2019年5月24日 2913号

次週は5月の第5週のため、5月31日付の発行はお休みします。次号(2914号)は6月7日付になります。あらかじめご了承ください。

 

MDRT・バンダーウルフ会長がビジョンを語る

 

9月にシドニー 新たな「ミーティング誕生」

 

しゃしん ばんだーうるふかいちょうロス・バンダーウルフMDRT会長は4月15日、「メディアラウンドテーブル」を都内で開催した。主催はMDRTアメリカ本部。バンダーウルフ会長(=写真)は、最重点課題として①アジアでの会員数が急増するなかで、各国ともに満足のいくサービスの提供②テクノロジーへの投資という2点を強調する。また、「アニュアル・ミーティング」とは別に、新たに「グローバル・カンファレンス」を開始。第1回は今年9月、シドニーで開催するが、今後、アジアでの開催を予定。

 

会員数は7万2000名に急増

 

Q 日本は初めてですか。

バンダーウルフ これまで3回MDRTの仕事で来日した。4回目の今回、MDRT会長として日本に来られ、大変嬉しい。

 

Q MDRTの会員数は増えているそうですね。

バンダーウルフ 2015年に役員会メンバーになった時、会員数は4万3200名だったが、現在7万2000名となり、会員が70%増えた。偶然にも日本会の会員数も2015年の4270名から7000名と、64%の増加。同じような成長を遂げていることは興味深い。

 

Q グローバルにメンバーが増えている要因は。

バンダーウルフ MDRTは保険業界のセールスマンから始まったが、プロ意識がどんどん高まることと相まって、ファイナンシャルアドバイザー全体という感じでターゲットが広がっている。倫理、教育に力を入れおり、メンバーが増えると、MDRTの認知度も高まり、メンバーが増えるという循環になっている。

それから意識も変わってきた。退職金運用を手伝ったり、教育費のアドバイスができたり、お客さまの人生にインパクトを与えられるという理解が高まっている。

 

Q では、喫緊の課題にはどのようなことがありますか。

バンダーウルフ それは会員数が劇的に増えているところから発生している。例えば、中国は会員数が一番多いが、われわれにとっては新しい市場になる。そして、急成長している市場にベトナムがある。中国のように全く新しい市場もあるし、日本、韓国、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどのように成熟した市場もある。どちらにも満足のいくサービスを提供することが課題と考えている。

数年前、MDRT役員会で話し合い、「会長が変わるたびに方向性を変えるのではなく、もっと長期的な戦略のもとで運営をすべきだ」と決めた。

 

アジア地域での開催も検討中

 

Q 具体的には。

バンダーウルフ 現在は長期的な戦略にもとづいて事業を推進しているが、戦略というものは成長にも合わせないといけない。2018年のアニュアル・ミーティングは米国ロスアンゼルスで開催し、1万5000人が参加した。その時、役員会で「今後、アニュアル・ミーティングをどうしていくか」を議論した。

参加者1万5000人を2万に拡大するというやり方もあるし、「他の新しいミーティングを設けるやり方もある」という意見が出た。

そして、2019年からアニュアル・ミーティングに追加して、新しいミーティングを開催することを決めた。

今年のアニュアル・ミーティングは6月にマイアミで開催するが、1万3000名から参加申し込みがあった。新しいミーティングの「グローバル・カンファレンス」はこの9月にシドニーで行う。すでに7000名の申し込みがあり、二つのミーティングをすることは正しかった。

 

Q アジアでの開催は。

バンダーウルフ 2020年、2021年のグローバル・カンファレンスの開催地はアジアを含め検討中だ。

 

「プロ意識や倫理」の教育水準上がる

 

Q 若手メンバーの育成について、どのように考えていますか。

バンダーウルフ 若年層のリクルートは、成熟したマーケットでは難しい。MDRTとしては、メンバーの先輩が後輩を教えるメンタリングをすることで、新しい人を積極的に採用しようとしている。米国には「MDRTアカデミー」があり、これを他の国でも展開したい。

それから、採用だけではなく、今いるメンバーたちも成功するために、ずっと継続してくことも大事なことだ。特に、保険は規制やコンプライアンスが厳しくなり、どんどん専門性が高くなっている。

 

Q 「MDRTアカデミー」の狙いは。

バンダーウルフ 試験的に2018年から導入して、保険会社、金融サービス会社と連携してオンラインで提供。特に保険業界は最初の1、2年で辞める人が非常に多いので、辞めないように働きかける。

その後、4年目に退職者が多くなる傾向があり、保険会社のリソースも活用して、メンバーが継続できるようにサポートしている。また、以前にメンバーだった人たちにも、MDRTメンバーの資格を達成できるようにサポートする。

 

Q 日本では銀行窓販でのクレームの多さが問題視されていますが、顧客本位の販売をどのように考えますか。

バンダーウルフ コンプライアンスは各国で厳しさを増している。特にMDRTで重要視するのがプロ意識と倫理。倫理に関するガイドラインを設け、メンバーが倫理的に反する行為をすればメンバーの権利を剥奪する。

私が会長になった昨年9月から各国で話をすると、「お客さまに商品を売るのではなく、お客さまとの関係をもっと築くようにしている」という会社が多くなった。エージェント、アドバイザーに対する倫理やプロ意識の教育レベルがグローバルに上がっている印象を受ける。

 

