2016年9月23日 2785号紙面から

次週号

 

全労済「Zー60」に向け組織改革

 

6統括本部で「居住域」推進強化

接点業務に3割増の1162名

 

組織改革のさらなる進化をめざす──全労済は8月30日、東京・代々木の全労済ホール(スペース・ゼロ)で「第123回通常総会」を開催した。

 

全労済は2014年度、中期経営政策「「Zetwork︱60」(略称はZ︱60)を打ち出した。創立60周年を迎える17年度までの4年間を対象に、「事業の回復」「常に健全な事業基盤の確立」を最重点目標に掲げる。

 

事業業績では主要指標の契約高、共済掛金の減少が続く。15年度(15年6月〜16年5月)も契約高は前年度1・3%減の765兆円、共済掛金は0・6%減の5908億円と減少傾向に歯止めがかからなかった。

 

この最重点目標の達成に向け、3つの改革に全社挙げて取り組んでいる。 事業構造改革、組織改革、意識改革の3つで、中世古廣司理事(=写真)は「創立60周年という、組織としての還暦を迎える2017年度において、私たち自身が新たに生まれ変わろうとするものだ」と語気を強める。

 

同総会で「組織改革実行プログラム」を承認し、2016年度はこれを果敢に実践する。

 

同プログラムのポイントは次の8項目。

①間接業務から組合員接点業務に職員をシフト

②協力団体・共済代理店推進機能により注力した事業推進体制の構築

③広域化する組合員の生活エリアに対応した効果的、効率的な事業推進体制の構築

④組合員の代表が運営に参加できるしくみ

⑤経営段階を3部門制から2部門制に改革

⑥経営の基本単位をマーケットに応じて46単位本部から6統括本部に再編

⑦都道府県に「推進本部」を設置

⑧次世代システムの開発と業務全般の検証・再構築

 

新しい組織体制では「統括本部」が統合事業の基本単位となり、複数県域で構成し、「居住域推進機能」を担う。今後、域内のエリアを一体的に捉え「エリア・店舗・訪問推進」を展開する。

 

例えば、関東統括本部は東京に拠点を置き、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨の各推進本部を統括していく。

 

組合員接点業務への職員シフトでは、268人を増員して1162名にする。これは、現状の894人から約30%の増員となる。

 

また、事業目標として、本部と統括本部で「共済掛金」を設定、推進本部は「共済別・チャネル別の推進目標」を設定し、それぞれ達成責任を負う。

 

今後のスケジュールは、統括本部設立検討委員会を9月に「統括本部設立準備委員会」に改組し、実行準備を進め、来年9月に新たな組織体制をスタートする

なお、職域事業本部の組織改革は16年度から検討に着手する。

 

「よみきかせ会」で防災意識高める

 

社会貢献活動では、「防災・減災活動」「環境保全活動」「子どもの健全育成活動」の3つの分野を中心に取り組んでいる。

 

防災・減災活動の中では、保育園や幼稚園で「よみきかせ会」を実施。2012年11月、岩手県、宮城県、福島県や東京都でスタート。東日本大地震の被災地や避難中の子どもたちの健全な育成が狙い。

 

その後、大阪府、兵庫県、愛知県などで実施し、これまでに172カ所の保育園や幼稚園などで、延べ1万7160人が参加。今年度もすでに愛知と高知で実施し、宮城、東京、大分などで予定している。

 

また、冊子「じしんがきたらぼうさいえほん」(A5判・20㌻)を作成。家庭に防災意識を普及させるのが狙い。「ねているときにじしんがきたら」などの問いかけを通じて、どのようの行動したらよいかを学べるように構成。これまでに約3万部を配布。

 

東京都内の「よみきかせ会」(写真)では、大きく拡大した「えほん」を読み、参加した子どもにミニサイズをプレゼントした。

 

15年度業績 契約高、掛金が目標下回る

 

