セールスパーソン

まついのぶお

資産運用に特化したセミナー開催

株式会社ウイム

代表取締役松井信夫氏

 

本当の投資教育広めたいパートナーとのタイアップ方式

 

この9月、沖縄で5回もの資産運用セミナーを成功させて帰ってきた松井さん。

 

沖縄のセミナーで松井さんは、「今、下がり続けているUSリート(アメリカの不動産投資信託)に、ドルコスト平均法(定期的に一定額で同投信を購入)で投資するのが一番良いです」と話し、参加者たちに衝撃を与えたと言う。

 

実は半年前、沖縄では USリートに投資する投資信託を一括で購入していた人が多く、がっかりさせてしまったらしい。このように松井さんのセミナーでは、資産運用の話や金融の基礎知識を提供するだけでなく、タイムリーな金融情報も提供している。

 

約2時間に及ぶセミナーでは、パワーポイントを活用し、日本経済の現状から運用の基礎知識まで学ぶ。たとえば、松井さんは「日経平均株価」「ドル円相場」「長期金利」の3つを理解することが重要だと語る。

 

「この3つが連動して世の中にお金が流れています。それが経済の基本であり、それを分からずに株、為替、国債は語れません」

 

松井さんのサプライズが盛り込まれたトークや、興味を引きそうな話題に引き込まれて傾聴し、終了時間の頃には全てが連動していることに気付く参加者が多いそうだ。

 

2〜3回連続して参加する人も多いが、中には最高7回もセミナーに参加したという熱狂的なファンもいるとか。このようなセミナー方式のスタイルによって、同社の変額年金の既契約者は100名以上にも及んでいる。しかも1契約1000万円以上の契約が多く、リピーターも増えている。

 

◇◇

 

では、松井さんが資産運用セミナーを開催するきっかけから聞いてみよう。

 

松井さんは大学卒業後、土木関係の会社である㈱精研に入社し、大阪本社で凍土の研究開発に従事した。その後、東京支店に転勤。成田のパイプライン工事に関わるようになった時に、転職を決意したという。

 

「私自身、営業職に向いていると思ったからです。そこで求人紙を見て、即、入社可能な住友海上火災保険の特別研修生として入社しました」

 

2年後、弁護士との合同事務所で損保代理店を開業。自動車保険や火災保険をメーンに拡販に成功し、特級代理店に格上げされた。1991年には、生損保代理店として「株式会社ウイム」を設立し、代表取締役に就任する。当初は生損保合わせて3社の商品を扱った。 しかし松井さんの心の中に、ある疑問が湧き上がった。

 

「損保商品では、お客さまが保険料を払っても無事故なら返戻金はありません。これはデリバティブ商品以外の何物でもありません。。しかし、お客さまも代理店もその仕組みさえ知りません。そこで、もっと人の役に立つような金融の仕事をしたいとFPの勉強を始めました」

 

AFPの資格を取得した2年後には、CFPの資格も取得。さらに、運用を極めたいとウイムを経営しながら証券会社の外務員にもなったそうだ。 こうして、向学心に火のついた松井さんは様々な金融知識を体得していった。その過程で、変額年金に出会う。

 

「401kに似た変額年金のスイッチングのメリット(ファンドの乗り換えが一定回数までは手数料なしで可能)に惚れ込んだのが、セミナーを始めようと思ったきっかけです」

 

丁度、401kの日本上陸の時期でもあったため、松井さんは併行して勉強した。そして、基本的な投資教育を大手企業の役員や従業員向けに始めたのだ。

 

「実際に、損保代理店はもとより生保の営業マンでも投資をきちんと語れる人が少ない。そこで、多くのお客さまに本当の投資教育を広めたいと、セミナーを始めました」

 

一方、松井さんは千葉地域のあるカルチャースクールでもマネー講座の講師を務め、投資教育の普及に貢献している。

 

特筆すべきは、パートナー契約を結んだ全国の乗合代理店32社とタイアップし、日本各地でセミナーを開催していること。具体的には、契約までの一連のプロセスを2段階に分けて、1段目の心を動かすニーズ喚起をウイムが担当し、2段目の商品説明と契約締結をパートナーの代理店に任せている。

