2016年9月16日 2784号紙面から

生保労連 「第48回定期大会」を開催

 

かんぽ限度額引き上げに警戒感

「仕事と生活の好循環」事例を共有

 

しゃしん はまだいいんちょう全国生命保険労働組合連合会(生保労連)は8月24日「第48回定期大会」を開催した。冒頭挨拶に立った浜田一郎委員長は、1年間の出来事の中で特に印象に残ったこととして次の3点をの挙げた。

 

①産業政策

②ワーク・ライフ・バランス(WLB)・男女共同参画

③営業職員体制

 

産業政策では郵政民営化問題を真っ先に取り上げた。郵政民営化委員会は昨年12月、かんぽ生命の加入限度額について「4年経過後の通計の限度額を1300万円から2000万円に引き上げる」ことを示した。これに対して、生保労連は断固反対の運動を展開。

 

1月に公表された「郵政民営化法施行例の一部を改正する政令」への意見募集では「小口でシンプルな商品というビジネスモデルが変更されることになれば、民保にとり甚大な影響をおよぼす」などの意見を表明。

 

しかし、今年4月に政令が施行され、限度額は2000万円に引き上げられた。

浜田委員長は「さらなる限度額の引き上げや新規事業の拡大に対する議論がなされる可能性がある」と警戒感を示し、今後の運動姿勢をこう強調した。

 

「公平・公正な競争条件の確保などの観点から、今後の調査・審議や検討が行われる場合には、慎重かつ十分な審議・検討を求めるなどの取り組みを進めたい」

 

ワーク・ライフ・バランスについては、2020年8月までを取り組み期間とした「中期方針」を策定し、取り組みを推進中。昨年11月には「ワーク・ライフ・バランス推進担当者会議」、今年4月には「ワーク・ライフ・バランス研究会」をそれぞれ開催。同研究会では「仕事と生活の好循環」の実現に向けた課題認識、取り組み事例の共有化を図った。

 

「男女共同参画の推進」でも2020年までの中期取り組み方針を定め、一昨年度から「男女共同参画推進委員会」を設置。同委員会は職場における男女共同参画の意義や、めざす姿勢などの共有化・深掘りに力を入れた。

 

今年2月には「女性活躍推進法(2015年8月成立)への各組合の的確な対応に向けた取り組みポイント」を確認し、これに沿った各組合の行動計画への関わり・フォローなどを推進。

 

浜田委員長は「特に営業現場は多くの女性が活躍する職場だが、まだまだ課題もある。すべての組合員にとって働きがい、生きがいの向上につながる重要な取り組みであり、今後も積極的に取り組んでいきたい」と力強く述べた。

 

16年春闘 営業支援策の充実勝ち取る

新委員長に大北隆典氏(朝日)が就任

 

「営業職員体制の発展」への取り組みでは、昨年度、「営業職員体制に関するプロジェクト」を設置。14回にわたる検討を重ね、ベストアドバイザー活動のより効果的な実践、長く働き続けられる環境整備に向けた提言を取りまとめた。

 

この提言の実現に向け、総合生活改善闘争を中心に各組合への支援をするとともに、内外への情報発信を継続的に行ってきた。

 

2016年春闘では、厳しい募集環境に直面している営業職員の挙績の安定、収入の向上を図るために、営業支援策の充実を最重要課題と位置づけ、取り組みの一層の強化を図り、次のような対応を引き出した。

 

①営業基盤

既契約者情報基盤の整備、家族の紹介につなげる取り組みの強化、職域開拓に向けた部署の新設など。

②商品

新商品の発売(新規主力、一時払い商品、介護保障付定期保険など)。

③お客さまサービス関係

保有・活動実績などに応じてポイントを付与する奨励策の導入、家族説明制度登録件数に応じた評価の実施、告知書の見直し、お客さま向けウェブサイトの導入など。

④販売条件

新商品・主力商品販売に対する成績評価の引き上げ、重複契約基準の緩和、告知範囲の見直しなど。

⑤教育

提案力強化に向けたツールの作成、同行指導に対する評価の実施、新人層に応じたインセンティブの支給など。

⑥機関長・機関長補佐への支援

採用支援ツールの開発、採用奨励策の実施、採用ノウハウ・スキル向上に向けた取り組みの実施など。

⑦業務負担軽減

活動日誌・業務報告書の電子化、機関支援を行う職員の配置範囲の拡大、事務業務削減の推進など。

⑧イメージ向上

テレビスポットCM・テレビ番組の提供、新商品のプロモーションの実施など。

⑨IT

端末貸与料の引き下げ、端末の機能強化、システムの安定稼働に向けた対応など。

 

