〈休刊のお知らせ〉
次週は9月の第5週のため、9月29日付の発行はお休みします。
次号(3122号)は10月6日付になります。あらかじめご了承ください。
全国生命保険労働組合連合会(勝田年彦中央執行委員長=写真、以下「生保労連」)は8月22日、東京都荒川区の「アートホテル日暮里ラングウッド」を会場に、第55回定期大会を開催した。大会では、2022年度活動経過報告、同会計決算報告とともに、2023年度運動方針(案)、同会計予算(案)等が審議され、執行部の提案通りに承認された。なお、今回の定期大会において、中央執行委員長を始めとする2023年度の本部役員が選出されている。
冒頭の挨拶の中で勝田年彦委員長は「2023年春闘、そして次年度以降の春闘について、生保労連では2023年春闘を「未来に向けてのターニングポイントにする」という決意のもと、今年1月のここラングウッドで行われた中央委員会において、6年ぶりとなる特別決議を採択したのち、労使協議会を通じて生命保険協会ならびに会員各社への誠意ある対応を要請するなど、様々な取り組みを展開してきた結果、新型コロナの影響で生命保険各社の決算が厳しい中でも、多くの組合でベースアップを含めた賃金改善を獲得していただいた。
足元では、長期化するロシアによるウクライナ侵攻や、円安の影響等によるエネルギー価格の上昇により、物価高はこれからも当面続くものと思われる。こうした状況を踏まえると、2023年春闘からの流れを一過性のものに終わらせるのではなく、2024春闘以降も、組合員の生活を守り、組合員からの期待にどう応えるかといった観点から、持続的な賃金改善を実現していく必要がある。引き続き難しい春闘となるが、皆さまと議論を尽くし、力を結集することで産業全体をリードしていく」と力強く述べた。
なお、大会には、生保労連の上部団体である「日本労働組合総連合会」の芳野友子会長、また立憲民主党の泉健太委員長をはじめ、支援議員が来賓として多数出席、それぞれ登壇し、祝辞と激励の言葉を述べた。
3年にわたって猛威を振るってきたコロナ禍も、感染症法上「5類」に移行するなど、ようやく落ち着きを見せつつあるものの、勝田委員長が示したように、内外を取り巻く状況には依然として厳しいものがある。こうした厳しい環境下にあって、生保労連ではどのような施策・方針をもって、その要求するところを貫徹・実現しようとしているのだろうか。
当日の勝田委員長の挨拶の中からその概要をみていこう。
今年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、国民の生活は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。
生命保険各社が今年2月までに支払った新型コロナによる給付金等はあわせて約1兆2000億円にも上り、コロナ禍を通じ改めて生命保険の役割や重要性を社会に認識いただけたと考えている。
今後さらに生命保険の必要性を社会に定着させるためにも、営業職員の皆さまによるフェイス・トゥ・フェイスの地道な活動を通じて、お客さまに寄り添い、地域社会の中で人と人とをつなぐ「かけはし」としての役割発揮が期待されていると感じている。
このような生保産業、そして営業職員が担う社会的な役割の位置づけ・重要性を広く社会に認知していただくために「生活設計教育の推進」「消費者団体との意見交換」さらには「地域・社会への貢献に向けた取組み」等を展開していきたいと考えている。
これらの成果を最大化するためには、各組合との連携はもちろんだが、生命保険協会とも協力しながら、労使一体となって産業全体で取り組みを進めていきたいと考えている。
各組合の皆さまから、大きな期待をいただいている取り組みであると認識をしているので、しっかりと成果を残せるよう「チャレンジ」を続けていく。
力を結集し産業全体を力強くリード
1つ目の話にも関連しているが、未だ事業所での活動制限が継続されているケースが多くあり、営業職員の活動量・生産量は回復途上にあると言える。
また、社会全体として賃上げの機運が高まっていることで、産業を越えた人材獲得競争が激化しており、募集環境・採用環境ともに非常に厳しい状況にある。
持続可能な営業職員体制を構築していくためには、生産回復に向けた営業支援策の強化に加えて、賃金の改善などによる組合員のエンゲージメント向上を通じた、働く人にとっての魅力度アップが求められている。
我々としては「組合員の声」を大切にし、よりよい方向に向かうための方策を労使で協議・交渉できる労働組合の存在意義をいかんなく発揮し、組合員の期待に応えていかなければならない。
生保労連としても、各組合と取り組み事例の共有をはかりながら、組合活動の活性化に向けた取組みを進めていくので、引き続きのご理解・ご協力をお願したい。