 

「そのような趣旨を話して、一緒にやらないかと声掛けしたのは1代理店だけでしたが、その後に口コミで32社まで増えました」

 

ウイム主催のセミナーは、富裕層の顧客を対象に、現在、月に1回ずつ銀座と千葉市佐倉で開催している。 各地の代理店が主催するセミナーは一般の個人顧客向けが多く、セミナーの回数は年間、200回以上にも及ぶという。

 

講師の存在価値貫く 顧客の会員化で信頼継続

 

では、実際にどうセミナーを成功させているのだろうか──。

 

1)集客法

ミニコミ紙、チラシ、既契約者へのDMやメール、カルチャースクールの参加者への手紙等で集客している。

特に、チラシのキャッチコピーが重要で、「好奇心」「ニュース性」「顧客の利益」を組み合わせることがポイント。「好奇心」や「ニュース性」は、「顧客の利益」を飾るための付加表現だという。

 

また、過去の参加者の声や講師の写真や経歴も掲載し、チラシを見た人がセミナー参加をイメージできるような材料を多く載せることがコツだという。

 

2)留意点

「セミナーの間は、講師であり続けること。つまり、商品説明や営業行為を一切行わないことです。売り込もうという姿勢を見せてしまうと、講師としての存在価値が落ち、警戒心を解いてもらえた好印象も台無しになってしまいます」

 

セミナー開始前に配布した資料に、アンケート用紙も加え、「もう1度、説明を聞きたい」、「個別相談を希望する」等の項目にチェックした参加者にパートナーは対応する。

 

ちなみに、松井さんのトークが高評価されたエピソードを紹介しよう。

ある大手証券会社が開催した全国一斉FPセミナーにおいて、参加者たちのアンケート集計の結果、松井さんが「受講者満足度ナンバーワン」に輝いたという。

 

つまり、松井さんのトークは、顧客の心を掴むことにおいて最高レベルだと言える。

 

一方、同社では顧客の会員化を進めることで信頼関係を維持している。 個別相談を希望する顧客は、以下の2通りのコースから選択する。

 

1)1回限りのカウンセリング

これは、3時間3万円の相談料で行っている。

 

2)月会費1,000円で会員登録

このコースは、1年間何度でも相談可能 (1,000万円以上の既契約者には会費無料で同様のサービスを提供)

 

「個別相談、セミナー、月1回『ウイム情報』というニュースレターの発行──これらが全て無料となります。従って、お客さまにこの2コースを提示すると、みなさん2)を選びます」

 

ニュースレター「ウイム情報」は、筆者である松井さんの顔が見えるように工夫を凝らす。顧客の資産全てを把握する立場のFPが正体不明では、顧客が心を閉ざしてしまうからだ。 この「ウイム情報」は、毎月100部発行されている。発行する都度、何らかの反応が顧客からあるそうだ。

 

松井さんは、同社の今後の方向性を「投資教育を徹底的に広めるためのシステム作り、パートナーの強化、講演できるFPの養成──を考えています。私が講師をできなくなっても、育てたFPに私の思いを継いでもらい、セミナーを任せられるようにしたいから。

 

また、効率化を図るため、資産運用と相続に絞り込み富裕層を囲い込む仕掛け作りも進めていきたい」と語った。

(本紙 樋口利子)

 

まつい・のぶお大学卒業後、株式会社精研にて凍土の研究開発に就き、その後、住友海上火災保険の特別研修生となり、1984年損保代理店として独立。特級一般代理店に格上げとなった2年後の1991年、株式会社ウイムを設立。96年にAFP、98年にCFPの資格取得。1957年大阪府生まれ。
http://www.wim-fp.com/
拠点長読本
売れない時代のマネジメント術
少額短期保険情報
少額短期保険の動向・商品紹介
動画コメント
活動のヒントや最新事情を取材
連載
朝礼や訪問先での話題の引出し

ホーム本紙お申し込みサイトマップお知らせ販売ノウハウセールスパーソンアーカイブスショップ