生保協会は「保険教育に関する生命保険業界の取組事例集」(A4判・57ページ)を公表した。筒井義信生保協会長(写真)は昨年7月、「保険教育の推進」を優先課題に挙げ、若い世代を対象に、自助努力の役割と、その重要性に対する理解促進に向けた取り組みに力を入れている。
その要因の一つに、若年層の加入率の低下がある。30歳未満の加入率は1994年の89・4%に対して、2012年66・2%まで減少し、低下幅は23・2%にもなる。
「社会保障全体における自助努力の役割や、その重要性の理解を促進するという面での保険教育について、さらなる取り組みが必要」
筒井協会長は2016年の新年メッセージでもこう強調する。
今回、生保各社の自主的な活動をまとめた。まず、会員アンケートをもとに各社の取り組みを紹介。情報はウェブ、冊子・資料、教材・ツールで提供しており、テーマでは、医療保険(取り組み数38)がいちばん多く、次いで「死亡保険」「年金」(32)と続き、「介護保険」(26)は4位。
対象者は「社会人」(53)が最も多く、そして「高齢者」(47)の順。「小中高生」(17)と「大学生」(18)は低い。「特に社会人・高齢者を対象に医療保険を中心としたテーマで情報提供を行っている」とコメント。
セミナー・講座も熱心で、2014年度は532回実施して、約4万6000人が参加した。主な取り組みは次のとおり。
①出張授業・寄付講座・セミナー=13社が実施。325回の出張授業などに約3万2000人が参加。
②職場体験=4社。49回で約1300人。
③金融教育イベント=3社。149回で約1万4300人。
④学校教師・相談員向け研修=3社。9回で約110人。
セミナー・講座などの対象者は大学生(取組み数18)がいちばん多く、次いで「小中高生」(15)となっている。
なお、4月には「学校教育現場での保険教育機会の拡充」をテーマにした報告書を提出する。
学校教育プログラムも提供
各社の取り組みから、日生の事例を一部紹介しよう。小学生向けでは「夏休みキッズセミナー」を実施。来店型ショップ「ニッセイ・ライフプラザ」で、小学生と保護者がお金の大切さや、保険の仕組みや歴史について、映像やクイズで学ぶ。また、一日店長となり、電話応対や名刺交換などの職業体験も行う。
2009年から始め、14年度までに延べ275カ所・4429名が参加した。なお、14年度は41カ所・1245人。小学生から「『保険のひみつ』をみた後に、クイズでおさらいができたので、保険の歴史や助け合いの意味がよくわかった」などの声が寄せられている。
参加者にプレゼントするマンガ『保険のひみつ』は、09年に「学研まんがでよくわかるシリーズ」の1冊として発刊。これまでに全国の小学校約2万3000校、公立図書館約3000館に寄贈。
中学生向け学校教材では「わたしの未来設計」がある。職業選択だけでなく、将来の家族、趣味、家計、金融・保険など、ライフプラン全般について学ぶことができる。生徒用テキストと教師用指導手引き(解説編・活用編)の3冊で構成。
09年に作成し、毎年全国の中学校約1万1000校へ案内して、希望校に無償提供する。09年度から14年度までに延べ8575校に140万部を提供。なお、14年度は1097校に17万部となっている。
学校教育プログラムとして中学生・高校生向けに「出張授業」「受入授業」を実施。2001年度から開始。出張授業では、講師が学校を訪問し、ライフイベントについで、社会環境の変化や必要資金の視点で解説し、将来設計や保険の重要性を伝える。09年度から14年度までに延べ119校(9808人)で行った。なお、14年度は71校・7227人。
教師から「進路指導は学校選びが中心になってしまう。人生をどう生きるのか、ということを考えさせる良いきっかけになった」などの声が寄せられている。
また、JTBコーポレートセールスとの協業で「丸の内から描く私にみらい」も実施。修学旅行に「受入授業」を組み込むもの。同社の丸の内ビルで、受入授業に加え、社員との夕食交流会や、未来の自分へのレター作成などを行う。
