2018年12月7日 2890号

 

日本アクチュアリー会  2018年度年次大会

 

データサイエンスに精力的に対応

SM規制会計基準 国際的な議論踏まえ、貢献を

 

しゃしん すみりじちょう日本アクチュアリー会は11月8日、9日の2日間、経団連会館、ステーションコンファレンス東京で「2018年度年次大会」を開催した。冒頭挨拶に立った角英幸理事長(=写真)は、重点取り組み事項として次の4点を挙げた。

 

①国際的な経済価値ベースのソルベンシー規制・会計基準等への対応

②プロフェッショナリズムの向上

③試験制度・教育制度のレベルアップ

④ICA2026に向けた基盤、環境作り

 

まず、「国際的な経済価値ベースのソルベンシー規制・会計基準等への対応」について、角理事長は「監督制度・会計制度の大きな改正に関わるものであり、継続的に最重点取り組み事項としている」と基本スタンスを述べた。

 

会計基準の分野では、昨年5月「IFRS(国際財務報告基準)17号(保険契約)」を公表。国際アクチュアリー会(IAA)は、IFRS17号に対応したモデル実務基準ISAP4の開発を進めているが、ア会でも積極的に参加し、保険会計部会を中心に議論を深めている。

 

また、ソルベンシー規制については、 IAIS(保険監督者国際機構)が今年7月、「ICSバージョン2・0」の導入に向けてコンサルテーション・ペーパーを公表。

 

これもIAAで議論が行われており、ア会も保険監督部会を中心に検討に参画している。

 

角理事長は「国際的な議論を十分に認識・理解し、専門的な立場から議論・検討に大いに貢献することがアクチュアリーの重要な役割だ」と強調。

 

「プロフェッショナリズムの向上」では、アクチュアリーが活躍するフィールドが生保・損保・年金の伝統的分野からリスク管理、データサイエンスへと拡がっていることを踏まえ、「伝統的分野であれ、新しい分野であれ、プロフェッショナリズムが全ての基礎・基盤になる」と指摘。

 

プロフェッショナリズムの向上に繋がる様々の活動のなかで、ここ数年、精力的に取り組んでいるのがデータサイエンス。昨年実施した会員アンケートでは、685名が参加し、特に20、30代が目立つ。昨年9月に開催した4回連続の「データサイエンス集中セミナー」は好評だった。

 

このアンケートをもとに、「会として取り組むべき事項」「アクチュアリーが具えるべき知識・技術」などを整理する。さらにデータサイエンスにおけるプロフェッショナリズムについても検討する。

さらに、12月にはデータサイエンスをテーマにした土曜日のシンポジウムを企画。会員アンケートでも「休日シンポジウム」の要望があっとことを受けたもの。

 

ERMの専門人材育成も課題

 

「試験制度・教育制度のレベルアップ」では、リスク管理分野におけるERMの専門人材の育成を挙げる。

 

MREに関する国際資格「CERA」の有資格者は現在68名。2012年から試験・研修制度を開始し、今年で7年目を迎える。13年が9名、14年19名、15年33名、16年41名と着実に増えているが、まだ少ないのが現状。

 

角理事長は「統合的リスク管理、ERM態勢の整備・高度化に貢献するために、引き続きCERA資格を推進し、ERMの専門人材の育成に取り組みたい」と抱負を述べた。

 

データサイエンスについても、試験制度や教育制度の必要性を指摘。IAAの教育シラバス改定が昨年のシカゴ会議で決議され、その中で「データとシステム」が新しく学習領域となった。こうした国際的動向を見据え、現在、試験・教育企画委員会を中心に検討を重ねる。

 

継続教育制度のコンテンツの拡充にも力を入れる。

「新・継続教育制度」は2015年年4月からスタート。コンセプトはCPD(Continuing Professional Development)。なお、IAAは2011年10月、CPDガイドラインを制定している。

 

同制度では、正会員の自発的参加から「全員参加」に変え、必要単位数は1年間30単位以上、うち「公式CPD単位」を15単位以上などとした現在のCPD単位の履修目標の達成率は73・9%。

「一定の水準にあるものの、さらに高い水準を目指すべきと考えている」

 

2026年ICA 東京開催に向け準備進める

 

国際的活動では、2026年に「第33回国際アクチュアリー会議(ICA)」が東京で開催される。

 

同会議は4年に一度、世界のアクチュアリーが集う一大イベント。日本では1976年に開催され、世界44カ国から2200名が参加した。

 

今年はベルリンで6月3日から8日まで「ICA2018」(写真下)が開催された。31回目を数え、過去最高の2700名を超える参加者が集い、日本からも約70名が参加。オープニングでは吉村雅明IAA会長が挨拶を行った。

 

「ICA2026に向けた基盤、環境作り」では次の項目を挙げる。

 

①学術活動のさらなる促進。

②新しい分野、特にデータサイエンスの研究。

③国際レベルの論文発表・情報発信。

④大学や研究機関との連携強化。

 

2018年度年次大会では、英語セッション、VICAの「会員パブリックビューイング」などの英語コンテンツも強化。角理事長は「こうした機会も活用して、グローバルな視点・議論にも触れて欲しい」と呼びかけた。

