2018年7月20日 2872号

 

明治安田生命グループ

18年度営業戦略、17年度業績

 

基礎利益 過去最高更新、利差益が牽引

グループ保険料 外貨建、スタンコープが貢献

 

しゃしん あらたにせんむしっこうやくグループ全体の基礎利益は前年度比17.9%増の5851億円、過去最高益──明治安田生命は5月25日、2017年度決算報告を行った。

 

グループの保険料は前年度比5.5%増の3兆243億円。明治安田生命単体では4.0%増の2兆7194億円と増加。17年8月に発売した外貨建保険(「米ドル建・一時払養老保険」「外貨建・エブリバディプラス」)は2755億円の収入保険料を上げ、保険料増加に貢献。

海外保険事業も21.7%増の3049億円と二桁伸展。2016年3月に子会社化した米スタンコープ社は24.1%増の2811億円となり、グループの保険料の増加に貢献した。

 

なお、海外保険事業がグループの保険料に占める割合も1.3ポイント増加して10.1%と順調に伸展。

 

グループの基礎利益は前年度比17.9%増の5851億円と、過去最高益を更新。「明治安田生命単体の基礎利益が15.7%増加したのに加え、スタンコープの利益貢献が寄与」と荒谷雅夫専務執行役。グループの基礎利益に占める海外事業の割合も8.7%と、1.2ポイント増加した。

 

スタンコープ社の業績は、保険料等収入が24.1%増の2811億円。主力の団体保険事業を中心に堅調に推移。利益面でも基礎利益相当額で359億円と49.5%の増益。

 

明治安田生命単体の保険料等収入は4.0%増の2兆7194億円。「標準利率の引き下げなどに伴い、予定利率引き下げや一部商品の販売停止、資産・負債のコントロールを行ったことによる減収はあったが、昨年8月に発売した外貨建てが貢献し、増収を確保した」。

 

営業職員チャネルの保険料等収入は3.2%増の1兆3505億円と堅調に推移。うち平準払いは1.0%減の1兆2127億円と微減。ただ、一時払いでは65.4%増の1378億円となり、銀行窓販も12.0%増の3489億円と大きく伸びた。

 

なお、営業職員数は3万1776人。前年度末が3万1421人なので、355人増えた。

 

「ライトシリーズ」累計で60万件

 

明治安田生命単体の新契約年換算保険料は28.9%減少の1279億円。「保険料等収入と同様の理由で、資産・負債のコントロールを行ったことなどから、対前年で減少しているが、計画を上回る水準を確保した」と荒谷専務執行役(=写真)。

 

第三分野は17年12月に発売した「50歳からの終身医療保険」などの貢献で17.2%増の428億円。同商品の販売件数は約2万件。

 

また、17年度からスタートした3カ年プログラムの経営目標の一つである「お客さま数」は「かんたん保険シリーズ ライト」などのけん引で、17年度末で694万人と順調に増加。初年度では14万人増加。なお、最終年度の目標は700万人。

 

「かんたん保険シリーズライト」は16年10月に販売。17年度の実績は約30万件で、うち「じぶんの積立」が8割を占め、累計件数は約60万件になる。

 

基礎利益は5467億円と前年度から743億円増加し、明治安田生命発足以来の過去最高益を達成した。「効果的な資産配分に努め、外国公社債を積み増したことなどで利息及び配当金等収入の増加が利差益拡大に貢献している」。

 

重点市場 販売教育と接点確保に注力

 

Q 重点マーケットとして「第三分野」「高齢者・退職者」「女性」「投資型商品」を挙げているが、各マーケットではどのような販売手法に力を入れているか。

 

菊野和洋グループマネジャー(営業企画部・営業企画グループ) 「投資性商品」は外貨建保険を含めて昨年度から販売を進めており、セミナーを開催して、外貨建保険を知っていただくことから始め、営業職員の教育も充実させ、顧客接点というポイントで推進している。シニア戦略も接点拡充として、法人営業分野と連携し、退職予備群との接点を持ち、シニア向けの保障や投資性商品の案内を推進。このように販売教育と接点確保が二つの大きな取り組みポイントだ。