日本損害保険協会も消費者向け啓発・教育活動の推進を最重点活動に掲げ、小学生向けには、「ぼうさい探検隊」を推進。実践的な安全教育プログラム「ぼうさい探検隊」は、子どもたちが楽しみながら、町にある防災・防犯・交通安全に関する施設や設備などを見て回り、身の回りの安全・安心を考えながらマップにまとめ発表する。2015年度は小学生3・4年の教科書すべてに「まちの安全マップ」などが取り上げられた。
また、高校生・大学生向けには、社会生活におけるリスクの存在と損害保険の有用性についての理解を深めてもらう各種講座を広められるように関係機関に対する働きかけを行っている。
「ぼうさい探検隊」は今年度で12回目。全国47都道府県の小学校や子ども会など588団体から2万506作品が寄せられた。前回から77団体・2399作品増加し、ともに過去最多。参加児童数は1万6833人に達する。
前回に続いて、津波・水害等の自然災害のテーマが多い。海抜や浸水範囲、高台への避難経路を確認した作品だけでなく、高齢者の目線で地域を見て、自分たちにできる避難支援を考えた作品が目立った。
来店型ショップ。「3、4回目で成約することが多いと思います。2回、3回と面談する中でどれだけ打ち解けた人間関係を醸成するかが成約の鍵を握ります」。次回の面談につながるコンサルを磨く。
今、新たに専門職が生まれようとしている。「データ解析」の専門家だ。マーケティングにも欠かせない技術となる。でも、会社の秘密を知り、軋轢に巻き込まれるかもしれない。倫理規定を明確にして、安全に仕事に打ち込める環境整備が求められる。
将来の退職金を想定することと、自身が経営活動に従事できないことを想定し、リスクに備える話は双方ともに必要で検討されるべきのはずですが、実際、経営者の認識上はそうなっていません。
MS法人はクリニックからの業務委託収入がメーン。院長に万が一のことがあれば、存続が危ぶまれることになります。個人クリニックの院長なら役員として就任できるので、保険付保は可能です。
充実した福利厚生制度を活用することで浮いた資金を、計画的に老後生活資金準備に充てるように提案します。マイナス金利でもあり、税効果、制度活用などで思わぬ高利回りになる商品もあります。
AIG富士生命は3月2日、法人向けに定期保険「生活障がい定期保険(正式保険名称=生活障害型定期保険)」を発売した。
「生活障がい定期保険」は名前のとおり、死亡保障はもとより、所定の高度障害状態、所定の要介護状態、5つの疾病(転移性の悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中・慢性腎不全・肝硬変)による所定の重篤な状態になった 場合も保険金支払う。同社は「これにより、経営者が経営に携われなくなった場合の退職金対策、事業保障対策、事業承継などに対応できる」と語る。
◆特 長
・死亡や所定の高度障害状態、所定の要介護状態、5つの疾病による所定の重篤な状態に該当した場合を保障する。
・急な資金ニーズが生じた場合や勇退時の退職慰労金などに解約返戻金を活用できる。
・「セカンドオピニオンサービス」、「がんトータルサポートサービス」「健康医療相談サービス」などのAIG富士生命健康サービスを利用できる。
◆保障内容
死亡保険金と生活障害保険金は重複して支払わない。
⑴ 死亡保険金
⑵ 生活障害保険金
次の状態に該当した場合、生活障害保険金を支払うが支払いは1回限り。また、生活障害保険金が支払われた場合は契約は消滅する。
①傷害または疾病を原因として、所定の高度障害に該当した場合
②傷害または疾病を原因として、所定の要介護状態となり、その状態が180日間継続し、終身回復する見込みがないと医師により診断確定した場合
③次のⅰ〜ⅴにより所定の重篤な状態になった場合
ⅰ 転移性の悪性新生物
悪性新生物責任開始日の前日までに悪性新生物と診断確定されたことがなく、かつ、悪性新生物責任開始日以後、初めて「転移性の悪性新生物」に罹患したと医師によって診断確定されたとき。
なお、対象となる「転移性の悪性新生物」とは、原発部位(転移前の初めて悪性新生物が発生した部位)が属していないリンパ節、または原発部位以外の臓器に遠隔転移(隣接臓器への浸潤を除く)した悪性新生物をいう。
