当初の想定と大きく違っているのは経済環境で、ここまで低金利が長く、さらに下がっていく、という想定はなかった。これは販売面と資産運用面の両方に影響がある──。
住友生命は昨年11月22日、2019年度上半期業績報告を行った。 2019年度は、現行の3カ年中期経営計画の最終年度に当たる。当初想定していたマーケット環境に対してどのような違いが生じているか。この質問に角英幸執行役常務(=写真)はこう指摘した。
そして、販売面と資産運用面の影響について、こう述べた。
「販売面では特に、貯蓄性商品はもっとマーケットが大きくなると考えていたがそこまでいっていない。ここは大きな乖離が生じている。ただ、収益面は保障性商品でカバーできている。
資産運用は厳しい環境が続いている。海外クレジットやインフラ投資など新たな投資を進めないといけない状況に置かれている。リスク管理をしながら、当初思っていたよりも運用の幅を広げている。
次の中期経営計画でも低金利はしばらく続くことを前提に、国内事業、海外事業についてどのような形で収益を確保するか。よりお客さまのニーズに合った商品・サービス提供をどのような形で進めていくか。これらの検討を進めている」
他の質疑応答は次のとおり。
Q 2020年1月から一時払終身に適用される標準利率が0・25%から0.00%に引き下げられる。今後の貯蓄性商品の販売方針は。
堀竜雄営業企画部長 一時払終身の予定利率は金利動向を踏まえて、毎月見直す体系にしており、販売継続が可能な態勢になっている。標準利率引き下げ後も販売を継続する予定だ。
平準払いの個人年金は、2017年4月に標準利率が改定されたことを受け、予定利率を引き下げ、販売継続している。今後の販売状況については、低金利環境が継続しているので、経済動向を踏まえながら検討したい。
Q 低金利が継続する中で、生保として貯蓄性商品をどのように提供できるか。
角 このような環境下で、保険会社が提供できる商品として何があるか、とても難しい局面になっている。その中でも、保険期間が長く、長い投資ができる強みによる投資利回りを、お客さまに還元できる方策はあるだろう。ここが他の金融商品とは違う。
Q 介護関連サービスでアクサ生命と提携している。介護保険分野の今後の取り組みは。
堀 高齢者人口はますます増加して、認知症リスクが高まってくる中で、一つは認知症に対する保障をどうするか。すでに「1UP」や「バリューケア」で介護保障を提供する中で一定のカバーはしているが、より認知症専用の商品も検討している。
アンケートを取ると「どこに相談したらよいか分からない」「より情報がほしい」「紹介をしてほしい」というニーズはとても高い。アクサ生命と協働で取り組んでいる総合的なサポートサービスのニーズはある。
Q 金融庁の監督指針の中で、付帯サービスについても、特別利益供与に当たらないか、商品との整合性と取れているかなどにも目を光らせているが、今後、付帯サービス開発に影響を与えるか。
堀 アクサ生命と提供しているサービスは、提供事業者が通常行なっているサービスの範疇で、特別利益の提供ではない。現行、健康相談ダイヤルなどを提供して好評だが、世代ごとのニーズを捉えたときに、どのようなサービスが有用であるか。この整理をしないといけない。お客さまに付加価値と付帯サービスをどのように提供したらよいか。その内容と手段を含めて総合的に考える必要はある。
2019年度上半期業績では、グループの新契約年換算保険料は前年同期比3.5%増の1136億円。国内事業は一時払終身の販売減の影響などにより5.2%減の624億円、うち住友生命が5.7%減の5940億円、メディケア生命は6.5%増の30億円。海外事業はシメトラ社の企業保険部門の販売増により16.5%増の511億円。保有契約年換算保険料は、海外事業の増加の影響などにより、グループ全体で前年度末比0.3%増の2兆7895億円。
保険料等収入は2.5%の減1兆2526億円。国内事業は一時払終身の販売減の影響が大きく、3.3%減の1兆1631億円。海外事業は保険契約の保有増を主因に9.9%増の895億円と堅調。
銀行窓販の実績では一時払終身が件数で24.2%減の2万6386件、収入保険料で17.8%減の1874億円と落ち込んだ。なお、年金(変額と定額の合計)は好調。件数は32.8%増の2万4993件、収入保険料が2倍強の5438億円。
グループ全体の基礎利益0.3%減の2026億円。国内事業は0.6%増の1855億円、海外事業が12.4%減の176億円。
住友生命単体では0.2%減の1894億円。「団体保険の料率改定などの減少要因があった一方で、外国債券の積み増しなどにより運用収支が増加した」と角執行役常務。
利息及び配当金等収入は0.7%減の3152億円。公社債や貸付金の利息収入は減少したが、海外クレジット資産の積み上げ効果や国内株式からの配当収入は増加している。
ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(EEV)は3兆6867億円で、前年度末比122億円の減少。「新契約獲得や保有契約からの収益確保など、保険事業のプラスの成果がある一方、国内金利低下などによるマイナスの影響があり、前年度末比では概ね横ばい」。
T&D保険グループは昨年11月14日、2020年3月期第2四半期(中間)決算を発表した。太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命のグループ「中核3社」は、各社が得意とするマーケットでそれぞれ堅調な実績を示している。
ライフセトルメントとは生命保険契約の買取である。日本ではある不幸な裁判があり、取り扱いはほとんど不可能となっている。しかし、ライフセトルメントは本来的に必要なものであり、これを概念的にも放逐することは社会的に問題が大きいことである。
今年の活動スローガンは「前倒し 早め早めの準備をして ゆとりを持とう 気持ちも時間も成績も」です。千枚の葉を重ねるように、1件1件丁寧な訪問活動をして行きます。まずは新年のご挨拶訪問からスタート!
