2018年8月10日 2875号

 

住友生命

健康増進型保険「バイタリティ」を投入

 

新しい健康長寿社会への原動力

「健康増進乗率特約」で15%割引

 

今、日本全体の最大の関心事、最大の課題は「健康寿命の延伸」。お客さまの気持ちを健康増進にさらに高めていく、インセンティブの仕組みを持つ「バイタリティ」で、新しいマーケットを切り拓きたい──。

 

住友生命は7月24日、健康増進型保険「バイタリティ」を発売。7月17日、千葉・舞浜アンフィシアターで発表会を開催し、橋本雅博社長(=写真)は意気込みを熱く語った。

 

「バイタリティ」は、南アフリカのディスカバリー社が1997年に開発したウェルネスプログラムで、すでに17の国・地域に約840万人の会員がいる。

 

日本では住友生命が独占契約を結び、2016年7月にソフトバンクを加えた3社は、「日本をもっと健康に」というキャッチフレーズを掲げた「Japan Vitality Project」を公表。その後、「バイタリティ」の商品化に向けた取り組みを進めてきた。

 

「バイタリティ」は、「保険契約」と「健康増進プログラム契約」の二本立てで構成。

 

保険契約は既存商品に「健康増進乗率特約」を付加する。初年度に付加できる商品は「プライムフィット」「ドクターGO」。「プライムフィット」は資産形成や老後保障を組み入れていない保険形態の総称で、就労不能保険「1UP」や定期型の死亡保険など、付加できる商品のバリエーションは多様。来年度から「ライブワン」をはじめ特約付加の商品を拡大する。

 

契約者は同時に、健康増進プログラム契約を結ぶ。健康増進のプログラムや多岐にわたるリワード(各種特典)を活用できる。

 

契約者一人ひとりの健康増進活用のデータは、同社のデータベースに蓄積して、その累積のポイント数に応じて1年ごとの4区分(ブルー、ブロンズ、シルバー、ゴールド)のステータスを判定する。

なお、ステータスはある年はブルーと判定されても「次の年に奮起すればゴールドになることもできる」と橋本社長。

 

保険料の設定は、「健康増進乗率特約」を付加しない従来型のベーシックと比べ、加入時点で15%の割引を行う。

 

さらに、加入中も健康増進活動の取り組みを評価して、「保険料の引き下げ、引き上げという形で、その評価を毎年反映させる。その引き下げ幅はベーシック対比で最大30%になる」と橋本社長。なお、ブルーのステータスではベーシックに比べ2%アップする。

販売目標は10年間で500万件。

 

パートナー企業11社が特典提供

 

健康増進プログラム契約では、リワードを提供するパートナー企業として11社が協賛。ウェアラブルデバイス、フィットネスジム、スポーツ用品、ヘルシーフード、旅行費用などの割引を提供する。

 

「これは保険料割引に並ぶ魅力であり、『日本をもっと健康に』という趣旨に賛同した企業と提携して提供する。特典内容は進化させたい。交渉中の企業もある」と橋本社長。

 

ソフトバンクは、データ収集のプラットホーム構築で「バイタリティ」を支えるとともに、パートナー企業としても参画。宮内謙代表取締役・社長執行役員兼CEOはこう述べた。

 

「この2年間、テクノロジーのサイトからどんな貢献ができるのかを話し合い、革新的な商品・サービスが生まれたことは嬉しい。日本の健康長寿社会をこれから大きく発展させる一つの原動力になる。リワードパートナーと一緒になって盛り上げたい」

 

他社が追随できない「仕組み」に自信

 

発表会の後で開かれた記者会見で、橋本社長は次のように述べた。

 

Q 「バイタリティ」導入の狙いやその背景は?

