小売業やプラットフォーマーと呼ばれる企業など、コト・モノのサービスを担っている非金融事業者が、本業との相乗効果をより高めるため、自ら少額短期保険事業者として参入するケースが増えている──。
野村総合研究所は「インスダイレクト・エムピー」を提供する背景をこう指摘する。同商品は少額短期保険を開発・提供するためのパッケージで、9月16日から提供を開始した。
同パッケージは、保険商品の開発から見積り提案、契約手続き、事故対応、保険金支払い、契約保全に至る一連の保険業務のプロセスを一気通貫で実現でき、ネット完結型、代理店・営業職員介在型、アフィリエイト型など、さまざまな保険販売形態に対応できる。
アフィリエイトはインターネットを利用した広告から保険会社のサイトへ誘導し、成果報酬を受けるビジネス形態で、保険比較サイトなどがその一例。
利用企業のタイプごとに想定する同パッケージの代表的な適用パターンは次のとおり。
①非金融事業者
本業の延⻑としての少額短期保険提供に活用(包括契約、紹介によるアフィリエイト型など)。
②少額短期保険会社(非金融事業者からの新規参入を含む)
基幹業務システムへ活用。
③保険会社、共済
少額短期保険の販売のみに活用(バックオフィスは既存システムを活用)。
少額短期保険の販売やバックオフィス全般に活用(既存商品のシステムとは別立て)。
野村総研によると、従来の保険システムは算出方法書や約款、業務フローをもとにシステム設計を行っており、商品と業務が一体で実現されているため、新商品の開発や改定が難しい、という。
また、少額短期保険商品の開発には、生活者の潜在ニーズを確認するために「テストマーケティング的なプロセスで改善を繰り返していくことが求められ、サービスの立ち上げや商品見直しごとに発生するコストを低減し、リードタイムを短縮する必要がある」と指摘。
同パッケージでは「商品管理と、見積り・契約・保全等の業務を分離」することと「保障・補償を部品化し、組み合わせることで商品を組成」することで、システム導入作業の効率化と、システム改修に伴う影響調査の確認作業の軽減につながる。
これにより、保険契約者のニーズを確認しながら、機動的に商品戦略、営業戦略を立案・修正することが可能になる。
また、インターネット標準のAPIを提供しており、バリューチェーンに関わる各事業会社で必要となる、少額短期保険の導入時および改定時の作業を軽減でき、性能要件の増大に伴う拡張も容易になる。
少額短期保険業への参入には、既存の少短会社を買収して子会社にするケースや、企業グループ内に新たに設置するケースが見られる。また、低コスト運営のために加入プロセスの「デジタル完結」も特徴。
既存ビジネスの顧客基盤に眠る保障(補償)ニーズを掘り起こし、本業との相乗効果を生み出せるのか注目される。
2018年から業務を開始した少額短期保険業者の概要は次のとおり。
●USEN少額短期保険
有線放送最大手の「USEN︱NEXTHOLDINGS」は、グループ会社の「USEN」を通じて「USEN少額短期保険」を2016年9月設立。資本金は1億円。2018年2月1から事業者向けテナント総合保険「お店のあんしん保険」を販売。2020年5月「ビジネスリスクGuard」を発売。
●東急少額短期保険
東急不動産は2018年4月「東急少額短期保険」を設立。資本金は2億9950万円。大手デベロッパーとしては初。「お客さまの『アクティブな日常』を共に創っていくことを目指す」という。
第一弾の家財保険は、ジャパン少額短期保険との共同保険。ほかに傷害保険(ゴルファー向けなど)、家財保険など。
●Mysurance(マイシュアランス)
損保ジャパン日本興亜は2018年7月、少額短期保険会社「Mysurance」(100%出資)を設立。資本金は12億5000万円。
社名は「自分の保険」を意味する造語。2019年3月11日から、LINEのトーク上でメッセージカードと一緒に保険が贈れる「贈るほけん地震のおまもり」の引受・提供を開始。なお、現在は販売終了。
スマホ保険、宿泊キャンセル保険を取り扱う。宿泊キャンセル保険はヤフープランの国内宿泊をキャンセルした場合に補償する。
●楽天少額短期保険
楽天は2018年3月「もっとぎゅっと少額短期保険」の発行済全株式を取得して完全子会社化。同年5月に社名を「楽天少額短期保険」に変更。資本金3億5000万円。「ずっともっと〈もっと〉」などペット保険を取り扱う。保有件数14万件(2020年3月)。
●ヤマダ少額短期保険
ヤマダ電機は2018年8月、パーソナル少額短期保険の株式を全額取得して、子会社化した。10月には社名を「ヤマダ少額短期保険」に変更。資本金は1億5000万円。「賃貸保険ダイレクト」「ヤマダの災害安心保険」など。
住宅まるごと提案と親和性の高い保険商品を開発し、金融サービス事業の裾野を広げ、既存事業とのシナジー効果を追求する。
●チューリッヒ少額短期保険
チューリッヒ保険は2018年10月、ライフサポートジャパン少額短期保険の株式を100%取得し「チューリッヒ少額短期保険」と社名変更。