 

Q 職域開拓チャネル「MYRA(マイラ)」(新卒の総合法人営業職)と保険ショップ「保険がわかるデスク」との連携で、今年度の新しい取り組みは。

菊野 保険がわかるデスクにマイラを一部派遣しているが、方向を大きく変える予定はない。特に丸ノ内、新宿のように来店者を多く見込めるショップではマイラの派遣を重点的に行い、4月から「能動層」をより多くつかめるように運営をしている。マイラの人数は約2000名。

 

Q 基礎利益が最高を更新をしている要因は何か。

荒谷 危険差益は数年フラットな形で、一定程度確保できている。最高を更新を続けている大きな原因は利差益の増加で、もう少し詳しくいうと利息配当金収入が伸びている。リスク管理を徹底する中で自己資本が厚くなり、運用でリスクが取れる体制になってきてたことが要因。

オープン外債の比率も高くなってきており、これは運用環境見通しに合った適切な機動的な資産配分をしている運用部門の功績もあるが、一方でそこまでリスクが取れるリスク管理の仕組みと財務基盤の相対的な優位性を含めて、結果的に利差益が増えている。

 

佐藤元彦運用企画部長 以前は利差損だったが、10年というタームで見ると平均予定利率はだいぶ下がってきて、2017年度は1・90%。外ものの運用をして、為替がだいぶ円安になってきたので、そこで収入が増えるという側面がある。

いまマイナス金利になっているが、これが効いてくるのはもう少し先になる。デュレーションが一定程度長いので数年ではまだ効いてこない、という側面もある。

過去10年の平均予定利率の低下と投資収益が徐々に上がってきていること、ニューマネーのマイナス金利の影響はまだしばらく出ないこと、などが複合的になり最高益が出せる、という感じだ。

 

2面 注目商品

 

エール少額短期保険

「コモンBiz」(法務費用保険)

 

中小企業における「法的トラブル」に対応する、わが国初の事業者向け弁護士保険「コモンBiz」(法務費用保険)は充実した補償内容と、付帯サービスにより、法的トラブルの解決をサポートする。

 

 

3面 保険法

 

保険法から「生命保険制度」を学ぶ

慶應義塾大学大学院特任教授 山内恒人

 

最近、友人が離婚し、生命保険を解約したいという。「元配偶者と直接連絡をしたくない」というので弁護士を紹介した。その際、被保険者同意の撤回の話が出たので、同意の撤回はできないので解約請求をすることになると説明した。

 

6面 法人開拓

 

法人営業のABC 233

エンディングノート・活用法㉗

遂に「相続税ゼロ」の道が開かれた

税理士 池谷和久

 

「事業承継税制」は、30年度税制改正で、10年間の期間限定の制度ですが、①対象株式の上限を2/3から全株に拡大②納税猶予割合を80%から100%に拡大などで「相続税ゼロ」への道が開かれました。

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

「オンライン診療」とは

社会保険労務士 園部喜美春

 

高血圧や糖尿病等の慢性生活習慣病、うつ病等の精神疾患、アトピー性皮膚炎等の慢性皮膚疾患、花粉症等での利用が見込まれていますが、患者側でもその有用性と注意点をよく見極めていく必要があります。

 

8〜9面 販売支援

コミュニケーション・ツール

「自殺対策白書」からライフプランニング

 

①自殺は追い込まれた末の死②自殺は防ぐことができる③自殺を考えている人は悩みを抱え込みながらもサインを発している。この3つの視点を私たちは日常活動の中でどうサポートしていけばいいのでしょうか。

 

10面 新商品

 

楽天生命

「継続割引特約」

 

保険契約の継続状況に応じ、保険料を割引ことができる保険料の負担のない特約。割引額の受け取り方法は、楽天スーパーポイントで受け取るか、保険料相殺の2種類から選べる。5年間で最大9回の割引がある。

 

12面 悩み相談

 

日本産業カウンセラー協会

40代からのSOSが最も多い

 

