2019年12月20日 2940号

 

日本生命グループ

19年度上半期業績・営業戦略

 

厳しいマーケット環境を再認識

外貨建一時払の減少などが響く

 

しゃしん あさひとりしまりやく保険料等収入は増収を確保したものの、利益面では保険料率引き下げや、超低金利環境による運用利回り低下などの影響を受けた半年だった。総じて厳しいマーケット環境を再認識する結果となった──。日本生命は11月22日、2019年度上半期業績説明会を行った。朝日智司取締役常務執行役員(=写真)はこのように総括した。

 

グループの保険料等収入は、前年同期比6.2%増の2兆9503億円。法人向け定期保険の販売停止による減少があったが、日本生命の入院総合保険「ニューインワン」(2019年4月発売)や、年金などの貯蓄型商品の販売好調に加え、日本生命、ニッセイ・ウェルス生命での銀行窓販も増加した。

 

◆幅広く45万件

 

「ニューインワン」は6カ月間で約45万件の実績。若い世代からシニアまで幅広く浸透している。

昨年4月に発売した「だい杖ぶ(特定重度疾病保障保険)」は上半期に7万5000件。前年同期は14万4000件だった。「昨年度は発売直後でかなり売れたが、今年度は落ち着いている」と原口達哉執行役員営業企画部長。なお「だい杖ぶ」は「ニッセイみらいのカタチ」シリーズの13番目の保障になる。

 

基礎利益は、前年同期比11.9%の減益。2018年度に行った保険料率改定の影響により、保険関係損益が減少したことや、円高に伴う外国債券の利息減少などが主因。

 

国内の保険業績をみると、個人保険・年金の保険料等収入は6.7%増の2兆8398億円。うち、営業職員チャネルが3.3%減の1兆5882億円、銀行窓販(日生、大樹、ウェルス合算)が90.4%増の3769億円。金融機関数は299。

 

営業職員チャネルは、海外の金利低下により、大樹生命の外貨建一時払いの減少などが響いた。

 

銀行窓販は一時払いが好調で、一時払終身は件数が4万715件、収入保険料が2364億円とそれぞれ4.6倍、4倍の躍進ぶり。一時払定額年金も9793件、収入保険料が990億円とそれぞれ70%増、39%増の伸展。

 

国内の新契約業績は年換算保険料、件数、保障額ともに下回った。

年換算保険料=2.7%減の2046億円(日生は7.3%減の1152億円)。

件数=0.7%減の261万件(同1.0%減の248万件)。

保障額=4.6%減の4兆4433億円(同2.4%減の3兆8509億円)。

 

◆減収・減益を見込む

 

2019年度の決算見通しはグループ全体で減収・減益を見込む。保険料等収入はニッセイ・ウェルス生命での増収を見込むが、大樹生命の外貨建ての販売減少に加え、日本生命での団体年金の減少や法人向け商品の販売減少により、減少の見込み。

 

基礎利益は、保険料率改定の影響に加え、超低金利による国内債券の利息減少や円高による外債の利息減少により、減益を見込む。

朝日取締役は「国内の超低金利環境に加え、グローバルに金利低下が進むなど厳しいマーケット環境だが、下半期も引き続きグループ一丸となって取り組みたい」と述べた。

 

下半期も個人をしっかり販売

サービスで健康増進サポート

 

Q 法人マーケットでの通達改訂後の取り組み状況と、下半期のリテール営業について。

原口 大きな影響は出ているが、その中でも個人のお客さまにしっかり販売し、基幹チャネルである営業職員を守るということで取り組んできた。

法人保険の販売は9月2日から再開した。販売方法をしっかり教育する中で再開をしているので、立ち上がりは数百件の販売に止まる。これからは、ルールに沿った売り方を粛々としていきたい。上半期に取り組んできた個人への販売を下半期も取り組んでいく。

 

