少額短期保険

■セミナー講演「少額短期保険の現場から」

 

『Weekly Inswatch』 2008年11月3日号より転載

 

アカラックス 「少額短期保険会社の現場から」でセミナー開催 

 

→当日の資料をまとめたもの(FLASH)

 

◇ 取材もとに白根毅之介氏((株)保険社社長)が講演

少額短期保険会社の第1号登録(「日本震災パートナーズ」・06年10月27日)が誕生してから2年が経過、この10月末現在で、少額短期保険会社の登録数は50社となった。少額短期保険会社は、これまでの根拠法無い共済からの移行と新規設立会社があるが、いずれも従来の共済と親和性のある保険商品の提供に加え、これまでにない特色ある商品開発・提供を行なってきている会社も多い。

 

しかし、登録少短会社が相次ぐ中で、その実態や商品の特長、将来の狙い (チャネル戦略や保険会社化、特定市場から一般市場への取り組み)が、余り知られていない。そんな折、アカラックス(株)は10月31日に「少額短期保険会社の現場から」と題するセミナー(2008年第4回アカラックスセミナー)を開催した。講師は白根毅之介氏(株式会社・保険社社長)。

 

白根氏は自らが少額短期保険会社を取材し、同社発行の「保険情報」に“新保険会社探訪”シリーズとして連載・健筆を振るってきただけに、特色ある少額短期保険会社7社について詳細な事例紹介を行なうなど参加者から好評を博した。

 

◇親(関連)会社の募集組織・マーケット活用が強み

当日のセミナーでは、まず(1)少額短期保険会社制度の誕生の背景、(2) 根拠法のない共済の実体(3)新たに創設された少額短期保険会社と保険会社との相違と特長など制度上の問題と経緯を振り返ったあと、(3)現状の各社の取扱商品種目、(4)少額短期保険会の規模(資本金)などの実態を説明。また、少短のうち住宅賃貸業者等が任意で行なってきた家財共済や賠償責任共済を引き次いでいる会社が現状でも多いが、家財共済の急激な普及が(マルチ型取引で成長した共済と並んで)共済規制に乗り出すきっかけの一つになった。生保関係では冠婚葬祭互助会による任意共済を母体とした少短会社が多いが、商品の類似性、親和性、比較的違和感のない募集が可能であることによる—とした。また、これら2つのジャンルの共通点として親(関連)会社のマーケットや募集(営業)組織を利用できるのが強みと分析した。

 

一方、少額短期保険会社の制度は、他業や親和性のある業種、さらに新たな商 品提供を狙いとした新設会社の参入を容易にし、登録51社中16社が新規だ。この点について白根氏は、「少短登録の第1号(日本震災パートナーズ)、第3号(エクセルエイド)は、新規のゼロから出発した会社で、金融庁も無認可共済規制だけでなく、真に消費者に役立つものを登場させるという思いもあったと思う」とした。しかし、当初の新規2社は、商品性は優先されたが募集基盤があったわけでなく、販売においては苦戦を強いられている—などビジネスモデルの違いが販売に影響を及ぼしている実態を報告した。

 

◇7社のアイデアやチャネル戦略など紹介

このあと、少額短期保険会社の事例紹介では、「メモリード・ライフ」(冠婚葬祭を母体に無配当定期など販売)、「リロ少額短期保険」(リロケーション大手のリロホールディングス・企業の福利厚生を狙いとした長期見舞金・生損保一体型保険の提供)、「フローラル共済」(地域密着型の生花業から冠婚葬祭業へ)、「ABC少額短期保険」(クッキングスクールをオフィス街で展開、女性市場をターゲットに生命・医療保険提供)、「エクセルエイド」(糖尿病キャリア対象の医療保険提供、個人出資が特長)、「アイペット」(ペット保険の提供だが資本金が突出している23億円超)、「いきいき世代」(雑誌「いきいき」購読者を対象とした医療共済が前身)のそれぞれ特長ある7社を取り上げた。

 

少額短期保険会社の中には、将来的に保険会社化を目指すところと少短会社の ままで事業を展開するところに分かれるが、保険会社化に向けての戦略(販売戦略と販売チャネル→特定市場から一般市場へ、特定販売組織からプロ代理店も含めたチャネルの多様化、新商品の開発動向)や少短会社の販売商品規制や成約をどのようなアイデア各社が克服しているかなどが語られた。とくに、商品面では年齢群団別(5年群団や15年群団)料率を採用することによって、保険料を一定にしていくなどの工夫がなされているなどの商品の仕組み・内容の解説も行なわれた。

 

◇最終的には6〜70社が登録か?

なお、改正保険業法(06年4月施行)では、根拠法のない共済は、特定保険業者として金融庁に届け出を行ない、2年以内に(08年3月末)に、「少額短期保険業者の登録」または「保険会社の免許を受ける」こと必要とされた。そして期限までに移行できなかった特定保険業者は、4月移行、共済の新規契約はできず、1年の猶予期間(09年3月末)の間に要件を満たすことができなければ契約の移転(移転先は保険会社ないし少額短期保険会社)か、廃業(事業の清算)をしなければならない事になっている。

 

前記の通り10月末で50社を突破。また、現在、財務局への登録申請中の特定保険会社もあり、最終的には60〜70程度の小額短期保険会社が登場する見込みだ。白根氏は少額短期保険会社が、今後、健全な発展と“共済”という原点を活かした商品開発・提供によって消費者から喜ばれる会社として役割を担っていくことを期待したいとした。(石井 秀樹)

 

インスウォッチのホームページ→http://www.inswatch.co.jp/

アカラックスのホームページ→http://www.acalax.jp

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