2018年6月22日 2869号

 

(お知らせ:2018年6月29日は第5金曜日にあたるため本紙は休刊となります。次号2870号は7月6日付です)

 

第一生命グループ 18年度営業戦略・17年度業績

 

「3社体制」商品供給効果に手応え

 

保障性シフト継続、占率8割へ倍増

 

しゃしん はたなかとりしまりやく国内3社の保険料等収入は対前年比12%増、海外グループ会社も堅調──第一生命ホールディングスは5月16日、2017年度決算報告を行い、畑中秀夫取締役常務執行役員(=写真)などが説明した。

 

第一生命グループの新契約年換算保険料は7・8%減の4064億円、会社ごとの内訳は次のとおり。

 

・第一生命=前年度比43・3%減の1112億円(うち第三分野は21・5%増の732億円)

・第一フロンティア生命=11・1%増の1934億円

・ネオファースト生命=823・9%増の147億円

・米プロテクティブ=3・7%増の366億円

・豪TAL=47・5%増の322億円

・第一生命生命ベトナム=56・3%増の181億円。

 

国内では「3社体制」を取り、商品の相互供給を含む「マルチブランド・マルチチャネル」を推進。

 

第一生命が販売したフロンティア商品の販売分は保険料ベースで2243億円となり、フロンティア全体の14%を占める。ネオファーストでは109億円。件数では全5万件の10%にあたる。これによって、第一生命は保険料等収入で前年度並みの2兆5571億円を確保した。

 

また、2016年度から商品ミックスの保障性シフトを強化。第三分野を含む保障性商品の占率は16年度の40%から80%に拡大。新契約年換算保険料も10%増の885億円となった。

なお、営業職員数は4万4626名、うち中核層は69・2%を占める。

資産運用(一般勘定)では、外国債券の投資対象を39カ国・23通貨まで拡大しているが、通貨別の割合は米ドルが49・9%、ユーロ26・9%、オーストラリアドル7・8%、イギリスポンド3・5%、その他11・9%。

 

「米ドルはヘッジコストがかさむのでユーロに振り替えた。39カ国・23通貨に投資可能なインフラを整備しており、機動的に動かしている」と畑中常務執行役員。

 

また、国債の残余期間別残高は10年~20年が6・5兆円、20年長は5・3兆円となっている。

 

フロンティア生命  6190億円と大幅な増収

 

第一フロンティア生命の保険料等収入は1兆6079億円で、6190億円と大幅な増収を確保。

 

商品ラインナップは、外貨・定額4商品、外貨・変額3商品、円貨・定額3商品(1商品販売休止)、円貨・変額4商品(3商品販売休止)。2017年4月、外貨定額年金「プレミアカレンシー・プラス2」の改定を行い、同年8月には外貨・円貨定額終身「プレミアプレゼント」を発売した。

 

「昨年度は外貨定額で新商品を投入して、市場にアピールできた」と畑中常務執行役員。保有契約高は7兆6000億円。商品別では外貨定額が2年間で拡大している。

 

米国プロテクティブは増収増益で純利益は11億600万ドル。7億1300万ドル増加したのは法人税減税の影響によるもの。保有契約年換算保険料は着実に増加して44億800万ドルになる。

 

豪のTALは増収減益。保険料等収入は34億8200万豪ドルで2億3000万豪ドル増加。団体保険での大型契約獲得が主因。

 

一方、資産運用収益は9100万豪ドルの減少となり、これが影響して減益になった。保有契約年換算保険料は28億8000万豪ドル、うち団体保険が約6割を占める。

 

「ジャスト」健診割の付加率は8割

 

第一生命は3月22日「ジャスト」を発売。主契約に特約を付加して加入する方式から「必要な保障を組み合せて加入する方式」にしたのが特長で、契約時に健康診断書などを提出するだけで保険料を割り引く「健診割」を導入。これは業界初。

 

田中健太郎業務部長は、出足の手応えをこう語る。

「過去最速ペースで10万件を突破。4月の営業計画もそれによって大きく達成できた。内訳は新規が4割、保障見直しは6割。新商品が出ると、まず営業職員は既契約者にご案内するので保障見直しのウエートが高いが、今後は新規獲得に向け、しっかりと旗を振っていきたい」

 

「インステック」にもとづき開発した健診割の付加率は、発売当初で約8割。この新しいコンセプトをどのように浸透させていくか。「営業職員に商品コンセプトをしっかりと共有させることが大ことだ。健康な人だけではなく、健康増進に取り組む人を幅広く応援するという商品特性をしっかりと『腹落ち』させ、健診の重要性をお客さまに広げていく、という使命感を持った活動につなげていきたい」と田中部長。

 

これまでに地方自治体と包括連携協定を結び、47都道府県との協働を進めているが、健診の重要性についても地方自治体と協働しながら、各地域での訴えかけに力を注ぐ。

 

ネオファースト生命の保有件数は2018年1月末で10万件を突破した。また、3月に発売した初の法人向け「ネオdeきぎょう」は約3週間で1900件の実績。

 

山本真也国内営業企画ユニット次長(第一生命ホールディングス)は「4月も同程度の販売件数で、5月は決算企業が少なく販売はいったん落ち着いているが、総じて滑り出しは好調」という。なお、第一生命の営業職員は扱っていない。

 

ネオファースト生命は2018年4月の組織改編で「代理店営業推進部」「アフィニティマーケット推進部」を新設。営業推進部からそれぞれの機能を分離し、営業体制のさらなる強化を図る。

 

日本調剤、楽天と業務提携を拡大している狙いについて「新しいチャネルのカテゴリーとして『アフェニティ』という捉え方をしており、すでに抱えている顧客網にアクセスできる取り組みを推進する。このアフェニティも必ずしも薬局に絞ってことではなく、最近は楽天と業務提携をした。顧客基盤を持つ企業とアライアンスを考えていきたい」と山本次長。

