2020年9月25日 2977号

 

生保労連「第52回定期大会」

(初の書面開催)

 

大転換期を「人」の力で乗り越える

「新型コロナ」で特別決議を採択

 

生保労連は8月21日「第52回定期大会」を開催した。今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、初の書面開催となり「生保産業の社会的使命達成に向けた特別決議─新型コロナウイルス感染症に際して」を採択。松岡衛委員長(=写真)は挨拶で、コロナ禍に対する基本姿勢を次のように述べた。

 

「これまでの当たり前であった価値観や生活様式を急速に変化させつつある。一方で私たちはいかなる環境下にあっても生保産業の社会的使命を果たさなければいけない。この大きな転換期を『人』の力で乗り越えることで、生保産業が今後も社会から共感・信頼を得られるように、特別決議の採択を通じて労組としての思いを共有したい」

 

2020年度の取り組み課題について、次の6点を挙げる。

 

  1. 営業職員体制の発展・強化。
  2. 総合生活改善闘争(2021年春闘の取り組み)の推進。
  3. 職場におけるジェンダー平等、ワーク・ライフ・バランスの実現。
  4. 産業政策・社会政策の推進。
  5. 組織の強化・拡大。
  6. 生保産業と営業職員の社会的理解の拡大。

 

営業職員体制の発展・強化では、松岡委員長は「新しい生活様式に沿ったフェイス・トゥ・フェイスのあり方を模索しながら、これからもお客さまに寄り添い続けることができるように、日々の活動や働き方を変革することが求められている」と強調。

 

テレワーク 適正な運用と活用促進を

 

生保労連は8月31日、業界専門紙と恒例の意見交換会を行った。和歌山寛副執行委員長(組織委員長兼営業職員委員長)は、2019年度に取りまとめた「営業職員体制に関するプロジェクト」中間報告について、「営業職員体制の現状と課題の整理はできており、20年度はなぜ、ここまで課題が多いのかとその原因をしっかり分析をして、めざす姿と現状の課題のギャップを対策として埋めていく。1年かけてやりたい」と述べた。

 

同中間報告では、営業職員体制の現状と課題について、①採用②育成③教育④活動⑤労働条件・社会的イメージの5つのテーマで整理している。

 

生保各社がコロナ禍で進めているテレワークに対する生保労連の考え方について、中島麻紀子副執行委員長(内勤職員委員長兼労働政策委員長)は次のように述べた。

 

「現在も感染防止対策としてテレワークを行い、出社抑制をしている企業がほとんどで、今後もテレワークは一程度定着するだろう。コロナ禍での直近の状況を把握しつつ、引き続き、柔軟な働き方に関する検討を行うとともに、総合生活改善闘争を通じて、在宅勤務の適正な制度運用と活用促進に向けた取り組みを推進する」

 

2020年度は、東日本大震災から10年の節目を迎えることを踏まえ、「営業職員のこれからの役割」を考える労使フォーラムの開催を検討。5年目の節目には「絆フォーラム」を開催した。

 

和歌山副執行委員長は「10年間の歩みを振り返りながら、今後、どのような貢献をしていけるかの可能性を探り、お客さまや地域社会に一層貢献する営業職員の将来像、あるべき姿を考えていきたい」と抱負を述べた。

 

「対面・非接触」のスキームも検討

 

コロナ禍への対応に関連する質問に、意見交換会で小山貴史書記長、和歌山組織委員長兼営業職員委員長は次のように答えた。

 

 生保各社は対面と非対面の融合を図ることに力を入れているが、労連はこの動きをどう捉えているか。

和歌山 職域基盤の出入り規制は以前からあったが、より顕在化して顧客接点がさらに減少している。非対面ツール、Zoomなども慣れるまでには時間がかかり、これまでどおりの営業ができない状況にある。

非対面の営業活動は、一部ではオンライン面談、非対面での保険申込みなどの新しい取り組みも行われている。各社の取り組み予定が先行して報道されているが、現状や課題について各組合との情報交換を実施したい。

さらに、お客さまの生活様式が変化して行くので、アフターコロナを見据えた、対面と非対面との融合について、各組合と検討を進めたい。

 

 では、対面活動はいつ頃から、どの程度まで社会的に容認されるだろうか。

和歌山 対面すべてに戻ることではなく、対面も「接触・非接触」ということで、対面といえば接触だったが、今後は非接触、例えば「画面越し」の営業も出てくる。そのスキームの検討に力を入れたい。

