2019年5月3日 2910号

 

メットライフ・クラフェイン新社長が語る

 

保険含め「ソリューション」で邁進

大きな誇り トルコでチームと一緒に再建

 

2月に就任したばかりのエリック・クラフェイン新社長(=写真)。米国、中南米、メキシコ、アルゼンチン、欧州、中東で、保険ビジネスのキャリアを積む。変化し続けるニーズへの対応には、商品からソリューションへのシフトを指摘。さらにその中では、カスタマーエクスペリエンスが極めて重要となり、「それをよりスムーズに提供することで、大きな前進ができる」と自信を示す。

 

─これまでの経歴は?

クラフェイン イタリアで生まれてフランスで育ち、そのあとアメリカで学んだ。また、保険販売に携わる家族の元で育った。祖母がフランスで保険販売を行っていた。父も生損保の販売にずっと携わってきた。そのような血を私も脈々と受け継ぎ、保険販売はとても大切で崇高な使命を帯びていることを理解している。

 

─保険業界のキャリアは。

クラフェイン 保険キャリアの第一歩はアメリカのAIGグループ。20年数年ずっとこの業界一筋でキャリアを積んでいる。米国、中南米、メキシコ、アルゼンチン、欧州、中東、そして日本と、さまざまな地域で仕事をすることができた。住んだことのある国は日本で10カ国目になる。

日本に来る直前はEMEA(エミーア)という26カ国で構成されるヨーロッパ、アフリカ地域全体を統括する仕事をしていた。もちろん営業チャネルを統括したり、トルコの全体のマネジメントをしたり、オペレーション、商品などさまざまな仕事をしてきた。

 

─保険ビジネスでは20数年のキャリアがありますが、誇りにできることは何ですか

クラフェイン トルコで最高経営責任者として、全体を統括していた経験がある。就任直後から、規制環境あるいはビジネス環境に劇的な変化が一気に押し寄せ、トルコの保険ビジネスの転換点となるタイミングだった。

複雑な状況の数年間、チームと一緒に立て直すことができた。一人で何かができるとまったくは考えない。「チームと一緒に」を強調したい。

具体的には、大きな銀行との独占的な販売契約、保険会社の買収など、いくつかの打ち手があり、立て直すことができた。いまでは、メットライフグローバルにとって最も成長スピードが早いビジネスの一つだし、EMEA地域の中でも、最も規模の大きなビジネスになっている。一緒に戦ってくれたチームにとっても非常に大きな誇りだった。

 

耳を傾け、寄り添い成功し続ける

 

─メットライフのトップとして、日本での最優先のミッションは何でしようか。

クラフェイン メットライフを責任のある形で継続的に成長することを目指したい。そして、注力分野の「お客さま」と「社員」を後押しするイノベーション。

顧客ニーズは急速な進化を続け、さまざまななセグメントごとのニーズの変化、そのペースはそれぞれ異なる。その中でわれわれが成功し続けられるかどうかは、お客さまのニーズにきちんと耳を傾けることができるか、変化し続けるニーズに引き続き寄り添い対応していけるか、そこにかかっている。

 

─変化し続ける顧客ニーズにどう応えていきますか。最大のポイントは何ですか。

クラフェイン 商品からソリューションへのシフトが必要ではないか。当然そこに保険の部分は残り、ソリューションの中心はお客さまのライフスタイル、生き方になってくるだろう。

その中では、カスタマーエクスペリエンスが極めて大切になる。それをよりスムーズに提供することで、これから大きな前進をすることができる。

 

─ソリューションの提供で、具体例はありますか。

クラフェイン メットライフが最近、シンガポールで発売した保険商品「ビタナ」がある。これはブロックチェーンの技術が背景にあり、とてもスムーズなカスタマーエクスペリエンスを作り出せる。このようなイノベーションをさまざまマーケットから日本に持ち込みたい。

 

引受査定のイノベーションが鍵

 

─商品からソリューションという流れの中で、他社の先進的な取り組みで注目している点はありますか

クラフェイン 保険業界のビジネスのあり方全体を変える可能性を秘めたイノベーションはある。それは引受査定部門のおけるイノベーションだ。

ダイナミックな引受査定と呼ぶように、さまざなデートを活用して、お客さまのその時々の状況、習慣などに合わせて、ダイナミックな形でデータを活用して、引受査定をするイノベーションだ。

この業界の将来は、やはりデータが握っている。お客さま一人ひとりに合わせた適切な商品を引き受ける可能性がある。それによって、業界全体が大きく変わる可能性があると信じている。

このような取り組みは、グローバルに少しづつ開発されているが、メットライフでもソリューション開発テストを進めているので、日本にも導入できることを願っている。販売しているライフ、メディカル、リタイアメントなど、すべてに関わってくる可能性があるだけに、大きな影響がある。

さまざまな行動や習慣に合わせたダイナミックなデータ活用による引受査定と、ブロックチェーンを組み合わせることで、飛躍的なイノベーションが可能になるだろう。

 

─健康増進型保険が注目されています。健康をキーワードにしたビジネスをどう展開していきますか。

クラフェイン 保険会社は、お客さまのさまざまな習慣に関わるデータ、請求データなどを非常に多くのデータを持っている。このデータは、適切なスタートアップ企業と組むことでさらに活かせる。DeNAとの戦略的提携もその一つ。

万が一の保障だけでなく、健康なライフスタイルによって健康を維持するという価値も提供できる。疾病の診断から治療、リハビリ、保険金、給付金の支払いまですべてにわたるものを検討している。

