2018年10月5日 2882号

 

三井住友信託・カーディフ

「ライフサイクルプラン」

 

資産形成 住宅ローンで成功モデルを

信託らしさにこだわり続ける

 

しゃしん いどしっこうやくいんなぜ、三井住友信託銀行は「トラストバンカシュアランス」という造語を使うのか。井戸照喜執行役員トラストバンカシュアランス推進担当(=写真)は、その狙いをこう語る。

 

「保険に加入したい、投信をやりたいと思って銀行に来店する人は少ない。ライフプランや今後のことを話している中で『この部分は投信で』『この部分は保険で』となり、また、相続が気になっている人、不動産売買が気になっている人もいるので、それらを含めてワンストップで相談に乗り、その後のライフサイクルに応じて継続的にコンサルティングをしていく。そのようなモデルに舵を切っていきたい。そのモデルは信託らしい取り組みとなる」

 

三井住友信託銀行は6月18日、「ライフサイクルプラン」を販売した。これはカーディフ生命と“協働開発”したものだが、2社の保険ビジネス協業は、2006年の「疾病保障付住宅ローン」からスタートした。

 

2013年4月から「安心パッケージ」シリーズを開始。第一弾の「人生安心パッケージ」はラップ口座にガン・介護の団体保険を無料でセット。

 

「銀行員は体況、健康状態について話しをすることはないので、いきなりそれをすることには無理があった。団体保険なので4つの質問をすることでガンや介護の保険についても話ができる。そのような形で一歩を踏み出した」

 

2013年8月に平準払い終身。「貯蓄性は一時払いで手がけていたので、貯蓄性と保障性の中間的なものとして平準払い終身に踏み出した」と井戸執行役員。

 

2017年4月には医療、ガン、収入保障の保障性を全店舗で取り扱いを開始した。

 

「5年以上の準備期間を経て、カーディフと協働開発したライフサイクルプランで、保障保険ビジネスに本格参入する。トラストバンカシュアランスの実現を目指し、これは非常に重要な役割を果たすと確信している」

 

なお、「安心パッケージ」のラインナップは次のとおり。「お出かけ安心パッケージ」(13年9月、NISA口座に交通事故障害をセット)、「外貨革命・安心パッケージ」(14年12月、外貨定期にガン・介護)、「わんぱく安心パッケージ」(15年10月、ジュニアNISA口座にケガ入院)。

 

「安心パッケージ」の業績は、13年5月の900件から12万件(18年3月現在)まで拡大している。

 

5つの商品に絞り、初の口数割引も

 

「ライフサイクルプラン」の商品開発には2年半以上かけ、資産形成層の代表的な顧客である住宅ローンの契約者を対象に2つの調査を実施。その結果、保険商品・サービスの要望を集約すると次の3つになる。

 

①シンプル

②カンタン

③おトク

 

商品コンセプトについて、井戸執行役員はこう指摘する。

「生保が切磋琢磨して商品の差別化をした結果、さまざまな特約があり、選択肢が増えるメリットはある一方で、加入している保険はどのような場合に保障されるのかよく分からない、という声につながっている側面もある。

カーディフとの協働開発では、各社のコアとなる保障部分だけを取り出すことで、シンプルで分かりやすくして、さらに必要な分だけ自由に組み合わせることができる。さらに契約後もライフサイクルに応じて見直せることを目指して開発した」

 

コンセプトは「5つの主契約から必要な保障を必要なだけ組み立てる保険」。死亡保障分野は終身、定期、収入保障の3つ。第三分野はガン診断給付、医療。特約は医療保険の先進医療特約1つだけ。

また、1口当たりの単位を設定し、1口当たりの保障額は終身100万円、定期500万円、ガン診断給付100万円、収入保障月5万円、医療日額5000円。追加契約制度としてライフサイクルに応じて、1年に1回追加の保障ができる。

最大5つの商品になるが、契約は1枚の書類で完結し、保険金の請求手続きも1枚だけ。

 

業界初の試みでは、口数に応じた保険料割引がある。保険種類を問わず、2口申し込むと合計口数に応じて、1口当たり200円から500円まで逓増型の割引を行う。

 

「保険料収納などの事務コストを安くできるので、事務効率が高く、割引の源泉がここから生まれている」とカーディフ損保・宮森一彦リテールバンキング営業部長。

 

そして、「ライフサイクルプラン」への期待をこう述べる。

「住宅ローンを組むタイミングは、保険の見直しをいちばんしやすいと言われているが、なかなか成功モデル、実績が作れていない。住宅ローン分野で資産形成層のお客さまに提供しているカーディフのバリューと、日本でいちばん住宅ローンを取り扱っている三井住友信託、この2社が資産形成層に住宅ローンのタイミングで成功モデルを作りたい」

 

時間軸踏まえ「資産・負債」に目配り

 

三井住友信託は昨年度から「バランスシートコンサルティング」を展開。

「信託銀行ならではのコンサルティングとして、高齢者・退職前後層・資産形成層に対して、各世代ごとに時間軸を踏まえた資産・負債両面にわたる総合的なコンサルティングを提供」というするもの。

 

この一例では、顧客の関心があると想定される典型的なテーマを長寿、健康、インフレ、相続、不動産、家族として、それぞれの心情に対して、税制なども踏まえながらコンサルティングをする。テーマと心情は次のとおり。

 

長寿=老後の生活資金どうしよう。

健康=病気や介護状態になったらどうしよう。

インフレ=資産の価値が目減りしたらどうしよう。

相続=相続が家族の負担になったらどうしよう。

不動産=自宅の建替えや住替えが必要になったらどうしよう。

家族=教育や結婚で大きな資金が必要になったらどうしよう。

 