営業職員(組合員数)の減少傾向は続いている。昨年4月が約17万人で、前年から約2300人の減少。今年1年はほぼ横ばいで推移。

 

2016年は東日本大震災から5年目。生保労連は今年3月22日、絆フォーラム「地域における『絆』『つながり』について考える」を開催。

 

「あらためて、地域における『絆』『つながり』の大切さや、地域社会において産業・企業と働くものがどのように貢献していけるのかを共有した」と浜田委員長。

 

本部役員の改選では、浜田委員長が退任し、新委員長に大北隆典氏(朝日)が就任した。

 

〈大北新委員長の挨拶〉

社会から共感・信頼得られる運動目指す

 

しゃしん おおきたしんいいんちょう2009年の大会で「ニューチャレンジ宣言」を確認してから7年が経過した。「ニューチャレンジ宣言」が向う10年の運動の方向性を定めたことを考えると、2016年度は最終コーナーに差し掛かったところと言える。「ニューチャレンジ宣言」で確認した「社会から共感・信頼を得られる運動」をめざし、引き続き取り組んでいきたい。

 

生保産業の置かれた状況は厳しさを増している。今後もお客さま・社会の信頼の応えていくためには「お客さまから選ばれる営業職員」を育成することが重要だ。その責務は労働組合、経営双方にあり、生保労連としてもそのミッションをしっかり果たしていきたい。

 

〈2016年度本部役員(専従)〉

中央執行委員長=大北隆典(朝日)▼中央副執行委員長=中村博文(住友)、藤本英和(ジブラルタ)、川添浩良(日本)、高橋桂子(三井)▼中央書記長=宮本進平(明治安田)▼中央副書記長=日下部大樹(第一)▼特別中央執行委員=加納充(日本)

 

 

2面 四半期業績

 

16年度第1四半期業績

個人新契約、前年同期比94%と減少

 

個人保険新契約金額の全社合計は、16兆2230億円で前年同期比(以下同じ)94.0%で前年を下回った。住友は5.2%と大幅に減少し、日本、第一、明治安田の大手も10%以上の減少だった。

 

個人年金新契約は2兆1259億円の106.2%と伸展。個人年金販売会社25社中、12社が前年同期を上回り、特に個人保険では減少した住友188.1%、第一157.8%、日本1414.4%などと大きく増加したことが主な要因。

 

保有契約は個人保険が856兆4050億円(対前年度末比99・7%)、個人年金が103兆3389億円(同99.8%)で、いずれも14年度末並みだった。

 

保険料は8兆6757億円で前年同期比94.6%と減少。第一87・8%、明治安田77.0%とやや不振だった。

 

産運用関連については、今期の資産運用収益は2兆5018億円で前年同期比94.8%。逆に資産運用費用は2兆7266億円で前年同期比710.0%と大幅に増加した。

 

注)下表において、

・新契約・保有契約の件数・金額および保険料の合計は生命保険協会「生命保険事業概況(全41社合計)」から。新契約件数・金額には転換分を含む。(表は抜粋です)

・件数は千件未満を、金額は億円を切り捨て。

・率は前年同期比、率は対15年度末比を表す。

(単位:件数=千件、金額=億円、率1・率2=%)

