セールスパーソン

まきのかつひこ

保険相談会を成功させるコツ

株式会社 エイム
大阪支店長 牧野 克彦氏

 

顧客の喜ぶ話をする売る姿勢を見せない

 

現在、牧野さんは年に6回程度、近畿地区において生命保険の個別相談会を実施している。1回の集客は約50名で、そのうちの13名位が契約に繋がり、26%の高い成約率を上げている。

 

牧野さんが個別相談会を始めたのは、10年前のソニー生命のライフプランナー時代から。相談会を始めた当初の数年間は、1人も集まらなかったことが何度もあった。天候によっても左右されることが多く、落ち込んだこともあったという。

 

しかし、失敗しても牧野さんは止めなかった。失敗から学んだことを次に活かし、試行錯誤を繰り返しながら、やっと3年目くらいから集客がうまくいくようになったそうだ。

 

「相談会を実施している営業パーソンは多いのですが、うまく行かなくても3回はやってみましょうと言いたい。確かに集客は難しいけれど、難しいからこそやりがいがあり、今は成果を出すプロセスに面白みを感じています」

 

では、保険相談会を成功させるポイントを牧野さんに聞いてみよう。

 

「まず、『絶対に成功させるんだ!』と自分自身を信じることです。そして、個人保険をきちんと売れる営業パーソンであることです」

 

相談会では、今まで全く人間関係のない初対面の相談者と対応するため、徐々に相手の心をほぐしていく作業を最初にしなければならない。しかも、相談者は相談したいと思っていても、保険は売り付けられたくないという気持ちでいる。

 

「そんな目で私を見ていますから、相談者が喜ぶ話をするのがコツです。私に保険を売ろうとする姿勢が少しでも見えてしまったら、お客さまは即帰ってしまいます」

 

従って、牧野さんは仕事に対する自分の信念を先ず語るという。──どうして生命保険販売の仕事をしているのか。そして、このような保険相談会をやっている思い──を明確に顧客に伝える。

 

「先ず、自分の話をすること。それはカウンセリングの手法です。そして、お客さまが私に心を開いてくれたと感じた時に、今後どんな人生を歩みたいのかをヒアリングします。そしてお客さまが幸せな人生を送れる1手段として保険の話をします」

つまり、90分の相談会の後、相談者が笑顔で帰ってくれることを第一に考える。大切なのは、その間、保険のセールスは一切しないことだ。

 

「セールスを全くしなくても、後でお客さまの方から『私のプランを作ってください』と電話が掛かってきます。お客さまは、自分の好きな人からでないと保険に入りません。従って、お客さまに自分を好きになってもらえるよう心掛けます」

 

経費を掛けて集客を失敗してもやり続ける

 

保険相談会で一番難しいことは、集客だと言う。では、その難しい集客をどのようにすれば良いのだろうか──。

 

「あくまで保険相談会を一つの事業として行うのですから、それなりの経費を掛けるという気持ちがなければうまくいきません。どんな事業でも、経費を掛けなければ回収にも時間が掛かります」

 

牧野さんは1回の保険相談のチラシを20万枚用意する。その印刷代、折り込み代、会場費等合わせて150万円を掛けている。それはつまり、契約の初年度手数料全てを注ぎ込んでいるということになる。

 

「それでも、赤字にはなりません。その後に紹介に繋がったり、継続手数料が入ってきますから。相談会がうまくいかなかった営業パーソンは、経費を掛けず、しかも1回目から大成功させようとするからです。しかし、事業としてみたらそれは無理です」

 

保険相談会を成功させようと思ったら、ある程度の経費を掛け、失敗してもやり続けることが大切だということだ。さらに、集客に結びつくチラシ作りにも創意工夫が必要だ。牧野さんが行っている目を引くチラシ作りのポイントは、──

 

1)キャッチコピーは顧客のメリットを
「自分の言いたいことをキャッチコピーにしているチラシが多いのですが、それではお客さまの関心を引けません。お客さまにどんな素晴らしいことが起るかをキャッチコピーにします」

 

2)チラシの色はシンプルに
チラシの紙と印字はブルーか、グリーンの1色刷り。

 

3)目的をきちんと記す
「きちんと『生命保険の相談をします』と書くことです。たとえば、『年金についての相談を受けます』と書いたら、70代のお客さまが相談に来るでしょう。しかし、それでは契約にはなりません」

 

1万円で開催する相談会既契約者の妻をキーマンに

 

では、ここで経費をあまり掛けられない営業パーソンのために、「1万円の経費で開催できる保険相談会」を牧野さんに伝授してもらおう。

 

「既契約者の奥さんをキーマンにして、近所の人や知人を2〜3人集めてもらい、既契約者のお宅で相談会を行います。『集まって頂いた方たちに喜ばれる話をしますので、奥さまはみなさんに感謝されますよ』とお願いします」

 

ポイントは、前述したように自分の仕事の信念を語り、顧客のメリットになるような話をすること。そうでなければ、キーマンの心を動かすことも不可能だ。 さらに、その場では保険を売りたいという気持ちを出さないことが秘訣だという。

 

「そして、1万円の経費を使って、その地域で一番美味しいケーキ屋のケーキを買って持参します。そんな相談会をコツコツ続けていけば、成果が上がってくるはずです」

 

◇◇

 

最後に、成功する営業パーソンになるためのヒントを牧野さんに聞いた。

 

1)笑顔、返事、挨拶がきちんとできること
「好きな人から物を買いたいのが、人間の心理です。お客さまにいろいろ説明しても、覚えていてくれるのは、話の内容より営業パーソンの印象です。そのために、明るい笑顔、『はい』というはっきりした返事、そしてきちんと挨拶ができることが大切です」

 

ちなみに、牧野さんはセミナーの講師を務める前に、必ず10回はビデオに撮ってセミナーの話の練習をするそうだ。練習して、気付いた弱点を修正するからこそ、安心して笑顔で話せるという。

 

2)明るい色のネクタイを選ぶ
顔色を明るく見せるために、明るい色のネクタイを選ぶのもポイント。牧野さんは黄色とピンクのネクタイをいつも締めている。

 

3)影響力を磨く
保険営業では、顧客の心を動かすことが求められる。

 

牧野さんは、ソニー生命のライフプランナーの時から、苦しんでいる会社の仲間を売れるように応援してきた。どんな営業パーソンでも売れない時には、非常にネガティブになってしまうため、周りの人のパワーを吸い取ってしまう。

 

「そんな仲間を元気にするには、私自身にものすごいパワーが必要となります。でも売れるように応援することで、私自身の影響力が増します。それがお客さまの心を動かす原動力になりました」

 

以上のような牧野流の営業手法を取り入れることで、成功へ一歩近づく営業パーソンが増えることは間違いないだろう。
(本紙 樋口利子)

 

まきの・かつひこ 自動車ディーラーのトップセールスマンからソニー生命に入社。2005年独立。営業マン向けのセミナーを開催する株式会社ウィッシュアップの代表取締役でもある。MDRT終身会員。1958年奈良県生まれ。趣味は腕時計収集と手品。
http://www.e-wishup.com/
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