2015年度(15年6月〜16年5月)の契約高は765兆円、共済掛金は5908億円と目標達成率はそれぞれ1・3%減、0・6%減となり、目標未達となった。14年度と比べても微減となっている。

 

保有件数も減少傾向に歯止めがかからなかった。ここ7年間の推移は、06年度の3610万件をピークに4年連続減少したが、11年度に反転。しかし、12年度から前年度を下回り、15年度も55万件減の3317万件となり、4年連続の減少となった。

 

共済別の件数では、トップは「住まいる共済(火災共済、自然災害共済)」の647万件。住まいる共済は昨年2月に制度改定。15年は店舗で全国統一キャンペーン(15年9月、16年2月)を実施するなど推進を強化した。類焼損害補償特約、個人賠償責任共済特約の付帯世帯が大幅に増加。

 

一方、こくみん共済の613万件だが、前年度と比べ15万件の減少。2位は団体生命共済で10万件減少の552万件、交通災害共済も9万件減の301万件。また、共済掛金は5908億円。13年度に6000億円に乗ったが、14年度は5959億円となり、15年度はさらに減少。

 

一方、共済金の支払いは、12億円増の3229億円。件数は3・4万件増の207万9000件。

 

経常剰余は前年度と比べ92億円減の819億円。これは過去3番目に低い水準。組合員(契約者)への割戻金は385億円、前年度とほぼ同額。内訳は団体定期生命共済155億円、こくみん共済187億円、個人長期生命共済34億円、新団体年金共済10億円。新団体年金共済は新たに利差割り戻しを行った。

 

基礎利益は32億円増の1436億円、うち危険差益は42億円増加して1420億円。また、「責任準備金・自己資本積立計画」では、2017年度末に1兆1500億円を目標にしており、15年末に1兆943億円まで積み立て、達成率は95・2%となった。

 

 

第一生命 引受拡大で「予測モデル」構築

 

日立と「医療ビックデータ」活用

 

第一生命は9月6日、日立製作所と「医療ビックデータ」を生保ビジネスに活用するための共同研究を開始したと発表した。同社は保険アンダーライティング機能の高度化を目指し、次のような取り組みを進める。

 

①引受範囲の拡大

②商品・サービス開発への応用

③最先端解析技術の活用研究

 

引受範囲の拡大については、健康診断の結果と健診受診後の入院・手術などとの関係を分析し、将来の疾病罹患の予測に加え、その重症度や続発症、併発症などの予後の状況を予測するモデルを構築する。

 

今後、健康上のリスクが高い層向けに、リスクベースドプライシングによる引受基準緩和型などの開発を検討する。「これまで持病や病歴などで加入できなかったお客さまも加入できる仕組みを考えたい」という。

 

さらに、介護や高額医療費の疾患につながりやすい因子を解析し、疾病予防や健康増進に資する情報提供や新しい商品・開発も検討する。

 

また、「医療データ・サイエンスティスト」の育成・強化も図る。

日立は2014年、日立健康保険組合と「医療費予測技術」を共同開発した。健保組合の「健診データ」と、レセプトデータをもとに、生活習慣病の発生率と医療費総額を予測するもの。組合員などの健康改善や医療費抑制に効果を上げているという。

 

第一生命グループは、「InsTech(インステック)」を最優先の戦略課題として、グループ全体で推進。保険ビジネス(Insurance)とテクノロジー(Technology)の両面から生保事業独自のイノベーションを推進していくもので、特に重要なテーマとして、医療ビックデータの活用に力を入れている。

 

同社はすでに、約1000万人の医療ビックデータの解析を新商品開発や引受範囲の拡大に活かしている。

 

「今回の共同研究を通じて、『確かな安全』と『健康サポート』を拡充し、健康寿命の延伸につながるサービス・サポートの強化、生保事業のイノベーション創出に向けた取り組みを進めたい」という。

 

なお、第一生命は藤田健康衛生大学、日本アイ・ビー・エムと共同で、疾病発症リスク予測や重篤化防止に向けた検討も開始した。疾患領域として糖尿病を挙げる。

 