会社名 新契約 保険料
個人保険 個人年金  
    率1     率1   率1
ア ク サ 114 4,943 107.4 - - - 1,564 119.5
アクサダイレクト 6 270 141.3 - - - 7 122.9
朝   日 170 269 44.4 2 79 44.2 951 94.8
アメリカンファミリー 392 2,058 90.3 1 42 68.3 3,533 96.8
アリアンツ - - - - - - - -
AIG富士 34 4,015 372.6 - - - 353 137.4
SBI 0 23 - - - - 11 89.1
エヌエヌ 12 5,889 99 - - - 869 107.1
オリックス 151 4,715 98.4 - - - 558 121.5
カーディフ 0 - - - - - 112 97.8
か ん ぽ 673 22,183 129 10 397 55.1 14,135 104.7
クレディ・アグリコル - - - 2 95 41.7 108 45.5
ジブラルタ 97 8,867 109.2 8 327 57.5 3,333 103.7
住   友 184 487 5.2 100 4,711 188.1 7,618 102.8
ソ ニ ー 135 11,883 94.4 14 716 110 2,407 94.7
ソニーライフ・エイゴン - - - 3 224 100.6 224 101.1
損保ジャパン日本興亜ひまわり 94 5,281 97.4 0 31 275 967 105.4
第   一 230 4,301 89.5 54 3,215 157.8 6,369 87.8
第一フロンティア 12 974 71.7 20 1,163 43.8 2,022 53.5
大   同 49 8,986 103.5 1 109 132.3 1,865 102.9
太   陽 343 6,316 94.4 16 610 171.3 1,688 84.1
チューリッヒ 48 669 104.1 - - - 49 159.8
T&Dフィナンシャル 3 396 63.7 - - - 208 42.7
東京海上日動あんしん 129 7,087 105.4 4 237 11.4 1,994 107.9
日   本 975 17,277 83.4 71 4,184 141.4 12,279 96.7
ネオファースト 4 22 44926 - - - 10 113.4
富   国 102 4,103 92.5 5 202 65 1,979 114.4
フコクしんらい 8 379 84.4 7 281 127.8 471 104.7
プルデンシャル 78 9,771 101.4 - - - 1,717 103
PGF 13 1,363 81.5 0 7 37.5 741 77.9
マスミューチュアル 1 450 58.3 6 692 105.9 1,053 82.9
マニュライフ 43 5,682 98.1 11 907 535.9 1,609 117.8
三   井 60 2,250 85.9 1 127 35.4 1,257 90.5
三井住友海上あいおい 70 4,892 85.3 1 65 111.2 1,136 101.5
三井住友海上プライマリー 40 2,014 94.6 5 320 67.2 2,439 89.5
み ど り 8 60 137.9 - - - 14 118.3
明治安田 219 5,235 76.8 48 2,345 115.9 7,484 77
メットライフ 197 7,275 81.2 3 162 47.1 3,454 96
メディケア 24 1,165 316.4 - - - 57 113.7
ライフネット 7 433 95.2 - - - 23 106.8
楽   天 81 229 97.1 - - - 69 101.1
合計 4,825 162,230 94 404 21,259 106.2 86,757 94.6

3面 高齢社会

 

ジェロントロジー

ニッセイ基礎研究所 前田 展弘

 

ジェロントロジーと「健康経営」の相互の関係性は深い。しかし、50代が不安を抱えて仕事をしている事実は健康経営としても見過ごせない。2つのことを提案したい。①リタイアメント研修の見直し②退職従業員に対する働きかけ。

 

6面 法人開拓

 

法人開拓のABC 税理士 池谷 和久

ドクターの心をつかむ基礎知識⑧

退職金は本当に退職しないと否認

 

今回は「持分無しの医療法人」が残余財産没収防止のために実施する「金庫空っぽ財務戦略」の「③解散時の残余財産を相殺できる退職金を事前に積み立てておく」作戦を検討します。

 

 

7面 社会保障

 

社会保障なんでも相談センター

国民年金保険料猶予制度の改正内容とは

社会保険労務士 園部喜美春

 

[Hさん]保険料免除制度が、中年世代まで拡大されると聞いたのですが。[園部]30歳までの若年者の保険料猶予制度が、50歳まで拡大されることですね。[Hさん]免除ではないのですね?

 

8〜9面 販売支援

 

コミュニケーション・ツール

就労不能を想定したライフプランを立てる

 

私傷病による休職。同額の賃金を支給するのは3カ月までなら約34%ありますが、半年を超すと約15%に。1年を超すと無給が3割以上に増えます。不足する所得をどうカバーしていきますか?

 

10面 新商品

 

明治安田生命

「かんたん保険シリーズ ライト!By  明治安田生命」

 

このシリーズは10月2日にスタートするが、このシリーズ用の第一弾商品として「明治安田生命自分の積み立て」「明治安田生命ひとくち終身」を新たに発売する。20代、30代をターゲットにする。

 

11面 新商品

 

第一生命

「TOP PLAN  エクシードU」

 

法人向けの生活障害年金定期保険で、同社の「一生涯のパートナーWith You プロジェクト」の一環。要介護により経営に携われなくなった経営者に安心を提供する。

 

14面 営業現場

 

優績へのナビゲーション

ホテルで成長の糧つかむ

 

この職域と水が合ったのは、①ホテルが醸し出す開かれた社交場のムード②躾の行き届いた従業員の礼儀正しい応接態度③出入りしているライバル他社のセールスとフェアに競い合える、の3点だった。

 

[トピック]

 