小山 ウイズコロナの中で感染対策を講じた営業活動をしながら、社会的使命を果たしていくためには、非対面の要素を取り入れた活動を準備したり、それを実践しないといけない。

お客さまには「会って説明を聞きたい」というニーズも根強く、アフターコロナの世界ではそのニーズには応えつつ、一方で、簡単な事務手続きで非接触のニーズもある。

非対面の仕組みができ、それが営業職員の活動の効率化につながる。

コロナウイルスに関係なく、営業職員の働き方改革とは何なんだろうか、生産性向上とは何なんだろうか、とその答えをずっと検討してきた。比例給職種なので単純に時間を削ることが、営業職員にとっての働き方改革ではないだろう。

ウイズコロナ、アフターコロナはピンチではあるが、チャンスに捉えられるような形で「営業職員体制に関するプロジェクト」を通じ、働き方改革や生産性向上につながるようにしたい。

 

2面 かんぽ生命

 

生保協会

郵政民営化について意見書提出

 

生保協会は9月2日、郵政民営化委員会より7月30日付で郵政民営化の総合的な検証に向けた意見募集が行われたことを受けて、意見書を提出した。その概要を紹介する。

 

3面 海外事情

 

最新海外保険レポート

ニッセイ基礎研究所 松岡博司

 

米国の個人保険業績は、新型コロナの影響を直接的に受けた5月の業績はマイナスに落ち込んだが、6月には販売件数が15%増と大きくプラス転換し、7月には年換算保険料、販売件数ともプラス成長に立ち直った。販売件数は2カ月連続で二桁伸展を続けている。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

「謝絶」となり法人は無保険状態

奥田雅也

 

経営者のAさんはある病気を突然発症、手術・入院を経て快復、現在は日常生活・業務とも問題ありません。ところが、借入残高に対する保障を得ようと思ったら、保険会社からは「謝絶」の回答。相談を受けた奥田氏が対応します。

 

7面 育成力アップ

 

セールスはトレーニングがすべて!

電話一本でもプロの意識を持て

島津 悟

 

新型コロナの終息が見えない中、面談に辿り着けるにはテレアポが極めて重要な手法となりました。そのトークに「感染リスクを回避ししつも会ってみたい」と感じてもらえるような要素をいかに取り入れられるかがポイントとなります。

 

11面 新商品

 

T&Dフィナンシャル生命

「生涯プレミアムジャパン5」

 

契約者の希望や目的に合わせて「自身でつかうお金」「家族にのこすお金」を準備できる2コースから選択できる円建ての一時払終身保険。特約を付加することで、軽度から重度までの要介護状態・認知症に備えられる。

 

15面 採用・育成

 

組織長への道

人(ひと)重視の組織づくり

 

「私がこのチームをつくった」と自負する坂東千鶴子さん(組織長)は、この間、人間関係を大切にした組織づくりを心がけてきた。ポイントは、営業職員一人ひとりのことを徹底して知っておくという姿勢にある。

 

[トピック]

 

新社長にブノワ・メスレ氏

◇マニュライフ生命

10月19日付で取締役代表執行役社長兼CEOにブノワ・メスレ氏が就任する。9月4日に発表した。

メスレ氏は1976年生まれ、44歳。1988年フランスの国立応用化学院リヨン校卒。アイエヌジー生命の韓国、アジア・パシフィックを経て、2010年アイエヌジー生命(現エヌエヌ生命)に入社。2017年BNPパリバ・カーディフ生命(韓国)、2020年マニュライフ生命入社。

なお、2018年に取締役代表執行役社長兼CEOに就任した吉住公一郎氏は退任する。

 

ペッツファースト少短を子会社化

アイペット損保は、 ペッツファースト少額短期保険を子会社化する。

ペッツファースト少短の創業は2015年12月で、資本金は2億9000万円。保有契約は約1万8000件。同社の関連会社には関東圏を中心に約80店舗を展開するペットショップチェーンがある。

2019年9月に行政処分を受け、現在は新規契約の募集を停止している。

アイペット損保は10月1日、同少短を子会社化する予定。今回の買収により、事業規模の拡大を見込むとともに、10月に予定している持株会社化を前に「グループシナジーの創出を加速させ、さらに収益力を強化したい」という。

 

国民年金基金の加入勧奨業務を開始

ほけんの窓口グループは三井住友信託と併営業務代理店契約を結び、9月1日から国民年金基金の加入勧奨業務を開始した。

加入勧奨業務を手がけるのは直営店舗440店舗。パートナー企業店舗(250店舗)は紹介取次業務を行う。

国民年金基金は、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せする、公的な年金制度。2019年4月に全国47都道府県の「地域型基金」と、22職種の「職能型基金」が合併して「全国国民年金基金」が設立された。

