2016年11月25日 2793号紙面から

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日本生命 上・下半期運用の重点ポイント

 

ヘッジ外債 「クレジット」の受け皿を急ぐ

低金利長期化 国内債抑制し6400億減少

 

しゃしん さとうかずおざいむきかくぶちょうヘッジ外債は2兆1900億円の大幅な増加──日本生命は10月28日、2016年度下半期の一般勘定資産運用計画などを明らかにした。佐藤和夫財務企画部長(=写真)が説明した。

 

上半期の一般勘定資産残高(速報値)は61兆1300億円(6月末)で、8800億円(簿価ベース)増加した。

 

全体の75%を占める円金利資産残高は45兆5840億円。円金利以外の資産は23%の14兆3700億円。これまで通り、安定的にインカム収益を得られる円金利資産7割という構成は変わらない。

また、有価証券含み益は10兆3500億円。2015年度末の11兆667億円と比べると7100億円も減少。資産別では、国内債券の含み益は金利低下で1300億円増加したが、株安・円高を受けて国内株式が3400億円、外国証券が4900億円(うち外債は3600億円)それぞれ減少した。

 

主な資産ごとの残高と運用ポイントは次のとおり。

 

〈貸付〉 7兆2100億円(占率12%)。企業の資金需要は堅調だが、低金利下の継続、ほかの金融機関との競争が激しくなる中で1500億円の減少。

 

〈国内債券〉 26兆9700億円 (44%)。国内金利が低位で推移する中で、投資を抑制したので6400億円の減少。

 

〈ヘッジ外債〉 10兆300億円 (16%)。国内の低金利環境が継続することから、利回り確保のために積み増した。それに加え、ブレグジット(イギリスのEU離脱)などを背景に為替相場が不安定になる中で、すでに保有しているオープン外債をヘッジ外債に振り替えた。この結果、2兆1900億円の大幅な増加。

 

〈国内株式〉 7兆7600億円 (13%)。中長期的なポートフォリオの収益性向上に向け、個別銘柄を見ながら割高割安を判断して売買。1000億円の減。

 

〈オープン外債〉 2兆9000億円(5%)。ブレグジットなどの世界経済の不透明感を背景に、円高リスクががくすぶる中で、すでに保有しているオープン債からヘッジ外債への振り替えを行い、7300億円の減少。

 

国内融資 一定の競争力がある資産に

 

長期・安定的な収益の獲得に向けた取り組みの一つとして、クレジット領域に力を注ぐ。

国内融資では、新規開拓を進め、2600社を超えた。佐藤部長は「一定程度の競争力を有する資産になってきている」と指摘する。

その理由として、次の点を挙げる。

 

①国内融資は国内債に比べてレートの低下が緩やかなこと。

②ヘッジ外債はマイナス金利導入後、ヘッジコストが上昇していること。

 

また、海外クレジット投資は、2014年度に「クレジット投資部」を新設して以来、残高を2年半で約1兆円増加させた。「成長・新規領域」の投融資では2015年度以降、3年から5年で1兆円をめざす。この上半期でも約2500億円の実績で、15年度以降の累計は約6600億円にのぼる。

 

上半期には、Schroder IM、AXAIMの運用する「ESGクレジットファンド」、国際協力機構の「社会貢献債」、チリ国立銀行の「ウーマンボンド」に投資した。ESG領域への債券投資額は約1100億円を超えた。ESGは「Environment 」「Society 」 「Governance」の頭文字をとったもので、環境、社会、ガバナンスの3つの観点を重視した投資手法。

 

「これまでの投資ノウハウの蓄積を踏まえ、低金利下においても成長・新規領域への継続的な投資を実現するとともに、新たな投資領域をさらに拡大する」と佐藤部長。

 

テールリスク顕在化の検討開始

 

Q 海外クレジット投資の考え方は。投資妙味があるセクター、避けたほうがよいセクターは何か。

佐藤 景気の変動によって業績が大きくブレるセクターは見送りたい。エネルギーセクターのように先行きの不透明感が漂うセクターも見きわめが必要だ。

逆に株式投資にも言えることだが、事業構造が大きく変化してきている状況なので、より成長が見込めるセクターについて投資妙味があれば、株であれクレジットであれ投資をする。

 

Q 今年度から財務企画部に「運用力強化チーム」を新設した。どのようなことに取り組んでいるか。

佐藤 これまで自己資本を積み上げてきたので、一定程度のリスクバッファーは兼ね備えて、通常の為替変動リスク、金利変動リスクについては相応の態勢ができている。

いわゆる「テールリスク」(相場変動)のような「為替が円高になり、株価が急落をする」というように複合的に大きな影響をこうむるリスクが顕在化したときに、どう守るか、ということを検討する。発生頻度は低いが、発生すると影響が大きいテールリスクの検討を一部開始した。

 

Q 米国10年債を中心としたヘッジ外債は、ヘッジコストが上昇して、投資妙味が薄れている。今後、どのように対応していくのか。

佐藤 ヘッジ外債はこれまで、円金利資産のひとつの重要な待機資産として、低金利で利回りを上げていく大きなドライバーになってきた。しかし、足元のヘッジコスト上昇を考えるとその役割は徐々に終わりを迎えつつある。

