少額短期保険

■事業者インタビュー

 

第3回

リロ少額短期保険株式会社リロ少額短期小松氏

 

 世界規模で展開する「生活総合支援サービス産業」の創出を目指す「リログループ」は、1984年転勤者の留守宅を管理するリロケーションサービスを開始。さらに1993年には企業の福利厚生を代行する会員制クラブ組織を立ち上げ運営している。いずれも日本で初めての取り組みであったが、現在はさらにその事業の規模と範囲を拡大、これまでのリロケーションサービス事業を海外にも拡大する一方で、企業の福利厚生制度やCRM事業のアウトソーシング事業、さらには余暇創造事業まで幅広く展開している。「世の中になかった先駆的な事業で、人のため、企業のために役立ちたい」これがリログループの事業コンセプト、そしてマインドだ。
 「リロ少額短期保険株式会社」は、「リログループ」をバックに生まれた新しい保険会社であり、同グループの保険サービス事業を担う。同社が主に「リログループ」提携企業(の従業員)向けに開発した「ソラティア」(弔慰見舞金保険)は、少額短期保険の特性を生かした生・損保一体型を実現した「世の中になかった先駆的」でかつ斬新な商品であるといえるであろう。この4月から、本格的に事業を開始した同社の小松義彦社長(=写真)に、「リロ少額短期保険株式会社」のこれからを聞いた。

 

「リロクラブ」会員用共済が前身
共済契約分離しスタート

 

「リロ少短」の前身は、リログループがその提携先(ユーザー)企業とその従業員を対象に、サービスの一環として行っていた任意共済(根拠法のない共済)事業で、これまで3年半(決算で4期)の実績があった。
当時販売(扱っていた)していた「任意共済」は、「国内旅行傷害共済」、それに日額給付型の「医療共済」、そして、今回少額短期保険会社として販売することになった弔意見舞金保険〈ソラティア〉の原型である「慶弔見舞金共済」等であった。

 

これらの「任意共済」が、前述のように、リログループがその提携先企業の福利厚生を代行することを目的に立ち上げた会員制クラブである「リロクラブ」の会員を対象に販売されていた。
 
順調に推移してきた「リログループ」の(任意)共済事業だったが、05年4月に、約10年ぶりに「保険業法」が改正され、「リログループ」の共済事業も「根拠法のない共済」として「保険業法」によって著しく規制されることになった。


これまでのように共済事業を継続することができなくなったわけだ。とはいっても、これまで「リロクラブ」の会員企業やその従業員に支持されてきた共済事業を、ここで終了するわけにもいかない。そこで「保険業法」の改正によって新しく生まれた制度である「少額短期保険会社」の設立を目指すことになったという。


任意共済時代の既契約については、将来設立される少額短期保険会社に包括移転する方法をとらず、既存の保険商品への切替(国内旅行傷害共済)や収束(入院共済)で対応することにした。ただし、「慶弔見舞金共済」については、大企業や独立行政法人の従業員、職員を中心に、被保険者(加入者)が約1万口もあることから、これについては既契約対応、具体的には共済給付金の請求受付や、支払関連サービスを中心とした事務メンテナンス業務のみを継続することにした。


この業務については「株式会社リロ・フィナンシャル・ソリューション」(「リログループ」の生損保代理店等、保険、金融関連事業を行っている)が担当する。このように、「共済」の既契約をすべて分離することによって、「リロ少短」は事実上ゼロからスタートすることになった。

 

ソラティア 少短の主旨体現した商品
第一・第二・第三分野を一つに集約

 

同社が少額短期保険会社への登録を目指して、財務局との折衝を始めたのは07年の3月。登録が認可されたのが今年の3月19日なので、登録までちょうど1年かかったことになる。小松社長によれば〈ソラティア〉は、ある意味で、この財務局の折衝過程の中から生まれたといってもよい側面があるという。


「こちら(リロ少短)は、どうしても堅苦しい、いわばキチッとした商品を考えがちなのですが、これに対して財務局はもう少し(商品に)柔軟性、裁量性があってもよいのではないか? といったニュアンスで応じていただきました。そんな事情もあって、〈ソラティア〉のような柔軟性のある商品が生まれることになったのです」


〈ソラティア〉は、生損保双方、というよりも、第一分野、第二分野、第三分野を一つの商品に集約した、その意味では生損保兼営を認められている少額短期保険の主旨をいわば体現した商品であるといえるだろう。
 画期的な商品だけに、〈ソラティア〉の届出を認可(承認)してくれた「金融庁」、そして「財務局」も、「〝とにかくやらせてみなくてはわからない〟というスタンスで臨んでいただいたようだ」と、当時を振り返る。


第一~第三分野までを網羅した〈ソラティア〉だが、その「約款」は総則から一般条項に至るまで、内容はどちらかといえば損害保険の「約款」に近いものになっている。


これをベースにそれぞれの保障(補償)に関する条項を記載するという構成になっているのが特徴だ。こうしておけば、「将来、新しい保障(補償)アイテムを追加することになっても約款の抜本的な改訂を避けることができる」というわけだ。

 

中小に大手並み福利厚生制度を
グループ会社提携先対象に事業展開

 

