2019年1月18日 2896号

 

第一生命 認知症保険

 

米ベンチャー企業と初の協業

 

保険だけでなく予防・早期発見も

スマホアプリ  目の動きで認知機能テスト

 

しゃしん てらもととりしまりやくとかぷらんCEO米国シリコンバレーの優れた企業と協業を行い、認知機能テストを導入することができた。グループとしてこれからも積極的にパートナー企業と協業し、QOLの向上に向けた新たな価値創造にチャレンジしたい─。寺本秀雄第一生命ホールディングス取締役はこう述べた。(写真=寺本取締役(左)とエリー・カプランCEO)

 

第一生命は昨年12月18日、「ジャスト」シリーズのひとつとして「認知症保険」を発売。11月20日には「第一ライフイノベーションラボ」で説明会を行った。

 

認知症保険では「3つの安心」の視点から専用サービスを充実させた。

①予防・早期発見

②心のケア

③保険金請求サポート

 

この狙いについて、岩井泰雅執行役員(同ホールディングス)はこう指摘する。

 

「経済的負担をカバーするだけでなく、被保険者、その家族が安心できるように、認知症予防ならびに早期発見、精神的な負担を軽減するための専用サービスを用意した」

 

予防・早期発見で最大の訴求ポイントが認知機能チェックツール。米国のスタートアップ企業「ニューロトラック」(エリー・カプランCEO)と、認知症の拡大抑制に向けて戦略的パートナーシップを結び、スマホアプリ向けにアレンジした。同ホールディングスが海外のスタートアップ企業と協業するのは初めて。

 

ニュートラック認知機能テストは、5分間のテストで目の動きを計測して、認知機能のリスクや経年変化を早期に発見する。同社がエモリー大学のスチュアート・ゾーラ博士の30年の研究成果をもとに開発した。

 

第一生命では、この認知機能テストを「健康第一認知症予防アプリ」に搭載。テスト結果は2営業日後に届く。このようなスマホアプリは、生保業界では初めて。

 

認知機能テストは、すでに米国の生保でも提供されており、全世界での利用者は10万人以上。

 

また、「頭の元気度」をチェックするアプリ「パネルでチェック」も提供。画面が光った順番を指示通りにタッチするもの。

 

この二つのアプリは、ヘルスケアサービス提供会社「QOLead」が提供。同社は昨年6月、第一生命ホールディングス傘下に設立したもので、岩井執行役員が社長を兼務。QOLeadは健康第一アプリをかんぽ生命にも提供する。

 

アルソック  別居の家族に代わり在宅確認

 

南部雅実常務執行役員(第一生命)は「認知症保険」開発の背景として、次のようなデータを指摘。高齢化を背景に要介護の認定者は年々増え続け、2025年には730万人になる。介護状態になった4人に1人は認知症が原因。

 

さらに、独自のWeb調査を実施から、心配事として「家族に迷惑をかけたくない」が一番多く、中でも女性は8割以上が回答という姿が浮かび上がってきた。

 

「代わりに訪問サービス」は、「認知症の人と家族の会」の声をもとに、ALSOKと共同開発した。家族などからの電話依頼で警備員が訪問するサービスは生保業会では初めて、契約後2年後から、保険期間を通じて最大5回まで利用できる(1年に1回の利用権)。無料。

 

南部常務執行役員は「認知症予防の取り組みをいかに行うか、認知症になった場合の経済面負担、精神的な負担にいかに備えておくか。本人だけでなく、家族にとっても豊かで健やかな生活を送る上では欠かせない」と強調する。

 

高齢者でも手頃な保険料を訴求

 

Q 認知症保険をマーケットにどのように浸透させるのか。

南部 60代以上がメインターゲット。そうすると保険料はかなり高くなるが、認知症と要介護1の条件を満たした場合に一時金を支払うことで、お手頃な保険料で提供する。ここをしっかり伝えていきたい。告知が少ないので、健康に不安がある人も加入できる。専用サービスも活用してしっかりと 認知症保険を広めたい。営業職員のセールストークの標準化を図るために動画も作成した。

 

Q 認知症保険の販売で力を入れる点は。

南部 認知症保険に特化した販売をメインに考えているが、その他の保険とのも組み合わせもできるので、それを含めて認知症保険全体の件数を上げていきたい。

認知症保険は「ジャスト」シリーズの一つとなり、「ジャスト」は昨年3月発売以来、すでに50万件を超えた。認知症保険によって、さらに「ジャスト」の販売も促進したい。

 

Q 今後、ニューロトラックの他にも優れた技術を持った企業とタイアップし、商品・サービスの開発を進めるのか。

岩井 認知症以外に、医療費や社会保障費にインパクトを与えている疾病にはガン、脳梗塞、心筋梗塞があり、早期発見・予防、重症化予防の取り組みがとても求められている。また、糖尿病も患者数が伸び続ける予測もある。

