保険営業のためのモチベーションアップ術
しもやんランド 代表 下川 浩二氏
第2話
手書きのハガキで感謝伝える
私は斉藤一人さんから「特別な人の言うことは、あまり役に立たない」と学びました。保険業界においても同じことが言えるのではないでしょうか。特別な人の言うことは特別だから、普通の人には、なかなか実践できないことが多く、普通の人の言うことは普通だから、簡単に実践しやすく一番役に立つ──と言われています。
特別な成績を挙げるトップ営業マンの言われることは、確かに特別で難しいことが多かった、というのが私自身の保険営業時代の実感でした。
これからご紹介させていただく実践法は、誰にでもできることばかりです。
「誰にでもできることを誰にでもできないくらいやってみる」これだけで、その分野の達人になれると言われています。
●出入り口の法則
では、私が実践してきたモチベーションを上げるための簡単な実践法をお伝えいたします。人は、どんな時に元気が出るのでしょうか?一番は、人から「ありがとう」と感謝された時に嬉しくなって元気になるものです。
感謝されながら、保険営業を楽しんでいくためには、まず自分から感謝するということ。これは、「出入り口の法則」といって、自分が元気になりたければ、まず相手の人を励ます。自分が感謝されたいならば、自分から感謝する。出口が先で、入り口が
後なので、出入り口といいます。
また感謝の意味を改めて考えてみましょう。感謝という漢字をよく見てみると、「感じたこ
とを言葉にして、弓矢で射るように、パッとすばやく相手に伝えること」という意味になります。漢字が考え出された当時、一番スピードが速かったのが弓矢でした。そのくらいすぐに伝えるべきだということです。
その感謝の実践として、一番気持ちが通じるのが手書きのハガキです(写真)。感謝状やお礼状というものです。お客さまに面談してもらった時、契約をいただいた時、紹介をいただいた時、すべて有り難いという想いを込めて手書きのハガキを私は書いています。その習慣が今でも続いています。
現在、一年間に新しく出会う人が3000人以上になりましたが、それでも出逢いに
感謝しながら一枚一枚ハガキを書いて、昨年は4000枚のハガキを出しました。自分から感謝を始めると不思議なことに、感謝がいっぱい返ってきます。その感謝がお互い通じた時に、いいことが起こるということです。
ハガキを書くことは、誰にでもできること。しかし、一年間に4000枚書くことは、誰にでもできないこと。みなさんも、一枚ずつコツコツ書いてみると、感謝が返ってきて、嬉しくなったり、元気になることが増えるでしょう。
手帳はスケジュール帳に非ず
次の実践法は、手帳の活用です。
私は、「下川式成功手帳」を開発しましたが、もともとは保険営業時代に、自分が元気になるための手帳として、自らが活用してきたもの。そのいくつかをご紹介いたしましょう。
●夢や目標を手帳に書く
保険営業のみなさんは、100%といっていいほど手帳を持っていると思いますが、さて何を書いているのでしょうか?ほとんどの方が、スケジュール帳として使っているのではないでしょうか?そもそも、アポイントで埋め尽くされたスケジュール帳を見ても元気にはなれません。
こういった他人との約束ばかり書くのではなく、自分との約束を書き出すことが大切です。自分との約束、つまり、将来自分がしたいこと、なりたい自分、欲しいものなど、願い事や目標や夢を毎日書き出すということです。これによって、自分が何のために仕事しているのかが明確になります。
また、毎日毎日、同じ繰り返しで仕事をしていると、マンネリになってしまいがちですが、一日を大切に過ごしていくために、その日一日に起こった出来事で、楽しかったこと、感動したこと、嬉しかったこと、感謝したいことを書いておくこともお奨めします。
人間の記憶というのは、いい思い出よりも嫌な出来事ばかり残ってしまい、どうしてもネガティブな気持ちになったりします。
また、自分の営業活動の中でうまくいったことを、自分をほめるというつもりで書いておくと、頭の中はいい思い出で満たされることになり、落ち込むことが少なくなります。
●元気になる言葉も記入