ⅱ 急性心筋梗塞
急性心筋梗塞を発病したと医師によって診断され、その治療を目的として医師の判断により7日以上継続して人工心肺を使用したとき、または心臓弁を人工弁に置換したとき
ⅲ 脳卒中
脳卒中を発病し、それを原因として所定の要介護状態になり、その状態が90日間継続し、終身回復する見込みがないと医師より診断確定されたとき
ⅳ 慢性腎不全
慢性腎不全になったと医師によって診断され、その治療を目的として医師の判断により永続的に行う人工透析を開始したとき
ⅴ 肝硬変
肝性脳症を伴う肝硬変になったと医師により診断され、その治療を目的として肝移植を行ったとき
⑶ 保険料払込免除
不慮の事故による傷害を直接の原因として、その事故の日から起算して180日以内に所定の身体障害の状態になった場合、以後の保険料の払い込みが免除される。なお、疾病による場合は免除はされない。
①契約年齢 15歳〜66歳
②保険期間 70歳〜85歳 契約年齢により決められている
③保険料払込期間 保険期間と同じ
④付加可能特約 リビング・ニーズ特約、指定代理請求人特約、5年ごと利差配当付年金払特約
◆保険料例
表のとおり。
ただし、保険金額=1億円、年払い(口座振替扱い)の場合。
エース損保が国内航空券販売サイト「サンクスツアー」で航空券を購入した場合、国内航空機欠航・遅延補償付きの国内旅行傷害保険を付帯するサービスを始めた。航空機欠航時等の宿泊費などを補償する。
日本少額短期保険協会は3月2日、第2回目となる「少額短期保険(ミニ保険)の日」記念イベントを開催、このうち「おもしろミニ保険大賞コンテスト」には全国から1890通の応募があった。
今年の審査結果と応募商品の概要と選定理由を紹介する。
【最優秀賞】
「またくるね」(東京都 42歳女性)
〈商品概要〉遠方で暮らす親・兄弟の介護が必要となったとき、介護者(子供、兄弟)の交通費を補償する保険。飛行機等の利用には「介護割引」はあるものの、交通費の負担は介護者の大きな負担の一つ。保険で補償されることにより、金銭的・精神的負担が軽減される。
〈選定理由〉遠方の介護は現代社会の重要な問題となっており、切実な思いの詰まった保険だと感じた。また、同様の商品アイデアが複数応募される中で、ネーミングがキラリと光る。
【優秀賞(2点)】
①「桜散る保険」(静岡県 53歳女性)
〈商品概要〉入学試験の結果が不合格だったときに、もう1年がんばって勉強する予備校代のための保険。
〈選定理由〉「もう1年」という期限が付いているのがポイント。次の年には志望校合格の夢を叶え充実したキャンパスライフを送ってほしい。
②「民泊保険」(福岡県 50歳女性)
〈商品概要〉民泊で火災があったり事故があったりした際の費用を補償する保険。外国人観光客の増加に伴って、特区を活用し、民泊を推進する自治体の拡大が進み、民泊を制度化する動きもある。空き家対策にもつながると考えられる。
〈選定理由〉民泊は不動産賃貸業界にとっても大きなリスク。時代のニーズと一致している。
【佳作(3点)】
①捜索保険(香川県 26歳女性)
〈商品概要〉家族(ペットも含む)が家出や脱走等で行方不明になってしまった場合、徹底的に捜索するための費用を負担してくれる保険。
〈選定理由〉ペットも家族の一員とし、補償の対象となる点がユニークだった。
②待機児童0保険(大阪府 31歳女性)
〈商品概要〉子供が保育園に入れなかったとき、入園できるまでのベビーシッター代や祖父母を呼ぶ際の交通費や生活費を補助する保険。
〈選定理由〉近年、待機児童は大きな社会問題となっており、ニーズが高いと思われる。
③歯磨き頑張ったでしょ保険(海外在住 43歳男性)
〈商品概要〉子どもが一定の年齢に達した後、虫歯がなかった場合に支払われる保険。歯磨きをきっちりと毎日続けた努力を称えることで、子どもに歯磨きに対するモチベーションを持ち続けさせることができる。
〈選定理由〉子どもへの愛情にあふれた発想。身近な問題でもあり親近感を覚える。
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