
■売るならとことんお客さまの立場に立つ
保険事務所 アンビシャス 中田成雄氏
第1回 比較販売・情報提供のあり方これでいいのか
比較のポイントは約款にあり 
今回はそれに先立って比較の際の大切なポイントを掲げたいと思います。比較の際に注意が必要なのは、保険会社や商品毎に付加できる特約の種類が異なる点です。また同時に、特約が同じ名称でも、保障内容が異なり、直接比較するのが難しいと言う点も無視できません。
例えば、医療保険一覧表に、保険期間が10年のものと終身型を同列に並べ、機能の比較ではなく価格の比較をしているようなものを見かけます。もちろん、備考欄に注釈をついているのですが、誰もが価格に目が行ってしまいそうなレイアウトなのです。
商品を供給する保険会社ですら、商品が複雑になりトラブルの元になっている、との認識のもとシンプルなものにしていきます、といっている状況のなかで、どこまできっちりと比較ができるのでしょうか。
直接の商品比較が難しいことを前提にすれば、安易に善し悪しを語ることはできません。それならどこまで比較資料の作成をすればいいのか。約款まで掘り下げることが最低限のモラルではないでしょうか。
ただ、自分で取り扱っている商品に関しては約款が手元にありますが、お客さまの既契約やご自身で情報を収集してきた商品については、なかなか対応できないのが現状です。
営業に活かすための約款研究を進めきた水戸功一氏ですら、保険会社の秘匿性とおぼしき事情から、全社全商品の約款を確認することが叶わないとご本人から伺っており、約款の公開無くして正しい比較検討はできないと言えるでしょう。
私が全ての約款を確認することは当面難しそうですが、手元にあれば深く解釈できるのか、というとまた1つ大きな壁があります。約款やパンフレットには「保険会社が定めるところによる」と言う文言が少なくないのです。
私の印象として加入時の健康状態の基準はまだしも、見直しの際に必要な保険金額・給付金額の規定、そして保険の最終目的である支払時の規定があります。いわゆる社内規定であり、私たち営業担当者=セールスパーソンにもわからないことが多く、雑誌などの比較記事では事実上無視せざるを得ないでしょう。
IT進化の時代に見合った比較情報の提供を
しかし、表に出ていないからと無視して、果たして正しく比較ができるかと言うと、厳密には正しい比較と言えないのは、言うまでもありません。かと言って、社内規定は約款以上に膨大な量になり、仮に公開したところで従来の紙媒体では該当する項目を探すだけでも大変な作業でしょうが、今はインターネットとパソコンが普及しています。
5インチないし3.5インチのフロッピーディスクが主力だった約20年前には信じられない程、現在のパソコンは大量の情報を、しかも素早く管理できます。フロッピーディスクではおよそ1メガバイト(MB)強(表向きの容量は1.44MBながら、システムが管理するためのデータに一割程度取られるため)しか利用できませんでした。
しかし、現在の市販されるデスクトップパソコンならば、多くは250ギガバイト(GB=1024MBとするのが本筋と思いますが、わかりやすく1,000MBとする場合がある)以上の記憶容量があります。またフロッピーディスクからCD-ROMに、そしてDVD-ROMになり、並行してフラッシュメモリーの低価格化と大容量化の恩恵で、数GB単位のデータを容易に持ち歩けます。
そして、デジタル化することにより、目的の情報をキーワードで検索する事が可能となり、従来の紙媒体より飛躍的な情報量から、むしろ手軽に目的の条項を見つけ出す事が可能です。
保険会社のサーバーに保管し公開すれば、自宅にパソコンが無くても、勤務先で、一部地域を除けばインターネットカフェで、自治体によっては図書館でもパソコンを利用する事が可能であれば、誰でも見ることができるでしょう。
高齢な方や障がいをお持ちの方など、パソコンを利用できないお客さまには、保険会社や代理店、私達セールスパーソンがサポートすれば良いかと思います。
紙媒体では実質提供できなかった社内規定部分を、お客さま、セールスパーソン、支社・拠点などのクラス分けに則したアクセス権限を与え、権限に合わせた情報を公開することにより、「正しく正確な比較を推進する時代の到来」です。
保険事務所 アンビシャス ホームページ http://www.ambitious4u.com



