今後、さまざまな事業会社が金融サービス仲介業に参入する中で転換期を迎える─ブロードマインドは10月7日「金融サービス仲介業の創設と新しいフェーズを見据えた今後の戦略」をテーマに、事業説明会を開催した。伊藤清社長(=写真)は、ソニー生命のライフプランナーを約5年経験し、2002年1月に総合乗合代理店としてブロードマインドを立ち上げた。
現在、保険代理業、住宅ローン代理業、金融商品仲介業のライセンスを持ち、さらに宅地建物取引業のライセンスも持っている企業は同社だけという(2020年10月現在)。
また、同社の大きな特徴として、顧客開拓のセクションがあり、提携ビジネスを持ちかける。提携先の顧客ニーズは多様で、それに応えるためには生保から始まり、損保、金融仲介業、銀行代理業、不動産と広げ、ファイナンシャルプランナーとしてあらゆる相談を受けられる環境を作ってきた。
「そこから不動産業との提携、結婚式ビジネスとの提携といろいろな業界と提携することで、月間1000件、多くて1500件の相談を受ける環境になった」と業務拡大の秘けつを明かす。
業務内容は、ライフプラン(人生設計・資金計画)の作成・コンサルティングをベースに、保険・証券・住宅ローン・不動産などのソリューションを組み合わせ「顧客にとってのフィナンシャルパートナーとしてワンストップで提供している」。コンサルタントは約170名。営業拠点網は東京本社の下に大阪、名古屋、福岡、金沢、四国に支社を配置し、保険ショップは四国で10店舗、静岡2店舗、山梨1店舗をそれぞれ運営する。
これまでの実績(2019年度)は、生命保険契約世帯数が5万8000世帯、融資金額が370億円、預かり資産が102億円。
「金融サービス仲介業が新たに創設されるが、もともとそのような意識で取り組んでおり、その形はすでに取れている」と自信を示しながらも「今後、さまざまな事業会社が金融サービス仲介業に参入してくるので、転換期を迎える」と予測する。
同社は10月7日、ライフプランシミュレーションサービス「マネパス」の提供を開始した。ライフプラン機能と金融商品同時設計機能を同時に搭載するもので、保障設計と資産形成をレコメンドできるサービスは初めてという。
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では、何が変わるのだろうか。
ゲストスピーカーの吉田桂公弁護士(のぞみ総合法律事務所)は、金融サービス仲介業法制の概説、今後の動向、想定されるビジネスモデルについて説明した。
関連する法律が6月5日に成立し、12日に公布され、新業態は来年の12月までにはスタートする。 今後、金融サービス仲介業の登録を取れば、銀行・証券・保険すべての分野のサービスを仲介することが可能になり、ワンストップの金融サービスの提供ができる。さらに、特定の金融機関への所属も求められない。
「監督を受ける立場ではないので、不正を働く業者が出てくるかもしれない。そうなれば顧客保護ができなくなる。所属制を求めない代わりに、扱える商品やサービスを制限したり、利用者財産(サービス購入代金など)の受入禁止、保証金の供託義務がある。このように別の規制で利用者保護を図ることになる」と吉田弁護士。
所属制が無くなることで、仲介業者は顧客から直接、損害賠償の請求を受けると負担しなければいけない。財務基盤が怪しいと損害賠償に耐えられないので、保証金の供託義務が設けられる。
「この金額はまだ未定。投資助言代理業なら500万円だが、行政としては参入障壁を下げたいので、何千万という金額にはしないだろう」
もう一つが高度な説明が必要なサービスの制限。銀行と証券は仕組預金、非上場株・デリバティブなど、保険では変額保険、外貨建保険が扱えない。保険金額についても上限が決められるかもしれない。
では、どんな業者が参入してくるかだろうか。吉田弁護士は次のような業者を想定する。
スマホのアプリで、預金口座などの残高や収支を利用者が簡単に確認できるサービスを提供している業者、いわゆる家計アプリなど。財務状況が分かるので「この商品が合うでしょう」と勧めることができる。アプリを通していろいろな金融サービスの提供が想定できる。
また、会計ソフトを使い事業者の財務情報を分析して「この損保商品でリスクの手当てをしたらどうですか」という提案も。
不動産業者が物件と合わせ住宅ローンや火災保険を提供することもできる。
「顧客データを豊富に持ち、それを有効活用して金融商品を提案したい、という事業者もおり、競争は激化する」