いわゆる通常のプレーンな政府債にヘッジを付けたヘッジ外債は、徐々に出口を模索していく段階になる。業界全体としてボリュームが大きくなっており、低金利が長期化する蓋然性が高まっている中で、次の資産をどう見つけていくか。

日生としては、クレジットで受けられる受け皿を早急に作り、マーケットでプレゼンスを発揮していくことが必要だ。

 

Q 超長期債への投資スタンスは。

佐藤 今年度、現在の負債コストを踏まえると、超長期債が0・4%や0・5%の水準のままでは投資対象にならない。最低でも1%程度に戻らないと……。

 

Q 来年4月、平準払いの標準利率が1%から0・25%に引き下げられ、同時に予定利率も下がる。そうなると投資対象になってくるか。

佐藤 予定利率の見直しは今後のことだが、引き下げられた予定利率に見合う水準に、超長期債の金利水準がセットされれば購入する可能性はある。

 

 

2面 少額短期

 

日本少額短期保険協会

16年度上半期保険相談

 

一般社団法人 日本少額短期保険協会が「少額短期ほけん相談室レポート」を公表した。ここでは2016年度上半期(2016年4月〜9月)の相談・苦情・紛争解決手段手続きの運営状況が開示されている。

 

3面 マーケティング

 

新・消費者心理を探る15

ニッセイ基礎研究所 井上  智紀

 

シニア層は、老後に向けた資産形成をどのように行っているのでしょうか。貯蓄現在高は平均で50代が1519万円、60代が1839万円。内訳をみると、50代、60代ともに「定期性預貯金」が最も多く、次いで「生命保険など」が続いています。

 

4〜5面 保険需要

 

個人家計の保険需要を探る

第5回見込み客をどの段階でとらえるか?

小山浩一

 

当初の「ニーズから経済準備意向」段階で顧客を捉えるより、預貯金準備段階の顧客を捉えたほうが生命保険需要へは3・3倍速く近づくし、その段階の顧客の方が多い計算になる。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

[番外編]法人でのアプローチに行き詰まり

奥田 雅也

 

保険を売ることを目的にするのではなく、経営者のパートナーとしてお役立ちすることを目指せば、保険販売は一つの解決策であり手段でしかなくなります。保険を「目的」にするか「手段」にするか?

 

7面 育成力アップ

 

クロスセリングで人材育成

幸久  大

 

外国人が交通事故の当事者になるケースが増えています。損害保険会社の自動車保険損害調査の現場では、言葉も考え方も異なる相手に損害調査・示談交渉が必要になり、対応に四苦八苦のようです。

 

8〜9面 活動確認

 

ランクアップチェックシート

売りづらい時代のセールストーク

 

業界の動きにリンクしながら編纂してきた「ランク・アップ・チェックシート」の中から、この1年お問い合わせが多く、特に再確認しておきたい6項目を選び、ポイント整理と応酬話法例を記載する。

 

10面 新商品

 

メディケア生命

「メディフィットリターン」

 

アピールポイントは、健康還付給付割合が105%場合、所定の年齢に達すると払込保険料の105%が戻る点。「掛け捨てはもったいないし、しっかりとした医療保障もほしい」という声に応えた。

 

[トピック]

 

保険代理店に提供 24のシミュレーション

マニュライフ生命はタブレット用アプリ「Let's Life Plan」の保険代理店への提供を開始した。

同アプリは、顧客の資産運用情報、住宅ローンなどの金融情報を入力すると、顧客のキャッシュフローを予測し、保険の必要保障額や資産の運用効果などを試算する。主な機能は次のとおり。

①必要保障額のシミュレーション

②相続税・生前贈与額の試算

③外貨積立シミュレーション

④住宅ローン借換えシミュレーション

⑤教育費シミュレーション

「24項目に上るシミュレーション機能で、お客さまの総合的な金融ニーズをその場で分かりやすく示せる」という。

なお、同アプリは昨年公表した金融機関向けをもとに大幅に機能を追加したもの。

 

会津若松市のIoT ヘルスケア事業に参画

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、「会津若松スマートウェルネスシティ IoTヘルスケアプラットフォーム事業」に参画する。

同事業の背景には、総務省「IoTサービス創出支援事業」があり、これは日常生活に身近な分野におけるIoTサービスのモデルを構築し、課題の解決に向けた検証が狙い。

会津若松市(福島県)は、健康診断や健康管理・疾病予防などのデータを収集し活用する仕組みの整備、健康・医療関連データを、民間企業が利用して、新たなサービスを生み出すためのルール整理についての実証を行う。

ひまわり生命は、健康サービスブランド「リンククロス」を展開。「今後も健康をテクノロジーでつなぐヘルステックへの対応を進めたい」という。

また、10月から健康キュレーションメディア「リンククロス シル」をスマホのアプリとして、契約者などに提供。リンククロスとして提供する初の健康関連サービス。

DeSCヘルスケアと業務提携し、医師のコラム、栄養管理士のお手軽健康レシピ、すぐに役立つ健康トリビアなどの情報を毎日更新。読んだ記事に応じて、最適な記事が配信される。イベントやキャンペーンも定期的に実施する。

 

 

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