支社長初場所物語
第6話 最初の支社長があなただったら…
過去のこの支社の歴史を振り返ると、
1)いくつかの支社が再編・合併してできた支社であること
2)営業のやり方が個人の家庭を中心に回ってる人と企業基盤を中心に回っている人にかなり色濃く分けられること、が判りました。
また過去の支社経営で「非常に厳しく運営された時期」と「反動的にただ陣容の拡大だけで販売量を増やしてきた時期」が交錯していました。
森さんが着任した頃は拡大路線の跡を引いて陣容が痛んでいる時期でした。特に特定の機関ではヤンキー姉ちゃんの親玉を採用、その一族がはびこり、月に一回出勤し(機関長は出勤簿を作成するというとんでもない仕事)、不良契約を出していくという、今では考えられないような状況の最後(出勤も成果も出ずボロボロやめていく)の段階でした。
先の機関長会議で出席状況が悪かったり代行発表が多かったのはこの機関でした。
森さんがとった手段はある意味で簡単でした。その機関の数字を問わない。不良社員の査定上の存続申請を出さない。新規に一族採用を認めない。それだけで働かない社員は整理できます。
最後は「親分」との面接です。話は約一時間でした。さすがにはねっかえりの集団を束ねるだけあってある意味ではオーラがあります。
彼女が最後に言った言葉が今も森さんの耳に残っています。「最初に入社したときに支社長だったら良かったです……」そう言って彼女は自主的に退職しました。