最後に、吉田弁護士は金融庁の動向として次の3点を挙げる。
①8月31日に公表した「令和2年度の金融行政方針」。
②6月からすでに始めている金融業界における書面・押印・対面手続きの見直しに向けた検討会。
③9月25日に公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」の改訂案。
「令和2年度の金融行政方針」ではデジタルイノベーションを指摘。「デジタライゼーションを取り入れることで、利用者にも大きな利便性がもたらされる。ここを推進していく。顧客本位の一つの要素であり、利便性確保を推進することも大事だ」。
「顧客本位の業務運営に関する原則」の改訂案では新しく加わったキーワードを指摘。
その一つが「顧客のライフプラン」。「ライフプランをきちんと把握して、それに合う商品を適切に提案すること、と業法の枠を変えて横断的に、似たような商品を比較することにも触れている。これは金融サービス仲介業を意識した規定だ」と強調。
そして「適切なフォローアップ」。販売後もきちんとしたアフターフォローを求めている。なお、フォローアップについて保険業法では規制していない。
「保険業法は募集活動を規制する法律で、成約してからは法律では規制していないのでフォローアップが手薄になりがちだ。でも、きちんしたフォローアップによって、よりよい情報提供を行い、顧客の利益につなげていく。今後、金融サービス仲介業でも重要なテーマになる」
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あいおいニッセイ同和は10月、英国オックスフォード大学のスタートアップ企業「Mind Foundry」と資本業務提携を行い、総額約10億円を出資する。
同社は2018年6月に「データソリューション室」を設立し、保険業務におけるデータ活用やAI開発に取り組んできた。
その一環として、Mind Foundryと「Insure the Box社」(同社の英国子会社)のデータを活用し、保険業務へのAI導入に関する実証実験を実施。それを通じて、Mind Foundryの技術力やソフトウェアプラットフォームの性能を評価したことから資本業務提携になった。
Mind Foundryは「人間とAIの協調による、世の中の課題の解決」をミッションとし、データサイエンティストでなくてもAIの開発を可能とするソフトウェアプラットフォームを提供。2015年設立。
第一生命は、福岡市の同社の保有不動産を活用し、特別養護老人ホームと認可保育所の複合施設を誘致する。会社所有の不動産を活用したヘルスケア施設の誘致は同社にとって初の取り組み。
今回の取り組みでは、遊休不動産の建物解体工事を行った後、社会福祉法人七日会に土地を賃貸。七日会は、福岡市の「社会福祉施設整備費等補助」を受け、特別養護老人ホームを建設・運営する。
また、建物の一部を社会福祉法人つばさ福祉会に賃貸し、認可保育所を開設する予定。
地域住民の多世代交流を促進する拠点として、特別養護老人ホームと保育所施設を併設する複合施設の建設は、福岡市でも初めて。
なお、第一生命は2011年から「全国の同社保有不動産への保育所誘致の取り組み」を推進。これまでに全国での保育所誘致実績は32箇所、受入可能児童定員数は1700名を超えている。
東京海上日動は10月、組織改善サービス「モチベーションクラウド」を導入した。
同クラウドはリンクアンドモチベーション社が提供するもので、6620社・157万人のデータベースをもとに組織状態を診断した。
同社は社員約1万7000人に対してエンゲージメントサーベイを実施。可視化された組織課題を各組織長が把握した上で、その課題をリンクアンドモチベーションの専門コンサルタントとともに改善する。
エンゲージメントサーベイは、行動経済学・心理学に基づいて設計された16領域64項目に対して、従業員が会社に「何をどの程度期待しているのか」「何にどの程度満足しているのか」の2つの観点で質問を行う。回答者はそれぞれの期待度、満足度を5段階で回答する。
「今後も継続的にエンゲージメントサーベイを実施しながら、組織課題の改善を図っていくことで、社員の働きがいの向上を加速したい」という。
制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム
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