大同生命

 

「医療用HAL」で保険開発へ

 

大同生命は、「医療用HAL」(写真)を用いた特定の疾病治療に対し、治療費用負担軽減のための保険商品の開発をめざす。同社はサイバーダイン社と業務提携を行った。

 

医療用HALはサイバーダイン社が開発・提供するロボットスーツで、身体機能を改善・補助・拡張・再生する世界初のサイボーグ型ロボット。

 

昨年11月、神経・筋難病疾患患者を対象に、新医療機器として製造販売承認を取得し、今年4月にはロボット治療として世界で初めて公的医療保険の償還価格が決まった。

 

国立病院機構新潟病院・徳島病院では9月2日から、神経・筋難病疾患者向けに公的な医療保険診療を開始している。

 

「今後、両社の幅広い分野でサイバニクスと保険の協働によるシナジーを発揮し、健康で豊かな社会づくりに貢献したい」という。

 

なお、サイバニクスは新しい学術領域で、サイバネティクス、メカトロニクス、インフォマティクスを中心に、脳、神経科学、IT、ロボット工学、倫理、経営などを融合したもの。サイバーダイン社の社長である、山海嘉之筑波大学教授が創設した。

 

2面 保険流通

 

斬新な着眼点で埋もれた保険ニーズ発掘

少短に無限の可能性見出す

 

家財保険のマーケットで常に成長軌道を描いてきた日本少額短期保険。創業家を離れ、SBIグループ入りした五十嵐正明新社長に、車両保険を中心とした第二の事業の柱など幅広い論点で聞く。

 

3面 リスク管理

 

リスクのお話 17回目

大人の引きこもりリスク

深澤リスク研究所 代表 深澤 茂樹

 

大人の引きこもりはそのまま放置すると、そこから抜け出せなくなることが多い。治療において考えられがちな「就労」をゴールと考えないで、まず親密な対人関係を複数持てるようにすることが大事だ。

 

8〜9面 活動確認

 

下期・新年度に向け販売環境の変化に備える

保険料アップの落としどころ探る

 

マイナス金利の影響により、来年4月には標準利率は0.25%までの低下が予想され、販売商品の再編成も考えられます。現状確認と年度内にすべきこと、来期へ向け一足早い対応をまとめました。

 

4〜5面 保険需要

 

個人家計の保険需要を探る

③リスク認知はどのように生保需要へ結びつくか

ブレークオンスルー 代表 小山 浩一

 

「リスク認知」というのは、抽象的な一括概念ですが、もともとリスク認知は、ある事象が起きた時の経済的な不安感や不足感を意味しており、これ自体、内容で区分することが可能なはずです。

 

6面 法人営業

 

実践!法人契約獲得のケーススタディー

第七次医療法改正で問題点浮上

サンライズコーポレーション 代表取締役 奥田雅也

 

医療法人の理事長から「第七次医療法改正により、ガバナンス強化と関連事業者との報告が義務付けられますが、当医への影響と生命保険契約の関係を教えて貰えませんか」との相談を受けました。

 

 

7面 育成力アップ

 

「不妊治療保険」の幕開け

地方自治体ごとに不妊治療助成制度も

 

今回は「不妊治療」と保険を考察していきます。不妊治療保険は、2016年4月に保険業法を改正し解禁になりました。その不妊治療保険の前提となる「不妊」とは、どういう状態を指すのでしょうか。

 

10面 新商品

 

日本生命 「ChouChou(シュシュ)」

業界初 出産と特定不妊治療を保障

 

日本生命は10月2日、女性向けに「ニッセイ出産サポート給付金付3大疾病保障保険〈Chou Chou(シュシュ)」を発売する。

 

「シュシュ」の特長は、3大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)や死亡時の保障に加え、出産時の給付や特定不妊治療の保障、満期一時金を組み込んでいること。

 

