2019年1月25日 2897号

 

明治安田生命グループ

下期の営業推進・上期の業績

 

創客戦略 損保で接点、生保で追加契約

外貨建て、「海外」が業績を下支え

 

明治安田生命グループで増収増益。特に基礎利益では、2年連続の最高益を更新─明治安田生命は昨年11月22日、2018年度上半期報告を行った。

 

2018年度は、3カ年プログラム「MYイノベーション2020」の中間年度に当たり、荒谷雅夫専務執行役(=写真)は基本的な経営方針を次のように述べた。

 

「計画的な資産・負債のコントロールを継続するとともに、国内では成長が見込まれる『第三分野』『高齢者・退職者』『女性』『投資型商品』の4つを重点マーケットと位置づけ、2017年に発売した第三分野商品や外貨建て商品の販売強化に加え、2018年6月には『ベストスタイル』に新特約を投入するなど、新商品の開発に取り組んできた」

 

また、海外事業展開では「グローバルな成長機会を取り込みつつ、既存投資先とのシナジー創出や収益力強化に資する取り組みを強化している」。

 

この結果、グループ保険料は前年同期比5.2%増の1兆5601億円。明治安田生命単体では5・5%増の1兆4057億円、海外保険事業が2.8%増の1543億円とそれぞれ堅調。

グループ保険料の増加額は、外貨建て保険「米ドル建・一時払養老保険」(2017年8月発売、営業職員チャネルで販売)などの731億円、スタンコープ社の41億円の貢献によるもの。なお、海外保険事業がグループ保険料に占める割合9.9%。

 

グループ基礎利益は3169億円と16.0%増。上半期ベースで過去最高益を2年連続更新。単体の基礎利益が2969億円と15.5%増加したことに加え、スタンコープ社も20.1%増の255億円と利益貢献している。同社は主力の団体保険事業を中心に堅調に推移。グループ基礎利益に占める海外保険事業の割合も8.1%と順調に伸展。

 

単体の保険料等収入は5・5%増の1兆4057億円。外貨建て一時払が1337億円を上げ、円建て一時払、団体年金の減少をカバーして、プラス伸展に貢献。

 

営業職員チャネルの保険料等収入では、8.1%増の7011億円となり、平準払商品は1・8%増の6093億円と堅調に推移。一時払い商品も83.7%増の918億円と大きく伸びた。

 

銀行窓販も47・2%増の2122億円と大幅伸展。一時払終身「外貨建・エブリバディプラス」を2017年8月に発売。円建一時払終身「エブリバディ」をベースにしたもの。

 

基礎利益は2969億円と前年同期と比べ398億円増加、上半期ベースでは2年連続で過去最高益を更新。「外国公社債の積み増しにともなう利息および配当金等収入が利差益拡大に貢献」と荒谷専務執行役。

なお、営業職員数は3万2526人。前年度末から750人増えた。

 

60代、70代の接点も大きく拡大

「ライト」83万件の7割は白地

 

Q 重点マーケットとして「第三分野」「高齢者・退職者」「女性」「投資型商品」を挙げているが、それぞれの顧客接点をどのように作っているか。

菊野和洋グループマネジャー(営業企画部営業企画グループ) シニアでは、一昨年12月に「50歳からの終身医療」を投入して、60代、70代の接点が大きく拡大。各支社ではセミナーを開き、これまで保険の提案ができなかったお客さまを集客している。また、法人営業分野と連携し、退職予備軍との接点を持ち、シニア向けの保障や投資性商品のご案内を推進して、接点拡大を図っている。

若年層や女性は、「かんたん保険シリーズライト」の「じぶんの積立」を活用して、インターネット経由でWEB広告を展開、資料請求数も伸びている。このようなデジタルによる接点確保にも力を入れている。

投資型商品マーケットでは、一昨年度に営業職員チャネルでも一時払の外貨建てを投入。シニアとかぶる部分もあるが、かなりの新規顧客と会う機会もできている。

外貨建て投資型については一時払いだけでなく、中期的な積み立てニーズに応えられる商品も検討している。

 

Q 顧客接点が拡大したことで、新契約の占率はどのぐらいアップしているか。

菊野 2015年度から「創客」というお客さまを広げる活動に力を入れている。「かんたん保険シリーズライト」のラインナップを広げ、生保と損保を活用した活動を続け、特に損保を活用した「創客」が増え、損保でリレーションを作り、生保の追加契約を提案する活動も非常に増加している。

 

Q 「ベストスタイル」の上半期の件数と、下半期の販売計画は。

菊野 「ベストスタイル」は2014年6月から発売して、上半期で累計165万件。6月に「給与家計サポート特約」を発売、この付加率は約8割と好評。

「ライトシリーズ」はラインナップに損保も加え、上半期で83万件の実績。加入者の7割はこれまで取引のなかったお客さまで、新規開拓に大きな効果を発揮している。昨年12月には新しく「おでかけ携行品」を追加して、さらに接点拡大を図る。

 

Q 生保営業の根幹である採用と育成の状況はより厳しさを増しているが、どのような取り組みで成果を挙げているか。

菊野 2017年度に営業職員制度を大きく見直し、特に固定給部分の安定化を図り、比例給の魅力もアップした。これをバネに採用に取り組んでいる。各地域の採用給も他社と比べて見劣りしない。

育成では初期育成体制の充実を図り、カリキュラムの改正などで育成に取り組んでいる。

 

