連載

 

支社長初場所物語

第4話 「話のポイントは多くて3つ」を実践


 夕方には支社の重要取引先の企業に挨拶です。森さんは企業訪問については少しだけ自信がありました。

 

 過去に財務部門で中小企業に出かけていくことが結構ありましたので、昔取った杵柄ではないですが、個人保険の募集には自信がなくても企業の社長さんと仲良くすることは、結果的には拠点長や営業職員が働きやすくなるだろう、という確信がありました。まずは表敬訪問です。
 
 夜には、スタッフ、拠点長を集めての歓迎会です。皆、支社長がどんな人物か知りたがっていますが、素面ではなかなか聞きづらいこともお酒が入れば潤滑油になります。勿論アルコールが苦手だったり、斜に構えている人もいます。
 
 森さんが、支社長として着任するに当たり心に決めていたことはいくつかありますが「全員に好かれる、などということはありえない、51%以上の人に理解してもらえば良い」というのがあります。
 
 酒を酌み交わしながらその言葉を思い出していました。その週はあっという間に過ぎていきます。拠点長を集めた会議が開かれました。最初の重要な「施政方針演説」です。支社長として仕事の仕方、取り組み方を判りやすく伝えなければなりません。支社長としての経験がありませんのでえらそうな物言いは危険です。抽象的な言い方もだめです。
 
 この会社に入って得た「話のポイントは多くて3つ」を実践しました。1)中身のある仕事 2)皆さんが働きやすいように努力する 3)明るく、楽しく仕事をしよう。

 

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