2019年6月28日 2917号

 

富国生命グループ 経営戦略・18年度決算

 

医療保険 「健康配当」で還元、総額33億円

健康維持付帯サービスは積極的に

 

健康志向の高まりを先取りして、入院給付金の支払いがない医療保険契約に対する「健康配当」を2005年度から実施しており、これを増配する予定──。富国生命は5月27日、2018年度決算報告を行い、鳥居直之執行役員(=写真)は医療保険の配当についてこう述べた。

 

同社の医療保険は5年ごとに配当を支払いタイプが主流で、2019年度に支払う配当金は平均すると1件あたり9000円程度になる。

これにより医療保険の配当総額は、2億円増額して33億円。対象契約は104万件になる。なお、社員配当金は個人保険で7年連続で増配。

 

健康増進型保険マーケットには、2017年度から大手が参入。契約者の行動特性データに基づいたリスク評価と、それに応じた保険料の割引率設定するプライシングが最大の特長で、その業績に関心が集まる。

 

健康増進型保険の受け止め方、同社の戦略について鳥居執行役員はこう述べた。

 

「一病息災と言うが、何らかの病気を持っている人は健康について非常に関心が高く、健康な生活を維持しようとする。健康診断の数値が悪くても、保険金支払いがなければ貢献している。全体の契約の中でどれだけ貢献しているかどうかは、それらの数値で決まらない。

 

ただ、お客さまに健康になっていただきたい、と非常に強く思う。悪化しないように、改善するように役立つことは保険会社の大切な役目だ。お客さまの健康維持、健康になるための付帯サービスは積極的に取り組みたい。それができれば、保険金支払いが減り配当で還元できる。

 

健康増進型保険を発売する予定はない。それよりもリスクを細分化して分析することが保険会社の業務なので、今まで加入できなくても『これなら加入できる』という商品は開発できる。ただ、その予定はないが……」

 

新契約14%増、利息配当金は最高

 

新契約高(富国生命・フコクしんらい生命合算)14.7%増の1兆6375億円。主力の保険金額単価の上昇が主因。解約失効高は2.0%と減少し、改善傾向が継続。

 

保険料等収入は富国生命の団体保険の減少などにより3.3%減少の5774億円となったが、個人保険の平準払いは、16年度の3114億円、17年度の3108億円、18年度の3071億円と安定的に推移。

 

フコクしんらい生命の金融機関窓販は件数が大きく伸びた。17年度の3802件から7996件に倍増。2018年4月に発売した「認知症診断給付金付介護保障定期保険特約」の好調が要因の一つ。介護定特付加の件数は2829件と全体の35%を占める。

 

また、昨年10月に発売した円建ての「利率更改型一時払終身」をバネに一時払終身の実績が大きく伸展。

 

利息及び配当金等収入は、外国建て公社債を積み増しによる利息の増加が寄与し、1554億円と1992年度以来、26年ぶりに過去最高を更新した。

 

基礎利益(2社合算)は過去最高だった前年度からは7.3%減となったが、912億円と6年連続で900億円を確保した。

 

「危険差益は安定的に推移しているが、営業職員の携帯端末『プランドゥ』のリニューアルなど、将来のための大型システム開発投資の減価償却費を2社がともに開始したことで、費差損は拡大。保険関係損益は減少したが、利息及び配当金等収入の増加による利差益の増加により基礎利益は高い水準を確保」と鳥居執行役員。

 

主力の低料効果で1件S伸びる

 

 2018年度新契約業績をどう総括するか。

鳥居 各社の決算を見て特徴的なことは、外貨建て保険と節税型の経営者保険が保険料に貢献していた姿が鮮明だった。富国は外貨建ても節税型も販売していない中で、新契約をプラス伸展させ健闘した。

 

新契約高が増加した大きな要因は、主力の低料効果で1件あたりの保険金額が伸びたこと。そのほかに富国しんらい生命の「認知症診断給付金付介護保障定期保険特約」があり、下期から円建ての利率更改型一時払終身を発売したが、これらが寄与した。

 

19年度は円建ての利率更改型一時払終身が一年を通じて寄与することと、これを富国の営業職員も販売をする。また、コンサルティングセールスを着実に行い、1件あたりの保険金額上昇の流れを継続する。足元の陣容も増加しており、件数を伸ばし、1件あたりの保険金額も伸ばして、全体的に引き上げていきたい。

 

 2019年度の資産運用のポイントは。

小野寺勇介財務企画部長 2018年度は米国が利上げをする中で、日本の金融政策は変わらない、とすると内外の金利差は拡大して、トレンドとしての円安は見込みづらい。そうならオープン外債で収益性向上を図るのが適正だろう、とオープン外債中心にリスクをとって収益性向上に努めてきた。

 

2019年に入り、米国が利上げに慎重なスタンスに転換した。これまでオープン外債を積み増してきた背景、内外金利差トレンドが転機を迎えているので、2019年1~3月期に為替ヘッジを少し積み増して、為替リスクの圧縮を図った。

 

2019年度の運用方針も基本的に大きく変わっていない。むしろ米中貿易問題はかなり激化しており、不確実性は高まっている中では、安全性重視の運用をせざるを得ないだろう。

 

