2020年度生命保険会社

〈第２四半期報告〉

 

2020年度上半期は、コロナ禍における対面営業の自粛もあり、個人保険関連は大幅に業績が悪化した。ただ、年度末に向けての半年間は、非対面営業のスキルが磨かれ、減少幅は縮小するだろう（関連記事　2021年１月８日号　１面・2面）。

 

〈新契約〉

 

■個人保険（新契約の増減率は前年同期比）

2020年度上半期の個人保険新契約高は、対前年同期比22.0％減の19兆7320億円だった。言うまでもなく「新型コロナウイルス感染症」の影響。

大手は軒並み大幅減少。かんぽ88.9％減、第一81.5％減、住友53.5％減、日本33.9％減、明治安田16.6％減だった。個人保険販売会社38社中、実に28社が減少した。

一方で、ネット生保のアクサダイレクト、ＳＢＩ、ライフネットが堅調に伸展した。

 

■個人年金

個人年金は個人保険よりも下げ幅が大きく、39.8％減少の１兆5244億円。個人年金販売中の21社中、19社が前年割れした（アクサなど転換により売り上げが純減となった会社はカウントしない）。

ここでもかんぽは97.3％減と大きく後退。

 

〈保有契約〉

保有契約高の増減率は対19年度末を表す。

 

■個人保険

個人保険の保有契約高は、2.2％減の820兆2238億円。保有契約では大きく伸ばした会社はないが、大きく後退した会社もない。大手４社およびかんぽは概ね１～３％前後の減少。

 

■個人年金

個人年金は1.6％減の102兆262億円。日本は0.3％増、第一は1.2％減、住友は0.7％減、明治安田は1.8％減だった。かんぽは9.8％減。

 

〈保険料等収入〉

保険料等収入（保険料・再保険収入）は12.0％減の14兆7787億円（うち保険料は14兆130億円で12.8％の減）だった。

１兆円以上はかんぽ（21.3％減）、住友（7.9％減）、第一（6.5％減）、日本（10.9％減）、明治安田（9.6％減）の５社。

 

〈資産運用関連〉

資産運用収益は36.1％増の６兆4027億円（うち特別勘定資産運用益は9880億円）と大幅に増加した。一方、資産運用費用も52.1％減の9255億円と大幅に減少した。

 

〈解約返戻金〉

解約返戻金の支払いは３兆3215億円で、対前年比で10.4％増。

 

〈年換算保険料〉

下表で示しているとおり、新契約ＡＮＰは個人保険、個人年金および第三分野いずれも30％を超える減少。特に個人年金は50％減少と大きく落とした。保有契約ＡＮＰの減少幅は、大体保有契約の動向と一致している。

個人保険で１兆円を超えたのはアフラック（１兆3090億円）、かんぽ（２兆9833億円）、住友（１兆4973億円）、第一（１兆5453億円）、日本（２兆6591億円）、明治安田（１兆5917億円）の６社。

 

〈本紙集計　全社表〉

備考

①「会社名」

2020年9月末日現在。

②「増減率」

「保有契約」「保有契約ANP」および「総資産」は19年度末比。　その他の項目は対前年同期比。

③「合計金額」

「基礎利益」を除き、生命保険協会「生命保険事業概況」より。

④「単位」

金額＝億円（億円未満切り捨て）、ソルベンシー・マージン比率

（ＳＭ比率）・増減率＝％。

⑤個人保険および個人年金保険の新規契約件数には転換後契約

の件数を含み、新規契約金額には転換による純増加金額を含

む。

 

*ウェブ版は一部抜粋しての掲載となっております。

 

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