これを実現するためには、最もふさわしいパートナーと手を組む。お客さまが健康な生き方をするためのツールやソリーションを提供する。これがお客さまとの約束である「いい明日へ、ともに進んでゆく」ことを実現する。

 

3面 マーケティング

 

新・消費者心理を探る

ニッセイ基礎研究所 井上智紀

60歳未満2人以上世帯の医療保障準備

 

今回は60歳未満の2人以上世帯における医療保障準備について概観します。病気のリスクや顕在化した際の資金需要には夫婦間で差はないとすれば、医療保障準備の夫婦間格差解消が求められます。

 

4面 中小企業開拓

 

開拓するための基礎知識

行政手続きに拘わる改元の影響

 

新元号に変わることで、行政手続きにはどのような変化が起こるのでしょうか。運転免許など行政発行の証明書類は? 「平成」だけが書かれた申請書式の対応は? 実態に合わせて変更していくものが多いようです。

 

7面 育成

 

私が新人を育て上げます!

情報収集から提案活動へきっかけを作る

育成トレーナー 堀尾美佐子

 

お客さまを中心に話をすると、「勧められている」という意識が少なくなります。断られることも少なくなります。デパ地下などで試食を勧められるケースが、それと同じ感覚だと思ってください。

 

8~9面 FP販売

 

教えてFP相談室

寿FPコンサルティング 高橋成壽

 

髙橋先生による新連載がはじまります。架空のタカハシFP事務所に持ち込まれる相談や問題をタカハシ所長、ママFP、新人FPの3人でベストプランを導きます。今回は「離婚によるマンション共有の是非」。

 

10面~13面 春の新商品

 

日本生命

「ロングドリームGOLD3」

 

従来の「ふやすタイプ」「うけとるタイプ(指定通貨で10年一定)」に加え、契約時に定期支払金額を円建てで固定し、毎年決まった金額を円で受け取れる「うけとるタイプ(円で10年一定)」を選択できる。これは業界初。

 

朝日生命

「スマイルメディカルスーパーワイド」

 

「スマイルメディカルワイド」の改訂版で、引受基準を大幅に緩和した。特に給付金・一時金は、ケガに加え、病気についても契約1年目から満額保障する。また、告知は従来の3項目から2項目に改訂した。

 

JA共済

「生命総合共済の仕組改訂」

 

一時払終身共済(平28・10)に、生存給付特則を新設した。これは組合員の生前贈与ニーズに応えたもの。生存給付金は、支払期間中の各共済年度の満了時に生存している場合、共済金額の20%を支払う。

 

楽天生命

「楽天生命医療保険1095α」

 

従来の医療保険の特徴である「1入院1095日の入院保障」に加え、3大疾病や7疾病への保障を備えることが可能。また、保険料についても改定を行い、加入しやすい保険料水準とした。

 

[トピック]

 

赤ちゃんクラブ会員向けに育児支援サービス

富国生命は「KidsPublic」と提携し、4月から「小児科オンライン」「産婦人科オンライン」を、フコク赤ちゃんクラブ会員向けの育児支援サービスとして提供。

小児科オンライン・産婦人科オンラインは、平日の18時~22時の間、10分間の予約制で小児科医・産婦人科医・助産師に相談できるサービス。

「妊娠から子育てという心身の不安が大きい時期に、スマホから無料で小児科医・産婦人科医・助産師に気軽に相談できる環境を作り、安心して出産を迎え、育児ができるよう支援したい」という。

「フコク赤ちゃんクラブ」は1996年に設置。保険加入の有無に関係なく、0~6歳の子どもがいる世帯を対象に、子育て情報の発信やイベントを開催。会員数は約25万5000人(2019年2月末)。

KidsPublicは「子育てにおいて誰も孤立しない社会の実現」を理念として、インターネットを通じて子どもの健康や子育てをサポートしている。

LINEを活用した専用アプリ「DC年金コンパス」

東京海上火災は、LINEを活用した専用アプリ「DC年金コンパス」を開発し、3月26日からサービスの提供を開始した。このサービスによって、いつでもどこでも簡単にDC資産を確認することができる。

 

DC年金コンパスの概要は次のとおり。

①資産状況の確認──自分のDC資産状況を確認したい時に、LINEのトーク画面からワンクリックで最新の運用状況を確認できる。

②運用割合変更・預け替えなどの手続き──LINEアプリ内ブラウザで、加入者専用ホームページや日本レコード・キーピング・ネットワークのホームページへアクセスができ、DCの詳細な情報の確認と運用割合の変更や預け替えなどの手続きを簡単にできる。

③DC関連情報を入手──毎月拠出のお知らせや、DC関連の最新情報を定期的に受け取れる。同社からLINEのプッシュ通知でメッセージを配信。

DCの運営管理機関としてLINE公式アカウントを開設し、このようなサービスを行うのは業界初。

なお、加入者数はiDeCo約107万人、企業型DC約690万人(2018年10月末時点。厚労省調べ)。

 

保険ショップ

◇保険クリニック(アイリックコーポレーション189店舗)

渋谷道玄店=4月1日。「パートナーエージェント 保険クリニック第2号店」としてオープン。パートナーエージェントは婚活支援サービスを展開。アイリックコーポレーションと提携して、2016年1月、パートナーエージェントの丸の内店内に第1号店をオープン。

パートナーエージェントは19年4月、新たな結婚式スタイルを創造する「メイション」をグループに入れ、2号店はメイション渋谷ルーム内に開設した。

キテミテマッド店=4月13日。ダイエー松戸西口店を移転オープン。千葉県では21店目。松戸市松戸1307-1 キテミテマッド1階。10時~20時。定休日はなし(元旦、施設休館日)。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

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