千葉に24店目、神奈川に7店目、大分県に2店目

本厚木ミロードイースト店=8月14日。神奈川県では7店目。厚木市泉町1ー1 ミロードイースト1階。10時~19時。

イオン挾間店=9月4日。募集代理店はシンミョウ保険サービス。大分県で2店目。由布市挾間町北77  イオン挾間店1階。10時~19時。

イオンモール船橋店=9月11日。スマイルライフ。千葉県で23店目。船橋市山手1-1-8 イオンモール船橋3階。10時~21時。

あすみが丘ブランニューモール店=9月18日。Will Japan。千葉県で24店目。千葉市緑区あすみが丘7ー11階。10時~19時。

 

 

10面 本紙集計 生保各社四半期業績

 

20年度第1四半期業績

ネット販売会社大きく伸ばす

 

◆新契約

個人保険新契約金額の全社合計は、件数は254万4千件で前年同期比(以下同じ)46・5%、金額は7兆2323億円で前年同期比56・0%で前年を大きく下回った。これは、言わずもがなであるが、新型コロナウイルス感染症による面談募集不可による影響。対照的にネット販売会社は大きく伸ばしている。

また、個人保険新契約件数は38・9%の8万5千件。金額は40・5%の4946億円。

 

◆保有契約

保有契約は個人保険が823兆292億円(97・5%)、個人年金が102兆2702億円(98・4%)。

 

◆保険料

保険料は6兆6197億円で82・6%。

 

◆年換算保険料

参考までに、年換算保険料は個人保険新契約が2071億円で48・5%、個人年金新契約が384億円で35・2%。

 

注)

  • 会社名は、6月末現在を表す。
  • 新契約・保有契約の件数・金額および保険料の合計は生命保険協会「生命保険事業概況(全42社合計)」から。新契約件数・金額には転換分を含む。
  • 件数は千件未満を、金額は億円未満を切り捨て。
  • 率は前年同期比、率は対19年度末比を表す。
  • web版の表は一部該当しません。
  • (664ピクセル以上でご覧ください)

 

会社名 新契約
個人保険 個人年金
件  数 金  額 率1 件  数 金  額 率1
アクサ 104  3,658  88.6 - △ 1 -
アクサダイレクト 10  480  148.1 - - -
朝日 135  315  89.9 - △ 8 -
アフラック 169  356  61.6 - - -
イオン・アリアンツ - - - - - -
SBI 442  250.3 - - -
エヌエヌ 11  1,491  106.9 - - -
FWD富士 48  6,503  98.6 - - -
オリックス 101  3,202  90.1 - - -
カーディフ 15  38 - - -
かんぽ 23  766  6.3 0 1.0 
クレディ・アグリコル - - - 9 57.8
ジブラルタ 52  4,665  55.5 0 1.5 
住友 69  792  27.1 11  507 48.8 
ソニー 54  5,498  51.7 16  1,102 70.5 
ソニーライフ・エイゴン - - - 8 15.8 
SOMPOひまわり 44  4,189  66.8 - - -
第一 379  393  14.4 236 23.3 
第一フロンティア 591  23.5 11  498 44.3 
大樹 15  783  37.8 79 24.4 
大同 37  4,758  91.8 14 47.9 
太陽 165  854  49.6 1 2.5 
チューリッヒ 32  195  122.3 - - -
T&Dフィナンシャル 636  113.7 12 73.2 
東京海上日動あんしん 60  3,419  72 - - -
ニッセイ・ウェルス 28  31.9 625 109.7 
日本 339  5,498  36.5 14  1,036 25.7 
ネオファースト 29  522  79.2 - - -
はなさく 12  80 - - - -
富国 48  2,356  58.7 29 46.5 
フコクしんらい 107  37.7 0 52.9 
プルデンシャル 49  5,232  52.9 - - -
PGF 509  65.1 1 93.7 
マニュライフ 18  1,336  79.3 526 42.4 
三井住友海上あいおい 50  3,325  66.4 10 76.1 
三井住友海上プライマリー 632  32.8 159 25.5 
みどり 51  68.8 - - -
明治安田 148  2,064  70.9 82 57.0 
メットライフ 93  3,970  51.7 12 5.4 
メディケア 47  399  88.3 - - -
ライフネット 28  1,677  173.3 - - -
楽天 71  519  134.1 - - -
総合計 2,504  72,323  56 85 4,946 40.5 

 

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