2019年12月27日 2941号

 

明治安田生命グループ

19年度上半期業績・営業戦略

 

減収減益 外貨建一時払の減少響く

健康キャッシュバック 22万件と好調で業績下支え

 

明治安田生命グループ、明治安田生命単体ともに減収減益となった。スタンコープ社は買収以降、3年連続の増収増益でグループ業績に寄与──。明治安田生命は11月22日、2019年度上半期報告を行った。(写真=説明に臨む中村篤志常務執行役)

 

グループ保険料は前年同期比6.5%減の1兆4585億円。明治安田生命単体では7.5%減の1兆3008億円、米国金利低下の影響による外貨建一時払いの販売減少が主因。

 

銀行窓販の一時払い業績をみると、一時払終身は件数が55.6%減の1万5515件、収入保険料は53.5%減の791億円と半減した。ちなみに2018年度では6.3万件、3077億円だった。

 

グループ保険料のうち、海外保険事業はスタンコープ社の主力の団体保険事業が好調に推移して、2.1%増の1576億円。海外保険事業に占める割合も10.8%と、0.7ポイント増加。

 

明治安田生命単体の保険料等収入は7.5%減の1兆3008億円。減少要因では、外貨建て一時払いの995億円減少が大きく響き、外貨建てが大きく貢献した前年同期と様変わり。円建て一時払いも167億円の減少。

 

また、個人保険・年金は12.1%減の8200億円。うち営業職員チャネルは3.7%減の6754億円、銀行窓販は40.9%減の1254億円と銀行窓販の落ち込みが目立つ。

 

営業職員チャネルのうち、平準払いは1.1%増の6163億円と微増。2019年4月に発売した「ベストスタイル 健康キャッシュバック」が22万件と好調で、業績の下支えとなっている。

 

明治安田生命単体の新契約年換算保険料は29.9%減の502億円。チャネル別では、営業職員チャネルが27.3%減の436億円、銀行窓販が47.1%減の55億円。

 

第三分野の新契約年換算保険料も31.9%減の194億円と低調。なお、前年同期はベストスタイルの新特約「給与・家計サポート特約」(2018年6月発売)、終身医療などが好調で、53.1%増の284億円だった。

 

グループ基礎利益は明治安田生命の団体保険の保険料率引き下げなどの影響で、前年同期比1.4%減の3123億円となったが「過去最高となった2018年度と同水準を確保」と中村篤志常務執行役。

 

これに対して、海外保険事業はスタンコープ社の団体保険事業の給付率低下による利益改善を主因として、前年同期比34.7%増の244億円。グループ基礎利益に占める海外保険事業の割合は10.8%と順調に伸展。

 

明治安田生命単体の基礎利益は、2854億円と前年同期比114億円の減少。

 

2019年度業績見通しは、保険料等収入がグループ・単体ともに増収から「横ばい」に下方修正。

 

基礎利益は、グループ・単体ともに減益から「横ばい」に上方修正。

 

健診結果の受付から好循環作る

企業価値EEV3年間で20%増

 

Q 2019年4月から発売したベストスタイルの「健康キャッシュバック」の業績は。

中村 上半期で22万件。ベストスタイルの前年同期との比較では13%増加となっている。

 

 みんなの健活プロジェクトの中で「MY健活レポート」をこの秋から開始しているが、進捗状況は。健康増進活動を行い、健診の結果を改善し、その成果を翌年の保険料に反映する、という好循環を作り出すために、どのような営業活動をするのか。

菊野和洋営業企画部営業企画グループマネジャー 加入者から健康診断結果を提出していただく活動は11月からで、受付を始めたばかり。これから、健診結果をもとに「健康キャッシュバック」のランクを判定する。その結果もとに営業職員がお客さまを訪問して、アドバイス活動、付帯サービスのご案内などはまさにこれからスタートする。

健診結果を出していただいて終わりではなく、それをフィードバックし、お客さまに寄り添い、アフターフォローをして次につなげていく循環を考えている。下半期はそこに力を入れている。

 

 法人保険が中止され、新しい税制、販売ルールに基づいた販売が各社再開しているが、明治安田生命の対応は。

中村 2月から7月まで販売を休止し、8月から再開した。8月以降の法人契約の件数は2割のマイナスとなっている。

 

 標準予定利率の見直しで、一時払終身が0%になるといわれている。今後、個人年金などの貯蓄性の販売計画は。

中村 来年1月以降の円建て商品に影響があるだろう。一時払いの円建てはすでに販売休止をした。平準払いの年金は改定をする予定はない。積立保険は販売を継続する。外貨建てはよりニーズを捉えるためにラインナップの拡充を図りたい。

 

 現行の3カ年中期計画が2019年度で終了する。立案するときに想定していた前提条件が崩れている部分もあると思うが、上半期報告ではどのような点が問題として浮上しているか。また、新中計にはどのような影響を与えるか。

中村 成長性・収益性・健全性のバランスを取りつつ、企業価値の安定的かつ着実な構築を標榜している。それを象徴するのが企業価値EEVで、3年間で20%程度増加、年平均で6%成長の目標を立てているが、これは達成できる見込み。

加えて、お客さま数は法人、個人ともに順調に推移。概ね各項目については達成は可能な状況だ。ただし、法人契約の販売休止、商品内容の改定などにより、第三分野は未達になる特殊要因はあるが、概ね順調だ。

新しい中期計画は検討中だが、大きなトレンドとして人口動態や消費性向などの社会構造的な問題と、デジタルやヘルスケアなどのテクノロジーの変化を踏まえ、策定中だ。

企業ビジョンに掲げている「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」の実現に向けて、健康増進や地域社会貢献を通じて、明治安田生命の存在感と業界ポジションの確立を目指したい。

 

 大手生保のような国内グループ戦略をなぜ取らないのか。

中村 様々な議論はあるが、経営資源を集中する上で、統一の引受母体で複数のチャネルに商品を供給することのほうが効率的だと考えている。現時点では新会社の設立や買収を、商品供給のためという意味では想定していない。

 

2019年 Index特集(8P〜16P)

 

8〜9面

 

商品Index

今年も第三分野商品が圧倒的多数

 

2019年に本紙「商品ワールド」欄などで紹介した商品を一覧表で提供する。生保のみならず、損保、少短、JA共済など隣接業界商品も取り上げた。新規・改定も含め、2019年は医療保険など33の第三分野商品が投入された。

 

10〜12面

 

シートIndex

FP販売・販売支援・活動確認シート

 

10面では波乱万丈の1年となった2019年の法人マーケットを振り返り「ランクアップ友の会」メンバーによる放談会を再録。現状と展望を探ります。11・12面は1年分のシートを掲載、4点まで再請求もできます。

 

13〜14面

 

採用・育成Index

組織長への道 2019年総集編

 

生命保険営業の第一線で、採用に、育成に、そして自らの新契約募集などに毎日頑張っている組織長は、一方で拠点長と営業職員の間に立って両者をつなぐ「かすがい」の役割も果たす。そんな組織長のあるべき姿を探る。

 

15〜16面

 

ニュースIndex

健康増進、健康配当、健康経営

 

健康増進、健康キャッシュバック、健康配当、健康経営──2019年の記事を振り返ると「健康」というキーワードが目に着く。2017年から本格化したインステックの潮流の中で、健康というネーミングの「商品・サービス」が登場してきた。

 

 

 

 

 

 

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