 

2面 決算

 

朝日生命

前中計「営業面の目標」、いずれも達成

 

朝日生命は2017年度決算の説明会を行った。個人年金保険の販売停止の影響で、新契約、保有契約ともに年換算保険料は前年比で減少したものの、他の指標については着実な進展が見られた。

 

3面 海外事情

 

新連載 最新海外保険レポート

ニッセイ基礎研究所 松岡博司

 

米国の医療保険会社オスカはインシュアテックスタートアップ企業として、医療に関する問題をテクノロジーを用いて解決するという世直しスタンスで医療保険ビジネスに挑戦。かなり人間味のある事業に深く取り組んでおり、総合的な保険会社としての完成度が高い。

 

4〜5面 保険市場

 

保険は誰にどのように利用されるのか

⑾介護保障分野の検討③

ブレークオンスルー 代表 小山浩一

 

介護状態になったとき民間の介護保険をどのように活用すべきか。必要額と必要期間の不確実性と一時金タイプと年金タイプのマッチングを考え、併せて貯蓄と保険の組み合せ方を考察していきます。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

敷居高かった認定医療法人制度

奥田 雅也

 

実際に今回、お伺いしたクリニックの理事長も「この制度は気になっていたけど、奥田さんの説明を改めて聞くと使えないよね(苦笑)」との反応でした。

 

ただこの医療法人さんは、長年に渡り高額な利益を計上し続けているので、出資持分評価が高くなっているのは事実です。さらにご子息が4名おられますが、うち3名は医師で、さらにその中のお一人が理事長と同じ整形外科を選択されておられ、この方がクリニックを継ぎ、他の2名のご子息も医療法人を何らかの形で承継されることがほぼ決まっています。

 

そうなりますと、出資持分評価が高いことがネックになりますが、今回の認定医療法人制度は使いたくないという理事長は少し考え込まれて「出資持分評価を下げるためにもう少し生命保険を使ったほうがよいですよね?」と質問されてきました。

 

現在でも、ある程度の生命保険活用はされており、法人契約の大半は顧問会計事務所からの紹介代理店で契約されていることは把握していましたので「そうですね。今も十分生命保険は活用されていますが、もう少し違うタイプの保険を活用されてもよいかと思います」とご説明して、次回に具体的なプランを提示させて頂くことの了承を頂きました。

(詳細は本紙をご覧ください)

 

8〜9面 活動確認

 

医療・介護から就業不能・死亡保障まで

公的保障制度とリンクして理解

 

公的保障制度、企業の福利厚生制度は、表面的に理解している人が多く、特に企業保障制度は、会社の規定、健康保険組合などデータを基に、一緒に必要保障を検討するというスタンスがポイントとなります。

 

10面 新商品

 

カーディフ生命

「ライフサイクルプラン」

 

三井住友信託銀行と共同開発した、組み立て型の商品。終身・定期・医療・収入保障・ガン診断給付から1口単位で自由な組み合せが可能。通算2口以上加入した場合、口数に応じて保険料が割り引かれる。これは業界初。

 

15面 介護

 

介護情報でお役に立つ!

家族の生活にも影響及ぼす認識を

 

少子高齢社会の下で介護問題が切実さを増す中、各社が介護・認知症関連の新商品を発売している。これらの商品の募集に大きな力を発揮する資格が「高齢者住まいアドバイザー」だ。

 

[トピック]

 

来年1月から「ニッセイ・ウェルス生命」

日本生命は5月31日、マスミューチュアル生命の発行済株式の約85.1%を取得した、と発表。また、社名は2019年1月1日「ニッセイ・ウェルス生命」に変更する。

同社は3月、米国マスミューチュアルの完全子会社MMIから発行済株式の約85.1%を約1042億円で取得して、子会社化することを明らかにした。なお、残りの14.9%は引き続きMMIが保有する。

新しい社名「ニッセイ・ウェルス生命」に込めた想いをこう述べる。

「ウェルスという言葉から伝えたい想いは『家族であり、絆』。 家族が将来にわたって絆を深め、夢を紡いでいくために、 お客さまに寄り添い、安心を届け、それぞれの想いに真摯に向き合う保険会社でありたい」

今回の子会社化は、販売シェアが低い銀行窓販の強化が狙い。「 グループ一体となって、金融機関窓販マーケットにおけるお客さまからの要望に幅広く応えられる体制構築を目指したい」という。

マスミューチュアル生命の業績は、保険料等収入で2015年度に5644億円と過去最高を記録し、2016年度は円建て一時払いマーケットの縮小などの影響を受け3230億円と減少。メーンチャネルは銀行22行、証券会社6社。

 

公的保障試算ツールをウェブサイトに

オリックス生命は6月4日「ねんきん定期便でわかる!公的保障試算ツール」を開発し、ウェブサイトに公開した。

同サービスは、年金や医療費などの公的保障において「老後に受け取る年金額」「万一の場合にご遺族が受け取る年金額」「入院した場合の高額療養費」「働けなくなった場合に受け取る傷病手当金」の目安について、ウェブサイト上で試算できるのが特長。

年齢や年収などの情報に加え、日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」に記載の「年金加入期間」や「加入実績に応じた年金額」などの情報を入力するだけで、簡単に利用できる。

また、高齢者または目が不自由な契約者向けに、重要情報の案内方法を改善した。郵送物の一部に「音声コードユニボイス」を用いた音声案内電子サービスがそれで、対象の郵送物は「ご契約失効のお知らせ兼復活のおすすめ」。

「お客さま一人ひとりの契約内容に合わせて重要情報を編集して提供する方法は業界初」という。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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