2020年1月24日 2945号

 

こくみん共済coop

 廣田理事長が熱く語る

 

新ブランド浸透、業績にも手応え

「変わる勇気」「変える勇気」の二つを持ってほしい──こくみん共済coopの 廣田政巳理事長(=写真)は、昨年8月に就任して、役職員にこう呼びかけた。昨年6月から新しいブランド「こくみん共済coop」を展開。今後、業績にどう結びつけていくか。大規模災害が2年続き、その対応にも全力を挙げる。

 

「自分の仕事」という意識強まる

 

 2018年、19年と大規模災害が続いている。 こくみん共済coopとしても被災者対応をはじめ自然災害の甚大化は大きな経営課題になるのではないか。

廣田 昨年は台風15号をはじめ被害の受付件数は約5万件、特に水害が多い。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、5万件以上の被害を受けられた皆さまにお見舞いを申し上げたい。

2018年度の災害は非常に大きく、15万件以上の受付件数があった。防災・減災の啓発活動の取り組みと同時に、迅速に共済金をお支払いすることに最優先に取り組んでいる。

被災者がまず取る行動として、 こくみん共済coopに電話連絡をする。それに対応するために、電話受付センターを複数化したり、帳票類や被害状況の判断基準の電子化などを行い、迅速に共済金を支払うことに全力を挙げたい。

 

 では、昨年8月に理事長に就任されて、社内向けにどのようなメッセージを出したのか。

廣田 大変難しい時代に入っている。人口減少の社会に入り、どんなに頑張っても事業の大きな伸びは期待できない。したがって内部を変え、こくみん共済coopの契約者にもそれを感じてもらえるように取り組みたい。

これまで組織改革などさまざまな改革を実行して、現在「New︱Zetwork」という新しい中期経営政策を推進している。

ただ、変えるためには勇気がいる。役職員には「変わる勇気」「変える勇気」の二つを持ってほしい。そして、私自身はこくみん共済coopで働く皆さんに対しては尊敬の念をしっかり持って仕事をしたい。このようなことを発信してきた。

 

 変えるものとはどのようなものか。

廣田 仕事のやり方を変えようとしても「昔からこうしているから」という抵抗がある。変えるためにはいろいろな方法があるが、将来的にはデジタルトランスフォーメーションを活用して「器」から変えていきたい。

少し変わってきたことは、仕事について客観的に見るのではなく「自分でやるべきことだ」という意識が強くなってきた。

 

大規模災害に万全な体制で臨む

 

 昨年6月「全労済」から「こくみん共済coop」にブランドを変更したが、どのぐらい浸透しているか。

廣田 こくみん共済coopの手ごたえはいい。昨年7月の調査では「こくみん共済coopを知ってますか」という質問で「知っている」という人が7割いる。これはテレビCMの効果もあり、起用した芦田愛菜さんはとても評判がいい。

ただ「全労済から名前が変わった」ことを知っている人は2割ぐらいで、ここが少し課題になる。

 

 こくみん共済coopの浸透を業績につなげるのが、次の課題になる。昨年8月に「こくみん共済」を改定した。その反応は。

廣田 「新こくみん共済」の新規件数で見ると、10月単月を前年同月と比べると123%になる。昨年1月に改定した「マイカー共済」も前年度と比べると伸びている。

 

 損保業界は自然災害の甚大化により、保険金支払いが想像を超える規模になり、財務基盤の脆弱化が懸念されているが。

廣田 一昨年は、甚大な災害により異常危険準備金の取り崩しを行った。2018年は6月の大阪北部地震から10月の北海道胆振東部地震などの大規模災害で約600億円支払った。2019年は9月から10月の一連の災害で、11月時点の支払いは約150億円。

このような甚大な災害が続くことを想定し、通常の予測を超える共済金の支払いについても相当程度の確度で完遂できるように、今後も計画的に積み立てていく。

 

社会的課題に手を差し伸べる

 

 「最適な安心の提供」の一つに「あらたな生活保障設計運動」の構築を掲げている。どのように実践していくのか。

廣田 「New︱Zetwork」は「お役立ち」発想と「共創」活動の二つのコンセプトで展開している。お役立ちの中で加入者に対して何かあればすぐ相談に乗り、相談の前のトリガーを引くための発信をすることを計画している。

これはすぐにはできないので、お役立ちのための業務改革を進め、この中から生まれる人員を充当したい。それにはデジタルトランスフォーメーションも絡めながら展開したい。

「あらたな生活保障設計運動」は生命系と損害系の二つある。生命系は単純に「こくみん共済」の販売だけでなく、社会価値にどれだけつながるのか、という視点も入れたい。具体的には社会的課題として社会的孤立、社会的貧困があり、そこに手を差し伸べられないか。これを検討し始めている。

もちろん、こくみん共済coopだけでは出来ないので、連合や全国にある労働者福祉協議会とタッグを組むことも検討している。

 

 生保業界ではデジタル技術を導入して、経営革新を進めているが、どう変わって行くのか。

廣田 加入系ではこの先5年から7年の間はフェイス・トゥ・フェイスの募集態勢は変わらないだろう。お客さまと直接会い、顔を合わせることで納得して加入していただける。

AIが社会的共感性を感じ取れるようになると変わるだろうが、現在のAIなら、集積したデータをディープラーニングして、ある結果を導き出し、その結果は人が判断するというレベルだろう。

