2019年11月15日 2936号

 

第一生命

上半期実績と下半期のポイント

 

市場急変への「予兆管理」にも注力

ヘッジ外債7700億円積み増す

 

しゃしん かいぶちょう金利低下が進む中で、ヘッジ外債をはじめ確定利付資産を多く積み増す─。第一生命は10月24日「2019年度下半期資産運用計画」の説明会を開催した。甲斐章文運用企画部長(=写真)は上半期投資行動の大きなポイントをこう説明する。

 

確定利付資産(第1四半期実績)では円建て債券が1203億円、ヘッジ外債が7749億円とそれぞれ増加。

 

リスク性資産はリスクコントロール目的で一定程度減少の方向で、オープン外債が1568億円、国内株式で449億、外国株式で476億円とそれぞれ減少。

 

一方、低金利環境下の中でポートフォリオの収益力向上の観点から、リスク性資産のオルタナティブ、不動産はそれぞれ37億円、62億円積み増した。

 

「足元の内外金利低下が大きなポイントになってきた。収益性向上や健全性確保の観点からいくつかのオペレーションをしている」

甲斐部長は4つのポイントを指摘する。

 

①海外を中心に景気後退懸念がある。米国の金融緩和への転換、そして、国内外の超低金利環境の継続。この中で、確定利付資産の残高を積み増した。特に海外金利状況を踏まえヘッジコストを考慮しながら、ヘッジ外債を第1四半期までに7700億円積み増した。

 

②健全性確保の観点から、メインアセットになるわけではないがオルタナティブ投資を拡大。インフラ関連、バイアウトおよびベンチャーなどのPEファンドの拡大、不動産への投資を行っている。

 

③経済価値ベースの健全性の維持が生保には重要になるので、デリバティブなど金利低下、リスク性資産の低下に事前予防的にヘッジ戦略を構築した上で実施した。資金配分でもリスクコントロールを実施。

 

④非常に不確実性の高い市場環境なので、予兆管理的なモデルも組み込みながら、アセットアロケーションを実施。各資産の急変リスクに対する定量的なモニタリングを実施しながら、シグナルを用いて予兆管理を実施する。

 

オルタナティブ投資の拡大では、4月に「オルタナティブ投資部」を新設し、専門的にオルタナティブ資産への投資を拡大。用途分散、開発事業への参画を通じた不動産投資の高度化を進め、収益力向上を図る。

 

「価格変動が少なく、安定したキャシュフローを創出するような不動産投資、という観点から高度化、推進を図っている」

 

ESG投資については、QOL向上、気候変動、地方創生・地域活性化を重点テーマに推進。2019年度は気候変動にも重点を置きながら取り組みを強化。

 

「ESGインテグレーションでは、気候変動問題への対応強化として、リサーチにESG要素の組み入れを行う。また、気候変動へのリスクとチャンスの観点で分析を開始して、それを活かしている」

国内だけではなく、ESGファンド運用も外国株式も一部開始して、外国株式についてもESG要素の組み込みを開始した。

 

ESGテーマ型投資の実績では、SDGs債やSDGs事業(社会インフラ整備・環境保全など)で、約4000億円積み上げてきた。SDGs債に約1600億円、SDGs事業への投融資では約1800億円、うち8割は再生可能エネルギー事業への投資になる。

 

不動産は用途・タイミング分散

国内株式は段階的に削減方向へ

 

 ヘッジ外債を第一クォーターに積み増したが、どのような内容か。

甲斐 ヘッジコストを考慮した上でも投資妙味がある部分に投資をした。特に超長期のヘッジ外債を積み増した。

 

 生保運用は保険負債との関連が大きな要素になるが、上半期も含め、2019年度の生保運用はどのような流れの中で位置付けられるか。

甲斐 標準予定利率に対するしっかりとした運用が基本線になっており、この低金利の中で、2019年度はかなり厳しい環境だった。この低金利は一定程度続く。これがメインシナリオで、その中で安定的な運用を志向する。また収益力の観点から、オルタナティブ資産や不動産で収益の向上を図りたい。

 

