連載

 

支社長初場所物語

第14話 最優秀支社を取って喜んでくれたのは


 着任当時拠点を周っていて、「在籍だけの人は要らない、継続しない契約は必要ない」と言って「本当にいいんですか?」と確認されたことが、今では支社の中では当たり前のこととして定着をしてきました。
 
 もちろん何度言い聞かせても理解してくれない拠点長もいます。しかし森さんの考えを理解し、苦闘しながらも実績を積み重ねる拠点長が一人増え二人増えて来ると支社の「姿」は仕事に対する誇りと自信に満ちてくるようになりました。
 
 着任当時一人当たりの生産性が全国最低だったのが、今では常にベスト10に顔を出す支社になっていました。事務効率でも「最悪」のブランドを返上、翌年(3年目)には継続率優秀支社となるのも見えてきました。
 
 そんな2年目の夏、全国の支社の対抗戦で「最優秀支社」を勝ち取ることになりました。本社表彰式で、副社長から「おめでとう、俺も10年以上支社長をやってきたが、最優秀は獲ったことが無いぞ」といわれ、社長は周りの役員に「俺が彼を支社長にしたんだ」と喧伝しています。
 
 森さんはともに歩いてきた支社の皆を思うと素直にほめ言葉を聞くことができませんでした。
 
 帰社した森さんを迎える言葉が最高のほめ言葉になりました。販売Gの女性職員が涙目で「支社長、私本当にうれしいです。私、入社してこの支社に配属された日に先輩から言われたんです。この支社は全国最低の支社だからね、と」

 

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