「ミニケア賃貸保険」「ミニケア旅のキャンセル費用保険」を取り扱う。ミニケア賃貸保険は2020年7月に1万件を突破。
●くふう少額短期保険
くふうカンパニーは2020年3月「ふくろう少額短期保険」の株式を取得し、4月1日には社名を「くふう少額短期保険」に変更。資本金は4999万円。ネット専用「スマートライフバリュー」「まとめて安心保険(入院保険)」「女性サポート保険」「家族への絆保険(死亡保障)」を取り扱う。
同グループは、ライフスタイルの変化や家計や保険など生活におけるマネープランに強い関連を持った事業テーマを取り扱う。
●スマートプラス少額短期保険
Finatextホールディングスは2019年4月「スマートプラス少額短期保険」を設立。「シンプルで必要な保障」「必要なときに必要な形で提案」「デジタルで完結」がコンセプト。商品の第1弾として「母子保険はぐ」を開発し、2020年8月に発売。9月にはあいおいニッセイ同和と資本業務提携をした。
生命保険協会が「代理店業務品質のあり方等に関するスタディーグループ」についての勉強会を開催した。誰もが納得する生保代理店の業務品質が保証されるためには何が必要か。SG設置の背景とこれまでの議論から探る。
新型コロナウイルス感染症が人々に、そして消費者にこれまでと異なった体験をさせたことは確実であり、その体験から消費者の変化を想定すると「5つの変化」と企業の顧客接点の変革要件が見えてくる。
コロナ禍の影響で生保の募集環境は厳しい環境下にある。このような非常時だからこそ、どんな困難な状況にあっても、あるべき原則を貫いた先人の経験は貴重だ。ベテラン支社長の珠玉の経験譚を三編紹介する。
法人営業には、社長のエンディング・ノート作成のお手伝いが有効との視点から、さまざまな切り口を学んできました。締めくくるにあたり、今回から復習を兼ねてポイントをまとめていきます。まずは①〜㉝回まで。
今回は「定期保険」について掘り下げていきます。バレンタインショックによって、特定の効果を強調した販売はできなくなりましたが、経営者のニーズに幅広く応える特性になんら変わりはありません。
医療終身保険「はなさく医療」などについて「特定8疾病」や女性向けの保障を充実させる改定を実施。具体的には「特定疾病一時給付特約」「女性疾病入院一時給付特約」などの特約を新設した。
同社の「ライトシリーズ」のラインアップに、アニコム損保のペット保険を加えた。この商品の特長として①何歳からでも新規加入が可能②契約の支払割合に応じて、治療費を病院に支払うこともできる、などが挙げられる。
近藤淳子さん、町田ゆりえさん、櫛田春海さんはそろって入社1年目。3人とも仕事の辛い、甘いが少しずつ分かりかけてきたようです。仕事と自分自身の生き方や性格などと、どう連動させてきたのかを探ります。
東京海上日動は12月から「オンライン商談手続き」を導入する。対象は個人の自動車保険で、新規・更改の契約。
手続きの概要は、Web会議アプリを利用して提案・説明をした後に、同社から契約者にQRコードやメールで申し込み手続きが完了できる URLを送る。
契約者はそのQRコード URLにスマホなどからアクセスして、申込手続きまでのすべてをオンラインで行うことができ「シームレス・ペーパーレスで快適に契約の手続きを完結できるようになる」という。
これまで提案・説明とは別に、紙の申込書を送付 した上で、署名・捺印または Web での手続きを行っていた。今後、自動車保険以外の種目にも順次拡大する。
SBI生命9月7日から、Amazon Echo シリーズに搭載される Alexa(アレクサ)を活用したサービスを開始た。保険会社からユーザーへメッセージが届くサービスは国内で初の取り組みという。
利用のイメージでは、Amazon Echo に「アレクサ、SBI 生命を開いて」と話しかけると、アレクサが同サービスの呼出名「SBI生命」を認識し、商品説明やコールセンターについて案内する。
同社からメッセージがある場合は、LEDの点滅で知らせる。SBI生命を開き「お知らせ」と尋ねるとメッセージを開くことができる。
メッセージでは新しいサービスの内容や「契約内容のお知らせ」などの発送物のスケジュールなどを知らせる。
SBIインシュアランスラボは、iOS版アプリ「ぽけっとFP」の提供を開始した。
対面で行なっていたプロセスをデジタル化することで、ヒアリング、必要保障額の計算、保険商品の見積り・比較、保険の契約を一貫してスマホでできる。
アプリで複数社の見積りを取り、保障内容の違いを簡単に比較できるため、商品ごとの違いを理解した上で自分に合った商品を選べる。
また、加入している保険だけで必要保障額を満たしているのかなどの悩みは、アプリからプロとチャット相談して解決できる。「直接会うことなく自分の好きな時間にチャットで相談できるので、家にいながらでも保険の見直しができる」という。
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