Q 高齢社会の中で、保険販売にどんな変化が見られるでしょうか。

バンダーウルフ どこの国でも政府が年金に対する関与を強めているし、年金に対するアドバイスザーの質を上げるべきだという傾向がグローバルにある。

オーストラリアでも退職する人がどんどん増え、人生も長くなっている。つまり退職した後に必要なお金が増え、退職後の目標や要求も高まっている。そこで、アドバイスザーが必要になる。

年金関連の商品は、特に英国とオーストラリアではコミッションを受け取ってはならず、コンサルティングサービスを提供して、そこから手数料を取る。ここが一つ課題でもある。

(2面につづく。本紙でご覧ください)

 

2面 テクノロジー

 

MDRT調査

「ロボ」はアドバイザーに取って代われない

 

大多数の米国人(88%)は、「テクノロジーはファイナンシャルアドバイザーに取って代わるものではなく、人間を補完するものであってほしい」と考えている。アドバイザーの業務に革新的なテクノロジーを統合していくべきであることも示された。

 

3面 生保協会

 

外貨建保険等に対する苦情対応

苦情、直近5年間で約3倍

 

生保協会は、かねてからの課題であった「外貨建保険等に関する苦情」に対する対応策を発表した。対応方針の基本的な考え方は、「顧客本位に立脚したお客さま説明の充実」と「継続的なモニタリングを通じたPDCA機能の強化」だ。

 

4~5面 保険市場

 

法人保険 新時代の提案ポイント

⑴生命保険法人契約に関する検討

ブレークオンスルー 代表 小山浩一

 

生命保険の法人契約とはいったい何を目的に結ばれるのでしょうか。新連載では、実践的な視点から掘り下げ、販売トークを裏打ちしていきます。まずは国税庁から6月にも出される新通達の影響から。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

手厚い福利厚生プランを望む社長

奥田雅也

 

法人税の基本通達改正で安易な損金話法が封じ込められましたが、奥田氏は「提案で使える保険商品が少し減っただけ」と喝破。自ら進行中の1/2養老を活用し、役員退職金を準備するプランを披露します。

 

8〜9面 活動確認

 

ランクアップチェックシート

法人契約の新潮流に備える

 

国税庁のパブリックコメントの内容を整理し、今後、可能な展開を模索していきます。損金話法の検証とともに、欠損法人が6割以上も占めるマーケットの捉え直し方などを6枚のシートにまとめました。

 

10面 新商品

 

三井住友海上プライマリー生命

「しあわせ、ずっと2」

 

毎年、定期支払金を受け取れる「定期支払コース」を新設した。従来からの複利で増やす仕組みの「積立コース」と、新たなコースのいずれかを選択できる。また、特約付加により終身の死亡保障に替え終身の介護年金の受け取りも可能。

 

15面 採用

 

組織長への道

「一緒に拠点を良くする気持ち」共有しよう

 

基本的に異動がない組織長に対して、拠点長はほぼ2~3年おきに異動する。新契約に、採用に、組織を率いて奮闘する組織長にとって、新しく異動してくる拠点長は気になるところだ。拠点長のタイプ別にその対応法を考えてみる。

 

[トピック]

 

次期生保協会長に清水博社長(日本生命)

生命保険協会は4月19日の理事会で、次期生保協会長(57代)に日本生命の清水博社長を内定した。7月19日の臨時社員総会終了後の理事会で選任する。

 

電話応対品質の自動評価モデル開発

MS&ADインシュアランスグループ ホールディングスは、パーソルワークスデザインと「電話応対品質の自動評価モデル」を共同開発した。

第一弾として、三井住友海上が4月から「三井住友海上お客さまデスク」に導入 。今後、グループ各社へ順次展開する。

自動評価の手順は次のとおり。

①コールセンターで導入している音声認識システムを活用して、オペレータの通話音声データをテキスト化。

②テキストデータの中から、あらかじめ登録した評価対象となる言葉の有無をチェック。

③会話の流れや評価対象となる言葉による加点・減点を行い、「オープニング」「応対作法」「質問・問題解決」「サービスマインド」「クロージング」の5つの評価項目ごとに重みづけを変えて、 加減乗除で数値化 。

オペレータが使う特徴的な言葉を、音声認識システムに登録し、自動で評価することで、「すべてのオペレー タのお客さま対応を、迅速かつ均質に評価することが可能になる」という。

同モデルは、パーソルワークスデザインのHDIサポートセンターアナリストに基づく評価指標を取り入れて開発したもの。

 

仏の大手資産運用会社と関係強化

朝日生命と 朝日ライフアセットマネジメント(ALAMCO)は、仏の大手資産運用会社「ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社」と資産運用面で関係を強化することで合意した。

同社はフランス第2位の銀行グループ BPCEの子会社。運用資産残高は約101兆円(2018年12月末)。

今後、朝日生命とALAMCO は、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社とのグ ローバルな販売網の相互活用、海外投資におけるナティクシスグループの運用商品の活用、トレーニー派遣など行う。

なお、朝日生命グループと同社は、これまでの20 年間にわたり強固な協力関係を築いてきた。

 

「関連事業部」を新設

アフラック(5月8日)

「関連事業部」を新設。子会社に対する業務執行の適切な監督と支援を通じて、企業統治の枠組み(グローバ ル・グループ・ガバナンス)をより強固にするとともに、同社の経営戦略のもとで子会社を一層戦略的に活用する。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

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