●乗合代理店業務を本格展開

NTTドコモが保険の乗合募集代理店に進出─NTTドコモは9月1日、ドコモショップで「ドコモでほけん相談」を開始した。

携帯キャリアでは、KDDIがライフネット生命と業務提携して「auの生命ほけん」を販売しているが、乗合代理店ビジネスはNTTドコモが初めて。

 

NTTドコモは、ドコモショップで乗り合いの生命募集代理店業務を展開するために、昨年10月、日本生命と事業提携の構築で合意した。日生は、生保販売事業の提携パートナーとして、生保事業ノウハウの提供、スタッフ育成、業務運営体制の整備など、事業の立ち上げに向けて支援を行ってきた。

 

取り扱い生保は日本生命をはじめ、日生グループの三井生命、オリックス生命、ネオファースト生命、メディケア生命、東京海上日動あんしん生命、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、三井住友海上あいおい生命の計8社。

 

損保では、東京海上日動火災を取り扱う。両社は2010年3月に包括的な業務提携を交わした。これまで「ドコモワンタイム保険」(2010年4月)「1日自動車保険」(11年10月)「ドコモサイクル保険」(14年3月)を発売。同商品のメインチャネルは携帯電話で、手軽に加入できるのが特長だったが、今回のショップ展開にも商品を提供する。

 

「ドコモでほけん相談」の第一弾は、ドコモショップ11店舗(東京都6、千葉県2、埼玉2、山梨県1)でスタート。ドコモショップの大半は、NTTドコモと契約した運営会社がショップを運営しており、保険会社はNTTドコモと運営会社それぞれと募集代理店業務委託契約を結んでいる。募集形態は共同募集など。

 

ドコモショップでの保険相談のプロセスは次のとおり。

①マネーや保険に関する「ほけん無料セミナー」を開催。

②もっと詳しい内容を知りたい人は「ほけん相談専用カウンター」で、保険専門スタッフが個別相談をする。

③保険の申し込みを希望すると、加入手続きもできる。

④加入後の各種手続きなどのアフターサポートは保険専用のコールセンター(10時〜18時)でも行う。

 

「ほけん無料セミナー」のテーマは、マネー、医療保険、生命保険などで、時間は約30分。

保険専門スタッフは、ドコモショップの勤務経験者で、3カ月以上の研修を受け、生命保険募集人資格などを取得。

今後の出店では、年度内に40店舗を計画。

 

●ヘルスケアで業界初のビジコン

第一生命とかんぽ生命は、NTTデータと連携して生保業界初のビジネスコンテストを行う。

同コンテストのテーマは「ヘルスケア」などで、国民のQOLの向上や健康寿命の延伸につながる保険商品・サービスの開発に活かす。2016年度内に実施する予定。

第一生命の「Ins Tech イノベーションチーム」と、かんぽ生命の「イノベーション推進室」との初めてのコラボレーションになる。

なお、同コンテストの概要はオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港からIns Tech Festa」で説明、11月14日に開催する。基調講演、テーマ説明、交流会などを行う。

同フォーラムはNTTデータが2013年から開催。その特別編として、3社はベンチャー企業とのネットワーク構築などに向け共催する。

 

●「も。」の加入者に生活習慣改善アプリ

SBI生命は、終身医療保険「も。」の加入者に健康管理や生活習慣改善のための「FiNCアプリ」を今秋から提供する。

モバイルヘルステクノロジーベンチャーの「FiNC」が開発した。

同アプリは、スマホを利用してライフログの蓄積ができるほか、チャットによる栄養士、トレーナー、薬剤師の健康相談や、悩みに合わせた生活習慣改善ソリューションを、人口知能を活用して提案する。 利用期間は加入者の利用開始から1年間。

今後、同アプリを通じて取得したデータと加入者の保険データをヒモ付けることで、健康状態の改善を考慮して保険料が変わる「パーソナル保険」の開発を進める。

なお、同社の保有件数は10・8万件(6月現在)。「も。」のほかにネット専用の「クリック定期」「今いる保険」(定期)などを販売。

 

●中学校・高校向け 防災教育副教材

日本損害保険協会は9月1日の防災の日に合わせ、中学校・高校で活用できる防災教育副教材を作成した。概要は次のとおり。

①1時限(約50分)で完結するプログラム。

②生徒用のワークシート、教師用の手引きで構成。手引きには回答のほか、解説や参考資料、授業展開案、指導上の留意点などを掲載。

③無料で提供。

同教材は家庭科での活用を意識して編集されている。「家庭科が衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動であることに着目した」という。

 

 

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