 標準予定利率の見直しで、一時払終身が0%になるといわれている。今後、個人年金など貯蓄性の販売施策に変更はあるか。

原口 標準予定利率の見直しは直接、個人保険には影響ないが、運用環境が極めて厳しい中で、貯蓄性商品自体を今後、どのように取り扱うかは極めて難しい。足元では個人年金については販売を継続したい。

 

 一時払い系の販売を中止する予定は。また、トンチン性の長寿生存年金「グランエイジ」にシフトしていくという考えは。

原口 一時払いは検討中。年金に対する関心が高まっているので「グランエイジ」のお勧めはしっかりしたい。

 

 2019年度は中期経営計画の3年目にあたる。法人マーケットの急激な縮小、運用環境の一段の厳しさなどを受け、中期計画にどのような影響が出るか。

朝日 中期経営計画では、保有年換算保険料、お客さま数、グループ事業純利益、自己資本の4項目を数値目標に掲げてる。この中期経営計画の前提が昨年から今年にかけて少し変わってきた。法人商品の問題や超低金利問題などで、想定していた環境が変わっている。

また、グループ戦略を進める中では、ニッセイ・ウェルス生命とはなさく生命を元受会社としてグループに迎え入れ、目標も少し見直す必要がある。

一番大きい課題は、保有年換算保険料への法人定期の影響をどうみるか、お客さま数はニッセイ・ウェルス生命とはなさく生命の成長をどれくらい見込むのか。この二つについては目標に加味しながら確定するが、考え方は大きく変えない。グループ事業純利益は国内の保険事業がやや苦戦している。

 

 大手4社の中で日本生命は「健康増進型」を出していないが、来年4月に発売する予定は。

原口 2018年度の標準死亡率改定の時「健康割引」ということですべてのお客さまに保険料引き下げを実施した。その上で、サービスによってお客さまの健康増進をサポートしたい。

ただ、仮に保険料に反映するとなると、しっかりとしたデータの蓄積、どのような影響が出るかを慎重に見極める必要がある。

 

 はなさく生命の業績をどう評価するか。

原口 今年6月から営業を開始し、年間3万5000件を目標に、立ち上がりは順調。代理店などの要望を事前に把握するなかで、上手く立ち上がれている。

 

2面 中間決算

 

朝日生命

営業職員数 300人増加の1万1974人

 

朝日生命は11月25日、2019年度第2四半期(上半期)の決算報告会を開催した。経営者向け保険の一時募集停止の影響もあり、新契約業績は昨年を下回ってはいるものの、他の保障性商品の販売が好調なこともあり、堅調な内容になっている。

 

3面 動機付け

 

今日から使えるセルフモチベーション

パワーワードを使って本来の実力を発揮しよう!

メンタルトレーナー 原 小百合

 

もしかすると、あなたも気がつかない間に自分の力を削いでしまうような言葉遣いをしているかもしれません。実力があるのになかなか発揮できない、頑張れば頑張るほど疲れてしまう。このような状態が多ければ、言葉の「遣い癖」を見直してみてはいかがでしょうか。

 

〈今回のセルフモチベーション術〉

  1. 自分の言葉遣いの傾向に気づく。力を削ぐ表現、力づけの表現のどちらが多いか?
  2. 意識的に力づけの表現を選ぶ。
  3. 自分がそうありたい、そう思いたいという言葉を探す。

 

4面 満足度調査

 

PGF生命

人生の満足度に関する調査2019

 

全国の20〜79歳の男女を対象に実施。全員に「これまでの総合的な満足度」を聞いたところ「満足」は40.2%「満足していない」が31.0%。また、パートナーから見て自分自身がどのような夫・妻でありたいかと聞いたところ、男性の半数以上が「頼れる夫」でありたいと考えている。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC 267

E・ノート活用法 銀行員や税理士との協働

税理士 池谷和久

 

保険募集人と協働の観点から税理士を分類すると、①保険代理店で積極的に販売②代理店だが積極的に販売していない③代理店になっていない、となります。それぞれ背景を考慮しながら接点を探っていきます。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