Q 固定給の安定化と比例給の魅力の内容は。

菊野 「安心サービス活動」を基本的なアフターフォロー活動と位置付けているが、このようなアフターフォロー、お客さまを広げる活動、契約クオリティの確保など、会社が求める活動をコンスタントにしっかりできる営業職員に対する固定給を比較的高く設定している。

 

Q 「みんなの健活プロジェクト」の推進状況は。

菊野 本格展開は4月からで、健康診断結果に応じてメリットを提供する新商品も4月に予定。それに向け、地域社会のお客さまと一緒に健康増進に取り組むイベントに先行して取り組んだり、1月からは一部サービスを先行展開する。(関連記事16面)

 

2019  新春トップメッセージ

 

2面

・日本生命社長 清水博

・朝日生命社長 木村博紀

・アンダーライティング学院学院長 正田文男

 

3面

・T&Dホールディングス社長 上原弘久

・太陽生命社長 田中勝英

・大同生命社長 工藤稔

・T&Dフィナンシャル生命社長 板坂雅文

 

4〜5面 保険市場

 

保険は誰にどのように利用されるのか

⒄老後保障に関する検討⑤

ブレークオンスルー 代表 小山浩一

 

老後生活資金準備として保険料を納めると「その納めた保険料よりどれだけ多く返戻金が戻るか、あるいは受け取る年金総額が多くなって戻るか」が問題となりますが、現行流通している商品でどこまで対応できるのか。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

法人契約の意義と税効果の関係

奥田雅也

 

お客さまから「何回聞いても理解できないので生命保険を使った節税のスキームをもう一度教えてほしい」と請われて、改めて8つのポイントを説明。売り手としても疑問点を整理する機会になりました。

 

7面 育成力アップ

 

ボトムアップで攻める法人保険

採用面接にも使えるSPIN

OfficeSHIMADU 代表 島津悟

 

筆者が生保営業へ提唱している「SPIN」は、販売だけでなく採用・育成にも有効です。なぜなら、質問のスキルは販売であっても、採用・育成であっても「相手の想いを掴む」点では同じだからです。

 

8〜9面 活動確認

 

ランクアップチェックシート

今こそ、法人契約の整理整頓を

 

花盛りの法人契約ですが、その裏側では多件数にわたる契約、複数の被保険者、契約ごとに異なる加入目的、保険料の支払い管理、従業員契約の退職管理など、総務・経理担当者の頭痛の種となっています。

 

10面 商品改定

 

ネオファースト生命

「ネオ  de  いりょう」改定

 

主力商品「ネオ  de  いりょう」に、「三大疾病一時給付特約」を新設。また、終身保障であるが、保険料払い込みは一定の年齢までというニーズに応え、払込期間に歳払済(70歳・75歳・80歳)を新たに設けた。

 

11面 商品改定

 

ニッセイ・ウェルス生命

「悠々時間アドバンス」改定

 

1月1日に社名を変更。その新生第一弾として、年金商品に大きく増える2つのプランを追加した。その1つはトンチン性を活用したプランで、契約当初の年金額を抑えることで、その後の年金が増加する。

 

15面 採用

 

組織長への道

職員の協力で採用がスムーズになれば

 

拠点長や組織長が、毎日のように口を酸っぱくして、採用協力を呼び掛けても営業職員たちはなかなか協力してくれない。採用協力を引き出すなにかいいアイデアはないか?2つの事例を紹介しよう。

 

[トピックス]

 

設立20周年を迎え、新たなブランドの強化

デジタルとお客さま中心主義(カスタマー・セントリシテ ィ)のリーディング・カンパニーとして変革─マニュライフ生命は、グローバルブランドの一新に伴い、新しいロゴと新しいビジュアル・アイデンティティを導入する。

新しいロゴとビジュアル・アイデンティティは、シンプルさと分かりやすさを体現し、マルチ・メディアのデジタル環境においても使用しやすく、現代社会を意識して策定。

同社は2019年に設立20周年を迎える。新しいビジュアル・アイデンティティをもとにホームページのリニューアル、新しいロゴを用 いた企業広告キャンペーンなどを、新たなブランド強化に向けて順次展開する。

「物事をよりシンプルでわかりやすくすることで、お客さまがより簡単に、より明確に判断をし、より良い人生を送れるようお手伝いすることに、一層注力していきたい」という。

 

高齢者施設紹介の「笑美面」と資本提携

住友生命とアクサ生命は、高齢者施設紹介サービスを手がける笑美面(えみめん、本社大阪市)と資本提携した。

笑美面は両社を割当先とする第三者割当増資による新株発行を行い、両社は笑美面の保有する普通株式の 3.13%をそれぞれ取得。両社による「介護関連サービスの共同開発及び共同利用」の基本合意に基づく共同投資の第一弾となる。

今回の資本提携によって、両社は笑美面の提携施設情報やネットワーク、対面コンサルティングの能力を活用し、新たな介護サービスを共同で開発する。

笑美面は2010年9月設立。資本金は1億円。代表取締役は榎並将志氏。主な業務は高齢者住宅紹介業。営業拠点には東京支社、福岡支社、神奈川オフィスがある。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

○掲載内容の複写などにつきまして

 当ウェブサイトのコンテンツを無断で複写等することはできません。

○ 掲載内容につきまして

 当ウェブサイトの掲載内容は精査をしていますが、これを保証するものではありません。

 ○個人情報の取り扱いにつきまして

 当ウェブサイトを通じて取得した個人情報は厳重に管理し、当社からの連絡・通知以外の用途以外には使用しません。

 

→プライバシーポリシーについて

 Copyright 2016 Hokensha. All Rights Reserved.