生活習慣の改善が求められる疾病の領域については、新しい技術による早期発見、予防、重症化予防に取り組みたい。

 

Q 生保はベンチャー企業とタイアップしているが、商品化された時にはロイヤリティはどのように発生するのか。

寺本 認知機能テストは、QOLeadが資産として持つ形になるが、第一生命が利用料をQOLeadに支払い、QOLeadを通じてニューロトラック社に支払われるという流れになる。

岩井 パートナーにロイヤリティを支払うものや、その量に応じて契約金額が少し変わっていくものなど、いろいろな契約形態を組み合わせて提供している。

QOLeadが自社で開発して、資産であるアプリのサービスコストは、第一生命、ネオファースト、かんぽ生命から利用料をいただき運営をする。

 

2019  新春トップメッセージ

 

◆2面

生命保険協会 会長 稲垣精二

生保労連 中央執行委員長 大北隆典

◆3面

全労済 代表理事理事長 中世古廣司

生保ファイナンシャルアドバイザー協会 理事長 石井清司

生命保険文化センター 代表理事 鈴木勝康

◆4面

少額短期保険協会 会長 杉本尚士

 

5面 保険クイズ

 

「保険クイズ」で正月気分を吹き飛ばせ!

慶應大学大学院理工学研究科 特任教授 山内恒人

 

新春保険常識クイズをやりましょう。40問ありますが、2~3問を除いてほとんどは正誤を尋ねています。何問できるでしょうか? 第1問は「生保標準生命表は10年ごとに変更することになっている」。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC 245

エンディング・ノート ㊴

税理士 池谷和久

 

「遺言書保管法」が成立し、2020年7月に施行が予定されています。自筆証書遺言が法務局で保管可能にもなり、故人の遺志を確実に相続人に伝えられます。存在の有無も即座に調査できます。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

「知っているようで知らない社会保険労務士」

社会保険労務士 園部喜美春

 

社会保険労務士は、昨年制度発足50周年を迎えました。社会保障と国民を仲介する身近な存在ですが、その業務範囲は非常に広く、事業主向けには労務管理や助成金の申請業務まで行います。

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

認知症の介護問題からライフプランニング

 

認知症の患者さんは600万人程度いると推定されますが、その症状は千差万別です。介護の現場の雰囲気をどうつかみ、どう咀嚼していくのか。介護保障こそ生きた募集話法の体得が必要な分野です。

 

10面 新商品

 

オリックス生命

「災害保障重視型定期保険」

 

2月4日発売予定。災害を原因とする死亡・高度障害を重点的に保障する経営者向けの商品。死亡保険金・高度障害保険金を事業保障資金などの財源として活用できる。なお、2項目の告知で申し込み可能。

 

12〜14面 特別紙面講座

 

高齢者住まいアドバイザー検定

監修・執筆 満田将太

 

「高齢者住まいアドバザー」は、介護、介護保険、年金、老後の住まい、老後の費用などについての専門知識を有する専門資格。介護保険や認知症保険の販売にも役立つ新しい資格だ。

 

[トピック]

 

公的保障試算ツールをバージョンアップ

オリックス生命は1月、「ねんきん定期便でわかる! 公的保障試算ツール」のバージョンをアップする。

同ツールは昨年6月3日からウェブサイトに公開。ねんきん定期便の情報とアクセス者へのヒアリング情報をもとに4つの公的保障(老齢年金、高額療養費、傷病手当金、遺族年金)の概算額を試算できる。

アクセス数は累計で2万4000件あるが、同社は、ステップ2での離脱が多いことを問題視。各画面の遷移率は、ステップ1を100とすると、2が75、3が43、試算結果が44になる。

改善策として、ねんきん定期便が手元にない場合でも、その情報を推定できる次のような仕様を追加。

①ステップ2で「ねんきん定期便がお手元にない方はこちら」のテ  キストから、ポップアップ画面へ誘導

②専門質問項目を表示

③ロジックを追加して試算結果を表示

「ねんきん定期便を持ち合わせていない人の離脱を防ぎ、試算結果までの到達数増加を狙いたい」という。

 

シニア顧客向けの新サービス開始

日本生命は4月から、シニア契約者向けの新サービスを開始。名称は「GranAge Star~老後も、その後も、自分らしく」。

同サービスは、NPOりすシステムが提供する 「身元引受保証」「日常の生活支援」「任意後見」 「葬儀や納骨等の亡くなった後の対応」に、「暮らしのサポートデスク」を付加した有償サービス。このようなパッケージされたサービスは生保業界初。

暮らしのサポートデスクは、定期的な見守電話や健康介護・マネー相談、特別 企画付シニア旅行の案内などを提供するもの。

サービス提供エリアは、多摩ニュータウン周辺の多摩市・立川市・日野市など。今後、 順次エリアを拡大していく。

「今後も『人生100年時代のベストサポーター』として引続き、シニアのお客さま向け商品・ サービスを拡充し、高齢社会の様々な課題の解決に努めたい」という。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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