日本産業カウンセラー協会は、2017年度(2017年4月から2018年3月)の「働く人の悩みホットライン」の利用状況などについて統計結果をまとめた。17年度における対面による相談件数は前年度比 7.9%増の4927件。

 

15面 支社経営

 

支社経営の勘どころ

管理者同士の連携を自然と仕向ける

 

これまでの支社長への取材の中から、「支社経営」のノウハウを、そのコメントを中心にまとめた2回目。今回は拠点長の活動展開、組織長の拠点長・支社長活用法についてまとめてみた。

 

[トピック]

 

ライフケア パートナーズを100%子会社化

日本生命は「ライフケア パートナーズ」を100%子会社化した。ニチイ学館グループの保有するライフケアパートナーズの株式50%を日本生命が取得し、100%子会社化することでニチイ学館と合意した。6月27日に発表。

両社は1999年に業務提携を行い、2001年に健康・介護分野の情報サービス提供会社「ライフケアパートナーズ」を設立。

ライフケアパートナーズは、「ケア・ガイダンス・サービス」など幅広いサービスを提供。同サービスは日本生命の顧客にニチイ学館のケアマネジャーなどが訪問して、無料で将来の介護の相談を受けるもの。

ライフケアパートナーズの今後について、ニチイ学館と協議した結果、 「今後も健康・介護分野のサービスに関するニーズは拡大することが予想され、サービス拡充に向け、より一層の迅速な意思決定が必要」と判断した。

 

デジタルヘルス企業「ダカドゥ社」と協働

T&Dホールディングスは、デジタルヘルス企業「ダカドゥ社」と協働に関する基本合意を結んだ。

ダカドゥ社は、医学関連のビッグデータ解析に強み持ち、独自の「健康スコア」を核とするスマートフォン向けのヘルスケア関連サービスを開発・運営している。

さらに、死亡・疾病リスクの指標化など、保険会社向けに先進的な保険契約の引受や健康増進型保険の開発を支援するサービスも提供。

健康スコアはユーザーの生活習慣・健康状態などの変化に応じてリアルタイムで更新され、 ユーザーはスマートフォンアプリなどで自身のスコアを随時確認できる。

今後、同グルー プの大同生命が先行して具体的な協議・検討を行う。

ダカドゥ社は2010年設立。所在地はスイスのチューリッヒ。国際的なテクノロジー企業であり、ヘルスケア分野におけるデジタル変革を推進している。

 

健康増進サポートプロジェクト報告書

生命保険協会は、「健康増進サポートプロジェクト報告書」を発刊した。

同協会は昨年9月から、「健康増進サポートプロジェクト」として、「スポーツを通じた健康づくり事例収集・普及活動(スポーティライフ大賞)」「自治体等との連携による啓発運動の展開」および「会員各社の取組み事例の収集・共有化」を実施。今回、その取り組みなどをまとめた。

報告書の概要は次のとおり。

「第1部 運動(スポーツ)×健康」。運動(スポーツ)の重要性とその効果やスポーツ庁における取り組みなどを紹介。

「第2部 スポーティライフ大賞」。スポーティライフ大賞の概要や受賞団体を紹介。

「第3部 生命保険業界における取組み」。生命保険会社各社の取り組みなどを掲載。

同報告書は、地域や企業で進められているスポーツを通じた様々な健康づくりの取り組みを、政府における施策や産官学が連携した取り組みとあわせて広く公表するため、健康寿命の延伸に向けた取り組みを行う関係団体などに幅広く配布する。生命保険協会のホームページにも掲載。

 

保険ショップ

◇保険クリニック(アイリックコーポレーション179店舗)

nonowa東小金井店=6月1日。東京都では20店目。小金井市梶野町5ー1-1 nonowa東小金井。10時~20時。

静岡城北店=6月14日。静岡県では6店目。募集代理店はティーアールシー。静岡市葵区城北71ー4。9時~18時。

 

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

住所 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-2-8 サンユースビル2 4階

電話 03-3317-0391

 

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