⑴生保関連税制
まずは、生保関連税制であるが、令和5年度については「生命保険料控除制度の拡充」の実現がはかられなかったものの、国家の財政状況が厳しい中、現行制度が存置されたことは、次年度以降の取組みに繋がるものと考えており、生保労連としても一定の評価をしている。
これは、支援議員の先生方をはじめとした国政・行政に携わる方々にご賛同いただいたことや、組合員の皆さまが日頃の活動の中で、生命保険の役割や重要性を訴えてきたことが大きな力になっていると認識している。
既に令和6年度の税制改正に向けて取り組みをスタートしており「生命保険料控除制度」については、少子高齢化の急速な進展や、生保労連が実施した「生保関連税制に関するモニターアンケート調査」の結果などを踏まえ、これまでと要望内容を一部変更している。
具体的には、これまでは一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の控除限度額を4万・4万・4万から5万・5万・5万にアップする要求をしていたが、これを扶養している子どもがいる場合は6万・5万・5万、それ以外は4万・5万・5万と、少子化対策の時流に合わせた要望に変更した。
生保関連税制の充実やその他要望を含め、引き続き的確な対応をはかっていく。
⑵ 郵政民営化
続いて郵政民営化に関して、日本郵政のかんぽ生命株式保有割合は、郵政民営化法上で規定された50%をかろうじて下回る49.9%であり、政府の間接出資を背景とした「かんぽ生命には暗黙の政府保証がある」との誤解は未だに払拭されていない。
生保労連では民間生命保険会社との「公平・公正な競争条件の確保」が大前提であり「民業圧迫」は決して認めるべきではないと再三にわたって意見発信を行ってきており、足元の郵政民営化委員会での3年毎検証でも意見表明を予定している。
なし崩し的に業務範囲の拡大・新規業務の取り扱いがなされていることに対しては、他の民間生命保険会社との適正な競争関係に配慮したものとは到底認められないと考えているので、引き続き、株式売却状況をはじめとする郵政民営化の諸動向を注視し、関係各方面に対して迅速かつ適切な対応をはかっていく。
こうした様々な政策課題への取り組みを進めていく上で、大きな影響力を発揮いただいているのが、支援議員の先生方である。
生保労連では、支援議員の先生方にお集まりいただいて、生保労連の政策について意見交換し、アドバイスをいただくために政策研究会を開催している。
また、支援議員の先生方の地元においては、該当地区の組合員の皆さまにもご参加してもらい「くらしと生命保険を語る会」などを開催し、支援議員と組合員相互の理解を深めていただけるように努めている。
こうした取組みの積み重ねが、支援議員の先生方との関係強化や産業政策の前進につながっていくものと考えている。
先生方のこれまでのご支援に感謝申し上げるとともに、引き続きバックアップをお願いしたい。
縷々(るる)申し上げてきたが、本日の定期大会は、生保労連2022年度の活動についてご報告申し上げるとともに、新年度、様々な課題に対する取り組み方針を、確認・共有する場でもある。
重要課題が山積するなか、生保産業がこれからも発展し、お客さまから信頼され続けるための原動力は「人」であり、一人ひとりの組合員の力に他ならない。現在、国内では、組合員数が減少傾向にあり、組織率も推定16.5%まで低下している。
一方、世界に目を向けると、歴史的に日本以上に組合活動の低落が進んでいるアメリカでは、アマゾンやアップルなど有名企業での労組結成の動きもあり、組合員数は増加に転じている。
また、ヨーロッパでは、大規模ストが相次ぐなど労働運動の機運が高まっており、若年層の労働組合への参画意識の向上が見られるなど、労働組合をめぐる環境が大きく変化してきている。
日本でも、歴史的な物価上昇を受けて「連合」をはじめとした労働組合の活動にフォーカスした報道が増えてきており、生保産業で働く組合員からの期待も大きくなっていると感じている。
生保労連としても産業別労働組合の役割を果たすべく、本日ご審議いただく「2023年度運動方針」等も踏まえ、組合員一人ひとりにとって「何が一番大切なのか」「今何をすべきか」を考え、粘り強く取り組んでいきたいと思う。
そして、より力強く労連活動を進めていくためには、各組合の組合員の皆さまとの団結・連携が欠かせない。
生保労連としても、皆さまとの「対話」を重視し「チャレンジビジョン2030」に掲げる産業別労働組合としての「先導的役割」と「バックアップ機能」の発揮に努めていく。
