 保有契約業績は二桁を超える成長を実現する。

 

11月から新しいテレビCMの放映を開始。大手他社と比べ、認知度の向上が引き続き課題となっており、テレビCMは認知度向上の重要なマーケティングツールとして力を入れる。

 

「オンライン生保を含むウェブ消費行動の高まりは、階段の踊り場の状況にある。このような認識のもと、投下する営業費用を増額するタイミングを慎重に見定め、保有契約業績については二桁パーセントを超える成長を実現したい」

 

生保業界では「デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略」が喫緊の経営課題に浮上している。DXが加速させる中で、ライフネット生命として、どのような差別化を図るのか。決算説明会で森亮介社長はこう述べた。

 

「われわれが開発する商品は約款だけでなく、ニーズを喚起するプロモーション、スムーズでフリクションレスなウェブサイト、加入後の便利な契約管理、スムーズで迅速な保険金支払いという顧客体験全体が提供する商品だ。いわゆるオンライン上の活動の特化した顧客体験の磨き上げが競争戦略であり、差別化要因になる」

 

2面 相談レポート

 

少額短期保険協会

2020年度上半期少短保険相談室レポート2

 

日本少額短期保険協会は11月4日「2020年度上半期少額短期ほけん相談室レポート(第20号)」を公表した。今回は、同レポートから紛争解決手続きの運営状況と紛争(終了案件)の事例について紹介する。

 

3面 動機付け

 

今日から使えるセルフモチベーション ㉑

1日10分間で明日への気力、行動力を高める

メンタルトレーナー 原 小百合

 

特に大きな環境の変化や新しい役職についた際など、目の前のことに集中するあまり自分を俯瞰的に見ることが難しくなります。そこで提案したいのは、1日の終わりの10分間を明日へつながる気力と行動プランのための振り返り法(6ステップ)です。

 

〈今回のセルフモチベーション術〉

  • 緊急の状況対応が続き、近視眼的になっている時こそ、気力回復の優先順位を上げる。
  • 仕事の終わり、1日の終わりに明日につながる振り返りを習慣化する。
  • 上手くいったこと、上手くいかなかったことの両面を確認する。
  • 上手くいかなかったことについては、経験が活かせるような質問を投げかける。
  • 気づきを活かして行動する場面も確認する。

 

4面 生保協会

 

生命保険事業概況(20年4月〜9月)

個人保険新契約、対前年比78%

 

生命保険協会の「生命保険事業概況(全42社合計)」の9月末によれば、個人保険、個人年金の新契約(件数・金額)はいずれも前年同期を大きく下回った。2021年1月8日付け本紙では全社の上半期業績を特集する。果たして個社の状況はいかに?

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC 291

令和2年確定申告の改正点と節税法③

税理士 池谷和久

 

確定申告が近づいているので「生命保険料控除」の計算方法を復習します。基本中の基本ですが完全に理解していないと、お客さまの残枠を把握できません。自分の言葉で「説得力ある説明」をするためにも修練してください。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

肝がん・重度肝硬変の入院の際の助成金

特定社会保険労務士 園部喜美春

 

年収370万円以下の方たちが、B型・C型肝炎ウイルスが原因で肝がんや重度肝硬変と診断され、一定の条件にあてはまる入院治療を受けた場合、医療費が助成される制度で、自己負担が1万円ですみます。

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

平成30年度「国民医療費」からライフプランニング

 

厚生労働省は「平成30年度 国民医療費」が43.4兆円だったと公表しました。この時点では増加傾向にありますが、コロナ禍で様相は一変しています。医療費を語るセールストークにも、慎重な対応が求められます。

 

10面 新商品

 

明治安田生命

「いまから認知症保険MCIプラス」

 

「認知症終身保障保険」と「軽度認知障害終身保障特約」から構成される商品。MCIになった場合、認知症を発症した場合それぞれ保険金が支払われる。専用サイトで認知機能の低下の「気づき」を提供する。

 

11面 新商品

 

明治安田生命

「明治安田のケガほけん」

 

特定の5つのケガは一時金給付タイプで、入院中の治療費は実額給付タイプで保障を準備できる。ケガ専用の商品であり、その分保険料はお手軽になっている。なお、傷害限定の実額給付タイプは業界初。

 

[トピック]

 

GFIAの地域代表執行委員に選任

せいめいほけんきょうかい ささきふくかいちょう生命保険協会は11月30日、佐々木豊成副会長(=写真)が国際保険協会連盟(GFIA)の地域代表執行委員に選任されたと発表した。11月のGFIA総会で決まった。

GFIAは2012年10月、世界各地域の保険協会による情報連携、保険監督者国際機構(IAIS)などの国際機関に対する意見発信の強化を目的に発足した。現在、世界で40を超える保険協会が加盟。これは全世界の保険料の約90%を占める。

地域代表執行委員の主な業務は、保険業の先進市場と新興市場との懸け橋として、新興市場を有する地域などとの関係構築・維持など。

 

「WELL健康安全性評価」を取得

日本生命浜松町クレアタワーが世界的な健康・安全性の認証である「WELL健康安全性評価」を取得した。保険会社の取得は世界でも初めて。同ビルは日本生命と大林組が共同で保有する。

IWBI(TheInternationalWELLBuildingInstitute)が同認証を行う。IWBIは2013年に米国で設立された公益法人で、主に建物向けの認証制度の運営や開発を行う。

今回取得した「WELL健康安全性評価」は、2020年6月に新しく公開した認証。清掃・消毒手順や空気質・水質の管理などの評価項目に分かれており、従業員や施設利用者の健康や安全性に配慮して、物件が運営・管理されていることを第三者による審査に基づき、グローバル基準で評価する。

 

葬儀費用優待サービスを提供

SBIいきいき少額短期保険は、葬儀総合サービス事業を展開する「セレモア」と業務提携を行った。

今回に提携によって、同社は死亡保険・引受基準緩和型死亡保険の契約者を対象に、葬儀費用優待サービスの提供を開始する。被保険者の葬儀の際、セレモアが提供する葬儀プランを特別料金で利用できる。

また、セレモアは同社の募集代理店として、同社の26万人の個人会員および官公庁をはじめ2500の提携先企業、団体を中心に、保険の募集活動を行う予定。

セレモアは、セレモアホールディングスの完全子会社で、首都圏を中心にサービスを提供する葬儀業のリーディングカンパニー。

 

 

 

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