 不動産マーケットの見通しは。

甲斐 不動産ポートフォリオの構成は、これまで大規模オフィスが多かったが、分散投資の観点から、住宅、物流などさまざまなものに分散する。

できる限り分散することで、根っこからの価格変動に強くなるポートフォリオを構築できるし、キャッシュフローの創出の安定化も図れる。

2020年の東京オリンピックを控え、不動産市況にも高値警戒感があるが、引き続き用途分散、タイミング分散をしながら、段階的に投資を実行する。今の投資判断においては、賃料収入の安定性など厳格な評価を行い、高値警戒感に対してもガバナンスの効いた投資をしている。

 

 オルタナティブの占率はどのくらいか。今後どの水準まで増やすのか。

甲斐 2018年度末で全資産の1.6%ぐらい。メインアセットではないし、案件をかなり細かくデューデリジェンスしながらピックアップしている。その意味で爆発的になることはない。

長期投資が運用方針の基本線なので、金融環境が大きく変わることによってその残高は推移するが、金利が大きく上昇した時にオルタナティブ資産を大きく目減りさせるのか、と言えばそこまでは考えていない。

 

 国内株式の削減の方向は、マーケット以外の要因があるのか。

甲斐 配当利回りの観点を踏まえると、国内株式の投資妙味はある。ただし、4年前からずっと言っているが、これまで負債特性に応じたALM運用を基本線に掲げ、経済価値ベースに関する資本に対するリスクを考慮しながら資産運用方針を策定してきた。

今後も同様に経済価値ベースの健全性を確保しつつ、最適なポートフォリオを構築する。各資産の分散と相関性などを考慮しながら運用方針を策定している中で、国内株式を段階的に削減。上半期、下半期とも削減方向になっている。

 

2面 再保険

 

RGA 生保経営と再保険の役割13

問題あった外資系生保の高額手数料

 

かつて一世を風靡した「変額保険」。当時、多くの生保各社はその販売にシノギを削ったが、一方で、過剰な販売手数料競争による赤字の計上、最低保証に伴うリスク管理の問題を惹起した。再保険はこのような状況下でどう活用されたのか。

 

3面 韓国事情

 

なぜ、十分な内部留保ができない?

慶応義塾大学大学院特任教授 山内恒人

 

韓国も長期にわたる低金利に悩んでいる。韓国では、まだ1パーセント水準の金利があるが、大きな問題を抱える事情がある。私の韓国滞在中(2013年~2015年)に得た生命保険会社事情と保険料体系に与える影響について述べてみたい。

 

4面 自転車事故

 

自転車運転に関する意識実態調査

au損保

 

全国の月に1回以上自転車を運転する男女1000人を対象に調査を実施。自転車事故未遂経験者は6割以上で、その時間帯は16時から18時の夕方が最多。また、7割以上が自転車事故発生時の対処方法は知らなかった。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC

E・ノート活用法 59

自社株評価額を下げる

税理士 池谷和久

 

自社株の評価額。今回は「大会社化」することで評価額を減少させる方法を、総資産価額が19億円で、卸売業を営む会社を例に検証していきます。不足分の1億円をどう足して20億円にすればいいのでしょうか。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

中小企業退職金共済制度とは

社会保険労務士 園部喜美春

 

中小企業のための退職金制度で、雇用主が掛け金を支払って積み立てます。掛金は全額非課税となりますが、外部の積立金として運転資金などには流用できません。パートなどの短時間労働者にも利用できます。

 

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

就労不能・労働災害に備えるライフプランニング

 

労働災害における「休業4日以上の死傷者」は年間13万人弱に及びます。同じく業務に起因する疾病での4日以上の休業は約8700件。労働環境の改善は進んでいるものの、全体と個別のケースには開きがありそうです。

 

11面 商品改定

 

ニッセイ・ウェルス生命

「みらいの笑顔」改定

 

「利率固定プラン」に「利率連動プラン」を追加し、顧客の選択肢を増やした。この商品では、保険料は毎回円で一定額を払い込み、それを米ドルまたは豪ドルに換算してそれぞれの通貨で運用する点が特長。

 

15面 育成

 

組織長への道

イニシャルの攻略法

 

新人の育成にあたってイニシャルマーケットをどう活用するか。なんとなく“労せずして成約できる”イニシャルは、育成の阻害要因と見られがちだが、早期に、そして自力での募集体験ができるという点では意味がある。