「なぜ〈ソラティア〉は弔慰見舞金を給付のメインにしているのか? リログループはご存じのように一般企業(とその従業員)市場を対象に、リロケーション事業を中心にして、企業の社宅制度や福利厚生制度の整備を支援してきたが、その中でも特に従業員の弔慰見舞金制度についてはニーズが高かった。これが(〈ソラティア〉が弔慰見舞金を給付のメインにしている)その理由だ」ということだ。


「リロクラブ」がその会員企業を対象に販売していた任意共済のうち、特に「慶弔見舞金共済」の実績が大きかったことはこのことを裏付けていると言えるだろう。


「中小企業は、たとえばその福利厚生制度にしても、社宅、保養所関係の制度、設備についても大手企業なみの水準にあるとはとても言えない。こういった中小企業に大手企業なみ(水準)の福利厚生制度の整備を支援し、お手伝いをしようというのがリログループのそもそもの事業の目的だった」のだが、こういった中小企業の福利厚生制度の中でも、その制度化について特にニーズが高かったのが、慶弔見舞金制度に関するものだった。


「リログループ」の提携企業は約2万社、ここに勤務する従業員は約300万人にものぼる。「リロ少短」は、今後ここを対象に、〈ソラティア〉をもって本格に保険ビジネスを展開していくことになるのだと言う。


次に、具体的な販売促進についてはどうか。販売促進チャネルの中心となるのは、リログループの保険事業をこれまで担ってきた「株式会社 リロ・フィナンシャルソリューションズ」(以下、「リロ・フィナンシャル」)だ。ここを(募集)代理店に〈ソラティア〉を販売する。


「リログループ」の提携先企業は全国にある。そこで「リロ・フィナンシャル」では対応できないところについては「各地の有力(保険)代理店に販売を委託することを考えている」


「リロ少短」は、グループ内ではあくまでも「保険メーカー」企業として位置づけられている。販売を担うのは前出の「リロ・フィナンシャル」ならびに生損保のプロ代理店で、同社はその設置を急いでいる。現在、東京に1店、九州に1店それぞれ大型のプロ代理店と代理店委託契約を結んでいる。また、募集人(代理店使用人)は、東京と九州に多数配置できつつある。〈ソラティア〉の販売を担うコア部隊である「リロ・フィナンシャル」の営業担当者は20人、そのほとんどが保険会社の営業経験者である。

 

「現在、〈ソラティア〉の販売促進で同社の社員と「リロ少短」の社員が一緒に、主に30〜100人未満の(リログループ提携先)企業を、1日10件程度のペースで回っているのだが、おかげでいろいろな(保障)ニーズを掘り起こすことができている」

 

採用企業3年間で2千社目指す
被用者が契約者の商品アイデアも

 

 販売計画はどうなっているのだろうか。「中小企業や一般事業者には、既存の生損保商品では補いきれないニーズが顕在化している」というのが小松社長の認識だ。「前述のように慶弔見舞金制度に対するのもその一つだ」。それだけに〈ソラティア〉の販売計画についても強気になる。


「当面の目標は、今後3年間で2000社の〈ソラティア〉採用企業を目指す」という。そして、収入保険料実績よりも、〈ソラティア〉採用企業数をベンチマークにするという。
 「なぜ、〈ソラティア〉採用企業数に業績の重きを置くのかというと、リログループの提携先、取引先が企業中心だからだ。〈ソラティア〉の販売促進によって、リログループ各社の事業についてもシナジー効果が期待できる」 のだという。


具体的には、例えば、〈ソラティア〉を媒介に、リログループの関連企業の効果的な連携を実現することによって、企業の福利厚生制度に関することについては、これをワンステップで完結できるようにしたいという。そしてこれはリログループの将来構想でもある。とにかく、グループ内で保険事業を展開できるのが「リロ少短」の強みだ。従って、当面は認可制の保険会社化は目指さないとのことだ。


さて、「リロ少短」の組織は大きくわけて事務部門、財務部門、営業部門、それに業務監理部門の4つに分かれている。コンプライアンス関係を管掌しているのは業務監理部で、小松社長は業務監理部長を兼任している。「コンプライアンスについてはいうまでもなく当然力を入れている。これを疎かにすればリログループ全体の信用にかかわることになる」というのが小松社長のコンプライアンスに取り組む基本姿勢だ。因に、同社に在籍する保険会社勤務経験者は6人だ。


最後に新商品の計画について聞いた。新商品については、グループ企業からもリクエストが多く寄せられており、中にはユニークなアイデアも多いという。小松社長自身も新商品についてのアイデアを暖めている。具体的には被用者を契約者にした商品だ。


リログループの市場では、企業が福利厚生制度として、保険契約することになるので、契約の形態は必然的に法人契約となる。小松社長は、この企業市場とあわせて、約300万人いるという従業員市場にも「リロ少短」の商品の販路を広げていきたいと考えている。被用者には被用者の保障(補償)ニーズが在る。そのためには、被用者を契約者とする個人保険は欠かせない。


そして、「リログループのビジネスの特性を踏まえ、サラリーマンの、サラリーマンによる、サラリーマンのための保険をこれからも提供していきたい。そしてより使い勝手がよい保険商品を実現したい」と結んだ。
(本紙 白根毅之介)

■リロ少額短期保険株式会社
設立年月日 2006年6月9日 登録2008年3月19日
関東財務局長(少額短期保険)第17号
東京都新宿区新宿四丁目3番23号
電話 0120-117-873
ホームページ http://www.relo-ssi.jp/

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