第4話 プレゼン力に磨きをかける
プレゼンテーションは単なる「説明」ではありません。お客さまに購買意欲を持って頂くために行うものです。ところが、低挙績の営業職員のプレゼンテーションを見ていると、単純に設計書に記載されている内容を説明しているだけです。そんな単なる説明で保険って売れるものでしょうか?
ここで一般的な商品セールスについて考えてみましょう。どんな商品でも営業マンはその商品について説明をします。しかし、その説明はその時のお客さまの状況によって2通りの解釈ができます。
まず、お客さまのニーズを把握しないでする商品説明は、お客さまから見たらその商品の「利点」です。「この商品はこうで、ここの所がこういう特長があって……云々」といった具合です。ところが、お客さまのニーズを把握してそのニーズを満たすのがこの商品だという説明は、お客さまの「利益」となります。
「この商品を使うことによって、このように効率が良くなりその結果経費が減ります」とか「このような効果が現れ、売上げが上がります……」といった感じです。
営業パーソンの話す内容に対する、お客さまの一般的な反応を整理してみましょう。
営業パーソンがその商品の「利点」を話すと、お客さまは一般的に「反論」したがります。「それがどうしたの?」というわけです。営業マンがその商品がもたらす「利益」を話すと、お客さまは一般的に「支持、賛同」します。「欲しいなぁ」となります。
生命保険という商品は一般の商品とは多少異なりますので、「利益」という表現は適切ではないですが(「安心」、「満足」という言葉の方が適切だと思います)、このような前提に立って保険商品のプレゼンテーションを考えれば、自ずと話すプロセスや内容も変わってくるのではないでしょうか?
カタカナ生保は保険設計のプレゼンテーションの前に、よく必要保障額のシミュレーションデータ等を提示して説明します。このステップを踏むことで、お客さまの漠然としていた潜在ニーズを顕在化しているのです。
そして、お客さまのニーズが明確になった後に、そのニーズを満たすのがこの保険設計プランであると説明するから成約率が上がるのです。そこで話される商品説明は商品の「利点」ではなく、その商品から得られる「安心、満足」となるのです。
それに対して、多くの内国の会社で見られるプレゼンテーションはどうでしょう?商品パンフレットや保険設計書を提示して、「死んだらいくら、三大疾病にかかったらいくら、介護状態になったらいくら、入院・手術したらいくら……云々」。
これは商品の「利点」の説明であって、言葉には出さないかもしれませんが反論もしたくなります。「死んでそんな高額いらないよ、三大疾病なんてまだ若いから必要ないよ、介護状態なんてまだ先の話だよ」
唯一気を引くのが、ニーズが顕在化している医療保障ぐらいでしょうか?「入院、手術はするかもしれないなぁ」とニーズが顕在化しているので、この保険という商品を購入するのがお客さまの利益?(安心、満足)につながるからです。
「内国の会社」と書きましたが、実はカタカナ生保の低挙績者も同じです。必要保障額のシミュレーションデータの提示というステップは踏んではいますが、その話し方・内容が単なる説明で、ニード喚起ができてなければ意味がなく、また保険設計書のプレゼンテーションも単に記述されてる事をダラダラと話していたら、単なる「説明屋さん」です。
それではプレゼンテーションの真の目的を果たしていません。ここら辺はやはり営業マンとしてのセンス、迫力、想いを伝える情熱、説得力等、総合的な力量が必要とされます。
マニュアルだけではうまくいくものではないので、多くの経験と考える習慣が必要です。ぜひ、お客さまのニーズを把握してから(またはニーズを喚起してから)、商品の説明屋さんでない、そのニーズに対応したプレゼンテーションを心がけて下さい。
セールストークを変えるだけでもその話が、「商品の利点」の説明から「お客さまの安心」に変えることもできます。
例えば、歳満了の収入保障保険ですと、「ご主人さまに万一の事があったら、年額240万円が60歳まで支払われます」と説明すると、単なる商品の利点です。
ところが「ご主人さまに万一の事があったら、毎月20万円ずつご主人さまがご家庭に入れてたと同じように、定年まで入れる予定であった60歳まで、ご主人に代わって弊社がお振込みさせて頂きます」と説明すると、受け取る奥さまは「安心」となります。この保険申込書にサインした瞬間から一生涯の予定収入が確保されるのだと安心します。
このように、トークだけでも商品の「利点」の説明から、お客さまの「安心、満足」に変えることもできます。
ニードを顕在化させてその解決策を提示するのが、本来のプレゼンテーションの役目ですが、経験が浅いうちはせめてトークだけでも、単なる「説明屋」さんから脱皮するように心掛けましょう。