一方で、リーマン・ショックの円高局面、円がドルに対して二桁の時代にオープン外債を積み増し、それが順次、償還を迎える。

例えば、80円で買ったものが110円で償還されるので、30円の為替差益を得ることができる。それによる収益の下支えは、2019年度もそれなりの金額がある。

 

なおかつ、為替リスクを圧縮する過程で、償還時の為替差益にヘッジを付け、すでに金額が確定している状況だ。その意味でも2019年度は収益的にもそれほど無理をしなくても一定の収益性は維持できるだろう。

 

このようなことから、足元のマーケット環境を見ると「安全性重視で行こう」とヘッジ率を高めにキープすることを考えている。

 

2〜3面 商品研究

 

三井住友海上あいおい生命

ニーズに応え「就労不能保障」範囲拡大

 

三井住友海上あいおい生命は6月2日「&LIFE新総合収入保障ワイド」「&LIFEくらしの応援ほけん」を発売した。5月9日に開かれた「新商品説明会」から、この2つの新商品の内容について、開発の背景等も含めて紹介する。

 

4~5面 保険市場

 

法人保険 新時代の提案ポイント

誤解される養老保険問題

ブレークオンスルー 代表小山浩一

 

生命保険法人契約の資産計上ルール議論の観点から養老保険を整理していきます。今般の改正では、養老保険は範囲外となっていますが、1/2損金の意味は「福利厚生費」で、返戻率とは別問題だからです。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

1/2養老保険の目的は「福利厚生」

奥田雅也

 

法人税基本通達の改訂の流れの中で、2分の1養老保険が注目を集めています。従来商品では魅力に欠けるため代替商品の提案となりますが、それ以前の問題として基本要件は押さえているのでしょうか。

 

7面 育成力アップ

 

クロスセリングで人材育成

民保の補完機能ますます重要に

 

新しいガンの治療薬が開発され健康保険の適用になることに異論はありませんが、それを支える高額療養費制度は現行のまま存続できるのでしょうか。医療保険不要論の後ろ盾にもなっているだけに心配です。

 

8〜9面 活動確認

 

ランクアップチェックシート

先ず商品ありきから、顧客ニーズの把握へ

 

今号は島津悟氏による特別寄稿です。返戻率競争が激化し「〈顧客ニーズを掴む〉という最も重要な作業が疎かになっていないか」と警鐘を鳴らす意味で、基本スキルを見直すためのシートを作成していただきました。

 

10面 新商品

 

東京海上日動あんしん生命

「無解約返戻金型終身死亡保障」

 

この商品に保険料不要で付加できる「特定悪性新生物保険金前払特約」も併せて発売する。この特約を付加することにより、所定のガンと診断確定された場合、死亡保険金の全部または一部を前払いできる。

 

11面 損保新商品

 

東京海上日動

「特定設備水災補償特約(浸水条件なし)」

 

「トータルアシスト住まいの保険」用の特約。「水災による損害の程度」にかかわらず、水災によって生じた損害を補償する。従来は「水災による損害の程度」が一定の条件に該当しない場合、保険金支払いの対象ではなかった。

 

15面 少短協会

 

日本少短協会「中期3か年計画」

新執行部を選出

 

(一社)日本少額短期保険協会は6月5日、通常総会を開催した。制度が発足して10年以上になるが、現在、少額短期保険会社は100社を超え、数の上では生・損保会社を上回る。同協会が公表した「中期3か年計画」を中心に紹介する。

 

[トピック]

 

金融機関向けに「ひまわりマイクロラーニング」

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、研修・学習動画配信システム「ひまわりマイクロラーニング」を構築した。今後、 金融機関向けにサービスを提供する。

ひまわりマイクロラーニングには、生命保険などの金融商品を販売するために必要な知識・スキル、ビジネススキル、基礎知識の3領域7分野、約250本にわたる研修・学習動画を掲載。動画は5分から10分程度。

ひまわりマイクロラーニングは、金融機関のパソコン・タブレット・スマートフォンから、手軽に研修・学習動画を視聴できるウェブサービス。

顧客への提案前や移動時間など、隙間時間で視聴できるように工夫し、無料で利用できる。

「ひまわりマイクロラーニングは単独で導入することも可能だが、当社の集合研修・ 勉強会とあわせて活用することで、より効果的に利用 できる」という。

 

ドラレコ型が発売4カ月で10万件を突破

三井住友海上とあいおいニッセイ同和は5月31日「見守るクルマの保険(ドラレコ型)」の契約件数が10万件を突破した、と発表。2019年1月の販売開始から約4カ月。

同商品は、通信型ドライブレコーダーを活用して、事故などで衝撃を検知した場合に、同社へ自動通報し、専用デスクのオペレータが契約者に事故の初期対応をアドバイスする。

また「あおり運転」による重大事故の発生を契機に、車両後方の運転映像も録画したいというニーズが高まり、専用リアカメラで車両後方の運転映像を録画できる機能も新たに追加した。

 

スタートアップ企業「リーズンホワイ」に出資

FWD富士生命は「リーズンホワイ」に出資した 。

リーズンホワイ社は、 医療ビックデータを活用したITサービスを提供するスタートアップ企業。ビジョンは「医療×ITで全人類の寿命を1秒伸ばす」。

同社は、ネット型セカンドオピニオンサービス「ファインドミーエフ」を展開。ガン保険の商品付帯サービスとして、リーズンホワイ社と協業する。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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