連載

 

支社長初場所物語

第9話 社内融和の一工夫を提案


 森さんの所に支社の親睦会の担当者がやってきました。親睦会には拠点長、スタッフ、事務職員が入っていて年に2回ほど懇親会を開き、親睦旅行も実施しています。支社長は親睦会の会長でもあります。
 
 しかしやってきた親睦委員の顔色はあまりよくありません。懇親会の開催について説明に来たのですが、いかにもやらされているという感じです。
 
 森さんは「何か問題でもあるのか?」と聞かざるを得ませんでした。着任して3ヵ月もたつと森さんの人柄は事務職員にもある程度伝わって、特に支社長と接触の多い職員はある程度気軽に話ができる人だという認識ができつつありました。
 
 1人の職員が「支社長、親睦委員は大変なんです。親睦会を開くときは全員参加で、日程を合わせるのが大変ですし、誰がどこの席に座るかというのがこれまた大変なんです」。森さんは面白い話を聞いたという風に「おまけに支社長の話が長くて近くに誰も座りたがらないんだろ」というと、その場に笑みが出ました。
 
 そこで森さんが決めたことは在任中続けられ、親睦会の回数が増えるほどになりました。
 
 「こうしよう。親睦会に出られない人、出たくない人は欠席でかまわない」
 
 「着席場所は男女別々に数字のくじを引き、テーブルに置いてある番号のところに座る。もちろん支社長もくじを引く」
 
 「挨拶は親睦委員がする、送別会など特別なとき以外はね、親睦会であって支社長のための会ではないからね」

 

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