同社は「シュシュ」の開発背景として次の点を挙げる。

①女性の場合、3大疾病、特にガン(悪性新生物)は、女性にとっても大きなリスクとなっており、15歳〜39歳の女性については、20年前に比べて、乳ガンが約1・7倍、子宮ガンが約2・4倍に増加している。

 

②晩婚化に伴う出産年齢の高齢化などを背景に、不妊に関して実際に検査や治療を受けたことがある夫婦の割合は増加傾向にあり、現在、約6組に1組(16・4%)となっている。

うち、公的医療保険制度の対象外で全額自己負担となる「特定不妊治療」については、公的助成制度があるものの、助成金のみでは治療費を賄えないケースがあり、経済的な負担が大きくなっている。

 

特定不妊治療の保障は、平成28年4月1日施行の保険業法施行規則の改正により、不妊治療に係る保険の引き受けが解禁されたことを受けたもので、出産時の給付と特定不妊治療の保障により出産をサポートする商品は業界初。

 

■保障内容

①3大疾病保険金

3大疾病を発病した場合、300万円を支払う。支払限度は1回。

・ガン(悪性新生物)

被保険者が期間中に、責任開始時前を含めて初めてガン(悪性新生物)と診断確定されたとき

・急性心筋梗塞

被保険者が期間中に、責任開始以後の疾病を原因として急性心筋梗塞を発病し、次の⑴または⑵に該当したとき。

⑴初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと診断されたとき

⑵急性心筋梗塞の治療ための手術を受けたとき

 

・脳卒中

被保険者が期間中に、責任開始以後の疾病を原因として、脳卒中を発病し、次の⑴または⑵に該当したとき。

⑴初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、他覚的な神経学的後遺症が継続したと診断されたとき

⑵脳卒中の治療ための手術を受けたとき

 

②上皮内新生物診断保険金

上皮内新生物を発病した場合、30万円を支払う。支払限度は1回。

被保険者が期間中に、責任開始時前を含めて初めてガン(上皮内新生物など)と診断確定されたとき。なお、上皮内新生物診断保険金を支払った後も、3大疾病保険金・死亡保険金・出産給付金・特定不妊治療給付金・満期一時金は支払対象となる。

 

③死亡保険金

被保険者が期間中に死亡したとき、300万円を支払う。

 

④出産給付金

被保険者が期間中に所定の出産をしたとき、回数に応じて給付金を支払う。支払限度はない。出産に対する保障は、責任開始の日から1年を経過した後に保障を開始する。

・1回目 10万円

・2回目 30万円

・3回目 50万円

・4回目 70万円

・5回目以降 1回につき100万円

 

⑤特定不妊治療給付金

被保険者が期間中に所定の特定不妊治療(体外受精・顕微授精の治療過程で受けた採卵または胚移植)を受けたとき、回数に応じて給付金を支払う。支払限度は12回。特定不妊治療出産に対する保障は、責任開始の日から1年を経過した後。特定不妊治療出産に対する保障は、責任開始の 日から2年を経過した後に保障開始する。

・1回目〜6回目 1回につき5万円

・7回目〜12回目 1回につき10万円

 

⑥満期一時金

被保険者が保険期間満了時に生存していたとき、所定の金額を支払う。

・保険期間10年の場合

100万円+5000円×給付金支払回数︱給付金支払額

・保険期間15年の場合

150万円+5000円×給付金支払回数︱給付金支払額

・保険期間20年の場合

200万円+5000円×給付金支払回数︱給付金支払額

 

■取扱概要

①保険期間 10年、15年、20年

②被保険者 女性のみ

③契約年齢

・保険期間10年 16歳〜40歳

・保険期間15年 16歳〜35歳

・保険期間20年 16歳〜30歳

④保険料払込期間 全期払い

⑤保険料払込方法 月払い、年払い

 

■保険料例

表1のとおり。ただし、月払い、口座振替扱いの場合。

 

 

制作 株式会社保険社 保険情報・ネットソリューション・チーム

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