今回の第55回定期大会では、⑴2022年度活動経過報告(①一般活動経過報告、②連合関係報告) ⑵同会計決算報告⑶同会計監査報告、さらに⑷特別報告として①「今後の総合生活改善闘争に関する研究会」報告、②総合生活改善闘争(2023春闘の取組み)の成果と課題がその議事日程に則って行われ、続いて⑴2023年度運動方針(案)⑵2023年度会計予算(案)がそれぞれ審議・承認された。
なお、生保労連の「2023年度運動方針」は次の通り。
また、2023年度本部役員は以下の通り。
Ⅰ.生保産業の社会的使命の達成
1.お客さまの負託に応える生保産業をつくる
⑴ 経営の健全性向上の取組み
⑵ お客さまとともに発展する営業職員体制をめざす取組み
⑶ 産業政策の推進(生保市場の健全な発展をめざす取組み)
2.国民が安心できる生活保障をつくる
⑴ 国民生活保障に関する政策提言の取組み
⑵ 生命保険の事業基盤に関する政策提言の取組み
⑶ 政策実現に向けた取組み
Ⅱ.総合的な労働条件の改善・向上
1.全組合参加による総合生活改善闘争を推進する
⑴ 総合生活改善闘争の推進
2.営業職員の魅力ある働き方を実現する
⑴ 営業職員に対する活動支援の取組み
⑵ 魅力ある労働条件・働き方の実現
3.安心と働きがいのもてる労働条件をつくる
⑴ 賃金改善の取組み
⑵ 人事・賃金制度に関する取組み
⑶ ワークとライフ双方の充実
⑷ 柔軟な働き方に関する検討
⑸ 多様な人材が活躍できる職場づくり
⑹ 適正なワークルールの確立
Ⅲ.組織の拡大・強化
1.各組合の活動・組織強化を支援する
⑴ 各組合に対する支援の強化
⑵ 組合活動における男女共同参画の推進
⑶ 生保労連の機能強化
⑷ 生保労連・各組合との一層の連携強化に向けた基盤整備
2.働く仲間との絆・つながりを深める
⑴ 生保産業における未組織労働者の組織化(組織拡大の取組み)
⑵ 国内外の働く仲間とのネットワークの強化
3.生保労連・各組合の活動への理解を広める
⑴ 活動の「見える化」の推進
Ⅳ.生保産業と営業職員の社会的理解の拡大
1.生保産業と営業職員への理解を広める
⑴ 広報・PR活動の強化
⑵ 生活設計教育の充実をめざす取組み
2.地域・社会に貢献する
⑴ 地域社会への貢献
⑵ 社会貢献活動の実践と意識の醸成
中央執行委員長※:勝田 年彦(住友)
中央副執行委員長※:大口 聡(大樹)
同上※:阪本 裕実子(大同内)
同上※:金掘 守男(明治安田)
同上※:山本 直子(第一)
同上:松村 美幸(アクサ営)
同上:髙田 幸正(ジブラルタ)
同上:小倉 孝之(大同労)
同上:岡本 将典(太陽)
同上:植木 英之(フィナンシャル)
同上:大垣 裕介(富国内)
同上:小林 英樹(マニュライフ)
中央書記長※:田中 祥平(朝日)
中央副書記長※:松田 惣佑(日本)
中央執行委員:石亀 茉耶(アクサ内)
同上:谷口 典央(朝日)
同上:小野里 昇司(朝日)
同上:五弓 真純(ジブラルタ)
同上:鷲尾 靖子(住友)
同上:津田 智浩(住友)
同上:上遠野 晴美(協会)
同上:阿部 恭士(第一)
同上:松井 美里(第一)
郵政民営化委員会が3年おきに行っている郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に向けた意見募集に対し、生保労連は8月24で意見書を提出した。かんぽ生命株の売却が未だに進まない中で「公正・公平な競争環境(条件)」の実現・確保をあらためて強く訴えている。
この10月から始まる「インボイス制度」を前にしてエヌエヌ生命では、全国の中小企業経営者7225名を対象に「インボイス制度」の準備状況の把握を目的に調査を行いその結果を発表したが「インボイス制度」について具体的な内容まで知っている人は4人に1人にとどまった。
今回は、見込客の獲得を目的としたセミナーの効率的・効果的な準備と運営方法について考える。開催にあたって最も重要なのは「集客」だが、集客方法の一つとしてランディングページ(LP)と、LP作成の知識のない人向けのサービスである「ペライチ」について紹介する。
セールススキル研修は、セールスでの部分的な話法を捉えた話法研修ではない。筆者の主催するFP塾では、顧客とのコミュニケーションをベースに、そのニーズを把握するスキルを身に付けることを目指しており、これを日々の活動で繰り返し意識することで必ず効果が現れるという。
コロナ禍は落ち着きを見せているが、一方、物価高や円安など内外の情勢は依然厳しい。こうした中で生命保険料をいかに安く抑えるかが一般消費者や経営者の選択肢になりつつある。今回はこのような状況下での生命保険の提案はどうあるべきかを考え、具体的な処方箋を示す。
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