募集態勢としてはフェイス・トゥ・フェイスが最適であり、それをしっかりと構築するために、バックヤードをデジタルトランスフォーメーションで効率化していきたい。

 

2面 生保労連

 

第53回中央委員会を開催

「人への投資」通じて生産性向上図る

 

生保労連は1月14日、第53回中央委員会を開催した。当日は2019年度活動経過報告、同会計中間報告とともに「総合生活改善闘争・春季方針」(案)が審議され承認された。

 

3面 マーケティング

 

新・消費者心理を探る

ニッセイ基礎研究所 井上 智紀

 

NISA口座数は1309万口座、iDeCo121万人。年齢階層別にみると、NISA口座全体では60歳代が21%で最も多く、60歳未満の現役層が51%と約半数を占めるまで増加している。iDeCoについては50代で11%と最も多い。

 

4~5面 保険市場

 

法人保険 新時代の提案ポイント

⑼従業員を対象とした生保法人契約の全体像

小山 浩一

 

企業の法定外福利厚生の主要なのもに「弔慰金」がありますが、住友生命の調査によれば、企業規模が大きいほど実施割合が高いものの、弔慰金額のランクと企業規模は明確な関係が見いだせません。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

相続や事業承継より介護が心配

奥田 雅也

 

66歳の開業医。業績も安定し、医業承継の目処も立っていますが、自らの両親の介護で、資金と手間がかかった経験から、介護保障に関心があります。「短期払い第三分野の特例」を用いて提案しました。

 

8〜9面 活動確認

 

ランクアップチェックシート

住宅ローン利用者へ最適な提案

 

人生最大の買い物といわれる住宅ですが、年収に比べて無理なローンを組んだ人、金利の低さだけに注目して保障範囲の狭い一般団信を選択した人など、将来のトラブル要因を抱えた人も多いことに注目していきます。

 

10面 新商品

 

はなさく生命

「かんたん告知はなさく医療」

 

この商品に付加できる引受緩和型3大疾病保険料払込免除特約は、上皮内ガンになった場合でも以後の保険料の払い込みを免除する。緩和型医療保険においては業界初。また、給付金額等の削減期間はなく、加入時から100%保障する。

 

15面 採用

 

組織長への道

話し合える組織づくり

 

組織長の大城喜美江さんのチームの特長は、毎日の活動や採用、組織内のこと、さらに営業所全体について疑問を持ったり、感じたりしたことがあったら、遠慮なく、そして忌憚なくみんなで話し合うという雰囲気があり、それがチームの活性化の源泉になっている。

 

[トピック]

 

台風15号・19号、10月の大雨で7462億円支払う

損保協会は昨年12月9日、令和元年台風15号、台風19号および10月25日の大雨による災害に係る各種損害保険の支払件数・支払保険金を取りまとめた。支払額は3つの災害で7462億円になる。

台風15号=受付件数40万0623件(うち火災保険34万9684件)、支払件数37万0907件(32万6551件)、金額3341億円2612万円(3025億円7638万円)。

台風19号=受付件数29万0329件(うち火災保険22万4058件)、支払件数26万4359件(20万3421件)、金額3958億円7954万円(3168億円9286万円)。

10月25日大雨=受付件数1万2463件(うち火災保険5470件)、支払件数1万0976件(4656件)、金額163億円9403万円(88億円0403万円)。(関連記事7面)

 

「7才の交通安全プロジェクト」で金沢大学と共同研究

こくみん共済coopは「7才の交通安全プロジェクト」で、 金沢大学と共同研究を開始する。

共同研究では、7歳児の事故遭遇率の主要因が「飛び出し」である事実に着目し、アイマークレコーダー、ビデオ観測、ヒアリングで実態調査を実施する。

それをもとに、7歳児にとって目を引く標識の採用や幼児教育の専門家による交通安全教育を小学校入学前に実施する。

「この協力によって 7歳児の交通事故を減らすためのより具体的な施策の実施と、産学での共創の輪を広げたい」という。

こくみん共済coopは2019年1月から3月に実施した「マイカー共済見積 もりキャンペーン」と連動し、見積もり1 件につき横断旗1本を寄贈する取り組みを実施。10万8840本の横断旗を全国の児童館などへ寄贈した。なお、第2弾として2019年9月から12 月まで実施した。

 

有価証券投資の運用機能の一部を移管

日本生命と大樹生命は、有価証券投資における運用機能の一部を移管する。

具体的には、両社のクレジット投資とオルタナティブ投資の運用機能をニッセイアセットマネジメントに移管する。「各社のリソースやノウハウの集約を通じて運用態勢の強化を図りたい」という。

ニッセイアセットでは、この移管を通じて蓄積される生命保険一般勘定資産の長期・安定運用のノウハウなど を活用することで「一層質の高い資産運用サービスを提供し、お客さまからさらなる信頼獲得を目指したい」という。

今後、日本生命、大樹生命、ニッセイアセットの3社で方針を具体化し、日本生命グループの資産運用力向上を図る。

 

 

 

 

 

 

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