「60歳のお客さまは、漠然と80歳になった時をイメージしているかもしれないが、もっと長生きした場合を具体的にイメージする必要がある。また、平均寿命と健康寿命の差が拡大しており、病気や介護を想定する必要もある。それらを具体的にイメージしていただき、不安に感じることを確認して、将来のキャッシュフローを踏まえた解決策を提示する」

井戸執行役員はこう強調する。

 

2面 保険流通

 

勉強会は実践を強化し顧客を呼び込む

横浜・川崎地区代理店座談会㊤

 

整理が進む損保代理店の危機意識は強く、全国に任意の勉強会が立ち上がっています。今回はそうしたグループの一つで座談会を企画、まずは、同席した上野会長のレクチャーからお届けします。

 

3面 海外事情

 

最新海外保険レポート③

ニッセイ基礎研究所 松岡博司

 

死亡保険金額2万3000円、月あたり保険料46円の生命保険。世界に2600万顧客を有するインシュアテックのBIMA。マイクロインシュランスを収益事業と捉え、最新のテクノロジーと提携戦略を用いた取り組みで成功を納めつつある。

 

5面 市場開拓

 

成果を上げるマネジメント術

取引顧客はこうしてマッチング②

地域金融機関 酒井 薫

 

前回に引き続き「ボールをパスで繋ぎ合わせて最終的に円になる形」のビジネス・マッチング事例を紹介させていただきます。ビール工場から花卉市場、ケーキ店、幼稚園へと繋げていきます。

 

6面 法人営業

 

舞台裏のレッスン帳

事業承継 ⑯

 

人生100年時代のライフプランを前提に事業承継のリスクと対策を考えていきます。近視眼的に準備をするのではなく、①いつ、②いくら、③だれに、必要なお金がかかるのか整理していきます。

 

8〜9面 FP販売

 

営業力不要!ゼロからの法人開拓物語

⑻ 入札対応と次年度対応

寿FPコンサルティング 高橋成壽

 

前回までの連載で入札の仕組みについて学びましたが、もう1つ大切なことがあります。官公庁は予算から決算まで3つの時間軸が同時に動いており、その源は私たちの納めた税金だということです。

 

10面 新商品

 

太陽生命

「ひまわり認知症予防保険」

 

この商品は、「認知症になった場合の保障」だけでなく、「認知症にならないための予防」の段階からサポートする。器質性認知症と診断されたら最高100万円の保険金を受け取ることができる。

 

11面 新商品

 

アフラック生命

「アフラックの健康応援医療保険」

 

「健康年齢が実年齢未満なら健康還付金を毎年支払う」オンライン専用の健康増進型医療保険(業界初)。また、保険証券の電子発行を選択すると、第1回保険料を300円割り引く。

 

12面 拠点長

 

拠点経営のための活動指針

12月 年責に照準合わせた運営が基調

 

12月は、年度末まであと4カ月となり、年責をどう詰めていくか。営業職員一人ひとりの目標の集合体が年責だから、「共感の世界」を築き、年責達成に向け猪突猛進しよう。12月は慌ただしいから、ムダ、ムラのない活動で乗り切ろう。

 

[トピック]

 

「Vitality戦略部」を新設

住友生命(10月1日付)

・「Vitality戦略部」を新設。健康増進に関する新たなサービスの研究・開発など、「Vitality」にかかわる事業全般を企画・推進する。

・既契約サービス推進部を「CX企画部」に改組。CXは「Customer Experience」の略。顧客志向や販売チャネルの多様化、ITの進化、サービス全般の利便性向上が進む現状および、将来的な予測も踏まえ、既契約サービス全般の価値向上への取り組みを進める 。

 

機械学習プラットフォーム「DataRobot」

新日鉄住金ソリューションズは9月12日、明治安田生命向けに、「DataRobot社」(本社:米国マサチューセッツ州)の機械学習プラットフォーム「DataRobot」を導入したことを発表。国内大手生保向けには初めて。

次の分野での実証実験を通じて、DataRobotの有効性を確認した。

①保険商品における収支分析業務。

②個人営業分野でのマーケット分析業務。

③お問い合わせ内容の分析業務。

④資産運用におけるマーケット分析業務。

明治安田生命は2018年下期から、「DataRobot」を利用したAI・機械学習の活用を開始。すでに実証実験を行なった分野に加えて、新たなビジネス課題への活用拡大にも取り組む予定。

新日鉄住金ソリューションズは、AI・機械学習活用のコンサルティングサービス、DataRobotの環境構築・導入支援、DataRobotの保守・運用サービス、データ収集・加工に必要な周辺システムの整備・構築など、DataRobotの活用に関わる多彩なサービスを提供する。

 

東京海上あんしんエージェンシーが導入

アイリックコーポレーションは9月1日、「証券分析 AI アシスト機能」を東京海上あんしんエージェンシーが導入することで合意 したと発表。

同機能の特長は次のとおり。

①保障内容や金額などを、生命保険募集人がスマートフォンやタブレットなどのカメラでの撮影やスキャナでデータ化するだけで、保険の内容をビジュアルで分かりやすくした「分析シート」を生成する。

②AI による自動読み取りと独自の自動分析により、待ち時間を最大 90%以上短縮。これによってコンサルティングにより多くの時間を費やせる。

③生命保険証券分析に慣れていない入力者の早期習熟化とスキルの標準化が可能。

現在、約350社が導入。使用料は1IDで初期登録料20万円、月額利用料8万円から。

 

バンカシュアランス

◇三井生命

埼玉懸信用金庫=「ステイゴールド」(無配当外貨建個人年金、積立利率更改型)。なお、沖縄海邦銀行、大地みらい信用金庫、愛知銀行は9月3日、富山銀行は8月27日からそれぞれ発売。取り扱い金融機関は39。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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