■事業者インタビュー
第1回
株式会社メモリード・ライフ
代表取締役 沖 雅博氏
■ 斬新な商品開発と効率経営実現
「冠婚葬祭というライフイベントにのっとった業務を幅広く営み、革新的な経営を行っているメモリードが、生命保険業に取り組むというのは極めて自然な発想だ」という沖社長。
そして、「お客さまを経済的側面から、リスク・ヘッジの視点に立ってサポートすることは、事業の成長・発展につながるだけでなく、その人生をより豊かにする」(沖社長)という観点から、
・ライフイベントニーズを的確にとらえた画期的な商品の開発
・冠婚葬祭の現物サービスの可能性を追求することで、金銭的な対価の提供に留まっている現在の保険業の裾野の拡大をこれからのテーマにするとともに、「お客さま第一」をその経営理念に据える。
もちろん、生命保険会社である以上コンプライアンス・リスク管理の徹底をはかることはいうまでもない。そのうえで前記のコンセプトに則った斬新な商品の開発と提供、そして効率経営を実現する中で特徴のある会社を目指したいという。
■今後、商品の規制緩和を求める
ところで、少額短期保険会社が販売できる保険商品は、既存の保険会社に比べて厳しく制約されている。例えば、生命保険の場合、保険期間は1年、死亡保険金は病気死亡で300万円、そして災害死亡でも600万円と制限されているのが現状だ。つまり、保険商品としての自在性が著しく制約されているのだが、こういった中で、この事業をどう成功に導いていくのか。
沖社長は、少額短期保険会社がその事業を成功に導くうえで欠くことができない要件として、
1)市場
2)市場に適した販売チャネル
3)経営力(資本力)
の3つを挙げる。
市場については、これまで同社を含めてその多くが「特定市場」に特化していたことから、引き続き「ニッチ市場」がその対象となる。このニッチ市場にどのような販売チャネルでアプローチしていくかということが重要なポイントだ。
ところで、本来であれば当然のことながら商品についても重要な要件の一つであるはずであるが前述のように制約が多く、その自在性に限界がある。これについて沖社長は今後、法改正、具体的には現行の法規制の緩和を求めていくという。
最後の「経営力」とはなにか?少額短期保険会社がその販売商品で既存の保険会社に比べて優位性を確保できるポイントの一つは、その安い保険料にある。
この優位性をこれからも確保するためには徹底的な経営効率化が求められる。これを実現するのが経営力だ。併せて事業の安定性を確保し、市場(消費者)の信頼を得るためには資本の充実も求められる。もちろん、これもすべて「お客さまを第一義的に考えて」(沖社長)のことだ。
さらに、「お客さまのために競争優位確保、そして他との差異化をいかに実現していくかということだ。この視点が欠落していると厳しい競争下・制約下で少額短期保険会社はとても生き残ってはいけない」という。
そして、「サムシング・ニュー」そして「サムシング・ディファレント」の徹底こそが事業成功の鍵だとする。
■セールスよりマーケティング力
沖社長は、少額短期保険会社が他との差異化、競争優位性を確保するためには、前述の価格(保険料)に加えて、これからはさらに専門性が求められることになるだろうと見ている。
因みに「メモリード・ライフ」は、ここでいう専門性をマーケティングに見出そうとしている。
「これまで金融機関にはマーケティングという発想はほとんどなかった。どちらかというとセールスが中心の発想だったが、当社ではこのマーケティングを重視する。これについては他と競争していける力を有していると思うし、またこれを推進するための優秀なスタッフもそろっている」(沖社長)という。
例えば、少額短期保険については不要とされるクーリング・オフについても、同社はこれを30日間設けている。また、責任開始の要件から第一回目の保険料の払込を除いている。これにより、第1回保険料の支払いが責任開始日より約1〜2ヵ月の後払いとなる。さらに、その間、契約者はその内容を30日間、検討・吟味する機会を得ることができることになる。
因に、その販売商品については、市場や販売チャネルに、コミットできる商品に絞り込んで、よりふさわしい商品を開発することで特長付けていくという。さらに〈シンプルイズベスト〉を商品開発の基調にすることで、未請求やそれに伴う保険金等の不払いが生じないようにする。
また、保険金の支払についても、請求に必要な書類がすべて揃わなくても支払うクイックサービス制度を導入している。「お客さまの方により舵を切った」(沖社長)マーケティングの一端である。
ところで、厳しい競争を徹底的な効率経営で乗り切っていこうという同社の業務を支えるのが「株式会社ペルテ」の「Info One」というシステムである。
たとえ小規模でも保険会社としての運営を求められる少額短期保険会社にとって、開発やその保守等に膨大なコストを要するシステムの選択は、いわば死活問題である。
この「Info One」は、保険業務全般に対応できる少額短期保険会社や保険会社を対象にした業務支援システムであり、メモリード・ライフでもその優れた機能とコストパフォーマンスを高く評価して導入した。
■4年後の累積債務解消目指す
同社のベースマーケットは、約100万人を擁するメモリード互助会の会員だ。従って、次ページで紹介している同社の3商品も、互助会の会員ニーズを意識した内容(死亡時の整理資金ならびに葬儀費用を目的としている)になっている。
なお、経営の効率化を推進する観点から、独自に(少額短期生命保険の)セールス部隊は設けない。メモリードグループには現在約1,000人の少額短期保険募集資格者がおり、09年3月末までにこれを1,400人に増やす予定だ。募集資格の所有者は、株式会社メモリードの社員ならびに互助会のアドバイザー(委託社員)が中心だが、彼らが当面の募集主体となる。因に、第一年度の新契約予算は5,556件である。
さらに、同社では他の冠婚葬祭業者や生損保代理店、金融機関やダイレクトチャネルにもその販路を拡大していきたいと考えている。もちろん、将来的に目標とするところは認可制の生命保険会社だが、当面は2年後の単年度黒字、そして、4年後での累積債務の解消を目指す。
(本紙 白根 毅之介)
- ■株式会社メモリードライフ
- 設立年月日2006年8月1日
- 登録2008年3月19日
- 関東財務局長(少額短期保険)第18号
- 資本金5億円(資本金2億5000万円、資本準備金2億5,000万円)
電話03-6805-2211
ホームページ http://memoleadlife.co.jp