 

16面 業界動向

 

伊藤忠が「ほけんの窓口」を子会社化

デジタル技術の活用力など期待

 

伊藤忠商事は10月29日、ほけんの窓口グループの持分比率を57・7%に引き上げ、連結子会社化する、と発表した。

 

同社は2014年6月にほけんの窓口と資本・業務提携を開始してから、既存株主から段階的に株式を取得。これまでの持分比率は46.2%だった。出資を始めてからの総投資額は約160億円。

 

同社は、マーケットイン型ビジネスを強化しており、その中核となるほけんの窓口の連結子会社化を通じて、顧客向けサービスの一層の品質向上と事業拡大を支援する。

 

さらに、30年以上にわたるベンチャーへの投資活動を通じて、先端技術や先進的なビジネスモデル、サービスモデルを活用した新規事業開発を国内外で積極的に推進。

 

「今後、国内外のネットワークを活かし、ほけんの窓口によるデジタル技術の活用やインシュアテックを中心としたスタートアップとの協業を支援したい」という。

 

伊藤忠グループの持ちデジタル技術を応用することで、保険ショップ「ほけんの窓口」の提案力向上、送客アップなど、競合ショップとの差別化につなげることも期待できる。

 

また、同社はコンビニのフアミリーマートを子会社化しており、保険ショップ「ほけんの窓口」の新しいショップ開発、展開などのメリットも考えられる。

 

同社は、中期経営計画「Brand−new Deal 2020 いざ、次世代商人へ」の中で「顧客体験の充実」や「新しいリテールの提案」を掲げており、ほけんの窓口グループの連結子会社化はその一環。

 

ほけんの窓口 2018年度KPI

新規顧客の相談が55万件、9.8万件増加

 

ほけんの窓口グループは9月25日、2018年度(18年7月~19年6月)の「お客さまにとって『最優の会社』宣言」を実践する取り組み状況、品質指標(KPI)公表した。

 

ほけんの窓口グループは「お客さまにとって『最優の会社』」を経営理念として掲げ、2017年4月にこの考え方を取りまとめ、その取り組み成果としてのKPIを公表。 具体的な内容は次のとおり。

 

  • 契約者数=107万2054名で前期末比14万5329名増加。
  • 契約件数 =224万4795件で30万7557件増加。
  • 取扱商品数=257。
  • 契約件数=45万2000件。種目別では医療保険が11万件、自動車保険7.9万件、ガン・三大疾病7.8万件、終身保険5.9万件、定期保険と火災保険・地震保険がそれぞれ3.7万件など。
  • 損保は31.1%を占め、一定のシェアを確保している。

 

また、払方別では、月払いが25万4090件で、全体の81%を占める。年・半年払いが4万2473件(13%)、一時払いが1万5528件(5%)。

 

  • 年間相談件数=90万9659件。内訳は新規顧客の相談が55万4431件と最も多く、既顧客の追加相談が17万7181件、加入手続きなど17万8047件。新規顧客の相談は9.8万件増加している。

 

  • 継続率=13カ月目が97.3%、25カ月目が95.1%、37カ月目が92.6%、49カ月目が89.6%、61カ月目が87.4%。

 

3+①実施率は着実に上がり78%に

 

  • 自動車保険更改率=90.2%。
  • 3+①実施率=78.6%。16年度の58.3%、17年度の66.1%と着実に上がっている。「3+①」は比較推奨販売の完成形として重要視する指標で、3は契約までの面談回数、プラス1は保険証券が届いたら、再度来店して契約内容を確認するもの。
  • 成立までの契約事務平均日数=6.1日。これは7.6日、6.8日と短縮化されている。
  • 地震保険付帯率=79.3%。損害保険料算出機構の調査では18年度の全国平均値が約65%。
  • 保険金・給付金=保険金は488件・17億3200万円。給付金は8万7679件・81億3600万円(18年4月~19年3月)。
  • 損害保険の支払額=自動車保険が22億1100円、火災保険が39億4300万円など。
  • 店舗=直営店415、パートナー店舗247、銀行提携店舗80(提携行数23)で合計742。

 

 

 

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