言葉は、言霊(ことだま)といってエネルギーがあり、一つの言葉で元気になれたりします。みなさんにも自分の座右の銘としている格言やメッセージを持っていると思います。
「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」「勇気の羽根を広げたら必ずチャンスの風が吹く」「ドアの向こうに夢があるなら、ドアが開くまで叩き続けろ」「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ」
たとえば、こんな元気になる言葉を毎日手帳に書いていました。すると自分の字で書いた言葉から不思議と元気をもらえるようになります。この言葉で救われた、この言葉で元気をもらった、この言葉で背中を押された。そんな現象がいくつもやってきます。
本を読んでいて、素晴らしい文章に出会ったとき、思わずメモすることがありますが、そんな文章をこの元気の出る言葉欄に書いていると、忘れてしまっても、手帳の記録が記憶を呼び戻してくれます。
保険営業は、毎日、大量の仕事をこなしていかなくてはなりません。しかし、どうしても未完了のまま、先延ばしにしてしまうことも出てきます。うっかり忘れたとか、躊躇してしまったとか。そんな大事な仕事を未完了のままにしていると、クレームになったり、信用を失くしてしまいます。
そこで、未完了リストという欄を作って、やり残した仕事を書いておくだけで、翌日には完了させるという習慣が身につきます。仕事に追われる状態から脱出するためには、未完了リストが必要になります。
●TTP3段活用
最後の実践法として、TTP3段活用をご紹介します。普通の人が達人になるための一番の近道が、このTTPです。
私の場合は、本の著者や講演家などのTTPをした結果、面白いほどに進化できました。みなさんも、自分の周りを見渡して、尊敬する先輩や優秀な営業マンの行動をよく観察して、TTPしてください。
TTPとは、「徹底的にパクる」の略です。学ぶことは、真似ることから始まります。マネることを関西人はパクるということから、この言葉を作りました。優秀な営業マンは、何かしら効果的な活動やツール作りをやっています。その行動を真似することから始めます。
これが出来るようになったら、次は、「TKP」です。
TKPとは「ちょっと変えてパクる」。少し自分なりの工夫をして真似るということです。
そして最後は、「OKP」です。「OKP」とは、「おもいっきり変えてパクる」です。自分のやり方をふんだんに取り入れて原型をとどめない状態になり、その時点で、あなたオリジナルのスタイルが出来上がります。
日本古来から武道の世界にも、守破離という言葉がありますが、まさしくTTP3段活用と同じ意味になります。師匠の教えを徹底的に守る=TTP、師匠の教えを破る=TKP、師匠の教えから離れる=OKPになります。
「人生は出会いで変わる」という言葉がありますが、その出会いも、人との出会い、本との出会い、言葉との出会いなど、さまざま。
その貴重な出会いで学んだことや感じたことを、TTPを行うことから始めてください。自分スタイルを求めて遠回りするよりも、苦労が少なくて済みます。
今回は、「書く」ことで、自然とモチベーションが上がる方法と、凡人でもスムーズに進化することが出来るTTP3段活用をご紹介しました。
(文中の手帳術は、「凡人でも面白いほど進化する成功手帳術」に詳細を掲載)
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下川 浩二
しもかわ・こうじ
1962年生まれ。大手証券会社で証券営業を10年間。ソニー生命保険で11年、保険代理店ホロスプランニングで3年間生命保険営業を経験。
05年12月に小資本成功実現研究会を設立後、08年2月に「しもやんランド」を設立。自らの20年を超える営業マン経験と多くの成功者から直接学んだ実践成功法則を「下川式成功手帳」として開発。この手帳術は、河出書房新社から「凡人でも面白いほど進化する成功手帳術」として出版した。
http://plaza.rakuten.co.jp/shimokawa
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