販売ノウハウ

第6話 事業保険販売のテクニック

 

第1回から5回まではどちらかというと個人保険を中心にお話してまいりました。
そこで、最終回は事業保険についてお話したいと思います。とは言っても今までのお話もすべて事業保険に通じております。

 

事業保険で一番難しいのは経営者に初めて会った時に何を話すかだと思います。経営者というのは、色々なお付き合いの中から何度も保険の勧誘を受けておりますし、できれば保険屋さんには会いたくないと思ってる人が多いと思います。そのような経営者にお会いできるチャンスを頂いたのなら、そのチャンスは何とかして生かしたいものです。その商談がうまく行くか行かないかは、最初の面談で決まってしまいます。


事業保険ニードとして事業保障対策資金、退職金・弔慰金対策資金、相続税対策資金、福利厚生等が言われていますが、そんな事を大切な初回面談で百戦錬磨の経営者に単なる営業が語っても説得力ありますか?「お前に言われなくてもわかってるよ」と私なら思います。


ましてや、商品パンフレットを持って商品説明から入ろうものなら、よほど暇な経営者でないと聞いてくれないでしょう。以前に話したように聞き耳を立てることから始めなくてはなりません。

 

では、どうやって聞き耳を立てさせるかですが、経営者が興味を持ってる事から話せばいいのです。


多くの経営者が一番興味を持っているのは、キャッシュ(資金繰り)、利益、税金の事でしょう(もちろん売上を上げる事も最大の興味ですが、そこはビジネスコンサルタントのお仕事ですのでここでは除外します)。そして人間誰しも自分の事には興味を持ってます。ならば、興味を持ってるところを話の切り口として、前記の保険ニードに繋げていけばよいのです。

 

例えば前記の退職金ニードを例にとって考えてみましょう。
自分の退職金を計画的に積み立てている中小企業の経営者というのもそんなに多くはありません。日々のキャッシュフローに追われて、なかなかそこまで準備するのも大変です。


サラリーマンなら普通に勤めていれば1,500万円〜2,500万円ぐらいの退職金はもらえます。しかし、社長は自分の自宅まで担保に出してやりくりしているのに、勇退する時に十分な退職金がもらえない。本来ならそれだけ苦労してきたのだからサラリーマンの倍ぐらいの退職金をもらってもよいのではないかと、個人的には思うのですが……。

 

仮にもらいたい退職金が5,000万円として、なぜ社長が十分な退職金をもらえないのでしょうか。その大きな理由は勇退時に5,000万円ものお金がない。また、5,000万円の現預金があったとしても、毎年の利益が3,000万円の会社ですと、退職時に退職金という経費で払い出してしまうと、その期の決算が2,000万円の赤字になってしまいます。自分が辞めて退職金をもらってその会社が赤字になってしまうというのは当然後味の悪いものです。

 

では、どうやって貯めて解決すれば良いか?
一番いいのは自分が退職する時に、ピンポイントで退職金額分だけ利益が増えればいいわけです。ピンポイントで好きな時期に利益を増やす方法は含み益の表面化です。


確実に含み益が貯まり、換金性、流動性がある商品って何ですか?不動産?株式?ゴルフ会員券?どれもリスクがありますよね。「それが保険でできたならどう思います?」って社長に聞いてみてください。

 

また、退職金原資となるお金の貯め方も工夫が必要です。好業績の会社は毎年の利益が積み増され、現預金という資産を増やしお金は貯められます。


しかし、その貯めたお金で退職金を払ったら、キャッシュはあるがその期はその分利益が、減ってしまい前述した問題となります。

 

また、利益の出ている会社というのは節税したいというニードも出てきます。資産で貯めた現預金というのは、あくまで利益から法人税を支払った残りで貯めたお金です。「経費で貯めるということができたら興味はありますか?」と聞いて興味を示さない経営者はいないでしょう。

 

以上のような事は逓増定期保険や長期定期保険を活用すればそれが可能です。しかも何億円という保障も取れるのです。どの経営者も保障の必要性は少なからず感じているはずです。そのような形で保障が取れるならいらないという人はいないと思います。

 

このように退職金ニードで保険を提案するにしても、話の切り口をキャッシュ、利益、税金、自分自身の損得の問題という興味の湧くことから話を進めて保障の話に持っていけば、少なくとも商品セールスよりは道は開けてきます。

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