橋本 生命保険業界は大変大きな環境変化に直面している。歴史的な低金利もあるが、人口減少、晩婚化、そして価値観の多様化など、これまでの路線では環境変化に対応できない。

これまでも医療保障、介護保障、就労不能保障など環境変化に合わせた商品開発によってマーケットを切り拓いてきた。健康増進に向けてお客さまの気持ちをさらに高めていく、インセンティブの仕組みを持つ「バイタリティ」で、新しいマーケットを切り拓きたい。

今、日本全体の最大の関心事、最大の課題はやはり「健康寿命の延伸」。住友生命のみならず社会全体、お客さまにとっても大変有意義な試みなので、新しい健康長寿社会の実現に向けて取り組みたい。

 

Q 画期的な商品を出してもすぐに追随されるが。

橋本 ディスカバリー社が20年にわたり培ってきた様々なデータとノウハウを、われわれが勉強し活用することで、短期間に日本版プログラムの仕組みを作り上げることができた。

大げさに言えば、単独ではなかなかできない仕組みなので、大変競争力がある。これからもディスカバリー社との協業を通じて、この仕組みを進化させることで優位性を維持していきたい。

 

Q もし、他社が真似しようとすれば何年かかるか。

橋本 何年かということはよく分からないが、経験から言うと、この仕組みを単独でこんな短期間に作ることはできない。おそらく追随することは難しいだろう。

 

Q この仕組みを導入する上でいちばん難しかった点は。

橋本 やはり、20年間にわたり作り上げてきた仕組みなので、その趣旨をしっかりと学んで、それに合った形のシステムをしっかり作り上げていくことに腐心した。初めての試みなのでシステム関係にかなり労力をつぎ込んだ。

 

Q 10年間500万件の目標の根拠は何か。

橋本 「本当にいいのか」と販売部門に確認したぐらい意欲的な数字だ。今、主力で販売している「1UP」の1・5倍ぐらいのボリュームになる。

目標に理屈があるわけではないが、「バイタリティ」は全世代に勧められ、特に健康に関心を持っているが、何か一歩踏み出せない、きっかけがつかめないお客さまは、潜在的にたくさんいるだろう。われわれの働きかけを通じて、健康増進活動に取り組んでいただくと同時に加入していただく。このようなイメージを持っている。

これまでアプローチできなかった、アプローチしても関心を示さなかったお客さまのことを考えると、われわれがきちんと地道な努力を傾けていけば、この数字は達成できる。

新規加入と転換を含めて7割ぐらいが「バイタリティ」に加入していただけるだろう。

 

(関連記事 10面 16面)

 

2面 少短

 

少短協会2018年度事業計画

諸問題解決に努める体制確立

 

今年で12年目を迎える少額短期保険業。現在98社が登録、様々な制約の中でユニークな保険商品を提供することでその存在感を示してきたが、業界団体である日本少額短期保険協会はこの6月6日、2018年度事業計画を発表した。

 

3面 海外事情

 

最新海外保険レポート

ニッセイ基礎研究所 松岡博司

 

フレンドシュランスはP2P保険の創始者である。「保険料を支払うだけで保険金請求をしない顧客が、保険金請求をしなかったということから利益を得られるようにする方法」として作り出されたもので、シェアリングエコノミー(共有経済)の保険への適用である。

 

4〜5面 法人開拓

 

中小企業経営者のライフプランを法人保険で支援

(45)時代とともに変化する法人保険

保険テラス渡辺 代表渡辺文憲

 

時代の要請にマッチできない1/2損金プラン

30年以上前に福利厚生の一環として導入した「1/2損金プラン」。担当者が不在となり放置状態に。顧問税理士から、1/2損金としてきた部分が否認される可能性もあると指摘を受けました。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC 234

エンディングノート・活用法㉘

第一歩は支援機関に相談

税理士 池谷和久

 

平成30年の税制改正で生まれた「事業承継税制」のポイントをシンプルな設例で解説していきます。まず、どんな状況のとき、どのような手続きをすると「相続税がゼロ」になるのか手順を追って見ていきます。

 

8〜9面 法人販売

 

法人FPの教科書 退職金⑫

役員報酬のコンサルティングについて

役員報酬12カ月+3カ月で準備

税理士 井上得四郎

 

来期の役員報酬計画を考えるとき、同時に退職金計画についても考えていきます。そのとき「退職金損金算入限度額」の計算に「在任年数」があることに着目し、在任中に損金計上の平準化を考えていきます。

 

10面 新商品

 

住友生命

「バイタリティ」

従来の生命保険とは一線を画す

 

住友生命は7月24日、加入後毎年の健康診断や日々の運動など、継続的な健康増進活動を評価し、保険料が変動することにより、「リスクそのものを減少させる」ことを目的とした健康増進型保険〈住友生命「Vitality」〉(以下、「バイタリティ」)を発売した。