 

なお、優秀論文には住友生命の西尾和記氏、大同生命の佐内利典氏が選ばれ、角理事長から表彰状が手渡された。

 

西尾氏=「参照母集団データを用いた保険契約ポートフォリオの将来死亡率推計~Two population modelにもとづくアプローチ~」。

佐内氏=「医学的な観点を踏まえた死因別死亡率の将来推計」。

 

2面 保険流通

 

「紹介営業の達人」が続々誕生中㊤

神尾 えいじ氏

 

生保セールス・パーソンだったら誰もが「できたらいいな」と考えるのが「紹介の連鎖」だ。ところがこれが難しい。そこで「紹介営業の達人塾」を主宰する神尾えいじ氏に「紹介連鎖」の起こし方について聞いた。

 

3面 データ解析

 

課長はどう正しく評価するのか?

慶應義塾大学大学院 特任教授山内 恒人

 

データ解析の時代、上司の悩みは尽きないだろう。問題は出来上がった仕事をどのように評価すればよいか。頭のいい部下のやった仕事はそのまま鵜呑みにしてよいのだろうか。データの出所を確かめることを、第一に行わなければならない。

 

5面 市場開拓

 

白地だらけの市場を開拓

⒇ミーティングの活性化

地域金融機関営業課長 酒井薫

 

参加者本人以外に無関係な内容は、報告・還元すべきではありません。多数が参加するミーティングには、それだけ多額の人件費が投入されていることになります。費用対効果も当然に求められます。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

事業承継⑱非後継者が納得する財産分与

 

配偶者と自社株分については、今回、納税が無かったとしても、後継者にならなかった子供には納税があり、不公平感は拭えません。かといって自社株を分けることは双方にメリットがありません。どうするか。

 

7面 育成

 

私が新人を育て上げます!

⑵継続的な日々の「基本活動」とは?

育成トレーナー 堀尾未佐子

 

一つには面談時の言葉づかいに気を配ることです。一般的には丁寧に接することを辞退する人は多くありません。「○○さん」ではなく「○○さま」と声を掛けます。言葉の響きによって「空気」を作ります。

 

8〜9面 FP販売

 

営業力不要! ゼロからの法人開拓物語

⑽経営者から入札参加の相談

寿FPコンサルティング 代表 高橋成壽

 

 

印刷業を営む「アトツギ社長」は、先代が急逝したのを機に、サラリーマンから横滑りで後を継いだものの、業績が伸びず、お得意様も離れていく一方です。新規開拓に入札の提案をもらい、検討を始めました。

 

10面 商品改定

 

メットライフ生命

「Flexi  S(フレキシィ)」改定

 

終身医療保険「Flexi  S」の保険料払込期間に、5年短期払プランを加えた。これは、5年と言う短期間で保険料の払い込みが満了するため、会社経営者にとっては、資金計画が立てやすいメリットがある。

 

12面 拠点長

 

拠点経営のための活動指針

2月  年責は最低でも一項目は完達する

 

2月は最重要月であり、年責を追い込む最後のチャンス。年責項目の一つは完達しよう。2月戦は、展開力を秘めている事業保険に挑戦し、協力者対策ではセグメントイベントで効果を上げよう。

 

[トピック]

 

アジア株のESG運用を開始

富国生命投資顧問は、「外国株式アジアアクティブ運用ESG型」の運用を開始した。併せて、富国生命は同ファンドを通じ、一部資金を投資した。

アジア株のESG運用の開始にあたり、シンガポールに拠点を置く資産運用会社「 UOB Asset Management」との間で投資助言契約を締結し た。

これまで同投資顧問が培ってきた直接取材に重点を置いた国内株 ESG 評価に関するノウハウをUOBAM と共有し、協働による現地直接取材も実施する。

「こうした取り組みを通じて、アジア株運用においても、エンゲージメントを推進するとともに資産運用の高度化に努めたい」という。

 

企業のサイバーリスクを分析診断

AIG損保は12月、企業のサイバーリスクを分析診断するサービスを開始する。

同サービスでは、業種や規模、リスク特性に応じた質問項目に回答すると、各企業のリスクスコアやビジネスへの影響度、推奨される対策などを評価・分析し、分析結果のレポートが受け取れる。

また、AIG損保のサイバー保険「CyberEdge」の契約企業は、契約更改時などに同サービスを利用することで、サイバーリスクへの対応状況の定期的な見直しとしても活用できる。

分析の際に用いられるデータベースは、最新のリスク環境にあわせて定期的にアップデートされる。

アメリカのAIGが開発し、世界各国でグローバル企業が活用している。「この実績を踏まえ、日本でもサービスを展開していきたい」という。

 

保険ショップ

◇よくわかる!ほけん案内(アフラック)

チャチャタウン小倉店=11月6日。北九州市小倉北区砂津3-1-1 チャチャタウン小倉1階。10時~20時。定休日なし。

大森店=11月9日。東京都大田区山王2-2-7 八景坂ビル1階。10時~18時30分。定休日は木曜日。

本厚木店=11月13日。神奈川県厚木市中町2ー6-5。11時~19時。定休日なし。

 

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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電話 03-3317-0391

 

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