小規模企業共済制度とは

社会保険労務士 園部喜美春

 

経営者は一般の従業員と比べ、公の保護制度が少なく、退職や廃業したときの備えもありません。同共済は、月額1万円を20年間掛け「廃業」なら278万円受け取れます。掛金は全額所得控除の対象となります。

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

中高年者縦断調査からライフプランニング

 

今後、地域や家庭での介護へとシフトしていくなかで、世帯構成の変化は自分が介護状態になったときのリスクを浮き彫りにします。13年前には「夫婦のみ世帯」は21%だったものが、今回44%に倍増しています。

 

12面 海外進出

 

ミャンマーで保険事業を開始

太陽、日生が最新のノウハウ提供

 

ミャンマーでは2019年1月、損害保険事業の外資開放プロセスを開始。これを受け、太陽生命、日本生命、東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上は、合弁会社設立などの認可を受けた。太陽生命は「ミャンマーでも先進的なサービス提供を目指す」と意欲を示す。

 

15面 育成

 

組織長への道

採用から基盤付与まで

 

相原聖子組織長は、育成成功の要因として、⑴採用見込者の長期培養と選別採用⑵新人の個性・能力にマッチした基盤の付与と指導、そして⑶明るい職場環境づくりに向けた取組みの3点を挙げ、着実に階段を昇るように育てることを信条にしている。

 

[トピック]

 

保険持株会社としての認可を取得

KDDIの子会社、auフィナンシャルホールディングスは11月29日付けで、保険持株会社としての認可を取得した。

これにより同社は、銀行持株会社および保険持株会社として12月2日付で 、au カブコム証券、au 損害保険、ライフネット生命保険を含む新たな事業体制で業務を開始。 銀行・決済・資産運用に加え、証券・損害保険・生命保険が集約された金融グループとなる。

「KDDIと共に推進するスマホ・セントリックな決済・金融体験を総合的に提供する『スマートマネー構想』をさらに加速していく」という。

 

アジア開発銀行「ジェンダー・ボンド」に投資

富国生命は、アジア開発銀行が発行するジェンダー・ボンドへの投資を実施した。クレディ・アグリコル証券が単独主幹事となり、総額56億円を購入。

この案件は、クレディ・アグリコル証券を通じて、債券の発行体であるアジア開発銀行と資金の出し手である富国生命の直接的な協議を経て実現。多数の投資家が参加する公募債とは一線を画した形態となる。

*2020年1月4日 記事の数値を修正しました。

 

保険ショップ

◇保険クリニック(アイリックコーポレーション214店舗)

仙台PARCO2店=11月20日。。募集代理店は杜の都エージェント。仙台市青葉区中央3-7ー5 PARCO2 5階。10時~19時。

イオンタウン鵜沼店=11月22日。ゲイン。岐阜県各務原鵜沼西町3-309。10時~22時。

イオンモール沖縄ライカム店=11月22日。ヒューマン&アソシエイツ。沖縄県中頭郡北中城村字ライカム1番地 2階。10時~22時。

イオン近江八幡店=11月22日。デザインパートナーズ。滋賀県近江八幡鷹飼町南3ー7 イオン近江八幡店ショッピングセンター1番街2階。10時~21時。

鳥取雲山店=11月22日。TMコーポレーション。鳥取市雲山210-4。9時~18時。

大阪肥後橋店=11月22日。ウェルスデザイン。大阪府で9店舗目。大阪市西区京町堀1-4ー9 京町橋八千代ビル10階。9時~18時。

中目黒GTプラザ店=11月29日。アイリックコーポレーション。東京都で27店舗目。目黒区上目黒2-1ー3 中目黒GTプラザ1階。10時~20時。

◇よくわかる!ほけん案内(アフラック)

アリオ葛西店=11月22日。東京都江戸川区東葛西9-3-3 アリオ葛西2階。10時~21時。

武蔵小山パルム店=10月28日。東京都品川区荏原3ー7ー6 都筑ビル。10時~19時。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

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