年末・年始に帰省した甲さん。年を取った父親との会話がうまくかみ合わない。もしかして認知症? 心配になってFP事務所へ赴くと、併せて相続の問題も指摘され、身辺が慌ただしくなってきました。
法人税の通達改訂を機に、保険料の経理処理が厳密化されてきています。これまでアバウトな処理が容認されてきたため、通達と商品の進化にズレが発生、税務の実態が合わなくなってきていました。
糖尿病患者向けの商品であるが、通常の病気やケガによる入院・手術についても一時金を支払う。保険期間5年満了時に、限定告知型医療保険には無条件で、条件を満たせば通常の医療保険に移行できる。
業界で初となる保障するリスクの選択が可能。3つのタイプがあり、そのうち「全疾病型」では精神疾患も保障する。また、契約タイプとして「ハーフタイプ」と「満額タイプ」があり、給付金の受け取り方を選べる。
まもなく令和元年度の総仕上げの月を迎える。3月の基本テーマは、①年責の総仕上げ②新年度の準備の2点に絞れる。この2点は密接に関係し合い、元年度の目標、課題の総仕上げの内容によって新年度に向けての基礎体力が変わってくる。
JA共済連は昨年12月6日、2019年度上半期業績を発表した。
生命総合共済は件数が前年同期比8.2%減の45万7000件、保障共済金額は0.1%減の1兆6690億円。共済掛金は4.3%減の5108億円。3つの指標とも前年同期を下回った。
建物更生共済も減少。件数は23.3%減の67万7000件、保障共済金額が25.2%減の11兆1301億円と苦戦。共済掛金は28.3%増の2504億円。
また、保障共済の保有契約高(生命・建物更生合計)は1.7%減の248兆4114億円。前年度末から4兆2493億円減少。
解約・失効率は1.57%、解約率は1.43%。支払共済金は12.9%減の2兆1409億円。
基礎利益は3141億円、内訳は危険差2359億円、利差226億円、費差555億円。前年同期と比べ1398億円の増加は危険差が1478億円増加したことなど主因。
なお、2019年に発生した台風15号、17号、19号にかかる建物更生共済の支払額(昨年11月末時点)は次のとおり。
15号=4万3044件・315億円(見込額約345億円)。
17号=1万8629件・52億円(同58億円)。
19号=3万6622件・606億円(同1011億円)。
◇よくわかる!ほけん案内(アフラック)
あまがさきキューズモール店=12月1日。兵庫県尼崎市潮江1ー3ー1 あまがさきキューズモール3階ー340。10時~20時。
札幌エスタ店=12月6日。札幌市中央区北5条西2ー1 札幌エスタ7階。10時~21時。
イズミヤ千里丘店=12月9日。大阪府吹田市山田南1ー1 イズミヤ千里丘店内。10時~21時。
イオンモール熱田店=12月12日。名古屋市熱田区六野1ー2ー11 イオンモール熱田3階。10時~20時。
イオン札幌麻生店=12月14日。札幌市北区北39条西4ー1ー5 イオン札幌麻生店地下1階。10時~19時。
モレラ岐阜店=12月18日。岐阜県本巣市三橋1100 モレラ岐阜2階。10時~20時。
◆お詫びと訂正
12月20日号16面トピックの富国生命「アジア開発銀行『ジェンダー・ボンド』に投資」の記事で「総額5億円」は「総額56億円」の誤りです。お詫びして訂正します。
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