 

また、11社のパートナー企業と提携し、顧客の健康増進活動への取り組みと継続をサポートする「バイタリティ」加入者向けの特典(リワード)として、様々な商品・サービスを割引価格で提供する。 「バイタリティ」は、「加入時またはある一時点の健康状態を基に保険料を決定し、病気などのリスクに備える」という従来の生命保険とは一線を画した商品となっている。

開発背景・コンセプトについては1面および16面を参照。

 

■特 長

・契約1年目はバイタリティ健康プログラムを利用しない場合と比較して、割引率が15%となる。2年目以降は、健康増進への取組みによって獲得したポイントで判定されるステータスに応じて、保険料が変動する。

・加入者向けの特典(リワード)として、様々な商品・サービスを割引価格にて提供する。

 

■商品内容

保険契約とバイタリティ 健康プログラム契約とで構成され、従来の保障に加え、顧客の日々の健康増進活動をポイント化し、累計ポイントに応じてステータスを判定、ステータスに基づいて保険料の変動や特典(リワード)の提供を行う(保険契約には健康増進乗率適用特約を付加)。

 

■バイタリティ健康プログラム

バイタリティ 健康プログラムでは、健康増進への取り組みを3つのステップを通じて応援し、楽しみながら 健康になるサポートを行う。1年間の累計ポイントに基づきステータスを判定し、ステータスに応じて毎年保険料が変動。また、健康増進をサポートする各種特典(リワード)を提供する。

●STEP①健康状態を把握する

・まずは健康状態を知るための活動でポイントを獲得

・健康状態を知るための特典(リワード)

●STEP②健康状態を改善する

・いつもより少し多く歩くなど、健康的な活動でポイントを獲得

・健康状態を改善するための特典(リワード)

●STEP③特典(リワード)を楽しむ

・健康増進活動への取り組みに応じた特典(リワード)

・健康増進活動を継続するモチベーション向上へ

 

■健康増進活動によるポイント獲得の方法

ポイントを獲得するためには会社所定の方法を行う必要がある。

①オンラインチェック

バイタリティ会員ポータル(インターネットブラウザまたは バイタリティ会員向けのアプリを通じて閲覧できる会員専用のページ )から各チェックを実施 。

②バイタリティ健康診断、予防、イベント

会員ポータルで実施したことを申告し、所定の画像(健康診断書等)をアップロード。

③歩数、心拍数

会社所定のウェアラブルデバイスまたはスマートフォンアプリで計測したデータを会員ポータルにアップロード。

④フィットネスジム

会社所定のフィットネスジムの会員向けプランに入会し、ジムで運動。

 

■取扱基準

①対象保険種類

プライムフィット、ドクターGO

②契約形態

契約者と被保険者が同じ契約のみ

③契約年齢

・プライムフィット=18〜75 歳

・ドクターGO=18~80 歳

④バイタリティ利用料

バイタリティ 健康プログラム契約の利用料として保険料とは別途、月額864円(税込) の払い込みが必要

 

11面 新商品

 

東京海上日動火災

「認知症あんしんプラン」

 

10月に発売する40歳以上の認知症の人およびその家族のための専用商品。「認知症の人と家族の会」などと連携し開発した業界初の商品。行方不明時捜索費用などを補償する。保険料は契約条件にもよるが月額1300円。

 

14面 採用・育成

 

実践!営業所経営

チーム化でベテランの意識変化

 

鶴見所長の営業所は、その着任までの間、4人のベテラン優績者に支えられてきた。みんなマイペースで採用や育成といった組織の拡大にはほぼ無関心。この4人の力を活かして営業所の再興を実現した奮闘記。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

○掲載内容の複写などにつきまして

 当ウェブサイトのコンテンツを無断で複写等することはできません。

○ 掲載内容につきまして

 当ウェブサイトの掲載内容は精査をしていますが、これを保証するものではありません。

 ○個人情報の取り扱いにつきまして

 当ウェブサイトを通じて取得した個人情報は厳重に管理し、当社からの連絡・通知以外の用途以外には使用しません。

 

→プライバシーポリシーについて

 Copyright 2016 Hokensha. All Rights Reserved.